桜庭裕一郎 / ひとりぼっちのハブラシ (UNIVERSAL) CD

桜庭裕一郎 / ひとりぼっちのハブラシ (UNIVERSAL)
http://web.archive.org/web/20030801184913/www.fujitv.co.jp/muko2003/sakuraba/

なんかものすごく唐突なんだけど、久しぶりに聴いたら改めて名曲だと思ったので。
ということで、 TOKIO の長瀬智也がドラマ「ムコ殿」で演じた桜庭裕一郎名義で出したつんく作詞作曲によるシングル( TOKIO の “メッセージ” とのカップリング)。

そもそも桜庭裕一郎は、常に「抱かれたい男No.1」に選ばれるようなスターなのに、素顔は案外へたれ、みたいなキャラクターだったと思うんだけど、このシングルのジャケットでも胸をはだけて随分とカッコウつけているが、歌詞の方は相当情けない。

まぁタイトルが「ひとりぼっちのハブラシ」っていう時点でかっこいいも何もないのだが、内容としては同棲してた家を出て行った彼女への思いを歌ったもの。似たようなものとしては沢田研二の “勝手にしやがれ” なんてのがありますが(例えが古くてすいませんね)、あちらは最低限男の意地みたいなものがあったのとは対照的に、ここでの彼は徹底して後ろ向きだ。

幸せだったときと同じようにカガミの前に2つ並んでいるのに、自分のだけが使い古されていくハブラシを見て嘆くばかり。そして自分に非があるのが分かっているにもかかわらず、「俺は待ってる 信じて待つよ」と聞こえの良い事は言うものの、結局自分から動こうとはしない。これだけでもかなり情けないのに、挙句の果てには「ねぇ 君は 愛の続きを ねぇ 誰としてる?」と彼女に思いをはせるのだが、おそらく彼女がしているのは「愛の続き」ではなく「新しい愛」だろう。

つまりここで歌われる男は、後ろを向きすぎるあまり現状認識が全く出来ていないダメな男なわけだが、じゃぁこの男のことをバカだと一笑にふせるかというとそれも違う。なぜなら大部分の男がかっこいい恋愛ばかりしているわけではない、この情けない男とそれほど変わらないからで、多分私も同じような状況になったらただハブラシを眺めることしか出来ないだろう。

そしてそんな曲を歌う長瀬くんも、決して上手くはないものの情感のこもった歌声を聴かせてくれていて、非常に心に響く。
一般的には単なるドラマ発の企画モノなのだろうが、個人的にはこれからもずっと聴き続けていきたい名曲だ。



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