Chemical Brothers/Push The ButtonとFlip The Switch

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ケミカルのアルバムってCCCDなんで発売されてから買おうかどうかずっと悩んでたんだけれども、ちょうどこちらでこのアルバムを落とせる所を紹介してくれているので早速ダウン・ロード。ついでにここで紹介している『Push THE Button』の非公式Remix集も一緒に。
 
ケミカルってアルバム何枚か持っているものの今まであんまり良いと思ったことないんですよね。でも今回のは案外好きかも。まぁ、音のほうは相当ダサい。やたらと大袈裟な音や展開がてんこ盛りで、ちょっと聴いてて恥ずかしくなるくらい。でもね、この人たちってインタビュー読むと、自分達の作り出している音楽こそが最新のものである、って信じて疑ってない感じがするんですよね。そこら辺が嫌味な感じがせずに、逆に無邪気さとして音に表れている気がするんですよね、今回のアルバムには。それに今作はブレイク・ビーツに立ち返ったような作風で、しかもこの無意味に派手な感じと相まって、最近の米国メインストリームに近い感じがするのも結構興味深い。
 
あと個人的にケミカルといって思い出すのは第一回目のワイアーなんですよね。そこで電気の後に登場したウェストバムがケミカルの”Hey Boy Hey Girl”を頭一発目にかけたんだけど、その時の盛り上がりっぷりがすごかったんですよね。だからこの人達の音楽は家で寂しく聴くよりは、大箱で聴いて何ぼなのかなという気もします。
 
リミックス集のほうは、音楽的に言えばこちらの方がはるかに面白いです。特にオリジナルに女性ヴォーカルの”Across THE Universe”を乗っけた”Surface To Air”の嵌まり具合は最高。他の曲もクラブ仕様にかっこよくリミックスされているのでお勧めです。

CARI LEKEBUSCH/THE ARCHITECT(Truesoul)CD

the architect
http://www.lekebuschmusik.se/

昨年のテクノってなかなか豊作だったと思うんだけど、どれもイマイチ決め手に欠けたというか、傑作が多かったかわりにその年を代表するようなアルバムが少なかったように思います。これもそんな印象でしょうか。
カリ・レケブシュといえばスウェディッシュ・テクノを代表する存在ですが、今回の新作は自身のH-PRODUCTIONSからではなくアダム・ベイヤーのTruesoulから。Truesoulといえば、ハード・ミニマルで鳴らしたベイヤーが突然デトロイト・フォロアーになったアルバム『Ignition Key』を発表するために立ち上げたレーベル。で、この2作ってわりと似通った雰囲気が感じられるんですよね。
今までのレケブシュってハデめのハード・ミニマルというような印象だったのだけれども、今作ではがらりと作風が変わって全体的に柔らかくなった感じなのだけれども、これがとても良い。まず1曲目のタイトル・トラックのゆったりした始まりからして今までと違うのだけれども、意外とハウスからの影響が感じられるんですよね。そして今までのガシガシしたたてノリではなく、艶やかともいえるグルーヴがとても心地よい。そして曲全体を包み込むような穏やかなストリングスがまた美しい。でも彼がまんまハウスに鞍替えしたのかというとそんな事はなくて、音の作りはしっかりとテクノなんですよね。
これ以降もBPMが抑え目のトラックが続くんですが、ストリングスを入れたからといって彼までもがデトロイト・フォロアーになったわけではなく、きちんと独自の世界を作り上げていてもう素晴らしいの一言です。
でね、ここまでなら昨年を代表する名盤に相応しかったと思うんだけど、中盤以降、最近の彼の傾向であるエレクトロ路線の曲が続くんですよね。で、これがちょっとなぁ・・・。まぁ、出来自体は全然悪くないのだけれど、前半の素晴らしさと比べるとどうも。でもさっき書いた艶やかなグルーヴというのは変わらないので、作品の流れは良いんですけどね。
今度はぜひアルバム全部1曲目のような路線でいってほしいなぁ。

あと彼のサイトからミスティック・レター・K名義で、オールドスクールなブレイク・ビーツのミックス音源が落とせます。これが彼のルーツが垣間見えるようでなかなか興味深い。

Clouseau/in every small town(EMI)CD

新年最初の音盤紹介は唐突に旧譜から。基本的にこのブログでは新譜のみを紹介するつもりだったんだけど、それだけだと幅が狭まるのでね。まぁ、本当は大掃除してたら懐かしくなっただけなのですが。
っていうかね、今年はやっぱりメタルですよ、メタル。何か昨日テスタメント聴いてそう思いました。ということで今までテクノを中心に紹介していた当ブログですが、これからはメタルの紹介も増やしていきたいなと。

in every small town
http://www.clouseau.be/

とか何とか書いておきながら、いきなりメタルじゃありません。ベルギーのグループの93年作。この前まで母国語でアルバムを発表していたらしいんだけど、これが英語アルバムの第2弾、ってここに書いてあった。で、新年一発目なんだからどれだけ凄い名盤かというとそんな事なくて、箸にも棒にも引っかからないといいますか、中庸という言葉が最もしっくりくるアルバムなんですね。音楽性は落ち着いた感じのポップ・ロックといいますか、ハードAORといいますか。しかしこのアルバムは長く聴けそうな中々の好盤なんですね。いきなり中庸とか書いたんでなんなんだけど、私中庸なのって全然嫌じゃないんですね。音のほうもヨーロッパっぽい湿り気とアメリカっぽい乾いた感じが上手い具合に溶け合っていてとても心地いいし、何よりメロディが全部良い。まぁ、その代わりこれといった特徴がなく、音楽にエッジを求める人には合わないと思うんだけど、普段ここで紹介しているようなのに比べればずっと聴きやすいと思うし、ロビン・ザンダーのソロとか好きだった人なら気に入るんじゃないかなと。
まぁ、ロビン・ザンダーを好きな人なんて今どきどのくらいいるのか知りませんが・・・・・・。

一応今でもバンドは地味に活動しているようですが(右のグラサンの人は抜けたのかな?)、オフィシャル・サイトのディスコグラフィのジャケを見るとカラーが違いすぎて今の音楽性かどんなものかさっぱり分かりません。まぁ、全曲試聴できるから問題ないんだけど。
因みにアマゾンでバンド名検索しても一件もヒットしませんでした(泣)。

Claro Intelecto/NEUROFIBRO(Ai)CD

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http://www.airecords.com/

今のテクノを語る上でエレクトロって外せない要素の一つだと思うんだけど、こちらで何度か書いてるように私はどうも苦手なんですね。どうもあのチャカポコした感じが・・・。で、このアルバムもレコ屋でエレクトロと紹介されてたのでちょっと不安だったのですが、これがなかなか良い。ジャケからしてエレクトロらしからぬ、どこか物悲しい雰囲気を漂わせておりますが、音のほうもエレクトロを基調としたテクノといった感じ。しかも全体的にメロウな質感で統一されていて、それがとても心地よい。ピアノを使った曲なんかエレクトロニカ好きにも好まれそうだし、後半の四つ打ちもかっちょいい。

ところで上記のサイトのアーティスト紹介見ると、「CLARO INTELECTO. AKA MARK STEWART」って書いてあるんだけど、マーク・スチュアートってあのポップ・グループの人のことかしら。一応写真も載ってるんだけど、私はポップ・グループも聴いた事がないような人なので分かりません。でもそのマーク・スチュアートだったらもっと話題になってるか・・。

crackhaus/spells disaster…(mutek)CD

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http://www.techno.ca/deadbeat/

deadbeat V.S. stephen beaupre名義で『it’s a crackhaus thing』というアルバムを1枚出してるんだけど、このユニット名義ではアクフェンのレーベルからのシングルに続いての初作

deadbeatって今まで出している3枚のアルバムはダブからの影響が色濃かったけど、この名義ではとびきりファンキーなクリック・ハウス。そしてこのユニットって今のシーンの中でも非常に面白い存在だと思うんですよね。テクノやハウスにルーツ・ミュージックを取り入れるのってよくある話だけど、その場合のほとんどが所謂ワールド・ミュージック的なものと融合させてるけど、この人たちってカントリーやブルースの要素を取り入れてるんですよね。そういう人たちって私はあまり聴いた事無いんだけど、どうでがしょ?そしてそれらの要素をアクフェン譲りのカット・アップ感覚でビートに乗せてゆくんだけど、ビートも上モノに呼応するかのように強烈なシャッフル感がある。しかもクリック・ハウスにしてはBPM早めなので超ダンサブル。しかもダブに傾倒してるだけあって低音のつくりが非常に良い。しかもマスタリングはPoleことStefan Betke。多分ロック好きな人でも聴きやすいのではないかと。お薦め。

COPACABANNARK/TO BEACH OR NO TO BEACH(PERLON)12″

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http://www.mad-net.de/perlon/

cabanneとarkのユニットの新作。この二人が組んでるんだからふざけていて当たり前という感じなんだけど、今回はわりと大人しめかな。
1曲目がいきなり”HIP HOP”と人を喰ったタイトルのダウンテンポなんだけど、あとはアクフェンみたいなカット・アップでシャッフル感を出したミニマル・ハウス。それで十分かっこいいから別段文句はないのだけれど、この二人にはもう少しはしゃいでほしかったかなぁ。

COMMERCIAL BREAKUP / CANDIED RADIO (Ladomat 2000)2LP

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http://www.commercial-breakup.de/

わりとニューウェイブ系に括られる人たちみたいだけど、これは結構な拾い物。たしかにニューウェイブっぽいエレポップなのだけれど、それよりなにより楽曲が超ポップ。ラジオなんかでかけても全然問題ない感じ。しかもメロディーは弾けるほどポップなのに、ヴォーカルはなぜか気だるいかんじなのもなんか良い。かといってわが国のインスタントなポップスと違ってトラックがお座なりではなく、クラブ・トラックとしても機能しそうなほどしっかるしてる。”MY GARDEN”なんか超ゴキゲンですよ。こんなにウキウキしたのはトミー・フェブラリー以来じゃないでしょうか。収録時間短いのもいいし。CDでも出てるので普段ここら辺聴かない人もぜひ。

[Tracklist]

Chris Liebing / techno division Vol.4 (V2 records) 2CD

Chris Liebing / techno division Vol.4 (V2 records)

先頃ワイアーで来日したばかりのクリス・リービングの最新ミックスCD。昨年出た『evolution』は個人的にハード・ミニマルではサージョンの『Force+Form』以来の傑作だと思っていたので期待していたのですが。
最近パスカル.F.E.O.Sファンク・ド・ヴォイドなどテクノ畑の人たちがミニマル・ハウスを取り入れたミックスCDを出す事が増えてきたけど、これはもう一歩踏み込んでほとんどの曲がミニマル/クリック・ハウスから選ばれてる。しかしそこは流石というか聴いた印象はまったくもってハード・ミニマルで激ハードです。クリック系は地味でどうも・・、という人にもお勧め。もう一方のCD2はわりとアッパーなハード・ミニマル。これ持ってるだけで地味なの聴きたい時も派手なの聴きたい時もOKなのでいい感じです。

試聴
『evolution』を iTunes Music Store で購入する→ Evolution CD01 Album

サイプレス上野とロベルト吉野 / ヨコハマジョーカーEP (ZZ PRODUCTION) CD

サイプレス上野とロベルト吉野/ヨコハマジョーカーEP
http://www.sauetoroyoshi.com/

日本語ラップって昔(今も?)笑いの対象になりやすかったからか、いまだにハードコアが主流だけど、別段メイク・マネーにもビィャッチにも興味のない私としては、こういう人たちに肩入れしたくなってしまう。
まずネタ感を前面にだしたメロウなトラック、そしてラップ共々とてもユーモラス。はっきりいってラップなんて女の事か、あとはくだらない事しか言ってないんだけど、そこから漂うダメ人間感が猛烈に好み。でも音楽的にはしっかりしてるし、そのダメさが暗さにならずにむしろ前向きにさえ感じられる。単純にとても面白い人たちなので、普段この手のを聴かない人たちにはかえって引っかかりが多いと思うけど。
韻踏、降神、MSCなどを輩出した『ホーム・ブリューワーズ』にも参加していた二人組のデビュー作。

@TOWER JP