TKC / 百姓一揆 (YUKICHI)CD

百姓一揆
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SEEDA のブログによると、なんと相模原市長と対談したという TKC のアルバム。
SD JUNKSTA って苛立ちと内輪ネタ、そしてクサについてのラップが多いと思うんだけど、その中でもクサとユーモアを担うのが TKC という印象があります。
だからこのジャケットを見たときは単なるネタなんだと思ったし、1曲目で「一揆」の音楽にのせてラップするのを聴いて、さらにその思いを強くした。しかしその歌詞に耳を傾けてみれば、このアルバムの発売日である8月15日、つまり終戦記念日にかけたものだったりして(そういえな TKC も NORIKIYO も1曲目でお婆ちゃんの言葉を引用してるんだけど、コレは何か申し合わせたのかしら)、予想以上にメッセージ色が濃い。しかしその反戦や環境問題などのメッセージも、かしこまったり大上段に構えることなく、普段と同じ目線で語っているから、他のユーモアやクサの話と全く並列で聴くことができる。そしてだからこそタイトル曲や “ANOTHER TENSION 完成” の切迫感がいいアクセントになってるし、終盤のメロウな流れもじんわりと染みて、アルバムとして実にまとまったものになっている。
グループで見せている面と、それとはまた違った面を実に自然な形で提示してみせた、正に見事なソロアルバム。

試聴
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NORIKIYO / EXIT (YUKICHI)CD

EXIT
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そういえば今年はけっこう日本のヒップ・ホップで期待してたリリースが多いはずだったんだけど、結局 8th Wonder のアルバムは出ないみたいね。確か今年の頭にアルバム出して、その後 masashi のソロが続くみたいな話だったはずなんだけど。まぁ作業は今も続いてるらしいから待つしかないですな。あと志人のユニットの後に降神もアルバム出す予定だった気がするんだけど、志人のユニットが発売延期したまんま動きが全然聞こえてこない。何かトラブルでしょうか。それと N9N は相変わらず出ないね。でも myspace で聴ける曲がとんでもなくかっこいいので、こちらも引き続き期待して待ちたい。
そして SDP も本隊のアルバムに KYN 、 BRON-K のアルバムがこの秋に出る予定だったはずなのに、今年中に出るのは BRON-K だけっぽいなぁ。まぁ SDP は今年いっぱい出してくれたからいいんだけど。

ということで SDP (相武台ポッセの略、けっしてスチャダラパーではないよ)のラップ部隊である SD JUNKSTA のリーダーである NORIKIYO の初ソロ・アルバム。
わりとヒップ・ホップの雑食性について書いた記事が続いたので、だったら別にヒップ・ホップじゃなくてもいいのではなかろうか、と思う人もいるかもしれないけど、私がヒップ・ホップに強く求めてる部分というのも確かにあって、それは時代の空気感みたいなものだったりします。まぁ全ての音楽に時代性というのは求めてる方ではあるんだけど、その中でもヒップ・ホップは時代の空気が直接的に反映されやすい音楽だと思うし、それが日本語のラップとなれば尚更。
ならばこのアルバムに反映された時代性というものは何なのかといえば、ありきたりな言葉ですが「出口なし」の感覚ではないでしょうか。
本作のリード曲である “DO MY THING” で若者を叱咤激励するようなことを言ってはいるが、では当の NORIKIYO がこのアルバムで明確な目標や道筋を示しているかというと、少なくとも私はラップからもトラックからも感じない。ここで語られるのはハスリングをしていた過去と、その過去よりはましになったものの、相変わらず相模原の団地の真ん中でうだつの上がらない日々を送る現在であり、未来というものがすっぽりと抜け落ちている。しかし本作が、絶望と悲しみにまみれた救いのないアルバムになっていないのは、 NORIKIYO がゆっくりながらも歩みを止めない姿勢が刻み込まれているからであり、だから彼のラップは誰よりも力強い。そしてそんな自分を独特のユーモアを交えながら語る彼は、ストーリーテラーとしても一流なのではないでしょうか。
まさに私が日本のヒップ・ホップに求めるものとしては、申し分のない1枚です。

DJ ISSO / SD JUNKSTA “LOST SHIT” (CONCRETE GREEN)CD

DJ ISSO / SD JUNKSTA
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今年後半の SD JUNKSTA の初アルバムに向けてリリースラッシュが続く SDP ですが、これはその口火を切る、 DJ ISSO による SD JUNKSTA の過去音源のミックスCD。
彼ら独特のやさぐれ感とユーモアが自然に、しかし絶妙に溶け合ったトラック郡は、本当にかっこいいの一言。個々の楽曲郡に言及すればいろいろ聴き所は多いんだけど、せっかくミックスされてるんだから、ここではとにかくその空気感を楽しみたい。
あとトラックリストにラップしてるMCの名前が書いてあるのも、まだ各MCを判別できない私にはありがたかったです。

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KYN/WHOLE SALE(SDP)CDR

KYN/WHOLE SALE
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SD JUNKSTA というクルーについては昨年の『SDP EP』ではじめて聴いたのでそれほど詳しくはなくて、当然のようにメンバーの名前も声も区別がつかないような状態なのだけれど、個人的に『SDP EP』の中で一番印象的だった MC が一番新顔の KYN だとは驚きで、まぁこれはその KYN のソロ・アルバム。
とはいっても SD JUNKSTA の他のメンバーも参加していたりとクルーのアルバム的な側面もあるんだけど、本隊との一番の違いはトラックがメロウなもの中心で、一聴したかんじでは『SDP EP』以上にユルイ。しかしここでも淀んだ空気を身にまといながら、しかし飄々と苛立ちをブツけるラップが本当にカッコいい。そして荒井由実をサンプリングした “Outro” が美しい余韻を残す終わり方も秀逸。
5月には NORIKIYO のソロ・アルバムも出るそうでそちらも楽しみ。

SAG DOWN PRESS
[Tracklist]

SD JUNKSTA/SDPEP(SDP)CDR

SD JUNKSTA/SDP EP
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昨年は比較的多くの日本語ラップのCDを買ったんだけど、その中でも多分一番回数聴いたと思われるのが、相模、町田を中心に活動する6MC2DJからなる SD JUNKSTA のアルバム。

最初聴く前はもっとコワモテの MSC なんかに近いものを想像していたんだけど、実際にはかなりユルイ印象を受ける。でもそのユルさの中にも不良ならではの淀んだ空気というのもが充満していて、その対比というものがこのアルバムを非常にスリリングなものにしています。
そしてその淀みというものもとても現代的で、そのなかでユルさを含みつつラップする彼らに、正に今の時代の遊び人ならではの芯の強さというものを感じてしまいます。
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