Gatekeeper / Atmosphere Processor (Apple Pips) mp3

Gatekeeper / Atmosphere Processor (Apple Pips)
https://www.facebook.com/Apple.Pips.Recordings

Appleblim が主宰するブリストルのレーベル Apple Pips から、2012年に発表された Gatekeeper のシングル。
Appleblim といいますと、 Shackleton と共に Skull Disco を運営していた人物であり、 Gatekeeper も Skull Disco からのリリースがあることから Shackleton 周辺っていう括りで語られる事が多い人。

ということは今作も Shackleton みたいなドロドロ系なのかというとむしろ逆で、 “Atmosphere Processor” なんかは前のめりに変則的なリズムを刻むドラムにパーカッション、そこに空間を切り裂くような鋭いシンセの音が入ってくるという、テクノ的な疾走感をもった曲。この手のやつってベースがおざなりになって軽くなる事が多いんですが、これはきちんとタメの効いた重たいベースで非常にかっこいい。
それに比べるともう1曲の “Let Us In” はダブステップの基本に近い感じではあるんだけど、リズムは十分変則的だし、ダブ的な音響が気持ちよかったりと、これまた良い。

この人は作品の数がイマイチ少ないんだけど、それでもこれだけの作品を出されれば文句もない。

Atmosphere Processor / Let Us In - Single - Gatekeeper

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V.A. / SOUNDBOYS GRAVESTONE GETS DESECRATED (Skull Disco) 2LP

V.A. / SOUNDBOYS GRAVESTONE GETS DESECRATED (Skull Disco)
http://www.skulldisco.com/

昨年出たダブ・ステップ・レーベル、 Skull Disco の第2弾コンピから、アナログで出ていなかったリミックスをカットした2枚組み。
一応 Skull Disco って昨年で閉鎖になったって方々で書いてありますが、これって本当なんですかね。レーベルのサイトを見ると「1~2週間店をお休みします」しか書いていないんだけど、どうなんでがしょ。案外忘れた頃にひょっこりリリースしてくれると嬉しいんだけど。

まぁそんなことは置いといて。

Skull Disco といえば、数あるダブ・ステップのレーベルの中でもその独特なアート・フォームで注目を集めたわけですが、その独自性はこのリミックス盤でも全く変わってあらず、ビートが徐々に沈殿していくような感覚が貫かれている。
重苦しいブレイクビーツとそれを切り裂くようなひんやりとしたシンセが印象的な T++ (Monolake)、非常にシンプルなドラムン・ベースながら見事にグルーヴのある Bass Clef 、 Skull Disco らしくパーカッションとベース音で怪しい世界を現出させている Geiom 、神経症的に鳴るノイジーなギターが素晴らしい DJ Rupture と、どのリミックスも聴き応えのあるものなんだけど、個人的に圧巻だったのは Badawi のリミックス。ニューヨークのアンダーグラウンドで活動している Raz Mesinai が独自のダブ・サウンドを追求するときの名義らしいんだけど、ここでは低音蠢く暗黒ダブ・ミニマルにリミックスしていて、生暖かい底なし沼に沈み込んでいくような感覚が素晴らしく、またミニマル一辺倒の人ではあまり聴かれない、極端に低音に集中した音作りもとても良い。

正にレーベル最後を飾るに相応しい傑作ではないかと。

試聴

Appleblim / Dubstep Allstars Vol 6 (Tempa) mp3

Appleblim / Dubstep Allstars Vol 6
http://www.tempa.co.uk/

Tempa のミックス・シリーズの第6弾は、 Shackleton と共に Skull Disco を運営する Appeleblim

まぁ私が数聴いてないのが一番の原因なのかもしれないけど、ダブステップって12インチ単位で聴いてると、こんなんでどうやって踊るんだ?、みたいなトラックが少なくないように思うんだけど、こうやってミックスで聴くと、見事にダブステップの機能性というものが浮き彫りになっていて、毎度感心してしまう。

そしてこのミックスでも、冒頭ルーツよりのトラックで始まりはするものの、徐々に熱を帯びてくる流れは、見事に踊れるものになっているんだけど、惜しむらくは、ほぼカットインに近い形で挿入されているトラックの前後の脈略というのがイマイチ感じられない場面が多くて、微妙にムードがころころ変わるんだよね。まぁそれも流し聞きとかでは全然気にならない程度なので、それほど問題ではないんだけど、ヘッドフォンで音楽聴くことが多い私にはちょっと気になります。

視聴
amazon.co.jp

V.A. / Soundboy Punishments (SKULL DISCO)2CD

Soundboy Punishments
http://www.skulldisco.com/

果たして、こんな妙ちきりんなダンス・ミュージックとジャニーズばかりを紹介しているブログを見てくれている人の中で、「SNOOZER」なんか読んでいる人が一体何人いるのかは分からないけれど、今月号での Autechre の Sean Booth によるダブ・ステップ評がなかなか興味深い。要約すると「UKブラックのダンス・ミュージックは、最初期において必ず文化的参照点のある歌詞があるが、ある時点でプロデューサによってその文化的参照点が切り落とされる」というもので、これは確かにいわれると、なかなか説得力のある考察のように思える。実際ジャングルからドラムンベース、グライムからダブ・ステップってそういう流れだもんなぁ。まぁ文化的参照点を切り落とす目的が「国外輸出できるようにするため」というのはどうかと思うんだけど、メッセージ性の強いグライムと違って、現在のダブ・ステップは良くも悪くも機能的なダンス・ミュージックなのは事実。しかしそれと音楽的な面白さというのはまた別の話で、私のように暗く沈みこむようなダンス・ミュージックが好きなものからすると、今ダブ・ステップというのは唯一の光のようにも思える(この言い方からすると唯一の闇か?)。そしてこのブログでも何回か書いているように、最も興味があるのが、今後ダブ・ステップとミニマルがどのように交わっていくのか。それは例えば Surgeon が以前からDJセットにダブ・ステップを取り込んでいたり、私の知らない地下では他の動きがあったのかもしれないけど、それが分かりやすく現れたのは、やはり昨年春に出た Skream による Marc Ashken のリミックスではないでしょうか。このシングルは当時結構話題になったんだけど、それ以降ダブ・ステップとミニマルの交配に関しては、他にもいろいろ出たものの、特にこれといって話題になるようなのがなかったんだけど、その後注目されて以降、現在ダブ・ステップとミニマルの境界線上のレーベルとして真っ先に名前が挙がるのが、おそらくこの Skull Disco ではないでしょうか。

とまぁ、思いもかけず長い前フリになってしまったわけですが、私がこのレーベルの名前を聴いたのは、レーベルの6番が出たときで、 Villalobos もこのレーベルの音源をプレイしている、なんていう紹介文を見て、へぇ~なんて思っていたら、あれよあれよという間にその Villalobos によるリミックス盤が出て、そこからさらに間を置かずに出たのが本作。輸入版買ったんで詳しくは知らないんだけど、多分今までのレーベル音源に未発表曲を足した編集盤。
音の方は、このアルバムのジャケットであったり、またはレーベル名から想像できるまんまで、パーカッションと重いベースを中心とした呪術的なトラックは、所謂一般的なダブ・ステップのスタイルとはちょっと違うように思える。しかしダブ・ステップを一度解体して再構築してみせたような曲郡は実験性が高く、UKダブの流れから見ても、UKブレーク・ビーツの流れからも見ても非常にユニーク。あと多分あっち方面での実用性も高そう(なんか凄いドゥーミーなんだよね)。
そして今作の中で一番話題になった曲は、何だかんだで Villalobos による Shackleton のリミックス。先の12インチでは表裏に分けられていたけれど、今作にはめでたく18分フルで収録。これが原曲を骨抜きのスカスカにしたようなミニマルで、しかし何故か曲の持つグルーヴはしっかりとキープされているという不思議なリミックスで、『Fizheuer Zieheuer』を想起させる。

この後レーベルは特に動きがなかったんだけど、 Shackleton 方は Crosstown Rebels からリリースしたり、さらには Simian Mobile Disco のリミックスまでやったりなんかして、その存在感をますます大きくしております。

そして先日紹介したシングルがもうすぐ出るっていう流れになるわけですが、これで先日の記事の補完ができたでしょうかね。久しぶりに書くのに時間がかかったので疲れたよ・・・。

Shackleton & Appleblim - Soundboy Punishments - Sound of Skull Disco
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