MUTA / Official Bootleg Mix-CD “ILLDWELLERS” g.k.a ILLMATIC BUDDHA MC’S (cutting edge) CD

MUTA / Official Bootleg Mix-CD
http://www.avexnet.or.jp/buddha/

定期的に復活の気配を漂わせる事で作品を出さずとも存在感を放っていた Buddha Brand (ILLMATIC BUDDHA MC’S) ですが、今年の夏に EP を出すんだそうで、これはその前振りってことになるんですかね。ということで、 Buddha Brand 関連の音源を JUSWANNA の DJ MUTA がミックスした CD 。

Buddha Brand に関してはちょくちょく音源を聴いている事もあって、10年以上作品を出していないからといって特に懐かしいとかいった事もなく、かといって比較的無難な曲が選ばれている今作は、ミックスされる事によって新たな発見があるという事もないので、若干の物足りなさを感じる作品になっている。

しかしサンプリング・ベースのぶっといグルーヴに貫かれたトラックと、巧みでありながらもあくの強い3人のラップという彼らの個性が分かりやすく感じられるものになっているのも事実で、 Buddha Brand の入り口としては良いのかなと思うし、そういった意味ではニトロ以降の現役感のあるラッパーが参加した曲が多く収録されているのもいいのではないかなと。

あと “鋼鉄のBLACK” を Nipps が嫌っているというのはわりとよく聞く話ですが、この曲だけラップが Nipps ではなく TWINKLE との新録なのは、やっぱりそういったことなのかしら・・・。

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D.L / HARD TO THE CORE (バッドニュース) CD

D.L / HARD TO THE CORE (バッドニュース)

デブ・ラージが選曲した日本のヒップ・ホップのコンピ。
最初リリース情報が出たとき、ライブラのコンピの応募特典だった “暴言” が入るという事で、結構期待していたんだけど、結果からいえば実に残念な出来になっていますね。

というのも、副題に「日本語ラップ黄金期セレクションズ」と銘打っているわりには、随分と幅広い年代の曲が集められていて、正確に調べたわけではないが、1曲目の YOU THE ROCK の曲とか多分90年代前半の曲でしょ?それで “暴言” が2、3年前の曲だから、日本のヒップ・ホップ黎明期から、つい最近までずっと黄金期かよ、と思わず突っ込みたくなる。
しかも稀代の掘り師であるデブ・ラージが選んだにしては随分ありきたりな選曲なように思えるし、なんだかんだで自分が関わった曲が多すぎるんだよね。結局のところ、日本のヒップ・ホップですごかったのは自分たちと、その周りの連中だ、言いたいだけなんじゃないかっていう。
なんかこの前出たペイジャーのアルバム(過去記事)と同じような寒さを感じる・・・・・。

はっきりいって “暴言” が収録されている以外、全くといっていいほど価値のないコンピだ。

試聴

[曲目]

MICROPHONE PAGER / 王道楽土 (NIPPON CROWN) CD

MICROPHONE PAGER / 王道楽土 (NIPPON CROWN)
http://www.myspace.com/microphonepager2009

更新が滞っていたので発表から時間がたってしまったのですが、 COMPASS が閉鎖ですってね。
まぁこの発表の前からなんとなく流れは出来ている感じだったので、それほど驚きはしませんでした。
しかしこの閉鎖という事実以上に残念だなと思うのは、掲示板を中心にあれだけ COMPASS に対して文句いっている輩が大勢いたのに、「じゃあ COMPASS 終わるんなら、オレがもっと凄いサイト作ってやるよ」みたいな声が、全くといっていいほど無い事なんですよね。
そもそも COMPASS って掲示板に集まっていた人たちが、 blast 終了に伴い、自分たちのメディアがなくなることへの危機感から立ち上げたサイトだと思っているんだけど、そんなサイトに対して一家言あるというのならば、掲示板なんかに罵詈雑言並べ立てるだけではなく、もっと建設的なカウンターとしての動きがあっても良かったとおもうし、またそれと同様に、 COMPASS に同調する動きがあっても良かったとおもうんだけどね。
まぁ COMPASS がそれだけの影響を持ったメディア足り得なかった、といわれればその通りなんだろうし、そういった周りを巻き込んでいくような空気を作れなかったのが COMPASS の閉鎖の一因かなと思わなくはないんだけど、それはそれとして、やっぱり自分の巣穴で餌待ちながら口開けてピーチクパーチク鳴いてるだけの奴等が多すぎるんだよ。だってヒップ・ホップって元々 DIY な音楽なんじゃないの? もうちょっと自分のリスナーとしてのあり方を考えるべきだと思うんだけどね。

これ以上書くと話がそれすぎて、音盤紹介書く気が無くなりそうなので、このくらいにしときます。

ということで、今年の頭に出た Twigy と Muro による MICROPHONE PAGER の再結成盤。

このアルバムについては識者の方々が非常に面白い指摘をしていますが、あまり知識のない私からすると、ハーコーな方々の同窓会と、それを囲む若い衆、くらいの意味しか感じられない盤ですかね。

トラックリストを見てもらえば分かるように、せっかくの再結成盤であるにもかかわらず、 Twigy と Muro の二人の存在感を掻き消すほどの人数のラッパーが参加していて、これは要は、二人からハーコーなラッパーとしてのお墨付きを貰ったということなんでしょう。
しかし今作に参加したベテランの、安定感はあるものの面白みにかけるラップに比べると、非常に個性豊かな若手(と書くと語弊があるかな)のラップを聴くにつけ、ベテランが若手にお墨付きを与えたのではなく、若手がベテランを見捨てられないように足掻いているだけなんじゃないか、という考えが頭をよぎるし、今作でも抜群の存在感を発揮している SEEDA と ANARCHY 参加曲(”MP5000FT”)がなかったら、今作の印象は随分と違うものになっていたのではなかろうか。

とはいってもベテランの中でも気を吐いている人は何人かいて、中でも D.L は、鬼気迫る、と表現したくなるほどの凄みを発していて、とても昔「さすれまんこ」とか言っていた人と同一人物とは思えません。

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D.L / THE ALBUM (ADMONITIONS) (KIOON) CD+DVD

THE ALBUM (ADMONITIONS)
http://www.devlarge.com/

「現在のロックというのモノは、老いというものに直面している未曾有の時代」といういうのは確かミュージック・マガジンに書いてあったんだと思うけど、ロックに限らず成熟の形を示すというのはなかなかに難しく、ストリートミュージックであるヒップ・ホップ、さらに基本的に若者の音楽になっている日本のヒップ・ホップなどはなおさら困難に思える。
THA BLUE HERB の『LIFE STORY』(関連記事)という作品は、そういった中での試行錯誤の1つだったんだろうけど、それが成功しているとはいい難く、ならば日本で成熟の形を示しているラッパーを考えた場合、私の頭に浮かぶのは ECD と D.L でしょうか。
中でも D.L のこのアルバムは、発売から1年経った今でも思い出したように聴いている。
その理由として、最近の打ち込みのモノからは感じられない、ぶっといグルーヴを持ったファンク・トラックの素晴らしさというものも大きいんだけど、やはり1番魅力的なのは、良い意味で無理がないというところでしょうか。
BUDDHA BRAND の頃を思わせる ILL な曲があったかと思うと、歳相応というか、ぶっちゃけオヤジの小言みたいな曲もあったりして、しかしそれらが全く違和感なく並んでいて、それはやはり変に力むことなく、全ての言葉を同じ目線で発しているからでしょう。それゆえの余裕と力強さを同時に感じさせるこのスタイルであれば、この先10年、20年と続けていけるだろうし、言葉が無くともトラックで自身を表現できる彼が、案外現在のヒップ・ホップのアーティストの中でも、一番長く活動してくれそうな気がするのは私だけでしょうか。

試聴
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