ADAM BEYER & MATHEW JONSON / THE BIG DIPPER (wagon repair) 12″

ADAM BEYER & MATHEW JONSON / THE BIG DIPPER
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最近しっかりと音楽聴く時間が取れなくて、それがなかなかにストレスだったりするのでです、みなさんどうされてるんですかねぇ。そのくせ音盤は相変わらずのペースで買っちゃうから、当然のように聴いてない盤が溜まる一方だし。12インチなんかほとんど聴いてないもんなぁ。さらにアナログは基本PCに取り込んで聴くんだけど(いや、タンテでも聴くけどね)、その時間もないし。
昔に比べて特別仕事が忙しいとも思わないので、やっぱり時間の使い方が下手になったっていうことなのかしら(眠気に弱くなったのもある)。なんとかしないとね。はぁ。愚痴終わり。

っつうことで地味に続けている wagon repair 特集。37番は何がどうなってこうなったのか全く分かりませんが、御代 Adam Beyer と Mathew Jonson の共作。

最初この二人の名前を見たときは、ちょっと合わねぇんじゃねぇのかなぁ、とか思ったんですが、これがなかなかどうして、非常にいい結果を生んでいます。というのも、 Mathew Jonson って上モノに懲りすぎるせいなのか、どうもリズムが淡白になりすぎる場合が少なくないのですが、 Adam Beyer の効果なのか非常に躍動感のあるものになっていて(実際の作業分担は知りませんが)、 Mathew Jonson 関連のものでは珍しく直球のダンストラックに仕上がっていて、それでいて Mathew Jonson らしいサイケデリックな上モノの活きているんだから、もうこれは文句なしです。

しかし裏の “MARIONETTE” の Adam Beyer によるリミックスはまた別で、リズムが太くなったのは良いものの、コレでは上モノの繊細さが台無しな気がする。まぁこれは原曲に思い入れがある人間だから思うのかもしれませんが。

Mathew Jonson & Adam Beyer - Big Dipper - EP

mathew jonson / Symphony For The Apocalypse: New Age Revolution (wagon repair) 12″

Symphony For The Apocalypse: New Age Revolution
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mathew jonson って wagon repair から出す場合、 Cobblestone Jazz があるからなのか、比較的ブレイクビーツを基調としたトラックを出す事が多いけど、今作もA面がそんな感じ。

MIDNIGHT OPERATOR (過去記事)で垣間みせた、ダブ・ステップの影響も感じられるブレイクビーツを、さらに高速回転させたようなトラックで、その性急感溢れるリズムと、しかしその上でゆったりとなるメロディの生み出すタイム感が独特で、 mathew jonson の今までの実験が、いよいよ結実してきたのを感じる。

裏の “twin cobras” は、タイトルからも分かるとおり、お得意のオリエンタルなメロディのサイケデリック・ミニマルなんだけど、今までの彼の作品はリズムが淡白な事が多かったのに対して、この曲はかなり重く荒々しいもので、また違った表情をみせているし、リズムと上モノの相乗効果で、非常に大きなうねりを生み出していて、これまた傑作。

なのでいい加減、ソロでアルバム出してくれないかしら。

Mathew Jonson - Symphony for the Apocalypse: New Age Revolution - EP

Mathew Jonson / Stop (wagon repair)12″

Stop
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自分でもちょっと忘れかけてた wagon repair 特集なんですが、26番は久しぶりの Mathew Jonson のソロ・シングル。
この人は wagon repair からのソロの場合、比較的実験的なトラックをリリースする事が多いけど、今作はここまで来たかという感じの、本人ヴォーカルによるエレクトロ・ファンク・チューン。粘り気のあるベースとスカスカなドラム、少しデトロイトっぽい上モノは悪くはないんだけど、ヴォコーダーかけてムニャムニャ言ってるだけみたいな本人のヴォーカルは、お世辞にも褒められたものではなくて、正直結構きつい。裏のダウンテンポもよく分からないし、自分の中ではこのレーベルの中でも、最も聴かない部類に入るシングルです。

Mathew Jonson - Stop - EP

COBBLESTONE JAZZ / INDIA IN ME (wagon repair)12″

INDIA IN ME
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このシングルって確か一回紹介した記憶があるんだけど、データベース飛んだときに消えちゃったので、再度ご紹介。 wagon repair の18番は、このレーベルからは2枚目となる Cobblestone Jazz 。私の記憶によると、このシングルの発売前レーベルのサイトの方には、「今度の Cobblestone Jazz はすげぇテクノ・アンセムだ」みたいな事が書いてあったと思うんだけど、その言葉どおり前作に引き続きヒットした、文句なしに彼らの代表作の1枚。
Itiswhatitis からのデトロイト・テクノからの影響色濃いスタイルから一転、このレーベルらしいサイケデリックな感じを前面に出したのが前作の『Dump Truck』(過去記事)だったわけですが、今作はちょうどその中間とも思える、覚醒感の強いテック・ミニマル。一聴した感じ派手さはないものの、長尺の曲らしくじっくりと絡め取るようなグルーヴが気持ちいい。一応裏表合わせて25分くらいになるんだけど、どうせなら繋げてその尺で聴きたいと思わせるような逸品です。

Cobblestone Jazz - India In Me - EP
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Mathew Jonson / AUTOMATIC (wagon repair)12″

AUTOMATIC
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Methew Jonson ってこのレーベルだとわりとざらついた感じの音色を使うことが多いけど、この曲なんかはその際たるもので、『Return Of The Zombie Bikers』や The Modern Deep Left Quartet で聴かれたアラビックな旋律を、もっと歪ませて派手なエレクトロに仕立てたのが本作。最初は Audion にでも影響されたのかかと思って、それほど良いとは思わなかったんだけど、そのあと見たライヴで聴いたらえらい盛り上がれたので、それ以降は好きな曲です。
裏の “BEACH PARTY” はそのディストーションがかった感じと、以前のデトロイトっぽい感じを掛け合わせたような曲。ベースが地味にエレクトロっぽくて、これまた良い曲です。
あとコレは今記事書いてる途中で気が付いたんだけど、この盤のカッティングって TIM XAVIER がやってるんですね。知らんかったよ。

mathew jonson / 7.19 fm david ep (wagon repair)12″

7.19 fm david ep
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last.fm って今までウインドウズだと iPod で聴いた曲はチャートに反映されなかったんだけど、今回のプレーヤーのアップデートでとうとう対応になりましたね。どうせチャートに自分の聴いた曲反映されるのなら、やはり iPod 、 iTunes 関係なく反映させてほしいと思っていたので、地味な事ながらうれしいです。

wagon repair の10番はこのレーベルからは3枚目となる mathew jonson 。多分世間的にこのレーベルへの注目度が上がってきたのって同時に出た『7.19 fm david ep』と『babyfoot ep』によるところが大きいのではないかと思うんだけど、個人的にもこの2枚は印象深い。
以前紹介した『MARIONETTE』では繊細なサイケデリアを幾重にも重ねてみせ、続く『RETURN OF ZOMBIE BIKERS』ではそれをオリエンタルなメロディに置き換えたうえで思い切り歪ませてみせた mathew jonson 。そして今作のタイトル曲では以前のような艶やかなメロディを用いながらも、回りにはまるで気の抜けたようなディストーションのかかった音を並べ、とても奇妙な音像を作り上げている。しかしこれが、以前とは違うズブズブとはまり込むようなサイケデリックさで、このレーベルのカラーを決定付けたといっても過言ではない曲だと思ってます。
そしてノイズ・アンビエントな “premonition” に、ベースがのた打ち回りながらも歌っているダウンビート・トラック “the girl from lbc” も一緒に聴けば、壮大なトリップを味わえるのではないでしょうか。
まぁ正直聴く人を選ぶタイプの盤だとは思うんだけど、それでもこのレーベルが好きならば是非押えておいてほしい盤です。

Mathew Jonson - 7.19 FM David - EP

MATHEW JONSON / MARIONETTE (WAGON REPAIR) 12″

MARIONETTE
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そういえば今日って WIRE なんですね。すっかり忘れてた。まぁ最初っから行く気ないからいいんだけど。

Wagon Repair の2番は真打 Mathew Jonson 。このシングルって以前 Mathew Jonson の記事で少し紹介したことあるんだけど、まぁせっかくなんで改めて。

Mathew Jonson が ItiswhatitisM_NUS からのシングルで注目を集めてからというもの、現在まで素晴らしい名曲をたくさん発表してきているわけですが、その中でも代表作といえばやはりこれではないでしょうか。
初期の頃から Mathew Jonson は独特なメロディ感覚というものを前面に出していたわけだけど、その頃はデトロイトからの影響が色濃いものでした。そしてそのデトロイトからの影響というものは彼のユニット Cobblestone Jazz の音源を聴けば、未だ色濃いのは確認できるのですが、そのデトロイトからの影響をサイケデリックに歪ませてみせたのが本作。スペーシーな音空間の中で怪しげに踊るメロディが、細かく刻まれるベースと絡まりながら狂気を増していくさまはもう圧巻。そのバックでなるひんやりとしたシンセの音も美しい。もう誰がなんと言おうと歴史に残る名曲ですよ。
それにこういっちゃ何だけど、 Ame 『Rej』なんてスタイル的にはほとんどこの曲のパクリみたいなもんなわけで、さらに border community との同時代性なんかを考えても、もっと評価されてしかるべき1枚。

Mathew Jonson - Marionette - EP

MIDNIGHT OPERATOR / MIDNIGHT OPERATOR (Wagon Repair) 12″

MIDNIGHT OPERATOR / MIDNIGHT OPERATOR
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一応ブログ名が「Vinylism」なんで、もう少しアナログも紹介しなきゃなぁ、とは思っておりまして、とりあえずちょっとまえにりりーすされたの。

Mathew Jonson を中心とした数名で運営される Wagon Repair 。このレーベルのリリースに関しては必ずしも Mathew Jonson の意向がはたらくわけではないようなのだけれど、それでもきちんと Mathew Jonson の音楽性を軸とした方向性が定まっていて、ますます独自の色を強めつつあります。

そしてそれはこの Mathew Jonson とHrdvsion こと Nathan Jonson の兄弟ユニットである Midnight Operator のデビューEPによく表れていて、少しダブ・ステップを思わせるブレイクビーツと、歪んだ音色のシンセが織り成すサイケデリックな高揚感がとてもユニーク。そこに絡むテックな感じのシンセも意味不明。裏の Mathew Jonson の “Return of Zombie Bikes” のリミックスも聴いた感じは同じで、正直異質さは感じるんだけど、でも何ともいえない中毒性があってかっこいい。
ホントこの人はどこまでいくのでしょうか。

視聴
[Tracklist]

THE MOLE/IN MY SONG(WAGON REPAIR)12″

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今最も注目すべきレーベルの一つである wagon repair 。前から好きでちょこちょこ買ってはいたんだけど、なんか枚数も集まってきたんで、だったら全部集めようと思いゆるりと買い集めてます。でもその時ジャケットに注意が必要で、まぁ他のレーベルもそうなんだけどプレス重ねるとジャケが簡易版になっちゃうんですよね。このレーベルに関しては独特のアートワークも魅力なのでそこはこだわりたいところ。実際レコ屋で買うときはいいんだけど、ネット・ショップだとジャケに関しては特に何も書いてないところもあるので注意が必要です。

でもって最近のこのレーベルの中でもお気に入りなのがこれ。
この The Mole という人は Akufen のレーベル Musique Risquee からのシングル『Meets Te Bacon Smugglers』で注目を集めた人で、その後も RevolverMutek からもリリースしていて、まぁつまりはカナダの人です。

このレーベルが土着的なサイケデリアを追求しているというのは前書いたけど、これも生っぽいドラムとうねるベースの作り出す濃密なグルーヴの上に、ホーンともギターともとれるよな音色の奏でる裏ノリが絡み合う、実に怪しい曲。わりとサウンドの積み上げ方なんかは一時期の dB なんかに近い気がするんだけど、こちらの方が数倍ファンキー。ちょっとサウンド的に異質なんで、普段テクノ聴いてる人よりもディスコ・ダブとか好きな人のほうが気に入るかも。B面の方もスペイシーなディスコ・ダブって感じだし。

だからもっとクロスオーヴァーなヒットとかしてもいいと思うんだけど、今んとこそんな感じは全然ないなぁ。やっぱ私のセンスが変なのかしら。

視聴→CISCO
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Cobblestone Jazz/Dump Truck(wagon repair)12″

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絶好調 wagonrepair の新譜。この Cobblestone Jazz というのは、Mathew Jonson 、Tyger Dhula 、Danuel Tate の3人からなるユニットです(因みにこれに The Mole が加わると Modern Deep Left Quartet になります)。
ここ最近の Mathew Jonson って、今まで志向してたサイケデリックをもっと土着的な音で表現しているようで、なかなか興味深いのだけれど、今作もそんな音。以前の洗練された音作りと違って、ここでの生っぽいドラムに乗るエレピとオリエンタルなメロディはサイケ度10倍増し、みたいな感じ。
一転B面は浮遊感のあるデテロイトっぽいテック・ハウスで、これも微妙にねじまがってて面白い。

この人ってそれなりに作品出してるけど、いい加減アルバム出さないんですかね。そろそろ頃合だと思うんだけど。