今回も簡単に。
例によって並びは順位とかではないです。
それにしても日本のアーティスト多いな…。
DDMS / Makers – part one (Haunt) mp3
Deadbeat 関連でもう1枚。 Horror Inc. などもリリースしているカナダのレーベル Haunt から DDMS のデビュー・シングル。
この DDMS というのは、Deadbeat、DeWalta、Mike Shannon、The Mole の4人によるプロジェクトで、カナダのテクノが好きな人間からすると、 The Modern Deep Left Quartet を上回るスーパーグループなんじゃないでしょうか。
ただ今作がそんな豪華アーティストの共作が堪能できる作品なのかというとそんな事はなく、3曲中2曲が Mike Shannon によるリミックス、もう1曲は The Mole と Hreno (この人もカナダの人みたい)によるリミックスという、つまりオリジナルがゼロという微妙な内容。
ただ曲自体にかんしては、ひしゃげたキックと、軽快に跳ね回るベースライン、ミニマル・ダブ的な上モノと、一聴するとバラバラにも思える要素を絶妙なバランスで纏め上げながらも、中盤から入ってくるサックスにより曲の表情をがらりと変える Mike Shannon のリミックス。そして Mike Shannon と同様のサックス(多分オリジナルで使われてるのかな?)の雰囲気を活かし、しっとりとしたディープ・ハウスに仕上げた The Mole & Hreno と、どちらも良い。
まぁこの4人が集まった、っていうインパクトに比べると、作品自体の個性は薄いのは否定し難いので、今度はがっつりオリジナルを作ってほしいものです。
ちなみに今作には『part two』もあるけど、そっちもリミックスのみ(私は聴いてない)。
HRDVSION / PLAYING FOR KEEPS (wagon repair) 12″
このサイトって、ブログのくせして画像をわざわざ ftp で上げてたりするんですが、今日は ffftp の調子が悪いのか、サーバに繋がらないので、画像が上げられません。なので画像は後日ということで。悪しからず。
Mathew Jonson の兄貴である Nathan Jonson のプロジェクト、 HRDVSION の wagon repair から2枚目のシングル。
前作の『gary white』(過去記事)は、ちょっと手広くやりすぎて全てが中途半端な印象の作品という感じでしたが、今作は逆に同じ曲のヴァリエーションを3パターン。
まずオリジナルの “PLAYING FOR KEEPS (DADDY’S ANGEL)” は、少し smith’n’hack を思わせる、つんのめり気味のエレクトロ・ディスコ・ファンク。 wagon repair のカタログの中ではけっこう異色の部類に入る曲だとは思うんだけど、ギラついたシンセの音とカットアップされたサンプルが、共に過剰さを演出していて、これはなかなか盛り上がる曲なんじゃないでしょうか。
そしてこの曲のエレクトロ的な要素を少し強くした “PLAYING FOR DADDY’S GIRL” は、DJ用にやや使い勝手を良くしたような印象で、ニュー・エレクトロ(ってまだいうの?)なんかにも合わせやすい感じ。
最後の The Mole によるリミックスは、彼の今までの方向性からすると、この作品のディスコ的な側面を強くしそうなもんなんだけど、そこをあえてなのかどうなのか、ギラついたシンセを前面に押し出したテック・ミニマルに。でも曲のグルーヴ自体は紛れもなく The Mole のものになっていて、そこがすごく面白い。
The Mole / BABY YOU’RE THE ONE (Wagon Repair) 12″
Wagon Repair の35番は、自身の初のアルバム『As High As Sky』からの先行シングル。
この人は今時珍しいくらいサンプリング感の強いトラックを作る人でありますが、今作もつんのめり気味なビートと、トライバルなリズムの組み合わせがカッコよいディスコ・テック。個人的にはこの人の作る、ドロドロとした感じのビート・ダウンの方が好きなんだけど、これはこれで気持ちよいグルーヴが非常に良いです。
裏の方も基本的には表と同じような感じのトラックなんだけど、こちらはうっすらと哀愁漂う上モノが、今までの The Moke にはない感じを出していて、こちらも好トラック。
POLE / steingarten remixes (~scape)CD
~scape の首領である Pole の、昨年出たアルバムのリミックス盤。私は元々の『Steingarten』の方は聴いてないんだけど、こちらは面子があまりにも素晴らしいので買ってしまった。今までリミックス盤って色々聴いてきたけど、ここまで時代の突端にいる人たちをすくい上げたものって稀なんじゃないでしょうか。
とはいっても全部が全部知ってるアーティストなわけでもないんだけど、先日紹介した Skull Disco の Shackleton 、その Skull Disco と共にミニマルとの境界線上のレーベルとして評価が高い Punch Drunk を主宰する Peverelist 、数々のカナダのレーベルから秀逸なダウン・ビート・ミニマルを発表している The Mole 、最近デジタル・ダンスホールで注目されている Ghislain Poirier 、同じくデジタル・ダンスホールな新作を昨年出した deadbeat 、 herbert のような生活音を取り入れたミニマルがユニークな frivolous 、そしてご存知 perlon から dimbiman と melchior productions と、もうあまりにも凄すぎる。残りの二人は今回はじめて知ったんだけど、 gudrun gut って人は現在 Monika というレーベルを運営していて、なんと元 Einsturzende Neubauten だという方、 mike huckaby は詳しく分からないんだけど、デトロイトのベテランさんみたい。
これだけの面子を集めれば当然内容も面白いんだけど、変則的なキックで四つ打ち感をうっすらと演出しながらも、丸みを帯びたベース音が印象的なダブ・ステップに仕立てた Peverelist 、燃え滾るようなダンスホールの Ghislain Poirier と deadbeat 、特に目新しさはないものの、抜群に気持ちいいミニマル・ダブの mike huckaby が特に良かったかしら。
まぁ正直この面子の並び以上に面白さがあるかというと微妙ではあるんだけど、現在の(ベルリンの)エレクトリック・ミュージックの大まかな動きはつかめる盤だと思うので、ここから色々掘り下げていくのも楽しいのではないかと。
THE MOLE / CONVERSATIONS WITH THE PAST (wagon repair)12″
wagon repair の20番は、 Modern Deep Left Quartet の一員でもある、 The Mole の、このレーベルからは2枚目となるシングル。
この人はデトロイトの影響が感じられるダウン・ビート・ハウスで注目を集めている人なんですが、今作の “JiNGOVER” は、彼の作品にしてはテンポの早い部類になるであろう、アフロ・トライバルなディスコ・チューン。なんでも Candido の “Jingo” と、 Sylvester の “Over & Over” という曲をサンプリングしてるらしいです。そのサンプリングの妙なのか、曲から漂う怪しい感じは好きなんだけど、反面ストレートなディスコ過ぎて、ちょっと現代性に欠ける気がするのが惜しい。
裏の “SLOW CHUGGER” は The Mole らしい煙たいダウン・ビート・ハウス。こちらは新鮮味はないものの、この気だるい感じはやっぱり好き。13分以上かけて、ズブズブとはめてく感じがたまりません。
the modern deep left quartet / babyfoot ep (wagon repair)12″
Danuel Tate 、 Tyger Dhula 、 Mathew Jonson の3人、つまりは Cobblestone Jazz にThe Mole が参加したのがこの The modern deep left quartet 。私のような人間にはスーパーバンドであるこのグループの、今のところ唯一の音源がこの Wagon Repair の11番。
Cobblestone Jazz ってわりとエレクトリックな要素が強いグループだけど、こちらではより生音に近くて、聴いた誰もが「レッドスネーク、カモン」と言いたくなるようなオリエンタルなメロディが乗るディープ・ハウス。どうしてもその上もののインパクトが強いんだけど、モコモコとした質感で刻まれるリズムも、のっぺりとしていながらも微妙に跳ねていてなんか変。
かと思えば裏面では、昔の Jeff Mills を思わせる曲があったり(でも線は細め)、ダビーなアンビエントがあったりよく分からん。でも Frank という人物がベースを弾く “Staight Whiskey” は、彼のベースがとても有機的な動きを曲に与えていて、このグループの可能性を感じさせる。こういうセッションっぽい曲をもっと聴いてみたいです。
THE MOLE/IN MY SONG(WAGON REPAIR)12″
今最も注目すべきレーベルの一つである wagon repair 。前から好きでちょこちょこ買ってはいたんだけど、なんか枚数も集まってきたんで、だったら全部集めようと思いゆるりと買い集めてます。でもその時ジャケットに注意が必要で、まぁ他のレーベルもそうなんだけどプレス重ねるとジャケが簡易版になっちゃうんですよね。このレーベルに関しては独特のアートワークも魅力なのでそこはこだわりたいところ。実際レコ屋で買うときはいいんだけど、ネット・ショップだとジャケに関しては特に何も書いてないところもあるので注意が必要です。
でもって最近のこのレーベルの中でもお気に入りなのがこれ。
この The Mole という人は Akufen のレーベル Musique Risquee からのシングル『Meets Te Bacon Smugglers』で注目を集めた人で、その後も Revolver や Mutek からもリリースしていて、まぁつまりはカナダの人です。
このレーベルが土着的なサイケデリアを追求しているというのは前書いたけど、これも生っぽいドラムとうねるベースの作り出す濃密なグルーヴの上に、ホーンともギターともとれるよな音色の奏でる裏ノリが絡み合う、実に怪しい曲。わりとサウンドの積み上げ方なんかは一時期の dB なんかに近い気がするんだけど、こちらの方が数倍ファンキー。ちょっとサウンド的に異質なんで、普段テクノ聴いてる人よりもディスコ・ダブとか好きな人のほうが気に入るかも。B面の方もスペイシーなディスコ・ダブって感じだし。
だからもっとクロスオーヴァーなヒットとかしてもいいと思うんだけど、今んとこそんな感じは全然ないなぁ。やっぱ私のセンスが変なのかしら。