Sawf / Flaws (Perc Trax) CD

Sawf / Flaws (Perc Trax)
http://perctrax.bandcamp.com/

ギリシャのプロデューサー Sawf が2011年に Perc Trax から出したファースト・アルバム。
私はこの人の名前を今作で初めて知ったんですが、元々2年前に Perc Trax に送ったデモがデビューのきっかけになったみたい。

1曲目が重厚な機械音を思わせるインダストリアルっぽくて、いかにもこのレーベルらしくはあるのだけれど、それ以降に関してはむしろ m_nus に近いアシッド・ミニマルが並んでいてちょっと意外。ただ覚醒するような感覚の強い m_nus に比べると、こちらは淡々としていながらも徐々に沈みこんでいくような暗さがあり、その荒涼とした雰囲気はやはりこのレーベルらしい。

ただドローンっぽい引きずるようなリズムの上に奇妙なヴォイス・サンプルが乗る “Ninio” や、重たいリズムと機械音で緊張感を作り出している “Peplo” など、面白い曲は少なくないものの、いかんせんどれも地味なので、ちょっと聴く人は選ぶかも。

まぁその分長く聴けそうな良盤かと。

Flaws - Sawf

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Perc / Wicker & Steel: The Complete Remixes (perc trax) mp3

Perc / Wicker & Steel: The Complete Remixes (perc trax)
http://perctrax.bandcamp.com/

Perc こと Alistair Wells さんのリミックス・シングルを纏めたアルバム。最近12インチを細かく追えてないので、こういうのはありがたい。

2011年のアルバム『Wicker & Steel』は実験的な側面も強かった作品だったので、そのリミックスとなると原曲をクラブ・トラックにしたようなものが多いのかというとそんな事もなく、なかなかに個性的なリミックスが揃っている。

共に現在のインダストリアル・テクノの代表アーティストである Ancient Methods と Tommy Four Seven は、ほとんど自分の曲といった感じの重量感のあるインダストリアル・テクノながら、リズムは変則的で踊りやすいとは言い難いし(音の強弱とタメでうねりを作っている Ancient Methods のリミックスがすごい)、ベース系の作品の多い ASC は原曲のテンポを極端に遅くしたようなリミックスで、これまた意表をつく。
また原曲を活かしつつも浮遊感のあるディスコティックなテクノにした Walls の “Choice” のリミックスや、 “Pre-Steel” をさらに電子ノイズ的にした tengui も面白い。

それらに比べると素直にダンス的解釈を聴かせる The Black Dog と Chris Carter のリミックスは面白みに欠けるものの完成度は高いし、同じエレクトロ的なテクノながら、軽妙さと重厚さという違う方向性のリミックスを2曲提供している TVO もいいアクセントになっている。

唯一残念なのが Sigha & Truss によるふぬけたエレクトロの “You Saw Me” で、 Sigha ってオリジナルは好きなんだけど、リミックスだと毎回イマイチに思えるのは気のせいか。

Wicker & Steel (The Complete Remixes) - Perc

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PERC / WICKER & STEEL (Perc Trax) CD

PERC / WICKER & STEEL (Perc Trax)
http://perctrax.bandcamp.com/

ついでなんで Perc Trax を主催する Perc こと Alistair Wells さんが2011年に出したファースト・アルバム。
Perc って Berghain 以降のハード・ミニマル再燃の動きの中で浮上してきた人、という印象だったんですが、 Discogs 見ると活動歴10年になるベテランさんみたいですね。

ざらついた音質の女性の語りと不穏なアンビエンスで始まる “Choice” 、そしてその流れを一気に断ち切るかのような金属的なリズムが鳴る “My Head Is Slowly Exploding” という冒頭の構成は、いかにもインダストリアル・テクノといった赴きながら、比較的空間を塗りつぶすような太い音が多かった過去のそれに比べると、この作品はより隙間のある鋭角的な音作りがなされていて、それゆえノイズ的側面の目立つ実験的な印象を受ける。

それは揺らめくようなノイズが曲を導くドローンの “Pre-Steel” 、ミニマル・ダブとドローンを掛け合わせたような “Snow Chain” に顕著なのだけれど、かといってダンス的側面が置き去りにされている訳ではもちろんない。例えばくぐもったキックと歪んだドラムが曲を加速させる “Start Chopping” のようなフロアでの盛り上がりを容易に想像できるような曲もあれば、淡々としたキックの上で鳴る鐘を思わせる音が緊張感を高めていく “Gonkle” のように、地味ながらも機能性の高い曲もあり、つまりは両方の側面を備えながらも構成の考えられた、アルバムとして完成度の高いものになっている。

そして中でも圧巻なのが最終曲の “Jmurph” で、左右に振れる金属的なノイズがオーケストラのような躍動感を生み出していて、きんとアルバムの要素を汲みながらも、最後にちゃぶ台返しされたような痛快さがある見事な曲。

ただの過去の焼き直しにとどまらない、インダストリアル・テクノの進化を感じさせる傑作。

ちなみに今作は Fabric みたいなブリキ缶入り。

Wicker & Steel - Perc

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Ekoplekz / Westerleigh Works EP (Perc Trax) mp3

Ekoplekz / Westerleigh Works EP (Perc Trax)
http://perctrax.bandcamp.com/

続いて実験的な感じのを。

ブリストルのアーティスト Ekoplekz が Perc のレーベルから2011年に出したシングル。

この人は様々なレーベルからけっこうな数の実験的な作品を出している人で、なんでそんな人がハード・ミニマルの Perc Trax から、っていう気がしなくもないんだけど、 Perc Trax もノイズ成分の強い実験的なものも出しているので、そう考えると違和感はない。

しかし今作がハード・ミニマルなのかというとそんな事はもちろんなく、性急な変則キックが入る “Ekoplatz” が若干それっぽいが、上に乗るノイズは明らかにダンス・トラックのものとしては異質だし、それはノイジーなエレクトロである “Narco Samba” と “Xylem Teardrops” も同様。

なので普通のダンス・ミュージックの感覚で聴くとけっこうつらいものがあるんだけど、私みたいな人間には低音が入っているだけで聴きやすいのも事実で、これはこれで悪くない。

Westerleigh Works EP - Ekoplekz

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