BRAHMAN / 尽未来際 (Toys Factory) CD

BRAHMAN / 尽未来際 (Toys Factory)

BRAHMAN / 尽未来際 (Toys Factory)
http://brahman20th.com/

Brahman も気がつけば結成20年という事で、それを記念してのベスト・アルバム。

彼らって一時期盛り上がっていたメロコア勢とは一線を画していたというか、明らかにヘヴィだという印象があったんだけど、久しぶりに改めて聴いてみると、アレンジはメロディアスな部分も多いし、曲も思いのほかポップ。
ただそれも売れ線狙ったとかいうものでもなく、他の音楽要素と自然に融合しているし、ポップな曲でもヘヴィな曲でも熱量が変わらないのが好感持てる。

20年間第一線で活躍してきたバンドの強靭さと説得力が分かる作品。

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Bon Jovi / Burning Bridges (Island) CD

Bon Jovi / Burning Bridges (Island)
http://www.bonjovi.com/

2015年を振り返りがてら、たまには更新を。

ということで、いつの間にやら Richie Sambora が抜けていた Bon Jovi が2015年に発表した13枚目のアルバム。

Richie Sambora といえばリーダーである Jon Bon Jovi と共作する事も多く、またギターのみならずコーラスワークでも存在感を発していた人なわけで、さらに私が Bon Jovi を聴くのが2005年の『Have a Nice Day』以来だったりするもんですから、どれだけ変わっているのかなぁ、と思っていたんですが、聴いてみれば良くも悪くもいつもの Bon Jovi 。

冒頭 “A Teardrop To The Sea” の重苦しさなどには色々と勘繰りたくなるけど、力強い “We Don’t Run” は正に Bon Jovi という感じのロックだし、リード・トラックの “Saturday Night Gave Me Sunday Morning” なんて、曲名が似ているせいもあって、”Someday I’ll Be Saturday Night” と区別つかないし。

ただ以降の曲に関しては、イマイチ派手さに欠けるアコースティックの曲が並ぶので、内容的にはかなり地味。さらに Richie Sambora のコーラスがないので、 Jon Bon Jovi のソロ・アルバムとの区別がつかないので、バンドの今後のことを考えると、ちょっと心配になる作品でしょうか。

まぁ曲の質自体は Richie Sambora の不在を感じさせない高いものだし、私も年齢的にこのくらい枯れている方が聴きやすいので、思いのほか楽しめました。

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B.D. / Balance (UNIVERSAL) CD

B.D. / Balance (UNIVERSAL)
http://www.grbk-killaturner.com/

2014年に聴いた盤を雑に紹介していく2。

TETRAD THE GANG OF FOUR のメンバーでもある B.D. が2013年12月に発表した、通算3枚目、メジャーからは初となるアルバム。

B.D. ってこのアルバム聴くまで自分にはあまり馴染みがないラッパーだったんだけど、一度だけ見た事のある TETRAD THE GANG OF FOUR のライブでは、奔放すぎる変態おじさん(NIPPS)を縁の下で支える堅実派、という印象だったんだけど、今作も古き良き日本のヒップホップを継承しながらも、非常にバランスのとれたアルバムになっている。

ゆったりとした “Hajimari” から始まり、煙たいトラックの上で Nipps を招いた “Launch Sequence” や、トラックで使われているギターと相まって力強いラップを聴かせる “Kanzentyouaku” 、タイトルに対して直接的な言葉が並ぶ “Sensou” など、様々なタイプの曲が並ぶものの、そのどれもがレベルが高い。

ただその分音楽的な個性というのが分かりにくくはなっているんだけど、どの曲もきちんと B.D. のラップが軸になっているので、散漫な印象はない。

地味ながら良作。

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SELA., Butane + Someone Else, Kings, Keith Ape, ichiro_

CRACK III 1V.A. / CRACK III
カリフォルニア在住のプロデューサー SELA. が編纂した初期ジュークのコンピレーション(オフィシャルなものかは不明)。
ここの収録された曲の歴史的価値というのはよく分からないんだけど、どの曲も熱量高くてカッコいい。
Santa's Little Helpers 2014Butane + Someone Else / Santa’s Little Helpers 2014
Butane と Someone Else が運営するアメリカのレーベルから、その二人がクリスマスに発表したスプリット。
古きよきミニマルという風情。
First YearKings / First Year
ロンドンのプロデューサー Kings のフリーのアルバム。
この手の甘い上モノと重いビートの組み合わせはやはり好き。
DownloadKeith Ape (feat. JayAllDay, Loota, Okasian & Kohh) / 잊지마 (It G Ma)
韓国のラッパー Keith Ape がフリーで発表した曲。韓国と日本のラッパーがそれぞれ母国語で、しかもかなりテンションに落差があって面白いんだけど、やっぱり最後の Kohh がカッコいい。ビデオも強烈
610452,OK_____ichiro_ / 610452,OK?????
練馬区在住のプロデューサー、ichiro_ のビートテープ。
エレクトリックな音色のジャジー・ヒップホップで安定のクオリティなんですが、4曲で10分にも満たないので、ちょっと物足りないかしら。

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Black Atlass / Paris ( Fool’s Gold) mp3

Black Atlass / Paris ( Fool's Gold)
http://www.foolsgoldrecs.com/

もう一人、こちらも James Blake からの影響を指摘される事の多い、カナダ出身の Black Atlass が6月に発表した、商業作品としてはおそらく初となるシングル。

とはいっても2012年に発表したミックステープ『The Black Atlass EP』(関連記事)に収録されていた曲の再録。
マスタリングがしっかりしたせいか、音はずっとクリアになっているんだけど、曲のアレンジ自体はそのままなので、別段印象が変わるということもなく、早くアルバム出してよ、という感じでしょうか。

それよりも聞き物なのは、2曲目のピアノの弾き語りバージョン。原曲もピアノが印象であるだけに、こちらも曲の印象自体はそれほど変わりはしないものの、あえてヴォーカルに輪郭をぼやけさせるような処理がほどこされた原曲を聴く限り、単純に歌い手としての彼の魅力はよく分からなかったのに比べ、エフェクトもダビングもしていないこのバージョンでのヴォーカルは、声量こそ物足りないものの、独特の哀愁が感じられて思いのほか良い。

あとは上でも書いたとおり、早くアルバム出してほしいんだけれども・・・。

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Bvdub / A Careful Ecstasy (Darla) mp3

Bvdub / A Careful Ecstasy (Darla)
http://darla.com/

現在中国在住だという Bvdub こと Brock Van Wey が2013年1月に発表したアルバム。

この人の名前自体は2、3年前から知っていたものの、作品数が多過ぎるせいか、逆に聴くタイミングが合わなくて私が聴くのは今作が初。聴く前は Bvdub に関してはミニマル・ダブを作る人、という印象を持っていて(名前に「dub」も入っているし)、実際今作での音作りはミニマル・ダブ的なものではあるものの、ある意味ミニマル・ダブとは対極にあるような作品になっている。

というのも、冒頭の “Another Love” からして、雄大な響きのシンセと女性ヴォーカルが作り出す音世界は、劇的かつ感情的なもの。それはその他の曲に関しても同様で、またほとんどの曲で歌い上げるようなヴォーカルが導入されていたりと、ミニマル・ダブの展開のなさや冷たさとは一線を画している。

ただメロディやヴォーカルの劇的な部分と、アンビエント要素の強いトラックが溶け合うことで、曲が大仰になるのを見事に回避しているし、それでいて非常に洗練された形でヴォーカルを主軸においているところなど、歌ものとしての新鮮さも感じる。

アンビエント R&B やチルウェイブなどの人気により、以前よりもエレクトリックな曲が聴かれるようになった気がするんだけど、そういった人に対するテクノの入り口としても良いのではないだろうか。

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Bruno Pronsato / The Make Up the Break Up (The Song Says) mp3, 12″

Bruno Pronsato / The Make Up the Break Up (The Song Says)Bruno Pronsato / The Make Up the Break Up (The Song Says)
http://thesongsays.com/

シアトル出身のプロデューサー Bruno Pronsato が自身のレーベルから発表した2009年の作品。
デジタルだと38分が組み曲的に7分割されているんですが、アナログだと12分強の曲が2曲になっています。

今作は2008年の大傑作『Why Can’t We Be Like Us』(関連記事)の後の作品だけにどうかと思っていたんですが、今作もまた期待通りの傑作になっています。

基本的な方向性としては『Why Can’t We Be Like Us』とそれほど変わらず、生楽器の要素を活かしたミニマル・テクノ。全編で鳴る柔らかなキックと乾いたスネア、ハンドクラップが緩やかにグルーヴを紡ぎ、その上で様々な音が立ち上っては消えていくというもの。中でもオリエンタルなギターやヴォイス・サンプルが目立っていて、より生楽器的な要素が強くなっているのが特徴なんだけど、やはり素晴らしいのはリズム。
上記したキックとスネアの絡みだけでもずっと聴いていたい位気持ちがいいんだけど、絶妙なシンバルワークで曲に変化をつけているのも素晴らしい。

今聴いても十分刺激的な作品です。

The Make Up The Break Up - Bruno Pronsato

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BRUCE COCKBURN / SLICE O LIFE (ROUNDER) 2CD

BRUCE COCKBURN / SLICE O LIFE (ROUNDER)
http://brucecockburn.com/

今日はぶっちゃけやる気が全然でないので、あえて変化球でいってみる。
っつうことで、キャリア40年以上のカナダのシンガー・ソングライター Bruce Cocburn が2009年に出した2枚組みのライブ盤。

今作は2008年のライブを音源化したもので、アコギによる弾き語り。曲自体はフォークの範疇に入るものがほとんどで、奇をてらった感じは全くないんだけど、だからこそキャリアに裏打ちされた、シンプルでありながら鮮やかな歌と演奏は実に味わい深い。またこの人はギターに関しても非常に評価が高く、今作でも歌と同等か、それ以上に雄弁に情景を描くので、アコギ一本だからと物足りなさを全く感じないのもよい。
久しぶりに聴いたけどやっぱり傑作。

ちなみにこの後2011年に『Small Source of Comfort』というアルバムを出しているみたいなんだけど、全然知らなかった・・・。

Slice O' Life - Solo Live (iTunes Exclusive) - Bruce Cockburn

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Bongripper/Hate / Bongripper // Hate Split (Great Barrier) mp3

Bongripper/Hate / Bongripper // Hate Split
http://www.bongripper.com/

シカゴの4人組 Bongripper が、同じくシカゴの Hate と2013年2月に出したスプリット盤。
6曲中5曲が Hate の曲という変則的な構成ながら、 Bongripper の曲が10分越えなのに対して、 Hate は1分未満の曲がほとんどなので、収録時間としては Bongripper の方が長い。

その Bongripper は、そもそもバンドの成り立ちからしてジャムセッションから始まったようなので、今作に収録された曲も分かりやすいメロディや構成のないインスト。時折思い出したように走り出す部分があるものの、基本的にはドゥーム・メタルと呼ばれるスタイルの音で、ダウンチューニングされたギターとベースの出す歪んだ音色は非常に重い。ただドゥームのオカルトっぽさや、ストーナー系の葉っぱくさい極端に弛緩した感じは薄く、上述したようなジャム的なラフな空気が強いので、その分聴きやすい反面、掴みどころがなくてイマイチ印象に残りにくい。

一方の Hate はブラック・メタルっぽい喚き散らす感じのヴォーカルのハードコア(ブラッケンドってほどでもない)。ものすごい勢いで突っ走る曲が、まず痛快で非常にかっこいいのだが、唯一4分と長い “Invisible Man” のような、リフで聴かせるスローテンポの曲でもきちんとうねりのある演奏を聴かせいていて、ただ早いだけではないのが好印象。
Hate はもっと他の音源も聴いてみたい(けどこのバンド名じゃ検索で見つけられない・・・)。

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Black Atlass / The Black Atlass EP (Self Released) mp3

Black Atlass / The Black Atlass EP
http://blackatlass.com/

2012年聴いたもので印象的だったものをいくつか揚げてみる。

まずはロンドンの18歳 Black Atlass こと Alex Fleming がフリーで出した EP 。

スクリューを思わせるゆったりとしたヒップホップのビートだったり、もやがかった音像だったりとすごく今っぽいトラックを作る人ではあるんだけど、結局のところ全体の雰囲気を決定付けているのは彼の儚げな歌声であり、その歌声がべったりと曲を包み込むことによって非常に情緒的な世界観が出来上がっているのが面白い。
また声ネタを色々とつかっているのだが、きちんと自分のヴォーカルとの絡みをちゃんと考えて作られているのも良い。

今年はぜひともフルアルバム聴きたい人です。

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BLAHRMY / A REPORT OF THE BIRDSTRIKE (D.L.I.P.) 2LP

BLAHRMY / A REPORT OF THE BIRDSTRIKE (D.L.I.P.)
http://www.myspace.com/blahrmy

sheef the third と Miles word による藤沢の二人組、 Blahmy が2012年の3月に出したファースト・アルバム。

2010年に出したミニ・アルバム「Duck’s Moss Village」(過去記事)がかなりの傑作だったので、今作にも当然期待していたんだけど、これはちょっと期待はずれでしたかねぇ。

とはいっても曲の完成度が低いとかいうことは全くなく、良い書き方をすれば「黒光りしたリアル・ヒップホップがずらりと並ぶ」作品になっていて、実際曲単位で聴けば太いグルーヴに貫かれたトラックの上で、技巧的で淀みのないラップを聴かせる二人の掛け合いは最高。
しかしアルバム全体としては、似たような曲ばかりが並ぶメリハリのない作品になってしまっていて、その為15曲という曲数の多さも悪いほうに作用してしまっている。またこれは Blahrmy の音楽性を考えればある程度しょうがないんだろうけれど、強烈なひっかっかりになるようなメロディや、派手なトラックなどもないため、どうしても地味な印象になってしまう。

なのでそこら辺の構成力をどうにかすれば、ずっと良くなったアルバムのように思うし、他のグループに比べれば十分傑作と呼べる位の作品なんだけど、さすがに期待しすぎましたかね。
ただこのグループにとってまだ初のフル・アルバムなので、まだ期待値は高いままにしておきたい。

試聴

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Black Sheep Wall / No Matter Where It Ends (Season of Mist) CD

Black Sheep Wall / No Matter Where It Ends (Season of Mist)
http://www.season-of-mist.com/

カリフォルニア出身のメタル・バンドが2012年に発表した(多分)セカンド・アルバム。

彼らのスタイルは所謂スラッジと呼ばれるドゥーム・メタルの一種みたいだけど(実はここら辺よく分かってない)、地を這うようなギター・リフと、ハードコアっぽい咆哮のようなヴォーカルは、非常に重苦しい。
しかし長尺の曲中心に、後半にいくにしたがってノイズ成分が増えていくのが、まるで混沌に沈殿していくような深みがあり、メタル的な展開とは一線を画した面白さがある。

まぁ逆にいうとメタルのキメキメな感じを期待すると肩透かしなのだが、メタルだけにとどまらない、越境的な魅力を持った作品だ。

No Matter Where It Ends (feat. Jay Howard) - Black Sheep Wall

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BES from Swanky Swipe / BES ILL LOUNGE (P-VINE) CD

BES from Swanky Swipe / BES ILL LOUNGE (P-VINE)
http://p-vine.jp/

んで、こちらは Bes の既発曲や未発表曲、新曲を ONE-LAW! がミックスした作品。

既発曲はもちろんの事、新曲でも他のラッパーが招かれているものが多く、また共演者がいるのに自分だけうらぶれているわけにはいかなかったのか、比較的以前に近い、毒とユーモアにあふれた曲が多いのだが、トラック自体はシンプルでゆったりとしているため、『Rebuild』の曲とミックスされていても違和感はない。

ただ新曲に関しては、期待していたわりには共演しているラッパーの方が目立っている曲も少なくなく、若干肩透かしの感は否めないし、全体的にも Bes の曲を並べました、という以上の流れや軸がイマイチ見えなくて、ちょっと作品としては散漫な印象を受ける。

そういった意味では、逆にちゃんとした復活作が聴きたくはなるのだが、果たして次はあるのだろうか・・・。

BES ILL LOUNGE - EP - BES from SWANKY SWIPE

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BES from SWANKY SWIPE / BLACK SWAN 3 (BLACK SWAN INC) CD

BES from SWANKY SWIPE / BLACK SWAN 3 (BLACK SWAN INC)
http://www.blackswan-inc.com/

今年は後半ちょっと頑張ったとはいえ、紹介できてない盤がまだかなりあるので駆け足で。

っつうことで、やっとこさお勤めから戻ってきた、と思ったら引退だなんだと言い出して話題になった(結局アレはどうなったんだろう)ラッパー Bes の EP 。

時折ユーモアを交えながらも、攻撃的に毒を撒き散らしていた SWANKY SWIPE (過去記事)に比べると、2008年に出されたソロ・アルバム『REBUILD』(過去記事)は随分うらぶれた感じの強い作品でしたが、今作はヒップホップ的な躍動感がいくらか戻ってきていて、そういった意味では『Bunks Marmalade』と『REBUILD』の中間にあるような作品になっている。

しかし『REBUILD』にあった哀愁はさらに色濃いものになり、歌詞もまた過去に対する後悔の念がこめられたものが多く、そこに以前のような攻撃性を感じることは難しい。
ただゆったりとしたビートに乗る感情的な彼のラップは、彼の今までの人生を反映させたブルースと呼びたくなるほどの味わい深さがあり、これはこれで非常に魅力的だ。

Black Swan 3 - BES from SWANKY SWIPE

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Breakage / The Promise EP (Self Released) mp3

Breakage / The Promise EP
http://breakagemusic.com/

アルバム(過去記事)出して以降あまり名前の見なかった Breakage こと James Boyle さんが最近出した3曲入りのフリー EP 。

この人ってとにかく硬派なダブステップを作る人という印象が強かったんですが、今作では1曲目の “Express” からして、軽やかな四つ打ちのハウスだったりして、Breakage おまえもか!、という感じ。ただこの曲に関しては途中でテンポアップしてダブステップのリズムになるものの、残りの2曲に関しては全編四つ打ち。
まぁ四つ打ち自体が悪いとはもちろん思わないし、ダブステップゆずりの地鳴りのようなベースラインと鋭いシンセがかっこいい “Ass Up ft. Dismantle ” 、ヴォーカルなども入れて分かりやすく盛り上がれる “The Promise” と、どの曲も出来自体はいいものの、やっぱりこの人がやらんでも、とは思ってしまうんですよね。

自ら没個性な道を選んでしまっている気が・・・。

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Badawi / The Axiom EP (the Agriculture) mp3

Badawi / The Axiom EP (the Agriculture)
http://theagriculture.com/

今年頭の来日ライブが素晴らしかった Badawi こと Raz Mesinai さんが2011年に出した EP 。12インチだと2曲しか入ってないんだけど、ファイルだと7曲なのでファイルで購入。

この人は元々現代音楽方面の人だからなのか、ダブ系をやるときの名義である Badawi でも実験的なものが多いのですが、今作は比較的ダブステップの定型に則ったような曲が多く、そういった意味では非常に聴きやすい。

ただその分無個性な退屈さがあるのかというとそんな事はなく、ノイズとベースが徐々に溶け合いドローンのような質感を生み出す “Destroy All Prophets” 、左右に振れながらも徐々に沈みこんでいくビートが印象的な “The Axiom” 、次々と変容する神経症的なノイズが緊張感を高める “Anlan 7” など聴き所も多い。

また最近のこの人にしては珍しい直球なミニマル・ダブにした Andy Stott と、前のめりなドラムとタメの効いたベースが歪んだグルーヴを作り出す Vaccine のリミックスも素晴らしく、非常に充実した作品集だ。

The Axiom - Badawi

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The Black Dog / Liber Chaos (Book Ov Aiwass) (Dust Science) mp3

The Black Dog / Liber Chaos (Book Ov Aiwass) (Dust Science)
http://www.dustscience.com/

相変わらずタイミングずれまくりなんですが、イギリスの3人組 The Black Dog が昨年末に出したリミックスEP。

The Black Dog って以前は端正なエレクトリック・ミュージック作ることが多かったのが、最近ダークなテクノを出す事が増えてきた、というのはなんとなく知っていたんですが(実はこの人たちよく聴いたことがない・・・)、今作での Sandwell District や Perc といった人選は、それを物語るものになっている。

まず1曲目の Sandwell District は、アルバム(過去記事)の延長線上にあるような、モノトーンのビートに、徐々にノイズエフェクトがかぶさってくるというシンプルなモノながら、ビートの強度と空間処理の妙で聴かせる素晴らしいもの。

逆に他のリミックスに関しては可もなく不可もなく、といった感じのものが多かったんだけど、軽くミニマル・ダブっぽく仕上げた Shifted が良かったかしら。変に軽い音に仕上げた Sigha は期待はずれ。

Liber Chaos (Book Ov Aiwass) - The Black Dog

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BLAHRMY / SPANKIN’ SOLDIER (D.L.I.P.) 12″

BLAHRMY / SPANKIN' SOLDIER (D.L.I.P.)
http://www.myspace.com/blahrmy

2010年のミニ・アルバム『Duck’s moss village』(過去記事)から約1年ぶりのリリースとなるシングル。

前作から1年ぶり、ということでどういった進化を遂げているのかと思ったが、さすがに『Duck’s moss village』の完成度が高すぎたからか、良くも悪くもあの作品の路線から変わりはない。
しかし上モノがほとんどメインのストリングスだけと、まさに Blahrmy という感じの “SPANKIN’ SOLDIER” 、特徴的なギター・ループと共に重心低めにじわじわせめる “SOMEBODY’S GOTTA SAY IT.” の両曲とも、曲の素晴らしさも変わっておらず、そういった意味では非常に満足できる。

この分なら現在製作中というファースト・アルバムも期待して良さそうだ。

試聴

Blahrmy / Duck’s Moss Village (MOSS DUCK) CD

Blahrmy / Duck's Moss Village (MOSS DUCK)
http://www.myspace.com/blahrmy

sheef the third と Miles word による藤沢の二人組、 Blahmy のファーストEP。

そもそも私が今作に興味を持ったのは、恵比寿のレコード屋 wenod のサイトに「2mc共にラップが巧すぎる!」と書いてあったのが目に留まったからなのだけれど、確かに今作の魅力を端的に表すとするならば、兎にも角にもラップが巧いという事に尽きる。

しかしその巧いというのも、技術的に云々という話ではなく、変な表現かもしれないが音楽的に巧い、とでも書きたくなるもので、二人のラップは基本的に非常に滑らかで流れるようなのだけれど、それでも吐き出される言葉は聴き取りやすく、それでいて要所要所できちんと引っ掛かりを作っていて、ラップがすっと頭に入ってくるのに言葉がきちんと頭の中に残っていてとにかく心地いい。

またトラックの方はあまり飾り気のないシンプルなもので、最初ラップに比べると物足りない感じがしたんだけど、逆にシンプルであるがゆえに出来た多くの隙間をラップの躍動感が上手く埋めていて、非常にバランスの良いものとして聴ける。

つまり二人のラップの巧さが独りよがり的に前面に出ることなく、あくまで音楽的な魅力を伴って耳に入ってくることによって、逆に巧いと唸らされる。

日本語でのラップの魅力を堪能できた、という意味では『病める無限のブッダの世界』にも匹敵する1枚。傑作です。

試聴

DJ BAKU / POPGROUP presents, KAIKOO “Human Being” (POP GROUP) CD

DJ BAKU / POPGROUP presents, KAIKOO
http://www.pop-group.net/

KAIKOO の5周年を記念して KAIKOO の出演者の楽曲のみを使ったミックスCD。

ここで楽曲を使われているアーティストを見るとヒップホップやテクノ、ハードコアにポップスと非常に幅広く、これだけのアーティストを出演させてきた KAIKOO の間口の広さには驚くものの、このミックスに関してはそれらを滑らかにつなぐというよりは、矢継ぎ早に切り替えるという手法がとられているので、普段テクノのミックス聴くことの多い私には展開が多すぎて忙しく感じてしまう。

まぁそれでも全体の流れが滅茶苦茶などということはなく、前半がクラブ系、中盤がロック系、後半がヒップホップ系と大雑把にはまとめられているので唐突さは感じないし、普段あまり聴く機会のない日本のアーティストを多く聴けたので、そういった意味では面白かったです。

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Badawi / El Topo (index) 12″

CLOAKS / VERSUS GRAIN (3by3)

こちらは Raz Mesinai と Dave Q が立ち上げたレーベルからの最初のシングル(2010年作)。

この Badawi というのは現代音楽の方面で活動している Raz Mesinai がダブをやるときの名義だそうなんだけど、以前聴いた shackleton をリミックスしたものは(過去記事)、ドロドロに溶かしすぎたせいでほとんどアンビエントやドローンに近くなったようなミニマル・ダブで非常に独特だったんだけど、それに比べると今作はわりと普通にダブステップ。

しかしベースの音はほどほどに、迫力のあるストリングスを中心に疾走感のあるドラムを絡ませることによってグルーブを作っていて、地味ながらもその音作りは面白いし、音の出し引きという点からするとこれもダブの形なのかなと思わされる。

もう1曲の shackleton のリミックスは、可もなく不可もなくといった感じのいつもの shackleton 。

El Topo - Badawi

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BASTI GRUB / HOEHENREGLER VS GEREGELT

BASTI GRUB / HOEHENREGLER VS GEREGELT
http://www.myspace.com/bastigrub

そろそろ通常更新できるように頑張ってみようかと思います。

以前ほどテクノの流れを終えていないので現在どんな音が人気なのかつかめていない部分もあるのだけれど、それでも数年前に「氾濫している」という表現がピッタリなほどよく聴かれたパーカッシブなミニマル・テクノは、以前ほどの勢いが無いように感じる。
そしてその中心で数多くの作品をリリースしていた Basti Graub も、以前に比べてリリースペースが落ちた事も相まって名前を見ることが少なくなってしまったが、どんどんハードな方に流れている印象のテクノの現状からすると、パーカッシブ・ミニマルのもっていた軽妙さを思い出してみるのも面白いかもしれない。

ということで、 Busti Grub が2008年の来日時にディスク・ユニオンのインストア・イベント用に用意したミックスCD。当然今も手に入るような代物ではないので、こんなものを紹介することにどれほどの意味があるのかは分からないのだけれど、それはいつもの事なのでご容赦を。

今作は Basti Grub が自身のレーベルからリリースした曲だけが使われていて、様々なスタイルを聴かせるというよりは、パーカッションやオリエンタルなメロディ、声ネタといった如何にもな要素が多く使われた曲郡は、むしろ金太郎飴的な印象さえ与える。
しかしそれらの曲たちは極端な盛り上がりも無く終始飄々とていてこちらに何かを強要するといった雰囲気がほとんど無く、その中に入って踊る事はもちろん、少しはなれて周りの空気になじませながら聴く事も出来る自由度と適度な距離感があり、発表から数年経った今聴いても非常に心地よい。

因みに彼の Myspace をによるともう間もなく Desolat からアルバムが出るようで、そちらも楽しみにしたい。

Basic Channel / BCD-2 (basic channel) CD

Basic Channel / BCD-2 (basic channel)
http://www.basicchannel.com/

紹介するタイミング逃していたのを簡単にいくつか。

っつうことで2008年に突如リリースされたベーチャンの曲を纏めたCD。
この時期ベーチャンがまた活動するんじゃないか、みたいな噂が出たのも今となっては懐かしい感じですね。

1995年に出た最初のCDは彼らのダブ的な側面に焦点を当てた内容だったそうなんだけど(実は聴いたことない)、今作はテクノ的な側面に焦点を当てていて、特に最初の2曲なんか攻撃的なハード・ミニマルで(もちろんダブの要素もあるんだけど)なんで、今からすると少々意外な感じ。
そして残り4つの長尺曲が前述の2曲よりもややトーンを抑えたミニマル・ダブで、こちらの方が今のベーチャンのイメージに近いのかなと思うけど、いずれの曲にしてもミニマルであるがゆえに古さを感じさせないもので、やはりこの時点でミニマル・ダブというスタイルは完成したのだという思いを強くする。

まぁそれゆえに未だに影響力が強すぎるのはどうかとは思うんだけど、ミニマル・ダブの領域で彼らのスタイルを上塗りするような人たちはいつ現れるのか・・・。

BCD-2 - Basic Channel

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Butch Clancy / Diary Of A Stateside Steppa

Butch Clancy / Diary Of A Stateside Steppa
http://www.filth.fm/

デトロイトのダブステップ・プロデューサー、 Butch Clancy の4曲入りフリーEP。

ダブステップもいまや色々なスタイルのものがありますが、ブートも含めネットで出回っているものに関しては、音響的にはダブからの影響を感じさせない、ディストーションかかったサブベースがのた打ち回るようなトラックが圧倒的に多い印象なんだけど、今作もそれは同様。

で、ここら辺の音をさしてヘヴィメタル的だとして敬遠する人もいるようでして、それは逆にいえば私みたいにメタル好きな人間には受け入れやすい音なのかな、とも思うし、実際嫌いではないんだけど、この手の音は派手な分すぐ飽きるのと、他のと差異を見出しにくい、という欠点を持ったものが多く、残念ながら本作も圧倒的な個性を身につけているとはいい難い。

まぁそれでもダブステップに興味があるのならば一通り聴いていたほうがいい類の音だとは思うけど。

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