Tadeo / Cosmos remixes (Apnea) 12″

Cosmos remixes
http://www.apnearecords.com/

2007年リリースの、 Apnea の15番のリミックス盤。

最近ミニマル・ダブっていうと、 Echospace なんかの、ディレイをバリバリにかけた霧中サウンドが思い出されますが、本家ベーチャン一家の Substance による今作のリミックスは、ミニマル・ダブの代名詞ともいえるディレイは抑え目にし、残響音を最小限にしているものの、代わりにデトロイト系にも近い疾走感を手に入れていて、初期 Basic Channel に近いようで微妙に違う、地味に新鮮な好トラック。なんかこう書くとあんまり褒めてないように思われるかもしれないけど、逆にいえば、ミニマル・ダブという分野において、僅かでもいいから新鮮さを感じさせる表現がどれだけあるのかという話で、そういった意味でも素晴らしい。
一方の Cassy のリミックスは、相変わらずの低温多湿なぬめっとしたミニマルで、気持ち良いと気持ち悪いの境界線を攻め続けていて、こちらも好リミックス。いい盤です。

Tadeo - Cosmos Remixes - EP

Hieroglyphic Being / Guidance/Direction e.p. (apnea)12″

Guidance/Direction e.p.
http://www.apnearecords.com/

この Hieroglyphic Being に関しては、以前 spectral からリリースしていた、ってことくらいしか知らないんだけど、なんでもレーベル側からのラヴ・コールによって実現したリリースなんだそうな。

でまぁ、これがなかなかに不思議な作品で、2曲とも少しデトロイトっぽいといえばデトロイトっぽいんだけど、とにかくリズムがスカスカで、なんかキックがぽすぽす鳴ってるくらい。つまりはクラブで単独でかけられるような低音ではないんだけど、その代わり、扇情的かつ壮大にうねる上モノだけで最後まで引っ張っちゃうんだからスゴイ。しかも低音がなくとも、スネアを上手く使ってグルーズを作り上げているのも面白いし、きちんとファンクネスを感じる。

それにしても apnea のサイトは一体いつ更新されるのだろうか。

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Geoff White / ique (Apnea)12″

Geoff White / ique
http://www.apnearecords.com/

ついでなんでその1番。

そもそも Apnea を主宰する Alex Under って、もう一つの主宰レーベルである Cmyk MusikTrapez からリリースを重ねていた人で、そんな人のレーベルの記念すべき1番が、何故 Geoff White なのか、っていうのは未だに不思議なんですよね。このレーベル以外での交流って特に聞いたことがないし、そもそも Alex Under って人気あるわりに日本では謎な部分が多いのよね。まぁいいや。

このシングルでは Force Inc. からのアルバム『Questions And Comments』をさらに進化させているんだけど、おそらく Geoff White の作品のなかでも最もダブ色が濃い。
そのトラックは意外性こそないものの、職人気質的を細部に感じさせ感度は高い。しかしせっかく12インチなんだから、もっとダンス寄りでもいいのではないかとも思うわけで、そう意味では Alex Under のリミックスがなかなかに秀逸。原曲のダブ感を損なうことなく、上手く疾走感のあるテック・ミニマルに仕上げている。
とりあえず『Neverthless』(過去記事)が気に入った人は聴いておいたほうがいいかと。

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[Tracklist]

Geoff White / Sum (Apnea)12″

Geoff White / Sum
http://www.apnearecords.com/

Apnea 、といえばスペインはマドリッドの Alex Under が主宰するレーベルですが、レーベルの1番をかざった Geoff White が再び登場。その1番にあたる『ique』(関連記事)は、昨年の傑作『Neverthless』(過去記事)の雛形のようなクリック・ダブだったんだけど、その方向性はアルバムでやりきった感があったのか、今作では作風をがらりと変えております。

まず驚くのが1曲目の “He Said” で、以前の端正さはどこへやら、ブリブリとしたベースラインがとにかく動きまくる。それはダンス・ホールやベイルファンキにも近い猥雑さを感じさせるほどで、非常に攻撃的。残りの3曲も多少の差はあれど、以前よりもかなりリズムに動きのあるもので、まぁ分かりやすく表現するならば Geoff White 流のアシッド・ハウスともいえるんだけど、このリズムのうねり方は一般的なテクノのフォームからは大きくはみ出すもの。
それでいて上モノの透明感というのは以前とそれほど変わらず、全体的な質感としてはまぎれもなく Geoff White のものになっている。
それでもこの方向性が以前のダブ路線よりも好きかというと、正直そんなことないんだけど、この挑戦の果てにどんな新たな音を生み出すのか、そこはやはり楽しみなところです。

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[Tracklist]

GEOFF WHITE / NEVERTHELESS (background) CD

GEOFF WHITE/NEVERTHELESS
http://www.background-records.de/

どうも日本語で解説してあるサイトが見つからないんだけど、多分このアルバムが何かの理由でお蔵入りになっていたのが、新たに発表されたもの。 Geoff White 自身にとってもこの作品の発表だったのは待望だったのか、未完成だったこの作品の発表の場を作ってくれた Andy Vaz に対する謝辞がサンクス欄に書かれています。ということで前作の『Questions And Comments』から5年ぶりとなる2作目。

Geoff White といえば音の粒子が見えるような繊細な上モノとダビーな音響処理が特徴な人ですが、Aeroc と Jackstone という別名義での作品や、様々なレーベルからの発表を経ていながらも基本路線は前作と変わらず。しかしその技は一層の冴えをみせ、上モノはクリスタルの破片が舞い上がるかのような美しさと切れ味を感じさせ、それでいて以前はその線の細さも目立ったリズムは、それが嘘のように太く鳴り響く。特にアナログだと1曲目になる “OPPOSING PLATFORM” の繊細な美しさと、それを全てなぎ払うかのような凶暴な低音の対比は素晴らしいの一言。そして CD の方はミックス仕様になっているんだけど、その流れも文句なし。

background の長い歴史の中でも屈指の一枚。

試聴
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