DAN ANDREI / PARCUL COSMOS LP ([a:rpia:r]) 2LP

DAN ANDREI / PARCUL COSMOS LP ([a:rpia:r])
http://www.arpiar.ro/

あけましておめでとうございます。昨年はもっぱら年間ベストを掲載するくらいしか更新していなかったのですが、今年はどうでしょう。とりあえず昨年は音楽をちゃんと聴く時間は減る一方なのに、買う量は増加傾向なせいで、聴けてない盤がまだかなりあるので、今年はもうちょっと聴く枚数を絞りたいんですが、まぁ毎年同じ事思っているので、多分変わらんのでしょう。

ということで、昨年を振り返りがてら手短に。

昨年のテクノに関してはルーマニア系とうるさい系二本柱を中心に、というのは変わらなかったんですが、ルーマニア系は前半は良作が多かったものの、後半はあまり目立つものがなかった印象です。まぁそれは私がアルバム中心に追っかけているからというのもあるんでしょうが。とりあえず今年はもうすぐ SUBLEEJay Bliss のアルバムが出るので期待したいところです。

そんなルーマニア系の中心レーベル [a:rpia:r] から2015年末に出た DAN ANDREI のファースト・アルバム。

この人は同レーベルから2014年に発売された Raresh のリミックス盤でも一人イマイチなリミックスを提供していたんですが、今作もイマイチかなぁ。上モノとかは結構きれいなんだけど、どうも全体的に線が細いのよね。まぁそれは良く捉えれば繊細ともいえて、デトロイト系との親和性も感じさせたりするんだけど(エレクトロっぽい曲もあるし)、やっぱ中途半端かな。でもレコード屋から早々に無くなった印象があるので、人気はあるっぽいけど。

petre inspirescu / gradina onirica ([a:rpia:r]) 3LP

petre inspirescu / gradina onirica ([a:rpia:r])
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気がつけば今年も6月に突入していて、そろそろ上半期ベストの話題も出てきている今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。なんか4月頭まで続いていた毎日更新が途切れて以降、めっきり更新頻度が落ちておりますが、このままいくとまたお気に入り盤を全然紹介していない、という事態になりそうなので、とりあえず何か書いてみようかと思います。

ということでルーマニア出身のプロデューサー Petre Inspirescu のこの名義では2枚目のアルバム。
発表自体は2012年末なんですが、日本国内に入ってきたのが2013年なので、私が聴いたのも今年に入ってから。

Petre Inspirescu が2009年に発表したファースト・アルバム(関連記事)はパーカッシブなミニマル・テクノ、2011年に πEnsemble 名義で発表したアルバム『Pădurea De Aur』は室内楽を再構築したモダン・クラシカル的な作品でしたが、今作はその両方の要素を纏め上げた傑作になっている。

まず1曲目の、不穏なベースラインが作り出す緊張感で延々と引っ張りながら、様々な音が立ち上っては消えていく “tulip en” が圧倒的。その他にも淡々と鳴るキックの上にうっすらと乗るストリングスが景色を塗り替えていく、17分を越す大作の “doar unul” 、躍動感のあるリズムの上で鳴る、滴り落ちるようなピアノの調べが美しい “ksses in plic” 、重心の低いベースラインが強靭なグルーヴを作り出している “pechiuli rose” 等、全曲素晴らしい傑作ぞろい。

さすがにフロアでの機能性という意味では前作よりも一歩(いや、二、三歩かな)劣るものの、音楽的な豊潤さではそれを上回る成長を聴かせる本作は、現在のルーマニア勢の素晴らしさが結実した、金字塔的な作品だ。

Petre Inspirescu / Intr-o seara organica… ([a:rpia:r]) 3LP

Petre Inspirescu / Intr-o seara organica... ([a:rpia:r])

iPod の容量がいっぱいになりそうなのでてきとうに。

Cadenza から『Tips』というダブルパックをリリースしているルーマニア出身のプロデューサー Petre Inspirescu が、同じくルーマニアの Rhadoo と主催するレーベル [a:rpia:r] 2009年末に発表したファースト・アルバム。

Cadenza 関連のアーティストというとパーカッションを多用したミニマル・テクノと相場が決まっていますが、今作もご多分に漏れずパーカッション使ったミニマル・テクノ。

しかし陽性な雰囲気の作品の多い Cadenza に比べると、今作のトーンは終始抑え目で、なおかつあまり展開もなく非常にそっけない。
だがほとんどの曲が10分超という長尺の中で(アルバムは6曲で80分!)、じっくりとじっくりとグルーヴを体へと浸透させていくトラックは、これぞ正にテクノといったもので、一旦はまると何度でも聴きたくなる魅力をもっている。

またどの曲にも 4/4 からは外れるようなリズム感の音を忍び込ませる事によってグルーヴにふくらみを持たせているのも面白い。

ecrn award にも書いたんだけど、 Cadenza 系のアルバムでは決定打ともいえる素晴らしい作品ではないかと。

試聴

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