petre inspirescu / gradina onirica ([a:rpia:r]) 3LP

petre inspirescu / gradina onirica ([a:rpia:r])
http://www.arpiar.ro/

気がつけば今年も6月に突入していて、そろそろ上半期ベストの話題も出てきている今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。なんか4月頭まで続いていた毎日更新が途切れて以降、めっきり更新頻度が落ちておりますが、このままいくとまたお気に入り盤を全然紹介していない、という事態になりそうなので、とりあえず何か書いてみようかと思います。

ということでルーマニア出身のプロデューサー Petre Inspirescu のこの名義では2枚目のアルバム。
発表自体は2012年末なんですが、日本国内に入ってきたのが2013年なので、私が聴いたのも今年に入ってから。

Petre Inspirescu が2009年に発表したファースト・アルバム(関連記事)はパーカッシブなミニマル・テクノ、2011年に πEnsemble 名義で発表したアルバム『Pădurea De Aur』は室内楽を再構築したモダン・クラシカル的な作品でしたが、今作はその両方の要素を纏め上げた傑作になっている。

まず1曲目の、不穏なベースラインが作り出す緊張感で延々と引っ張りながら、様々な音が立ち上っては消えていく “tulip en” が圧倒的。その他にも淡々と鳴るキックの上にうっすらと乗るストリングスが景色を塗り替えていく、17分を越す大作の “doar unul” 、躍動感のあるリズムの上で鳴る、滴り落ちるようなピアノの調べが美しい “ksses in plic” 、重心の低いベースラインが強靭なグルーヴを作り出している “pechiuli rose” 等、全曲素晴らしい傑作ぞろい。

さすがにフロアでの機能性という意味では前作よりも一歩(いや、二、三歩かな)劣るものの、音楽的な豊潤さではそれを上回る成長を聴かせる本作は、現在のルーマニア勢の素晴らしさが結実した、金字塔的な作品だ。

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