V.A. / hub solo & collabo 2006-2008 (op.disc) 2CD

V.A. / hub solo & collabo 2006-2008 (op.disc)
http://www.opdisc.com/

最近仕事の方が忙しくなってきて、全然音盤消化する時間がなくてネタが尽きてきたというか、更新するのが本気で辛くなってきたので、過去盤引っ張り出しての軽めの音盤紹介が続くと思います。

ということで東京のレーベル op.disc が2008年に発表した2枚目のコンピレーション。

2005年に発表された1枚目のコンピレーションは、それまでに発表されたシングルの曲を、単独作と共作に分ける形で収録していましたが、それは今作も同様(前作は1枚組みだったのでディスクが分かれていたけど、今作は前半後半で別れてる、っていう違いはあるけど)。ただ前作が比較的名の知れたアーティストが多かったのに対して、今作は Akiko Kiyama や ditch など若いアーティストが多く、そういった意味では現在の op.disc の方向性の原点ともいえるものになっている。

内容の方はというと、ミニマルと呼ばれる音楽の中でも、さらに素っ気ない曲が目立った前作に比べ、今作は比較的音数の多い曲が多く、多少は聴きやすくなっている。ただもちろん分かりやすい歌メロがあるだとか、派手な展開だとかはないのだけれど、様々な音をカットアップしたような Nap の “Sbx” を筆頭に、ユーモアの感覚があって面白い。

またそのコンピよりも聞き物なのが、 Den がレーベル音源のみを使用したミックスを収録した2枚目。
ミニマルというのがレーベルの主題の一つになっているので、上記したようにリリースされる曲は基本的に分かりやすさが排除された素っ気ないものが多いのだけれど、ミックスされる事によって単体では感じられなかった面が色々と聴こえてきて面白いし、同時にこのレーベルの機能性の高さも実感できて、単純にミックスとしても秀逸。
この後に出た3枚目のコンピにはミックスが付いてなかったんだけど、またこういうのが聴きたいわん。

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Ditch / ditch weed (op.disc) CD

Ditch / ditch weed (op.disc)
http://www.opdisc.com/

ついでなんで、2007年に出た ditch のアルバム。

とはいっても、以前書いたシングル(過去記事)とそれほど印象が異なる盤でもないので、特別書くこともないんだけど、彼の作り出す音のふくらみと、音使いの多彩さは、このアルバムの方が分かりやすいかなと。
あとこの人は「溜め」と「ズレ」の使い方が非常に上手いですね。その辺りがとても効果的な “Rap” はかなり好きな曲です。

Ditch - ditch weed
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Ditch / Delay (Snork Enterprises) mp3

Ditch / Delay (Snork Enterprises)
http://www.snorkenterprises.com/

Shinichiro Kono のユニット ditch のシングル。

op.disc からのリリースで聴かせてくれた、音のふくらみを感じさせてくれるミニマル・トラック、という方向性は、今作でも基本的に変化はないんだけど、キックが今までに比べ格段に重くなり、リズム全体がどっしりと安定感を増したことにより、音のうねりがさらにダイナミックなものになった。

中でもタイトル曲の音の迫力などは、今までの日本人にはなかなか感じられなかった類のもので、この人の目指す地平が一体どういったものなのか、非常に楽しみな気分にさせてくれる。

アルバムの路線を引き継いだようなロング・トラック “Jack Pot” も秀逸です。

試聴
Ditch - Delay - Single

ditch / precede me ep (op.disc) 12″

ditch / precede me ep (op.disc)
http://www.opdisc.com/

今でこそ日本もミニマル/クリックがテクノの主流といった感じですが、2000年代前半の、それこそ『clicks & cuts』の頃とかって、日本での反応って結構冷ややかなものだった印象があります。しかしそんな中でも作品を発表している人というのは少ないながらもいて、 vauxhall 44 なんかは日本人としてはかなり早い段階でアルバムを出していた人だと思うし、 MONTAGE も別名義の BERGBAHN でミニ・アルバムを出したのも、比較的早い時期だったのではないかと記憶しています。そしてその少しあとに Nao Tokui の『MIND THE GAP』があったりするわけなんですが、そのどれもが日本のトラック・メイカーにありがちな音の細さを感じさせるもので、正直クラブ・トラックとしては非常に物足りないものでした。

まぁ日本人の作るトラックは線が細い、というのは、それこそテクノとかヒップ・ホップ聴き始めた時からずっと思ってたことではあって、だからこそ、 ditch の初のアナログ・リリースだった『Kimidori EP』の、海外のものと比べても全く遜色のない、見事な音作りを初めて聴いた時は結構衝撃的でした(まだ海外からリリースするミニマル系の日本人って少なかったしね)。

そんなことがあったんで、自分の中では ditch というのはなかなか印象深い人なんだけど、『Kimidori EP』でのミニマルさとはまた別の魅力を、彼は op.disc ではみせてくれているように思います。

ということで前置きが長くなりましたけれども、昨年のアルバム『ditch weed』からのアナログ・カット。当初の予定だとアルバム発売前に出るはずだったんだけど、なぜか1年遅れてのリリースになります。

デビュー時から一貫している、柔らかいキックの質感はそのままに、非常に多くの音を用いながらも、それをすっきりと、しかしふくらみのある音に仕上げているのはアルバムと一緒。しかし、細かく刻むベースと不穏な上モノでもって、高い緊張感を持続させる “oaob4” 、しなるようなリズムが非常にダンサブルな “jap” 、微妙な音のずれによってファンキーなグルーヴを作り上げている “found” と、どの曲も素晴らしかったアルバムに負けず劣らずの質の高さ。
そしてもう1曲、アルバムの冒頭を飾っていた “mysterious hoze” が収録されていて、まぁアルバムのヴァージョンを全く同じではあるのだけれど、この曲は何度聴いても名曲。彼の作品の中でもかなり音数の多いリズムの上で、深く響き渡るピアノの音と、ヒラヒラと舞い踊るようなギターの対比が素晴らしくて、何回聴いても全く飽きさせない。

まぁあえて難をいうならば、アルバムの世界と同一すぎる気もするんだけど、元々アルバムの先行シングルの予定だったんだから、それはしょうがないというものでしょう。あとは確かもう1枚シングル出す予定だったはずなので、そちらも早く出してほしいところですが。

Ditch - precede me - EP