POLE / steingarten remixes (~scape)CD

steingarten remixes
http://www.scape-music.de/

~scape の首領である Pole の、昨年出たアルバムのリミックス盤。私は元々の『Steingarten』の方は聴いてないんだけど、こちらは面子があまりにも素晴らしいので買ってしまった。今までリミックス盤って色々聴いてきたけど、ここまで時代の突端にいる人たちをすくい上げたものって稀なんじゃないでしょうか。

とはいっても全部が全部知ってるアーティストなわけでもないんだけど、先日紹介した Skull Disco の Shackleton 、その Skull Disco と共にミニマルとの境界線上のレーベルとして評価が高い Punch Drunk を主宰する Peverelist 、数々のカナダのレーベルから秀逸なダウン・ビート・ミニマルを発表している The Mole 、最近デジタル・ダンスホールで注目されている Ghislain Poirier 、同じくデジタル・ダンスホールな新作を昨年出した deadbeat 、 herbert のような生活音を取り入れたミニマルがユニークな frivolous 、そしてご存知 perlon から dimbiman と melchior productions と、もうあまりにも凄すぎる。残りの二人は今回はじめて知ったんだけど、 gudrun gut って人は現在 Monika というレーベルを運営していて、なんと元 Einsturzende Neubauten だという方、 mike huckaby は詳しく分からないんだけど、デトロイトのベテランさんみたい。

これだけの面子を集めれば当然内容も面白いんだけど、変則的なキックで四つ打ち感をうっすらと演出しながらも、丸みを帯びたベース音が印象的なダブ・ステップに仕立てた Peverelist 、燃え滾るようなダンスホールの Ghislain Poirier と deadbeat 、特に目新しさはないものの、抜群に気持ちいいミニマル・ダブの mike huckaby が特に良かったかしら。
まぁ正直この面子の並び以上に面白さがあるかというと微妙ではあるんだけど、現在の(ベルリンの)エレクトリック・ミュージックの大まかな動きはつかめる盤だと思うので、ここから色々掘り下げていくのも楽しいのではないかと。

試聴

frivolous/midnight black indulgence(scape)CD

frivolous/midnight black indulgence
http://www.scape-music.de/

今まで karloffbackground というレーベルから精力的にシングルを出していた frivolous の2枚目のアルバムは、なぜかあまり接点のなさそうな scape から。
frivolous といえば前作の『somewhere in the suburbs…』(過去記事)が、どこか奇妙でありながらも美しさをたたえたミニマル・ハウスで個人的には非常に魅力的だったのだけれど、そのアルバム以降は Herbert のような、その場で物を叩いたり割ったりする音をサンプリングするライヴの評判のせいか、 Herbert のフォロアー的な見方がされることが多くて、まぁこの新作はそうしう流れにすっぽりと収まった感じ。
というのも今作で目立つのはやはりジャズからの影響で、形式こそはミニマル・ハウスに違いないんだけど、音だけ聴くとジャズを思わせるものがかなり多い。それでもありきたりな感じにならないのは彼のサンプリング・センスのなせる業でしょうか。さらに今作は多くの曲にヴォーカルを配すことでポップさが増したし、リズムも適度なグルーヴを持っていて飽きさせない。
つまりは良く出来たいいアルバムなんだけど、それでもやはり frivolous の作品としては没個性な気がして物足りなさを感じてしまう。まぁ逆に言えば最近の Herbert に物足りなさを覚える人にはいいのかなという気もするけど。

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[Tracklist]

V.A./Various Background Rec.(minlove)

mnlv07.jpg
http://www.minlove.net/

久方ぶりにネット・リリースのご紹介。この minlove というのは寡聞にして知らないんだけど、ネット・レーベルなんですかね。そのわりにはなかなか豪華なレーベルのコンピがカタログに並んでいるんだけど、その最新作は background 。少し前にカタ番50番の記念コンピが出たばっかなんだけど、収録アーティストは Dave Miller 以外はそのコンピと一緒です。

以前もちょっと書いた気がするんだけど、レーベル・オーナーの Andy Vaz は元々はシカゴでデトロイトなオールドスクーラーなわけなんですが、いかにもラップトップな音が増える中このレーベルはさりげなくそういう匂いを保持し続けていて、しかもその中からミニマリズムを掬い上げている点なども面白く、やっぱり私はこのレーベルが一番好きです。

収録曲で一番好きなのはやっぱり dB なんだけど、 意外に良かったのが Terrence Dixon 。いつもはいかにもデトロイトなミニマル・テクノを作る人なんだけど、ここではどっしりとしたミニマルを披露していて、昔の感じと今の感じが上手い具合に融合したナイス・トラックです。

background は最近動きがあまりないだけに、これを期にまた活発に動いてほしいものです。
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Frivolous/somewhere in the suburbs…(KARLOFF)CD

Somewhere in the Suburbs
http://www.karloff.org/

最近のミニマル・ハウスと従来のテクノ/ハウス系の人たちの違いって色々あると思うんだけど、私が最初に思いつくのはミニマル・ハウスの人たちは結構アルバムリリースに積極的なんですよね(エレクトロニカからの影響なのかしら?)。よくクラブ・ミュージックは12インチ主体なんていわれるけど、アルバムリリースが多い分、ミニマル・ハウスって初めてでも入っていきやすいと思うんですけどね。コンピも多いし。やっぱり地味だから受けが悪いのかしらね。

で、まぁ普通ならここで一見さんでも聴きやすいポップなものを紹介するべきなのだろうが、これはちょっと違うかな。でも非常に個性的で魅力的な作品です。私の大好きなレーベルKARLOFFからの初のCDリリースは、このレーベルやバック・グラウンドからもリリースしているFrivolous。先に出た『COQUITLAN BC E.P.』と『WHONNOCK BC E.P.』の12曲に2曲足したもの。最初の数曲は非常に美しい大人なミニマル・ハウスで、掴もうとした瞬間消えていってしまうようなバイオリンが印象的な”Can’t Stop The One Two”が白眉。なのだけれど次のダブとジャズとサイケを混ぜ合わせたような”Outside The Lines”から雰囲気が変わってえらい妖しい感じになる。それが今まで聴いたことのない感じで面白い。名前とは裏腹に取るに足る音楽だと思います。でもこんなアルバムがこのレーベルから出たというのはちょっと意外。

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