BIANCO / CIOCCOLATO SESSUALE (PERSISTENCEBIT) 12″

CIOCCOLATO SESSUALE
http://www.persistencebit.com/

Geoff White による新名義のシングル。リリースはまたもや Andy Vaz 絡みのレーベルから。

彼は以前も Aeroc や Jackstone 等の名義で作品を出しているけど、そのどれもが単発で終わっていて、今回はどうなんでしょうか。
まぁとにかく、 Geoff White といえば、以前からの透明感のあるミニマル・ダブから一転、 Apnea からの『sum』において、はっちゃけミニマル・ファンクを披露していたわけですが、今作はなんとカット・アップ・ファンク。以前の Akufen を思わせるトラックは、カット・アップ・ファンクの中でも、比較的オーソドックスなものではあるんだけど、ところどころに顔を出す、透明感のある音使いが Geoff White らしい。

作品としては全然悪いものではないんだけど、やはりどことなく過渡期的な印象をいだいてしまうのはしょうがないところかしら。

Bianco - Cioccolato Sessuale - EP

GEOFF WHITE / Live: TokyoTokkyoKyokaKyoku (REALJO{K}E)CDR

Live: TokyoTokkyoKyokaKyoku
http://realjoker.or.tp/

このブログでは何度か紹介している RealJo{k}e のライヴCDRシリーズの新作。 Geoff White は昨年 background から『NEVERTHELESS』(関連記事)出した後に来日して、六本木の Colors Studio でライヴしてるんだけど、そのときの音源なのかな。私はその日行きたかったんだけど結局行けなかったので非常にありがたいリリースです。

で、まずほとんどの人がこの『東京特許許可局』というふざけたタイトルが気になると思うんだけど、なんてことはない、ライヴ中にこのフレーズが使われてるんですね。しかも発音が「トキヨゥトキヨキョカキョク」になってるから、微妙に早口言葉になっていないという。さらに冒頭でもコンピュータ処理した声で「ミナサンコンバンワ~(この後良く聞き取れない)」なんて言っておりまして、私テクノのライヴ盤でこんな挨拶聞くの、それこそ電気グルーヴ以来ですよ。まぁそんなことはいいですね。

このライヴ盤では最初と最後こそアルバムの “Otto” で挟み込んだ構成になっているものの、ダビーなクリック・ハウスだった『NEVERTHELESS』とは少々趣が異なる。その “Otto” はアルバムの中でも最もポップな曲だったので、ここでも軽快に始まりはするんだけど、徐々に曲がノイズにまみれていき、次第にビートも激しくなったかと思うと “Opposing Platforms” に流れていく展開がめちゃくちゃかっこいい。しかし『NEVERTHELESS』に近いのはここまでで、以降は期待しようなダビーな音響構築ではなく、四つ打ちのビートにノイズを中心とした様々な音を絡ませる、わりとエレクトロニカに近い印象のスタイル。しかしハードということはないにしろ、きちんとダンス・グルーヴは感じられて、さらに Geoff White らしい音使いのセンスが冴え渡っていて、これはこれで刺激的。
RealJo{k}e のこのシリーズって、普段の音源とは違う印象のライヴを出すことが多いけど、これもそんな感じ。これで1000円というんだからありがたい限りです。

視聴

Geoff White / ique (Apnea)12″

Geoff White / ique
http://www.apnearecords.com/

ついでなんでその1番。

そもそも Apnea を主宰する Alex Under って、もう一つの主宰レーベルである Cmyk MusikTrapez からリリースを重ねていた人で、そんな人のレーベルの記念すべき1番が、何故 Geoff White なのか、っていうのは未だに不思議なんですよね。このレーベル以外での交流って特に聞いたことがないし、そもそも Alex Under って人気あるわりに日本では謎な部分が多いのよね。まぁいいや。

このシングルでは Force Inc. からのアルバム『Questions And Comments』をさらに進化させているんだけど、おそらく Geoff White の作品のなかでも最もダブ色が濃い。
そのトラックは意外性こそないものの、職人気質的を細部に感じさせ感度は高い。しかしせっかく12インチなんだから、もっとダンス寄りでもいいのではないかとも思うわけで、そう意味では Alex Under のリミックスがなかなかに秀逸。原曲のダブ感を損なうことなく、上手く疾走感のあるテック・ミニマルに仕上げている。
とりあえず『Neverthless』(過去記事)が気に入った人は聴いておいたほうがいいかと。

視聴
[Tracklist]

Geoff White / Sum (Apnea)12″

Geoff White / Sum
http://www.apnearecords.com/

Apnea 、といえばスペインはマドリッドの Alex Under が主宰するレーベルですが、レーベルの1番をかざった Geoff White が再び登場。その1番にあたる『ique』(関連記事)は、昨年の傑作『Neverthless』(過去記事)の雛形のようなクリック・ダブだったんだけど、その方向性はアルバムでやりきった感があったのか、今作では作風をがらりと変えております。

まず驚くのが1曲目の “He Said” で、以前の端正さはどこへやら、ブリブリとしたベースラインがとにかく動きまくる。それはダンス・ホールやベイルファンキにも近い猥雑さを感じさせるほどで、非常に攻撃的。残りの3曲も多少の差はあれど、以前よりもかなりリズムに動きのあるもので、まぁ分かりやすく表現するならば Geoff White 流のアシッド・ハウスともいえるんだけど、このリズムのうねり方は一般的なテクノのフォームからは大きくはみ出すもの。
それでいて上モノの透明感というのは以前とそれほど変わらず、全体的な質感としてはまぎれもなく Geoff White のものになっている。
それでもこの方向性が以前のダブ路線よりも好きかというと、正直そんなことないんだけど、この挑戦の果てにどんな新たな音を生み出すのか、そこはやはり楽しみなところです。

視聴
[Tracklist]

GEOFF WHITE / NEVERTHELESS (background) CD

GEOFF WHITE/NEVERTHELESS
http://www.background-records.de/

どうも日本語で解説してあるサイトが見つからないんだけど、多分このアルバムが何かの理由でお蔵入りになっていたのが、新たに発表されたもの。 Geoff White 自身にとってもこの作品の発表だったのは待望だったのか、未完成だったこの作品の発表の場を作ってくれた Andy Vaz に対する謝辞がサンクス欄に書かれています。ということで前作の『Questions And Comments』から5年ぶりとなる2作目。

Geoff White といえば音の粒子が見えるような繊細な上モノとダビーな音響処理が特徴な人ですが、Aeroc と Jackstone という別名義での作品や、様々なレーベルからの発表を経ていながらも基本路線は前作と変わらず。しかしその技は一層の冴えをみせ、上モノはクリスタルの破片が舞い上がるかのような美しさと切れ味を感じさせ、それでいて以前はその線の細さも目立ったリズムは、それが嘘のように太く鳴り響く。特にアナログだと1曲目になる “OPPOSING PLATFORM” の繊細な美しさと、それを全てなぎ払うかのような凶暴な低音の対比は素晴らしいの一言。そして CD の方はミックス仕様になっているんだけど、その流れも文句なし。

background の長い歴史の中でも屈指の一枚。

試聴
@TOWER.JP

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[Tracklist]

GEOFF WHITE / INCE (SPECTRAL) 12″

INCE
http://www.edit-audio.com/

私はこのレーベルの音を初期から聴いていたわけではないのだけれど、最近のリリースの音を聴く限りわりとテクノなレーベルという印象。そのレーベルからジェフ・ホワイトがリリースするというのもちょっと意外な感じですね。フォース・インクからの1枚目スチュワート・ウォーカーとの共作アルバムでは、弱弱しいキックに硝子細工のような上モノが乗る端正なクリック・ハウスを披露していただけに、コミカルで逞しいこのレーベルとは合わないのではないかと思ったのですが。
でもこのシングルでは見事に太い音を鳴らしいて、ちょっとビックリ。でもどれもとってつけた感じはなくかっちょいい。それに3曲とも安易な四つ打ちじゃないのもいいですな。表題曲のメタリックな感じでもっと広げてってほしいなぁ。