frivolous/midnight black indulgence(scape)CD

frivolous/midnight black indulgence
http://www.scape-music.de/

今まで karloffbackground というレーベルから精力的にシングルを出していた frivolous の2枚目のアルバムは、なぜかあまり接点のなさそうな scape から。
frivolous といえば前作の『somewhere in the suburbs…』(過去記事)が、どこか奇妙でありながらも美しさをたたえたミニマル・ハウスで個人的には非常に魅力的だったのだけれど、そのアルバム以降は Herbert のような、その場で物を叩いたり割ったりする音をサンプリングするライヴの評判のせいか、 Herbert のフォロアー的な見方がされることが多くて、まぁこの新作はそうしう流れにすっぽりと収まった感じ。
というのも今作で目立つのはやはりジャズからの影響で、形式こそはミニマル・ハウスに違いないんだけど、音だけ聴くとジャズを思わせるものがかなり多い。それでもありきたりな感じにならないのは彼のサンプリング・センスのなせる業でしょうか。さらに今作は多くの曲にヴォーカルを配すことでポップさが増したし、リズムも適度なグルーヴを持っていて飽きさせない。
つまりは良く出来たいいアルバムなんだけど、それでもやはり frivolous の作品としては没個性な気がして物足りなさを感じてしまう。まぁ逆に言えば最近の Herbert に物足りなさを覚える人にはいいのかなという気もするけど。

視聴
@TOWER JP

[Tracklist]

dB / PERON (background)2LP

PERON
http://www.background-records.de/

リピート・オーケストラのところで今最も注目していると紹介したダニエル・ベンバーガーことdBの超待望のデビュー・アルバム。とは言いつつも、正直バック・グラウンドからリリースしてる頃はあんまりピンとこなかったんですよね。その印象ががらりと変わったのがカーロフからリリースされた2枚のEP。そのあまりにドープなクリック・ハウスにびっくりしたものでした。

そしてまたバック・グラウンドに戻ってのこのアルバムなんだけど、上記のような印象があったものだから最初に流れ出す暖かみのあるシンセの音色に驚きますね。しかもこの人、元々はバンドのベーシストだったということで、ベースに個性的な動きがあって非常に面白い。そして細かにカット・アップされた上ものと相まって、音の粒子が刻々と変化しているよな印象を受ける。それ以降は凶暴なベース音がマッドさを演出する2曲目。ジャズ系のサンプルのみで作られたと思われる3曲目と、ディープな音世界が続いていく。しかもそれが無機的な感じにならずに不思議とソウルフル。わりとファーベンのフォロワー的な捉え方をされることの多い人なのだけれど、個人的にはdBの方がずっと好き。まぁ、相当地味な音ではあるのでここら辺を普段聴かない人には薦めにくいですが・・・・・。

Frivolous/somewhere in the suburbs…(KARLOFF)CD

Somewhere in the Suburbs
http://www.karloff.org/

最近のミニマル・ハウスと従来のテクノ/ハウス系の人たちの違いって色々あると思うんだけど、私が最初に思いつくのはミニマル・ハウスの人たちは結構アルバムリリースに積極的なんですよね(エレクトロニカからの影響なのかしら?)。よくクラブ・ミュージックは12インチ主体なんていわれるけど、アルバムリリースが多い分、ミニマル・ハウスって初めてでも入っていきやすいと思うんですけどね。コンピも多いし。やっぱり地味だから受けが悪いのかしらね。

で、まぁ普通ならここで一見さんでも聴きやすいポップなものを紹介するべきなのだろうが、これはちょっと違うかな。でも非常に個性的で魅力的な作品です。私の大好きなレーベルKARLOFFからの初のCDリリースは、このレーベルやバック・グラウンドからもリリースしているFrivolous。先に出た『COQUITLAN BC E.P.』と『WHONNOCK BC E.P.』の12曲に2曲足したもの。最初の数曲は非常に美しい大人なミニマル・ハウスで、掴もうとした瞬間消えていってしまうようなバイオリンが印象的な”Can’t Stop The One Two”が白眉。なのだけれど次のダブとジャズとサイケを混ぜ合わせたような”Outside The Lines”から雰囲気が変わってえらい妖しい感じになる。それが今まで聴いたことのない感じで面白い。名前とは裏腹に取るに足る音楽だと思います。でもこんなアルバムがこのレーベルから出たというのはちょっと意外。

試聴