Shed / The Traveller (Ostgut Ton) 2LP

Shed / The Traveller (Ostgut Ton)
http://ostgut.de/

Shed こと René Pawlowitz が2010年に発表したセカンド・アルバム。

テクノ的なポスト・ダブステップって洗練された音作りがなされていることが多いですが、逆にテクノからダブステップへと接近した今作は、非常に荒々しいものになっていて、その剥き出しのリズムの強烈さに驚く。
何曲かで聴ける上モノは、前作同様デトロイトやベーチャンの影響が感じられるものの、音数が前作(過去記事)よりもさらに減ったことにより、より印象に残る音としてこちらに届きながらも、緊張感を高める結果にもなっているし、テクノとダブステップを行き交いながらも、その屈強なグルーヴは変わらないリズムはさらに素晴らしく、とにかく完成度が高い。

前作の流麗さを支持する向きにはどうなのかは分からないが、個人的には前作とは比較にならないくらいの傑作。とはいっても前作も十分傑作だったわけで、まぁそれだけよく出来た作品ということです。

The Traveller - Shed

“Shed / The Traveller (Ostgut Ton) 2LP” の続きを読む

Ben Klock / BEFORE ONE EP (OSTGUT TON) mp3

Ben Klock / BEFORE ONE EP (OSTGUT TON)
http://www.ostgut.de/ton/

90年代末から活動し、 BPitch Control なんかからもリリースしている Ben Klock の、先頃出たファースト・アルバムからのシングル・カット。

この Ben Klock という人のの音を聴くのは初めてなんだけど、このシングルを聴く限り、けっこうな変り種ですね。

深いキックの上にデトロイトっぽい上モノが乗る “Subzero” なんかは、フロアで機能するテック・ミニマルとして申し分のない出来なんだけど、残りの3曲に関しては、普通のアーティストだったらシングルには入れなさそうな曲ばかり。

くぐもったキックの音、そしてストリングスとハンドクラップでスカスカなグルーヴを作り出す “Napoleon Hill” 、ポツポツと鳴るキックの上で単音のメロディが反響しあっているような “Before One” 、メロディが洪水のようにおそってくるビートレスの “Init Two” と、実験的とは言い過ぎにしても、どれも面白い曲ばかりで、そこに単なるDJツールに収まらないこだわりを感じるし、またそれと同時にミックス次第で輝かせられる機能性も持ち合わせていて、そこに男気を感じます。

これはアルバムが楽しみだ。

試聴

Shed / Shedding The Past (Ostgut Ton) mp3

Shed / Shedding The Past (Ostgut Ton)
http://www.ostgut.de/ton/

Delsin や自身のレーベルである Soloaction から何枚かシングルを出している Shed のファースト・アルバム。

リリース元である Ostgut Ton といえば、わりと温故知新的な方向性の作品が多いレーベルですが、この作品もそれは同様で、テクノの基本中の基本とでもいうべき、ミニマル・ダブとデトロイトを融合させたものになっています。
とはいっても、今までもそういった方向性の作品というのはあったわけですが、その手の作品のほとんどが、デトロイトのメロディにダブの音響を足そうとするあまり、むやみに分厚い音になっているものが少なくありませんでした。しかしこの『Shedding The Past』という作品は逆で、全体の印象がとにかくシャープ。
メロディアスな上モノを聴くとかなりデトロイト的ではあるんだけど、そのほとんどが淡い色調のものが多く、またそこに施されたダブ的な音響もさり気ない。そしてリズムも、しっかりとした芯は感じさせてくれるものの、余計なものを全て削ぎ落としたような非常に引き締まったもので、全くもって無駄がない。さらにはダブ・ステップ以降を意識したのか、変則的なリズムの曲が多いのも、やたらと basic channel を租借したがるミニマル・ダブにあって、時代性への強い意識が感じられて、非常に好感がもてる。

まぁ逆にいうと、変則的なリズムの曲が多すぎて、もう少しストレートな四つ打ちの曲が欲しいところではあるんだけど、まぁそれはシングルである程度カバーできるんでしょう(12インチ聴いたことないので断言は出来ないけど)。
とりあえずこのまま健やかに育ってほしいお方です。

試聴
amazon

V.A. / shut up and dance! updated (Ostgut Ton)CD

shut up and dance! updated
http://www.ostgut.de/ton/

昨日紹介した Ostgut Ton なんですけれども、今までこのレーベルの作品は『Serenity』買うまで1枚も持っていないと思っていたら、実は2枚ほど持っている事が判明しまして。1枚は以前紹介した cassy のミックスCD『Panoramabar 01』、そしてもう1枚が本作。

staatsballett berlin (ベルリン国立バレエ団)とのコラボレーションによるモダンアートの為の音楽らしいんだけど、その情報から想像されるようなクラシック系のものでは全くなく、流石ベルリンというべきか、全てミニマル系。しかも面子が Cadenza 等からリリースする nsi. 、 現在ミニマルの極北の最も近くにいると思われる sleeparchive 、 そしてご存知 Ame に Luciano 、さらには Luke Slater の変名である The 7Tth Plain と、私みたいな人間にとっては超豪華。

でもですね、このアルバムに関しては何はなくとも Ame の “Fiori” ですね。このアルバムから唯一アナログ・カットされた曲でもあるわけですが、大きな螺旋階段を上るように、ゆっくりゆっくりと厚みを増していく壮大な曲で、コレはもう文句なしの名曲。正直 Ame って “Rej” 以降どれもパッとしない印象だったんだけど、そんな印象も吹っ飛びました。
あとの曲は比較的抑え目の曲が多いんだけど、変則的なリズムが印象的な nsi. 、ふか~いダブ・ミニマルな sleeparchive 、いつも以上に流麗なラテン・ミニマルを聴かせる Luciano 、アンビエントっぽい The 7th Plain と良曲揃い。極の寄せ集め的印象の強いミニマル系のコンピの中でも、しっかりとコンセプトが音からも感じられる傑作ではないかと。

しかしこんな音楽をバックに、どんな踊りを見せてくれるんですかねぇ。この舞台見てみたいわぁ~。(と思ったら、舞台見た人のレポ発見。うらやましい・・)

試聴
amazon.co.jp

Prosumer & Murat Tepeli / Serenity (Ostgut Ton)2LP

Serenity
http://www.ostgut.de/ton/

最近は昔ほどにはレコ屋に通っていないので、もしかしたら見当はずれな意見かもしれないんだけど、今ミニマル系で注目のレーベルって、 oslo と、この Ostgut Ton じゃないかと思うんですが、確かベルリンにあるクラブが運営するレーベル。んで、その Ostgut Ton からの初のアーティスト・アルバムとなるのが本作。
とはいっても、私このレーベルはおろか、この二人組みについてもよく知らなくて、今までの印象だとこのレーベルは掴み所がない感じがしてたんだけど、それは本作を聴いても変わらず。大半の曲がヴォーカルの乗ったミニマル・ハウスで、流れとしては、最近多いシカゴなんかのクラシックなハウスを今の音で表現したようなのに近いんだけど、本作はそれらに比べて圧倒的にユルイ。まぁミニマル・ハウス自体ユルメの音楽ではあるんだけど、これはチープ、というのはいい過ぎとしても、スカスカなハウス・ビートをバックに、中途半端にノリノリなヴォーカルが気持ち良さそうに歌っていて、なんか色んな意味で80年代っぽい脱力ハウス。今までこんなダラダラしながら聴きたくなるようなハウスってはじめてかも。しかしコレが妙にクセになる。
まぁ曲数絞ったアナログだとまた少し印象も変わるんだけど、これは曲数多いCDで聴いた方がいいのではないかと。怠惰な休日とかに聴くのにぴったりです。

試聴

CASSY/Panoramabar 01(Ostgut Ton)CD

CASSY/Panoramabar 01
http://www.ostgut.de/ton/

ついでにもう1枚、女性によるミックスCDを。
この Cassy という人はチリ出身で、同じくチリ出身の LucianoVillalobos の作品に参加したり、自身も Perlon 等からシングルを出しています。

こちらの方は踊るというよりは、どちらかといえばリスニング向けなんだけど、選曲が幅広い。まぁそうはいっても基本四つ打ちのテクノかハウスがほとんどなんだけど、様々なムードの曲が混在していて、でもそれを実にスムーズにミックスしていて、なんかちょっとした旅気分。それでいて、後半に行くにしたがって自身の関わった曲をはさみつつ、粘着質なグルーヴで盛り上げてくとこなんかかなり最高。
ちょっとこのCDで彼女の評価が跳ね上がりそうな気がする。

視聴
[Tracklist]