Shed / The Killer (50 Weapons) 2LP

Shed / The Killer (50 Weapons)
http://50weapons.com/

この3月で今まで使っていた Twitter のウィジェットが使えなくなるというので、なんとなく勢いで新しいものに変えてみたんですが、これ以前のものよりも横幅がでかいのね。 CSS で何とかしようと思ったんだけど、つくりが複雑なので直接書くとか難しそうだし、かといってこれの為にまたテーマ変えるのもなぁ。サードパーティのウィジェット使ったところで、いつ API 切れるか分からないし、この週末に色々試すしかないか・・・。

と、なんとなくお疲れモードな感じではじめてみましたが、実際疲れているので今日は簡単に。

Shed こと René Pawlowitz が2012年に発表した3枚目のアルバム。

ノンビートの “STP3/The Killer” で始まり、重量感のあるの “Silent Witness” と “I Come By Night” が並ぶ序盤はいかにも Shed という感じなんだけど、今作はハードなテクノ一辺倒というわけでもなく、デトロイト的な美しいアンビエンスを聴かせる曲や、ダブステップ的な変則的なリズムもあり、そういった意味では、今までの Shed のスタイルを網羅したかのような印象を受ける。

そしてそれらの曲は高い完成度を有しているのは間違いないのだけれど、いまひとつ今作ならではというような個性に欠ける分、むき出しのビートが強烈だった前作『The Traveller』(過去記事)に比べると、印象が薄くなってします。

他の凡百のアーティストであれば、十分傑作と呼べる作品なんだろうけれど、 Shed にはどうしてもこの先を期待してしまう。

あと関係ないけど、 50 Weapons はテクノ的なダブステップの受け皿的な側面がどんどん強くなってきてますね。これからどうなるんだろう。

The Killer - Shed

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WAX / 50005 (Wax) mp3

WAX / 50005 (Wax)

Shed の名義で知られる René Pawlowitz が、2013年1月に Wax 名義で出したシングル。
René Pawlowitz 自身は様々な名義でそれほど間を空けずに作品を発表しているが、 Wax 名義では約2年ぶり。

Shed って『Shedding The Past』(関連記事)のときは比較的繊細な音作りをするアーティストという印象だったのが、いつの間にか非常に太いリズムを鳴らすようになっていて、それゆえにダンスを意識した名義である Wax や eqd との差異が分かりづらくなっていました。

そこを本人も意識しての事なのかは分からないが、今作はむしろ以前の Shed を思わせる繊細な音作りになっている。

特に A 面の曲は、四つ打ちのキックこそあるものの、そのキックもポツポツと鳴るような頼りないもので、そこだけを抜き出せばダンスとは結び付けづらい。しかし徐々に入ってくるシンセの、空間的な拡がりを感じさせながらも、同時に深い余韻も残す音が非常に美しく、またその間を縫うようなハイハット、そしてリズムが絡み合う事によって、緩やかながらもグルーヴを紡いでいて流石の完成度。

一方 B 面の曲は、太いリズムに、ミニマル・ダブ的な上モノが乗るいつもの Wax という感じ。しかしダブ処理による残響音を少し鳴らして、以降断ち切ることによってなんとも骨太な印象に仕上げていて面白い。

今度はこっちの名義でもアルバム出してほしいものです。

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Joy Orbison / Ellipsis (Hinge Finger) 12″

Joy Orbison / Ellipsis (Hinge Finger)
https://twitter.com/HingeFinger

Joy Orbison のレーベル Hinge Finger の2枚目は、何気に単独作としては久しぶりな Joy Orbison 自身のシングル。

Joy Orbison っていうと自身の名を知らしめた2009年の『Hyph Mngo』(過去記事)の時点で、テクノ感の強いダブステップを作る人ではありましたが、今作は完全に四つ打ちのハウス。
振動するようなベースラインはさすがベース・シーン出身という感じだけど、淡い音色が徐々に広がっていくようなシンセや Source Direct のインタビューから引用されているというヴォイス・サンプルの流麗さは、タメのあるダブステップとは明らかに一線を画していて、それでいて後半の鼓舞するようなピアノ含め、全ての要素が溶け合うように調和した実に美しい曲。
私が聴いたことのあるこの人の曲の中では一番好き。

一方の Shed の Head High 名義でのリミックスは、狂ったように鳴らされるドラムのブレイクビーツと、原曲のベースラインとピアノによって縦に横にと振らされるすごいリミックスで、非常にアッパーでありながらも単純なクラブ・トラックにはなっていない流石の出来。

素晴らしいシングルです。

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2562 / Fever addendum (When In Doubt) 12″

2562 / Fever addendum

まだ 2562 で、今回のは『Fever』(過去記事)からのシングル・カット。

表の “Aquatic Family Affair (extended re-cut)” は、文字通り “Aquatic Family Affair” (過去記事)の曲が長くなったバージョン。とはいっても最初のドラムのところが少し伸びただけ、時間的にも30秒弱長くなっただけなので、別段曲の印象が変わるわけでもなく、なんでわざわざこんなバージョンを作ったのかよく分からない曲。まぁ DJ の方々からすると、多少使い勝手がよくなった、のかな?・・・。

裏は shed の Head High 名義によるリミックス。ずしりと重いながらもファンキーなリズムと、疾走感のある上モノのバランスがいつもながらに絶妙な塩梅で、さすがとしかいいようがないのだが、若干手癖で作った感もあり、これだけのためにシングル買った方がいいかと問われれば、ちょっと微妙かも。

まぁ一般的な基準で考えれば十分すぎる完成度なんだけど・・・。

Aquatic Family Affair (Extended Re-Cut) / Wasteland (Head High Aka Shed Remix) - Single - 2562

eqd / equalized#111 (equalized) CD

eqd / equalized#111 (equalized)

shed って名義が色々ある上に、なかなかの多作家なようなのですが、ここ数年 shed 以外でリリースが目立つ名義が WAX と eqd 。
WAX に関しては以前紹介したことがあるんですが(この当時は shed の変名って知らなかったけど)、 WAX も eqd も shed に比べて四つ打ちに焦点を当てているのが特徴で、また音自体もよりシンプルになっている。

んで、今作は eqd 名義で出したシングルをまとめたもの。 eqd も WAX もアナログは白い盤面にスタンプ押しただけの、いかにもアンダーグラウンドといった体裁で出されるので意外に知らない人が多いみたいだけど、実は普通にデジタルでも買えたりするので、こうやって CD でまとめられてもありがたみは薄いんですが、まぁこれを機会に彼の音楽を知る人も多かろうということで。

彼のメインの名義である shed もどんどん音がそぎ落とされていっているので、 eqd 名義との差異というのはどんどん小さくはなっているのだけれど、今作での派手な上モノもたいした展開もない曲郡を聴いていると、やはりその無骨さは際立っている。
しかし少ない音数で強烈なダンス・グルーヴが生み出されているのは正にミニマル・テクノといった感じで、軽やかな上モノとリズムの絡みで聴かせる “03” と “06” 、逆にリズムのみで押し切る “04” や “07” など、どの曲も機能性の高さと彼のリズム・メイクの巧みさが感じられて完成度が高い。

まぁあえて難癖付けるなら WAX 名義のもまとめてほしかったなぁ、という感じなんですが、それは後のお楽しみということで。
あと今作は収録時間の関係から、普通の CD としては9曲収録で、残りの1曲はデータとして収録という変則的な形になっています。

Equalized #111 (Compilation) - EQD

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Shed / The Traveller (Ostgut Ton) 2LP

Shed / The Traveller (Ostgut Ton)
http://ostgut.de/

Shed こと René Pawlowitz が2010年に発表したセカンド・アルバム。

テクノ的なポスト・ダブステップって洗練された音作りがなされていることが多いですが、逆にテクノからダブステップへと接近した今作は、非常に荒々しいものになっていて、その剥き出しのリズムの強烈さに驚く。
何曲かで聴ける上モノは、前作同様デトロイトやベーチャンの影響が感じられるものの、音数が前作(過去記事)よりもさらに減ったことにより、より印象に残る音としてこちらに届きながらも、緊張感を高める結果にもなっているし、テクノとダブステップを行き交いながらも、その屈強なグルーヴは変わらないリズムはさらに素晴らしく、とにかく完成度が高い。

前作の流麗さを支持する向きにはどうなのかは分からないが、個人的には前作とは比較にならないくらいの傑作。とはいっても前作も十分傑作だったわけで、まぁそれだけよく出来た作品ということです。

The Traveller - Shed

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Shed / Shedding The Past (Ostgut Ton) mp3

Shed / Shedding The Past (Ostgut Ton)
http://www.ostgut.de/ton/

Delsin や自身のレーベルである Soloaction から何枚かシングルを出している Shed のファースト・アルバム。

リリース元である Ostgut Ton といえば、わりと温故知新的な方向性の作品が多いレーベルですが、この作品もそれは同様で、テクノの基本中の基本とでもいうべき、ミニマル・ダブとデトロイトを融合させたものになっています。
とはいっても、今までもそういった方向性の作品というのはあったわけですが、その手の作品のほとんどが、デトロイトのメロディにダブの音響を足そうとするあまり、むやみに分厚い音になっているものが少なくありませんでした。しかしこの『Shedding The Past』という作品は逆で、全体の印象がとにかくシャープ。
メロディアスな上モノを聴くとかなりデトロイト的ではあるんだけど、そのほとんどが淡い色調のものが多く、またそこに施されたダブ的な音響もさり気ない。そしてリズムも、しっかりとした芯は感じさせてくれるものの、余計なものを全て削ぎ落としたような非常に引き締まったもので、全くもって無駄がない。さらにはダブ・ステップ以降を意識したのか、変則的なリズムの曲が多いのも、やたらと basic channel を租借したがるミニマル・ダブにあって、時代性への強い意識が感じられて、非常に好感がもてる。

まぁ逆にいうと、変則的なリズムの曲が多すぎて、もう少しストレートな四つ打ちの曲が欲しいところではあるんだけど、まぁそれはシングルである程度カバーできるんでしょう(12インチ聴いたことないので断言は出来ないけど)。
とりあえずこのまま健やかに育ってほしいお方です。

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? / WAX No 10001 (WAX) 12″

WAX No 10001
http://hardwax.com/

昨日の Wire のレポを、早くも書いているブログをいくつか見てみると、どうやら今年は満足度高かったみたいですね。私は最初の2年以降、一回も参加していないんだけど、来年は行ってみようかなぁ(とは毎年思うんだけどね)。

一応ブログ名がブログ名なんで、デジタルが主流になりつつある今でも、相変わらずレコードは買っているんですが、だったらこういうのも買わなければつまらない、ということで、 Hardwax 配給の謎の1枚。

最近ミニマルとダブ・ステップの交配が進んだせいなのか、変則的なキックとベースでグルーヴを作るトラックが増えてきたように思いますが、今作の A 面も、四つ打ちのキックこそ入っているものの、グルーヴを形作っているのはひんやりとしたシンセの音色と、3拍目に鳴らされる、タメの効いたキックともベースともつかない低音で、そのスカスカ具合はおよそ大衆性からは程遠いのだけれど、 Hardwax の名に恥じぬ、非常に魅力的なミニマリズムを宿している。

それに比べると B 面は、普通のミニマル・ダブに近い感じではあるんだけど、ほとんどノイズに近いくらいざらついた処理が施された上ものと、荒々しい低音の組み合わせが、最近のミニマル・ダブには珍しいくらいの獰猛さを放っていて、こちらもカッコよい。

なんか某有名アーティストの変名という噂もあるんで、果たしてこの次があるのかは分からないんだけど、個人的には激継続希望。傑作です。

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