Angel / In Between Time (Self Released) mp3

Angel / In Between Time
http://thisisangel.com/

昨年の5月にミックステープ紹介した(過去記事)ロンドンのシンガー Angel が2012年12月に出したミックステープ。

前作はその伸びやかな歌声は気持ちいいものの、音楽的にはあまり個性のない R&B 、という感じでしたが、今作はダブステップっぽい “Set It Off” やダブっぽい “Knock Me Out” などトラックの幅が広くなったのに比例して、作品全体にも緩急がついてずっと面白くなった。
まぁアコギとパーカッションをバックに歌う “#JustSayin!” みたいに、シンプルなのが何だかんだで一番いいんだけど。

ちなみに期待してた Wiley が参加している “Tough Got Goin” は冒頭でちょろっとラップしてるだけで期待はずれなのだが(曲自体はいいんだけど)、参加してるの知らなかった Giggs が “Set It Off” で、相変わらずのっぺりとしながらも耳に張り付いてはなれないラップをたっぷり聴かせてくれて素敵です。

あとダウンロード方法が、 Facebook で「いいね!」押した後にメールアドレス登録しなくちゃいけなくて超絶めんどくせぇ。

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Katy B / Danger EP (Self Released) mp3

Katy B / Danger EP
http://www.katybofficial.com/

イギリスのシンガー Katy B が2012年12月にフリーで発表した EP 。

今作には Rinse からアルバムなども出している Geeneus 、Radiohead のリミックス盤や、最近だと Ango のアルバムにも参加していた Jacques Greene 、そしてお馴染み Zinc に Diplo という有名プロデューサーが参加しているのは2011年のデビュー作(過去記事)と同様ながら、さらに最近出したアルバムが話題になっている Jessie Ware (sbtrkt のアルバムなんかにも参加してる) 、グライムを代表するラッパーである Wiley 、オーストラリア出身の女性ラッパー Iggy Azalea など、シンガーの方も旬な面子が参加していて、無料とは思えない豪華な作品になっている。

それはそれだけ Katy B が注目されているという事の裏返しでもあるのだろうけれど、ポップな四つ打ちの “Aaliyah” やファンキーっぽい “Got Paid” は面子の並び以上の面白みはなく、むしろ憂いのある歌声を聴かせる Jessie Ware や、トラックのグルーヴをきっちりつかんでラップする Wiley などゲスト陣の方に耳がいく。

しかしうっすらと切なさが漂う “Light As A Feather” と、ゆったりとしたトラックの上でたゆたうような歌を聴かせる “Danger” は魅力的で、アシッドっぽい音をアクセントにしながらも、淡いシンセで憂いを表現する Diplo と、アンビエントっぽいダブステップながら、固めの音を使ってその印象を変えている Jacques Greene のトラックも秀逸。

多分これだけ豪華な盤を出して話題作ったっていうことは、近々大きな動きがあるんじゃないかと思うんだけど、アルバム出るならちょっと期待しておきたい。

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Tinchy Stryder / Before The Storm

Tinchy Stryder / Before The Storm

Ruff Sqwad というクルーの一員らしいロンドンのラッパー Tinchy Stryder のフリーダウンロードのアルバム。

MySpace のバイオ見るとシングル・チャートで1位とったりなんかしている人みたいで、だからなのか今作もメジャー感のある華やかなものになっていて、さらに性急なグライムだけではなくメロディアスなスローナンバー、気の抜けたエレクトロみたいなのや四つ打ちまでスタイルに幅があり聴きやすい。

まぁその分ストリートの匂いというのはそれほどしないんだけど、それを補って余りある完成度は有しているように思う。

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WILEY / PLAYTIME IS OVER (BIG DADA)CD

PLAYTIME IS OVER
http://www.bigdada.com/

去年はわりと暇だった仕事が、年が明けてから急に忙しくなったおかげで、あんまり音楽聴く時間もとれない毎日なんですが、かといって更新しないのもなんなんで、だらりと書きたいと思います。

グライムの MC の中でも早い時期から活動していた Wiley さんの、正規盤としては多分2枚目となるアルバム。
正直グライムに音楽的な面白味というものは感じない人間なんですが、今のヒップ・ホップにはない初期衝動が感じられる点はけっこう好きで、さらにこのアルバムに関していえば、とにかく淀んだ空気感でいっぱいなのが非常に良い。そして黒く塗られた公園で佇むジャケットの Wiley の表情。もうコレだけで十分です。

あとは蛇足なんですが、思えば私が好きだったヒップ・ホップは、みんなジメジメとした淀んだ空気を纏ったモノばかりだったはずなのに、気が付けば TBH も韻踏もずいぶんとすっきりとした音ばかり鳴らすようになりやがってさ。そんなんじゃ、安易な答えばかりを安売りする J-POP と変わんねぇじゃんよ。アンダーグラウンドというのは音や売り上げではなく、姿勢や思想を指すものだ、といわれればその通りだと思うんだけど、それでもこの空気感こそがアンダーグラウンドなんじゃないのかと思うわけですよ、私は。
そういった意味ではイギリスって、日本みたいに特別暴力の匂いをさせずとも路地裏の空気を纏ったアーティストがたくさんいて、すげぇいい国だと思います(よく分かんない締め方だ・・・)。