Lil B / Thugged Out Pissed Off (Self Released) mp3

Lil B / Thugged Out Pissed Off

Lil B / Thugged Out Pissed Off
http://www.basedworld.com/

アメリカのラッパー Lil B さんが2015年末に出したミックステープ。

全部を聴いているわけではないので具体的には分からないんだけど、一時期に比べるとミックステープを出す間隔が長くなっている印象の Lil B さん。2015年だと Chance The Rapper との共作が話題になったものの、それを除くとわりとご無沙汰感があったんですが、今作は63曲とかなりのボリューム。

まぁこの人の場合、曲数が多いなんてのはいつもの事なので、こちらも構えずにダラダラ聴いたりしているわけですが、今作は意外にキャッチーな曲(フリースタイル?)が多く、思いのほか耳をひく。

Lil B って基本的にラップが非常にラフなので、曲の方がポップなくらいでちょうどいいのかもしれない。この人の作品では一番好きかもしれん。

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Love At First Sound, LUUUL, dj_amps, Liquorish Records, Marvel Alexander, Vermin Womb, White Ward

A U D R ALove At First Sound / Nothings Changed
bandcamp、soundcloud、twitter それぞれで出身地が異なっているので、何処の人だかよく分からないシンガー/ラッパーさん。前半は沈み込むような重いビートに囁くようなヴォーカルが乗り、女性のナレーションを挟んでの後半は情緒的な R&B と2部構成になっている不思議な曲。他に上がっている曲と纏めて『A U D R A 』というアルバムになるもよう。
Listen To The SeaLUUUL / Listen To The Sea
いつも参考にさせてもらっているブログ「Nobody Loves Me」で紹介されていたんで聴いてみた、ベルギーのプロデューサー Romain Bauthier さんのプロジェクト LUUUL の3曲入り EP。ゆったりとした4つ打ちのビートに柔らかなギターが乗る、という構成は3曲とも同じなんだけど、ギターの音色の心地よさと、メロディの素晴らしさだけで全然 OK な感じ。
DownloadCiara / Body Party (Amps Footwork Re-mix)
群馬在住のトラックメイカーが Ciara の曲をリミックスしたもの。奇抜さはないが、原曲の雰囲気を損なわずにジュークにした好リミックス。
XMAS LP - Vol.3V.A. / XMAS LP – Vol.3
オランダのレーベル Liquorish Records が2014年末に出したクリスマス・コンピ(今更紹介かよって感じですが)。
基本的にジュークがほとんどなんだけど、中にはムード歌謡みたいな曲があったりと、ごった煮感覚が楽しい。日本人アーティストも多数。
Dont Die YetMarvel Alexander / Dont Die Yet
L.A. のラッパーさんがアルバム『Don’t Die Yet』からフリーで配信した曲。Sango のプロデュースの割には地味な曲で、抑揚が大きいラップは可もなく不可もなく。
PermanenceVermin Womb / Permanence
アメリカのデスメタル・バンドが2014年9月に発表した、多分初のアルバム。最近ブラック・メタルばかりでデス・メタルはほとんど聴かないんだけど、これは超突猛進という感じがひたすらカッコいい。
RiptideWhite Ward / Riptide
ウクライナのブラックメタル・バンドが昨年出した EP 。激しさよりも情緒性が前面に出ているので、この手のものとしては比較的聴きやすい(ヴォーカルはもちろんアレですが)。

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Living In Frames, 7 Days Of Funk, Franjazzco, Thom Yorke, McBROVA$

OuterLiving In Frames / Outer
ブラジルの二人組みユニットの、おそらくデビュー作となる EP 。基本的にはエレクトリックなインスト・ヒップホップなんだけど、大仰な上モノが多く、その分リズムも EDM っぽかったりと逞しく、悪くない。ただまだ個性不足かしら。ほぼノンビートの “Can’t Dream” がいい感じ。
N My System7 Days Of Funk / N My System
Snoop Dogg と DaM-FunK によるユニットのフリーのシングル。どうもこの手の水っぽいというか、音がビヨンビヨンしたファンクって苦手なんだけど、この曲はかなりポップで聴きやすい。でももうちょっと Snoop のヴォーカルを聴きたかった。
Chemtrails EPFranjazzco / Chemtrails EP
オーストリアのプロデューサーの4曲入り EP 。基本どの曲も滑らかなグルーヴの洗練されたジュークなんだけど、それに太いリズムと猥雑なヴォイス・サンプルが無理なく同居していてカッコいい。あと “Make U Wanna” って Theo Parrish の曲(曲名忘れた)をサンプリングしてる気がするんだけど、どうだろう。
Youwouldn'tlikemewhenI'mangryThom Yorke / Youwouldn’tlikemewhenI’mangry
昨年の9月にビットトレントを通じてアルバムを発表した Thom Yorke が、今度は昨年末に bandcamp で突然発表した曲。
たしかアルバム合評当時、共同制作者のナイジェル・ゴドリッチがビットトレントはアーティストの取り分が多い、みたいなこと言ってた記憶があるんだけど、結局 bandcamp の方が良かったって事なのかしら。まぁビットトレント面倒なんで bandcamp で出してくれたほうがずっと嬉しいんだけど。曲自体は浮遊感のあるトラックと Thom Yorke の歌声がマッチした良曲。
#BeginningTheMixtape3McBROVA$ / #BeginningTheMixtape3
札幌の 2MC が昨年末に発表したミックステープ。ヒップホップらしいヒップホップ、という風情の曲が並んで入るんだけど、ちょっとこの人たちらしい個性というのがイマイチ感じられなくて、それに加えて韻がそれほど硬くないのもあって、イマイチ印象に残りにくい。ディスコっぽい “Traffic” は良曲。

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Luciano / Cachai (Cadenza) mp3

Luciano / Cachai (Cadenza)
http://www.cadenzamusic.net/

今年中にはこの名義では2枚目となるアルバムが出るという Luciano が2013年3月に発表したシングル(アルバムからの先行なんですかね)。

昨年発表された『Rise Of Angel』(関連記事)はキックの入る事がない、およそクラブ・トラックとは言いがたい作品でしたが、今作は2曲とも四つ打ちのキックの入ったミニマル・ハウス。

お化けが出るときの BGM に使うような楽器(あの「ヒュードロドロ」ってやつ。名前知らない)をメインに、そこにオルガンが絡む “Cachai” 、パーカッシブなリズムの上で、これまたオリエンタルな上モノが印象的な “Dance Unity” と、両曲共に悪くはないものの、ちょっと今までの Luciano の作品と比べるとひねりがなさ過ぎて物足りない出来。

この分かりやすさがイビザでパーティーをやるようになった影響なのかは分からないが、アルバムもこの路線だときついなぁ・・・。

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LIZ / XTC (Jeffree’s) mp3

LIZ -XTC
http://jeffrees.tumblr.com/

Mad Decent のサブレーベル Jeffree’s から、 Beyonce 好きだというカリフォルニアのシンガー Liz のデビュー・シングル。

クレジットを見るとプロデューサーは Mad Decent 周辺の人が多いみたいだけど、私はあまり Mad Decent って追いかけてないので、さて最近の Mad Decent はどんな方向性なのだろうと聴いてみると、 “XTC” がなんとも直球のポップスで驚く。

ほとんどイントロもなく流れ出す歌声は、プロフィールから想像するような黒いものではなく、むしろ80~90年代の白人女性ポップスを連想する線の細いもので、それはキラキラした上モノも同様。つまりは曲としては Mad Decent からとは思えないほど類型的なんだけど(ビートが Trap っぽい気もするけど、Trap って実はよく分かってない・・・)、全編サビなんじゃないかと思えるほど歌い上げるメロディが、それでも過剰さの一歩手前で抑える事により、次々押し寄せる波に身を任せているような心地よさがあり非常に魅力的。

もう1曲の “Underdogs” は RiFF RAFF というラッパーが参加したヒップホップで、ラップよりも歌の部分が多いのでそれほど気にならないとはいえ、彼女の孤影の線の細さは如何ともしがたく、曲としては中途半端かしら。

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Leon / Music For Souls, Who Claim To Be Strong (Self Released) mp3

Leon / Music For Souls, Who Claim To Be Strong
http://www.prodbyleon.tk/

イタリアのプロデューサー Leon が2012年に発表したビートテープ。

おそらくヒットチャート系のポップスをネタにしたのではないかと思われるインストのヒップホップが大半で、またそのネタに関してもそれほど編集などはせずに使っていると思われるものが多く、そういった意味では非常にポップ。ただその適当加減が今作では心地よさにつながっているし、ドラム中心のビートも合っている。

まぁそれでも流し聞き用かな、という感じではあるんだけど。

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Luciano / Rise Of Angel (Cadenza) mp3

Luciano / Rise Of Angel (Cadenza)
http://www.cadenzamusic.net/

Cadenza を主催する Luciano が、自身のレーベルから2012年11月に発表したシングル。
Cadenza のリリースが活発であったり、彼自身も他アーティストへのリミックス提供や DJ ミックス等を発表していたのでご無沙汰感はあまりないが、自信の名義での作品は2009年の『TRIBUTE TO THE SUN』以来初。

その『TRIBUTE TO THE SUN』はタイトル通り、淡い陽光が降り注ぐような清らかな祝祭ムードの作品だったが、今作はそこから一歩踏み出して、という表現が適切なのかどうかは分からないが、キックの入らない簡素なリズムの上に、弾むようなシンセと、これまたシンプルながらも印象的なピアノが乗る、陽性の美しさを持ったものになっている。

つまりはダンストラックといえるような屈強なリズムがあるわけでもなく、かといってアンビエント的とはいい難い、はっきりとした輪郭をもっていて、 Luciano にダンス・トラックを期待する向きには戸惑いさえ感じてしまうほどポップな曲になっている。

しかし16分かけて徐々に音を重ねながら多幸感を増していく構成は今までと変わらぬものであり、また Cadenza より以前の彼がそれほどダンスに重きを置いた作品を作っていなかった事を考えると、アルバムの延長線上での原点回帰にも思えて、なかなかに面白い。

表題曲以外では、 Cadenza からリリース経験のあるアーティストによるリミックスが3曲収録されていて(アナログは1曲)、全てが四つ打ちのキックを足したダンス・トラックになっている。
Mirko Loko によるリミックスは、最近の彼が使うひしゃげたような音のリズムが足されていて、この音があまり好きではない私にはイマイチ。
一方 Andrea Oliva と Uner は、このレーベルらしいパーカッシブなリズムのリミックスをしていて良いのだが、比較的淡々とした感じの Andrea Oliva よりは、スネアなども交えより有機的なグルーヴを作り出している Uner の方が好きかしら。

Rise of Angel (Remixes) - Luciano

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Life Unfair / Lost Inside My Solitude (Self Released) mp3

Life Unfair / Lost Inside My Solitude
http://www.myspace.com/lifeunfair

イタリアのブラックメタル・バンド Life Unfairair が自身の myspace で配布しているミニ・アルバム(バンドに直接メールすれば CD でも売ってくれるみたいだけど)。

シューゲイザーっぽい粒子の細かいギターにシンフォニックなシンセ、幾重にも張られたノイズの膜の向こうで断末魔の叫びを上げているようなヴォーカルと、所謂アトモスフェリック・ブラックメタルと呼ばれる音そのものという感じで、正直このバンドならではという個性はあまり感じられないんだけど、基本的にこの手の音は大好きなので楽しんで聴ける。
あとギターにしろシンセにしろ普通にメロディアスで、それが前面に出ている場面も多く、また演奏は良くも悪くも軽いので、ヴォーカルさえ気にならなければこの手のバンドの中では聴きやすい部類な気がする。

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Luciano / Vagabundos 2011 (Cadenza) mp3

Luciano / Vagabundos 2011 (Cadenza)
http://www.cadenzamusic.net/

Luciano がイビザでやっているパーティー「Vagabundos」をテーマにしたミックス。最近2012年版が出ましたが、これは2011年版(出たのは今年だけど)。

この人の DJ って生では聴いた事ないんだけど、いつの間にやら PC でやるようになっていたようで、ご多分に漏れず今作も数曲を同時に重ねたようなミックス。なので最初は音数が多すぎな気がするんだけど、いったん体になじんでしまえば、派手さはないものの、緩やかに盛り上がる柔らかなグルーヴに身をゆだねられる。

ただ以前よりもヴォーカル・トラックなども増えてより分かりやすくなった分、展開や抜き差しで耳をひくような場面が減って、ただの気持ちがいいハウス・ミックスにとどまってしまっている感も否めず。まぁ好きだけど。

ちなみに今作はなぜかファイルでしか出てないみたい。

Like Drone Razors Through Flesh Sphere / At The Threshold Of Knowledge (BLACK MASS) CD

Like Drone Razors Through Flesh Sphere / At The Threshold Of Knowledge (BLACK MASS)
http://www.blackmassrecords.com/

スペインのアーティスト Like Drone Razors Through Flesh Sphere が2011年に出したEP(単独作としては未だ最新作のよう)。

この人は情報がなさすぎて普段どんな事やっている人なのか全然分からないんですが、とりあえず今作はピアノと電子音を使ったドローン作品。
雰囲気としては徹底的に暗く、ジャケットにも表れている禍々しさも色濃いのだけれど、ドローン特有の1音をひたすら引っ張る感じは控えめに、かといって安直なメロディに流れる事もなく、いい塩梅でピアノと電子音を絡めながら緊張感を持続させるので、思いのほか楽しめる。

まぁそうはいっても気楽に聴ける種類の音楽ではないのは間違いないのだけれど、この寒々しい感じはこれからの季節にいいんじゃないかしら。