Neurotech / The Decipher Volumes (Self Released) mp3

Neurotech / The Decipher Volumes (Self Released)
http://neurotech.bandcamp.com/

スロベニア出身の Neurotech こと Wulf さんが2013年に出した、おそらく2枚目のアルバム。

メタルとエレクトロニクスを融合させた音楽性は、 Enter Shikari なんかを思い起こさせる部分もあるんだけど、こちらの方がトランス的なきれい系のシンセを前面に押し出していて、非常に聴きやすくなっている。またメタルとトランスってクラシック的な荘厳さという意味では共通しているので、そういった意味でも違和感は無い。

ただその分メタル的な激しさというのは薄いので、デス声を中心に、それに様々なエフェクトをかけたヴォーカルが邪魔なように思えてきて、私は何曲かで聴ける女性ヴォーカルを中心にしてほしかったかしら。

ノースリーブス / キリギリス人 (Epic) CD

ノースリーブス / キリギリス人 (Epic)
http://www.no3b.net/

AKB48 の小嶋陽菜、高橋みなみ、峯岸みなみの3人によるユニット、ノースリーブスが2013年1月発表した9枚目のシングル。
AKB に関しては、最近では本体もろくに追いかけられてない状況なので、派生ユニットやソロなんてとても追いかける気にならないという感じだったんだけど、びびんばさんがブログに、初回盤に入っているソロ曲は石野卓球、小室哲哉、川本真琴がそれぞれ作曲していると書いていたので、さすがに気になって聴いてみた。
まぁレンタルで初回盤も置いているかと思ったらなかったので、結局通常盤しか聴いてないんだけど(さすがに買う気にはなれなかった)。

今回ソロ曲に豪華な作家を並べていますが、タイトル曲には旬な作曲家といっていいんでしょう、昨年末の紅白で一気に知名度を上げたゴールデンボンバーの鬼龍院翔が作曲しています。私はゴールデンボンバーをまともに聴いた事がないので、今作がいつもの作風と比べてどうなのかというのは判断できないんだけど、いつもの AKB のシングルの完成度を基準としたとしても、これはイマイチと書かざるを得ないですかね。
冒頭から鳴るブラストともに突っ走る歌謡ロックで、すごく勢いがあるのはいいんだけど、逆に書くと勢い以外に何もない曲。こういうのはロック・バンドとかがやる分にはいいのかもしれないけど、アイドルが歌うには不向きだろう。あとのっぺりとしたドラムがすさまじくダサい。

それよりは、今がよければそれでいい、という内容の歌詞を、今の AKB のメンバーが歌う事の意味とかを考えたほうが面白いかも。

カップリングは可もなく不可もなく。

キリギリス人 - EP - ノースリーブス

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Nosaj Thing / Home (Innovative Leisure) mp3

Nosaj Thing / Home (Innovative Leisure)
http://www.innovativeleisure.net/

LA出身の韓国系アメリカ人 Nosaj Thing こと Nosaj Thing が2013年1月発表した2枚目のアルバム。

彼は現在27歳らしいんだけど、なんでも13歳の頃から音楽活動をしており、また Low End Theory の常連アーティストとしてもよく紹介される人で、まぁ要は今イケてるビートメイカーの一人なわけですね。

しかし今作は、そんな経歴から想像するような、ダブステップやジュークなどの時代のビートを貪欲に取り込んだ作品とかではなく、むしろ懐古的な色合いが強い。それはアルバム・タイトルの『Home』であったり、Blonde Redhead の Kazu Makino が参加した今作のリード・トラックである “Eclipse/Blue” の、まるで逆回転させているかのような柔らかなトラックで予見されていたのかもしれないが、他にも時を刻む針の音を思わせるリズムの上でオルゴールのような音色がメロディを奏でる “Safe” 、昔のアメリカ映画のサントラから切り出してきたようなピアノ曲 “Prelude” 、90年代によく聴かれた、所謂ドリルンベースを思わせる高速ブレイクビーツの “Light 3” など、作品全体の雰囲気として統一が図られており、少なくともクラブで映えそうな攻撃的な曲はまったくない。

なので聴き様によっては一昔前のエレクトロニカと変わんないんじゃないか、って気もするし、実際ビート・ミュージックとしての刺激には乏しいんだけど、懐古的な中にもきちんと流れや緩急があって物語性を演出しているのと、チルウェイヴやシューゲイザーを思わせる薄いノイズ交じりの音像が現代性を演出しているので、そういった意味での古臭さはあまり感じずに心地よく聴ける(靄がかった音像は今作の懐古的な雰囲気にも合ってるしね)。

まぁ私は Low End Theory 自体、実力派の昔取った杵柄的なものだと思っているので、そこに彼の早熟なキャリアというものが合わされば、こういう作品になるのは自然な気がするので、変に時代の先端的なものを期待しなければ楽しめる作品ではないかと。

Home - Nosaj Thing

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Negative Standards / VI-XI (Vendetta) mp3

Negative Standards / VI-XI
http://www.negativestandards.com/

オークランドのハードコア・バンド Negtive Standards が今年の5月に出した EP 。
(アナログも出てるみたいだけど、私はフリー・ダウンロード版)。

基本的には2ビートやブラストで突っ走るハードコアで、かっちりしすぎず崩しすぎず、それでいて勢いのある演奏はかっこいいの一言。また一方でこの手のバンドの弱点になりやすいスローパートでも、きちんとうねりがあるし、8分を越す “X” みたいな展開のある曲でも聴かせる構成力もあり、押し引き両方備えているところに実力を感じる。

まぁ何かこれだっていう強烈な個性があるかというとそうでもないんだけど、地味ながらもいい作品です。

ただ夜中に不意に見ると夢に出てきそうなジャケットが怖い・・・。

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NX1 / SR (SEMANTICA) mp3

NX1 / SR (SEMANTICA)
http://www.semanticarecords.com/

NX1 の3枚目は自身のレーベルからではなく、スペインのレーベル Semantica から。

この Semantica というレーベルもハードなものが多いレーベルみたいなんだけど、だからなのか今作は Surgeon なんかを思わせる変則的なリズムのハード・ミニマル。
ただベースのないキック中心のリズムながら、そのキックが縦ノリだけではなく横ノリのグルーヴも同時に作り出していて、そこら辺はちゃんとミニマル以降な感じ。

あと重たいリズムのみで押し切る前半から、物憂げな上モノが入ってくる後半の展開とかけっこうベタなんだけど(あとハイハットの連打とか)、なんだかんだで盛り上がるし、こういうの聴くとテクノっていいなぁと改めて思います。

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NX1 / NX1 02 (NX1) mp3

NX1 / NX1 02 (NX1)
http://nexerecords.es/

第1弾(過去記事)に続いて、今年の頭に出た自身のレーベルからの2枚目。

今作も無駄を排したミニマル・テクノ、という点では同じなんだけど、疾走感の目立った前作に比べると、より重量感のあるトラックが揃っていて、これまたかっこいい。

ミニマル・ダブ的な意匠ながらもベースの軽やかさが面白い1曲目、ハードなキックで押し切る3曲目もいいのですが、重量感のあるリズムの上にどんどん音が重なって混沌が増していく2曲目が特にいい。
これまた傑作です。

Nx1_02 - Single - NX1

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NX1 / NX1 01 (NX1) mp3

NX1 / NX1 01 (NX1)
http://nexerecords.es/

相変わらずテクノ系の記事はアクセスが集まらないんですが、気にせずいきましょう。

ということで、スペインのアーティストらしい NX1 が2011年に発表したデビュー・シングル。

この人は素っ気のないジャケットを見れば分かるとおり、曲の方も派手な装飾や展開もない硬派な、いいかえれば地味な事が多い人で、正直これといった特徴を挙げにくい人なんだけど、逆に基本的な部分での完成度が毎度高い。
エフェクトを効かせた上モノはほんのりとミニマル・ダブの香りを漂わせながらも、それでいて非常にすっきりとした音作りは正にテクノという感じで、疾走感とグルーヴを併せもったリズムも素晴らしく、とにかくダンス・トラックとしてよく出来ている。
またこのシングルに収録された3曲ともエフェクトのパターンがほとんど一緒ながら、リズムの差異で曲の印象を変えているのも憎い。

デビュー作ながら文句なしの傑作です。

Nx1_02 - Single - NX1

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nsi. / sync (non standard productions) CD

nsi. / sync (non standard productions)
http://www.nonstandardinstitute.com/

最近では Moritz Von Oswald Trio での活動がメインになっている印象もある Max Loderbauer と、 Villalobos と組んだりもしている Tobias Freund のユニット、 nsi. が2010年末に発表した2枚目のアルバム。
前作はミカ様の Sähkö からでしたが、今作は自身のレーベルから。

その前作はピアノの小曲を集めた音響作品でしたが、「ドラム・マシンとシーケンサのための24曲」との副題がつけられた今作は、その副題どおりアナログ機材を使用して作られており、その使用機材を記号化して並べただけのタイトルからして意味性を排している印象がある。
また長くても4分未満、短いと30秒ほどの楽曲は、ドラム・マシンを中心とした目立ったメロディもない簡素なもので、なんともとりとめのないもの。

しかしどの楽曲もシンプルながらもアイデアに満ちたもので、変則的なリズムを刻むものからアンビエントっぽいもの、またなんとも形容しづらいものまで(笑)、似たような曲が一つもなく非常に面白いし、アナログの音の丸みのせいか意外に聴きやすいのも良い。

ただ実験的なだけではない、非常に良い作品です。

試聴

NORIKIYO / 秘密 (YUKICHI RECORDS) CD

NORIKIYO / 秘密 (YUKICHI RECORDS)
http://www.sdp-228.com/

間もなく発売になる NORIKIYO の3枚目のアルバム『メランコリック現代』からのシングル。

この記事に関してはこの数日間色々こねくり回しているものの上手くまとまらないので、また例によって適当に端折らせてもらうのだが、今作のメイントラックである “秘密” は、いってしまえば前作『OUTLET BLUES』収録の “運命 ~SADAME~” をテーマ的にも曲的にも焼き直したような曲だ。

しかし非合法な儲け話で痛い目をみた昔の自分に対する後悔の色が強かった “運命 ~SADAME~” に比べると、今作の歌詞は劣等感や不安感の方が強く、微妙にその色合いを異にしていて、またその原因がなんなのか、少なくともこの曲を聴いただけではよく分からない(歌詞カードとにらめっこすればまた変わるのかもしれないけど付いてないしね)。

そして “運命 ~SADAME~” と決定的に違うのは、今作の NORIKIYO のラップには全くといっていいほど前向きさを感じさせる言葉がないという事で、つまり漠然とした負の感情だけに覆われた曲に感じる。

そんな NORIKIYO に比べると、無理やり話を進めるナレーターのごとく H.Teflon の歌には多少前向きな言葉が並ぶのだけれど、それによって NORIKIYO の憂鬱がはれた姿というのは浮かばないし、アウトロの最後に NORIKIYO が吐く、「いびつでもいい、本当のことは秘密でもいい」という言葉が、一体何を欲しているものなのかは分からないが、そんな仮初めのものでも求めずにはいられないだけど切迫感の方がこの曲は強い。

この事から今作をよく分からない曲、とするのは簡単なんだけど、そもそも SD JUNKSTA の面々の、そのちゃらんぽらんなイメージに反して(失礼)、ソロでもグループでも素直な心情吐露がなされていている部分が面白いと感じている私からすると、このとりとめのない憂鬱をそのまま吐き出す NORIKIYO はやはり魅力的だし、その先にあるものはなんなのか、俄然アルバムに対する期待値が上がった。

これ以外にも、かつての自分の所業を「オレは関係ねぇ」と突き放すかのような “残念です ~相模原編~” も興味深く、彼の描く現代の憂鬱がどういうものなのか、アルバムを楽しみに待ちたい。

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NITRO MICROPHONE UNDERGROUND / THE LABORATORY (COLOMBIA MUSIC ENTERTAIMENT) CD

NITRO MICROPHONE UNDERGROUND / THE LABORATORY (COLOMBIA MUSIC ENTERTAIMENT)
http://www.nitrich.com/

私は表現が大げさすぎて「伝説」という言葉をとても積極的につかう気にはなれないのだが、それでも日本のヒップホップにも伝説と呼ばれる瞬間がいくつかあって、中でも NITRO MICROPHONE UNDERGROUND はデビュー時の熱気もあってか、存在そのものが伝説であるかのように聴衆に思わせることに成功したグループでした。

それ以降も彼らは聴衆に適度な飢餓感を与える事により「伝説」の残り香を漂わせ続けてきたわけだが、いよいよ8人揃う事に何の特別感もなくなった現在、前作『SPECIAL FORCE 』(過去記事)から約3年ぶりに発表された本作は、これが伝説の正体ならなんとも寂しい非常に凡庸な作品だ。

なんて書くとどんなに酷い作品なのかと思うかもしれないが、特に完成度が際立って酷い作品というわけではない。でも代わりにどこか良い所を挙げろといわれても頭を抱えてしまうような作品で、やっぱり凡庸と書くしかないのが辛いところ。

でまぁその原因としてどの曲もトラックが良くない、と書きたいところなんだけど(いや、実際それもそうなんだけど)、それよりも各人のラップがとにかく散漫で、全くといっていいほど耳に残らないんだよね。
『SPECIAL FORCE』の時はもうちょっと引っかかるものがあったと思うんだけど、今作は正に右から左。
その中でも SUIKEN は『BACK AGAIN』(過去記事)に続いて往年の勢いを再び感じさせてくれるし、 BIG-Z もどっしりとしたラップで存在感を示しているものの、 S-WORD は最後の作品というつもりで臨んでいるからなのか変に力が入ってしまい一人浮きまくっているし、他の5人に関しては全くといっていいほど印象に残らない。

『SPECIAL FORCE』はイマイチだったものの『BACK AGAIN』が思いのほか良かったので、今作ももしかしたら、という思いがあったのだが、残念な結果に終わってしまったようだ。そしてこれが伝説の最後なのだとしたら、これはお粗末な結末だといわざるを得ない。

The Laboratory - Nitro Microphone Underground
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DJ NOBU a.k.a. BOMBRUSH! / BLACK FILE THE BOMBRUSH! SHOW 2 (PONYCANYON) CD

DJ NOBU a.k.a. BOMBRUSH! / BLACK FILE THE BOMBRUSH! SHOW 2
http://www.spaceshowertv.com/blackfile/

DJ NOBU が日本のヒップホップのみを使ったミックスCDの2枚目。

前作(過去記事)に続いて話題曲や注目曲の多くが並んでいて便利な1枚だとは思うんだけど、どうもDJミックスというとテクノやダブステップのものを聴く事が多いせいか(まぁ最近ミックス自体聴く事少ないんだけど)、トラックで繋ぐのではなくラップで繋いでいる印象の強いこの手のミックスは、あまりDJミックスを聴いている気がしない。

まぁそれでもあえてミックスCDとしての感想を書くと、冒頭の “STAY STRONG” ~ “人間交差点” ~ “I REP” 、またその少し後にくる “World’s End” ~ “ONCE AGAIN” という涙腺を刺激する感じの曲の並びの印象が強すぎて、どうもその他のハーコー路線の曲が埋没しているように思えるし、それゆえに大した山場もないまま終わっちゃうのがもったいないかなと。

あと日本のヒップホップはトラックが良いのが少ないなぁというのも改めて思うことで、音そのものの力が弱かったり、グルーブがなくのっぺりとした多いんですね。

なので逆に、単独で聴くとフロアヒット云々と書かれている事がピンとこなかった “デッパツ進行” の機能性の高さに気づかされたり、 DJ MITSU THE BEATS のトラック作りの妙には自然と耳がいったし、初めて聞く名前ながらトリッキーな印象のラップとトラックを上手くまとめ上げている KGE THE SHADOWMEN & HIMUKI はアルバム単位で聴いてみたいと思った。

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NEWS のアルバム『LIVE』とコンサート「LIVE!LIVE!LIVE!NEWS DOMEPARTY」について

NEWS / LIVENEWS / LIVE
http://www.johnnys-entertainment.co.jp/

先週今週と忙しかったのと、どうもやる気が出なかったのとで後回しにしていたら、いつの間にか2週間近く経っちゃったんですね。

ということで、さる9月28日、 NEWS のコンサートに行ってきたので、先日出たアルバムと一緒に簡単に感想など書きたいと思います。

今回のコンサートが一体どういったものだったのか、それは一言で表せば「良いコンサート」だった、という事になるんだと思います。
それはそのまま額面通りの意味ももちろんあるんだけど、言い換えるとそれは良いコンサート以上でも以下でもないというか、極端に酷い赤点を取ることもないけれど、代わりに突き抜けた満点を取ることもない、万年80点とでもいう、 NEWS の優等生的な部分がよく出たコンサートだったかなと。

そもそも今回のツアーは開催2ヶ月前近くになって発表されるという、急遽決まったものだったわけですが、さらにその後にアルバムの発表があったことは、このアルバムはツアーのためのアルバムであるという事を強く印象付けるものでした。

実際『LIVE』と題された今作は、昨年のシングル『恋の ABO』(過去記事)の流れを汲むようなダンス・ナンバーが多くしめ、なるほどコンサートで盛り上がりそうな内容になってはいたものの、反面今までの NEWS にあった多面性が影を潜める形になり、やや単調な印象を受ける。

とはいっても、メンバー全員でコヤシゲやっているようなはっちゃけた勢いが魅力的な表題曲をはじめ、切なさを湛えた歌唱がメンバーの成長を感じさせるバラード “秋の空” 、今作を端的に表す「勢い」と「切なさ」という部分を上手く融合させた “2人/130000000の奇跡” 、前作収録の “FLY AGAIN” に通ずる真っ直ぐな力強さが印象的な、夢を追い続ける日々を「終わらない夏」として讃えた “エンドレス・サマー” など、個々の曲は良いだけに聴き所も多く、良いアルバムだとは思う。

なので今回のコンサートは、アップテンポの曲でどんどん盛り上げていくようなものになるのかと期待していたのだが、実際のコンサートはそうでもなかった。

いや、まぁ “恋の ABO” に始まり、シングルを立て続けにやった前半や、アルバム曲を中心にダンサブルな曲を並べたところなどの盛り上がりはすごいものがあったんだけど、その後にくる曲の選択がイマイチで、出来かかっていた良い流れをいちいち切っている感じだったし、今回のアルバム曲以外はシングルしかやらなかったのも、意外性がなく物足りない感じがした。

つまり個々の楽曲でのパフォーマンスは悪くなかったものの、コンサートを通して一つの大きなうねりを作り出すことが出来なかったために、「良いコンサート」以上の感想がもてなかったように思う。

あと観客の盛り上がりに関しても、好きな曲がはっきりしてるからなのか好きなメンバーがはっきりしているからなのか、曲ごとに変に差があるのも気になった。メンバーのMCに対して何も反応しない場面も目立ったし。
今までのジャニーズのコンサートというと、良くも悪くもメンバーの一挙手一投足にわーきゃー騒ぐという印象だったので、この日来たファンの人たちが一体何を求めていたのかよく分からなかったし、かと思えばアンコールで手越くんが女装して出てきたときがこの日一番の盛り上がりだったというのもよく分からなかった。

ということで、 NEWS の側にも観客の側にも何か問題があるように思えて、なんともモヤモヤするライブでもありました。

あと蛇足的に、アルバムでの錦戸くんの歌唱について書きたいんですが、元々錦戸くんは技術よりも感情優先の歌い手だと思うんだけど、今作では歌い方を変えたのか以前よりも丁寧にメロディラインを追っている印象で、まぁそれ自体はけっこうな事なんだけど、そのせいで歌に込められた感情的な部分が以前よりも引っ込んでしまっていて、結果あまり引っかかりのない歌になってしまっている。

これが過渡期的なもので、技術的な面と感情的な面の両立が出来れば良いんだけど、このまま中途半端な状態が続くとつらいなぁ。

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NEWS / さくらガール (Johnny’s Entertainment) CD

NEWS / さくらガール (Johnny’s Entertainment)NEWS / さくらガール (Johnny’s Entertainment)
http://www.jehp.jp/

ジャニーズの中では NEWS か Hey! Say! Jump か、っていうくらいリリースのなかった NEWS の約1年ぶりとなるシングル。

私の中での NEWS の歌の魅力というと、錦戸くん放つ青臭さが大きいのだが、今作ではびっくりするくらい彼の存在感が感じられない。 NEWS の活動がほとんどなかった間に錦戸くんも籍を置く関ジャニが発表したシングルもアルバムも聴いていないので、これが今作からなのかここ1年の間に起こった変化なのかは分からないのだが、錦戸くんの存在感が薄れた事によって、 NEWS のもつ流麗さを前面に出す事には成功しているものの、その分以前あったような引っ掛かりも少なくなってしまったように感じる。

それでも爽やかなメロディとトランス風味のアレンジが久々に NEWS らしいと思わせる表題曲や、軽快なダンス・ナンバーの “Love Melodies” は、そういった面の良い部分が出ていて好きなのだが、このグループにもそろそろ変化の季節が来たのかな、と思わせるシングルだ。

NITRO MICROPHONE UNDERGROUND / NITRO X 99-09 (COLOMBIA MUSIC ENTERTAIMENT) 2CD

NITRO MICROPHONE UNDERGROUND / NITRO X 99-09 (COLOMBIA MUSIC ENTERTAIMENT)
http://www.nitrich.com/

活動10周年となるニトロのベスト・アルバム。

まだアルバム3枚しか出してないのにもうベスト、しかも限定盤だと2枚組みですか、っていうのはなくはないんだけど、いかにもニトロって感じの曲を押さえつつも、結構みょうちくりんな曲も選ばれていて、彼らの王道感と、同時にこのグループの破茶滅茶な部分も分かる、なかなか良い選曲なんじゃないでしょうか。中でも “LIVE ’99” をリアレンジシた “LIVE ’09” は、バックを生演奏にしたことによって、彼らに如何にまとまりのないグループかがよく分かる珍曲で面白い。

あとの部分に関しては、まぁベスト盤なんでそれほど書きたいこともないので、どうでもいい事をつらつらと書いてみたいと思います。

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NATURAL NINE NATION / 親不孝三十六房 (Natural 9 Nation) CD

NATURAL NINE NATION / 親不孝三十六房 (Natural 9 Nation)
http://plaza.rakuten.co.jp/NATURAL9NATION

いい加減に何か書かないとまずいかなぁ、ということで、福岡の Natural 9 Nation のファースト・アルバム。

今作に関しては、今年上半期のベスト(過去記事)に挙げたことからも分かるように、非常に好きな作品であることは間違いないのだけれど、では色々と書きたいことがあるかというと特になくて、記事書くのを避けていた部分もあったんですね。

というのも、このアルバム全体から受ける印象というのは先行シングルだった『親不孝三十六房』(過去記事、タイトル同じなんで紛らわしいね)とほとんど印象が分からないのですよ。

サンプリング主体の、タメの効いたファンクネス溢れるトラックと、それぞれが個性的なラッパーと、聴き所満載のリリックと、ていう3つが当たり前のように高水準で。しかもそれが頑張っている風ではなくあくまで余裕、というより全体の雰囲気はむしろだらしない。それでいて確かな技術に裏打ちされた安定感があって、ってやっぱり前の記事の繰り返しみたいになってしまったのですが、それでも何度聴いてもカッコいい。
あと音楽性自体は非常にオールド・スクールというか、独自発展してきた日本のヒップ・ホップにあって逆に珍しいくらいヒップ・ホップ然としているんだけど、それとは裏腹に、 “Funky Lesson” で WHATSMAN が「社会人ヒップ・ホップ」というように、そこかしこに大人の落ち着きみたいなものを感じるのも面白い。

ということで、書くことないんで何とも苦しい感じの文章になってしまったのですが、心から好きなものはその理由なんか挙げられない、というよくある言い回しで逃げてしまおう。
まぁとりあえず、ヒップ・ホップ好きな方なら聴いてみて損はないかと。

試聴

[曲名リスト]

NEWS / 恋の ABO (Johnny’s Entertainment) CD+DVD

NEWS / 恋の ABO (Johnny’s Entertainment)NEWS / 恋の ABO (Johnny’s Entertainment)
http://www.johnnys-entertainment.co.jp/

調子乗ってまたジャニーズいきましょうか。

24時間テレビお疲れ様でした、な NEWS が今年の4月に出したシングル。
しかし24時間のあとに山下くんと錦戸くんが新型インフルエンザに感染したことが発表されましたけど、二人ともドラマやってるわりに錦戸君ばかり話題になっていたような気がするのは私だけですかね。とうとうトップ入れ替わりでしょうか。まぁ仲良くやってくれればどっちでも良いんですけどね。

ということで NEWS にとって11枚目のシングルとなる今作なんですけれども、表題曲の “恋の ABO” は、彼らにしては珍しいディスコ・ナンバー。でも曲としては小山くんのホストキャラを拡大した合コンソング、といった感じで、結局二の線でいくのか三の線でいくのかはっきりしないところが、そのまま曲のダメな部分につながっていてイマイチ。大サビの前でアホみたいな歌詞を、狂おしいまでに感情込めて歌う手越くんの素晴らしさだけがひたすら光る曲です。

でもその代わり、というわけでもないんだけど、このシングルは残りの3曲がどれも名曲。

中でも好きなのが “ラビリンス” で、曲のタイプとしてはジャニーズによくあるラテン風味の哀愁歌謡なんだけど、巧みな展開をもったメロディと、大胆さを伴いながら素早く場面を切り替えていくようなアレンジ、そして曲世界に過不足なく情感を込める NEWS の歌が三位一体となり非常に大きなうねりを曲にもたらしていて、もうこれは素晴らしいの一言。
昔の歌謡曲を思わせる暗めの歌詞も曲によく合っている。

そして “OPEN YOUR EYES” では、以前 “Why” で試みていた南部っぽい感じ(こういうのなんていえばいいのかよく分かりません。デルタ・ブルース?)が、非常に洗練された形で取り入れられていて、こちらもまた秀作。

最後の1曲は、昨年末から年明けにかけて行われた『color』(過去記事)に伴うツアーで披露された “Share” のライブ音源。
ライブで初めて聴いたときも良い曲だと思ったんだけど、改めて聴いてみても柔らかいメロディが非常に心地良い曲で、また各人が作詞した歌詞にもメンバーの個性が出ていて面白い。中でもアルバムの主題とこの曲をつなげるかのような錦戸くんの歌詞が素敵。
でも惜しむらくは、自分達で作詞した曲を披露するのが恥ずかしかったのか、メンバー自身で曲の余韻をMCによって打ち消してしまうところで、どうせならさっさとフェイドアウトしてくれればいいのに、と思ってしまう。

でもシングルとしては今までで一番手ごたえありましたかね(全部聴いてるわけじゃないけど)。この分なら次のアルバムも良いものを作ってくれそうだ。

あと初回盤についてるライブDVD。5曲とMCだけというのは、やっぱり中途半端ですね。どうせならフル・サイズで見たいものですが、これだけ経っても出ないということは、もう多分出ないんだろうなぁ。なんでだろ。

中山優馬 w/B.I.Shadow / 悪魔な恋 (Johnny’s Entertainment) CD

中山優馬 w/B.I.Shadow / 悪魔な恋 (Johnny's Entertainment)
http://www.johnnys-net.jp/j/artists/j_jr/

こちらもよく槍玉に挙げられますね、ということで某アグネスさんが見たら児童ポルノだと騒ぎ出しそうなジャケットの、中山優馬と愉快な仲間達のデビューシングル。

でまぁこの曲に関しては、主題歌になっているドラマ「恋して悪魔」が低視聴率なのに、20万以上売れていることで色々いわれておりますが、やっぱり世間的には20万という数字は大きいんですかね。個人的にはこれだけ?、って思ったんだけど。
そもそもこのシングルって 中山くんの曲(面倒なのでこう書く)は1曲しか入ってなくて、残り2曲は Hey! Say! JUMP の山田くんと知念くんが加わった NYCboys 名義の曲なわけですよ。ということは Hey! Say! JUMP のファンで買う人も多いんだろうし、またデビュー作ということでご祝儀代わりに買う人も多いだろうし。実際ジャニーズのグループで一番売れてる曲って大抵デビュー曲なんだし。ということはあとは下降線なわけで、ちょっときびしいとおもうんだけど。
しかも3曲中2曲が別ユニットの曲って、デビューの形としてはどうなんですかね。

まぁ前途ある若者に対して、私みたいなおっさんがグダグダ書いてもしょうがないので、曲のこと書きましょうか。

まず中山くんの “悪魔な恋” は、この前の KAT-TUN のコンサートで聴いたらしいんだけど、全く印象に残っていなくて(まぁあのコンサートではキスマイなんとかの首振りが強烈過ぎた)、実際CDで改めて聴いてみてもあんまり印象に残らない、ものすごく薄味のアコースティック・バラード。
でもこの曲がよくないのか、というとそんなこともなくて、回数聴くとじわりじわりと染み込んでくるようなメロディの良さがあるし、全体的に歌謡曲の色がかなり濃いのも個人的に嬉しい。それに中山くんの歌も、取り立てて個性のあるものではないものの、この曲に関してはその色の無さと、 B.I.Shadow 含めて高音の透明感も曲に合っている。
まぁデビュー曲でこんなに地味なのはどうかなとは思うんだけど(だってライブで盛り上がらないでしょ、これ)、歌謡曲としてのジャニーズとして良質なものかと。

残りの NYCboys による2曲は、まさにジャニーズによるバレーボールのイメージ・ソング、としか表現しようがないようなダンサブルな曲。もうこの手の曲に関しては私は逆らえないです。すげぇ好き。

DJ NOBU / BLACK FILE THE BOMBRUSH! SHOW (PONYCANYON) CD

DJ NOBU / BLACK FILE THE BOMBRUSH! SHOW (PONYCANYON)
http://www.spaceshowertv.com/blackfile/

スペースシャワーでやってる番組の、日本のヒップ・ホップのみで繋げたオフィシャル・ミックスCD。ミックスしている DJ NOBU というのは、当然千葉のあの人とは別人です。

普段テクノのミックスを聴いていて、しかもロング・ミックスが好きな人間からすると、この手の日本のだけで繋げたミックスの多くが、特にビートがつながっていくわけでもないし、かといって上モノや雰囲気が近いものが連なっていくわけでもなく、これってミックスと呼べるのか、と思うことがよくある。

でまぁこれも正直これといった流れも感じられなくて、曲間に適当なシャウトを挿入しただけの、ミックスというよりはコンピレーションと呼びたくなるようなもの。
しかし今作に限っていえば、日本のヒップ・ホップのショウケース的な意味合いが強いように思え、そう考えると、現在のシーンで勢いのある連中を集めた1枚目と、クラシックを中心に纏めた2枚目とが一緒になった今作は、非常に便利なCDだ。

しかしそれでも、このアルバムを積極的に称賛する気にならないのは4曲目に収録されている “日本語ラップ is DEAD?” で、なんでわざわざご丁寧に D.O の部分が丸々無くなってるんですかね。発売がメジャーからということで当然の処置とも思えるけど、だからといって最初から D.O が居なかったかのような今作の編集は、あまりにも誇りが無さ過ぎだ。こんなものが「おれたちの行く手を阻む何かがあっても貫く生き様」だというなら、日本語ラップなんてものはさっさと死ぬべきだし、むしろもう既に死んでるも同然なんじゃなかろうか。

Natural 9 Nation / 親不孝三十六房 (Natural 9 Nation) 12″

Natural 9 Nation / 親不孝三十六房 (Natural 9 Nation)
http://plaza.rakuten.co.jp/NATURAL9NATION

もう気がつけば2月も後半ですけれども、結局2月発売予定となっていた 8th Wonder のアルバム『ヴァルハラ』は出なさそうな感じですね。一体いつになるのでしょうか。あと SD JUNKSTA のアルバムが出るとか出ないとか。でも確か予定一昨年の秋じゃなかったっけ。まぁやっと重い腰上げてくれたのなら有難いことです。あと N9N は、昨年の時点でもう声取りは終了しているということでしたが、その後一向に具体的なリリース情報が出てきませんが、一体どうなっているんでしょうか。っていうか、一昨年も同じ様な事書いてるのに、その中の誰もアルバム出してないというのは、ちょっと何とかしてほしいものです。しかもみんな活動自体はないわけじゃないというのがなんとも。

ということで、いい感じでスペースも埋まったところで、昨年ベスト・シングルに挙げさせていただいた N9N の初音源。

Natural 9 Nation というのは福岡天神親不孝通りを中心に活動するグループで、全国的に名前が知られるようになったのは、メンバーのYURA が ILL SLANG BLOW’KER に参加してから。 YURA は ILL SLANG BLOW’KER の中でも特に評価が高く、天才といわれることも多かった人だけに、 Natural 9 Nation の音源を欲していた人はけっこういたのではないかと思うけど(それとも私だけ?)、結成から10近くたってから、やっとこさの初シングル。

くぐもったキックの音が「ドンッ」と響くタイトル曲のイントロからして私は嬉しくなってしまうんだけど、サンプリングで作られたビートは、徹底してロウでざらついた質感で、まるで時代を逆行するようなのだが、これが最高にカッコいい。そしてその上に乗る5人のラップも、派手さこそないものの、5人それぞれのキャラがきちんと立っていて、さらに頑張ってる匂いが全然しないのも良い。なんてかくと誤解を招くかもしれないけど、ダラダラとしながらもカッコよさがにじみ出るのもヒップ・ホップの良さだと思っている人間なので、そういった意味では WU-TANG CLAN の “Wu-Revolution” と並んで完璧な曲。

ILL SLANG BLOW’KER の “Black Pokkas” をサンプリングした “街角の月の下で” 、スピード感のあるジャズ・トラックの “OL’TIME KILLIN'” も全くもって申し分ない出来で、3曲全てがクラシックといっても過言でないこのシングルを聴いてしまうと、弥が上にもアルバムへの期待が高まる。

試聴

NITRO MICROPHONE UNDERGROUND / BACK AGAIN (acehigh) CD

NITRO MICROPHONE UNDERGROUND / BACK AGAIN (acehigh)
http://www.nitrich.com/

2007年にアルバム『SPECIAL FORCE』(過去記事)を出して以降、ツアー以外対して動きがなかったようだし、各人のソロについても同じような感じだったので、いよいよこのグループも終わりかなぁ、なんて思っていたのですが、この唐突に出されたミニ・アルバムは久々の会心作ですね。

といっても、今作においてなにか新機軸が打ち出されているのかというと、特にそういったところもなく、かといって色々やりすぎてしまった結果拡散してしまったような前作の反動で、原点回帰的な作品になっているわけでもない。
じゃぁ一体なんなんだと問われると、今作において彼らは、あえて何もしないことを選んだのではなかろうか。
つまり、特にこれといった方向性は決めず、トラックを選んだら、後はただラップするだけ。
そう思ってしまうほど、この作品でのニトロの面々のラップはリラックスしているし、誤解を恐れず書けばものすごくだらしない。

しかしその結果出来上がった作品から浮かび上がるのは、彼らのラッパーとしての身体能力の高さで、何も特別なことなどしていないのに、驚くほどこちらの耳を引き付けて離さない。中でも SUIKEN のラップは、昔を思わせる勢いに満ちたものだし(声は低いままだけど)、また彼が今作ではひたすらこの8人の凄さについてラップしているのも、強い説得力を持ってこちらに響いてくる。それに BIG-Z がちゃんと韻を踏んでいるのも、全体の底上げになっている気がする。

まぁトラック自体もニトロらしいものが揃っているので、やはり原点回帰的な思いがあったのかもしれないが、やはりラップがたっていてこそのニトロだというのを、改めて感じさせてくれる作品。それに今作ではどの曲でも参加人数が多めなので、彼らのマイクリレーを堪能できるのも、単純に楽しい。

今年はデビュー・アルバムの発売から10周年。なのでおそらくこの後フル・アルバムが出るのではないかと思うけど(ベストかもしれないけど)、このまま変に考えずに作ってくれれば良い作品になりそうだ。

試聴
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NEWS / color (Johnny’s Entertainment) CD

NEWS / color (Johnny's Entertainment)
http://www.johnnys-entertainment.co.jp/

なんだかんだで2008年はジャニーズにどっぷりな年だったわけですが、その締めくくりに相応しく、12月30日の NEWS のコンサート「NEWS WINTER PARTY DIAMOND」に行ってまいりました。

例によって詳細は書きませんけど、個人的に NEWS ってジャニーズのグループの中で最も歌唱力のあるグループだと思っているので、結構期待していたんですが、その期待に違わぬ楽しいコンサートでした。
しかし一つ難をいうと、やっぱり NEWS ってヒット曲が少ないですよね。一般的に NEWS という存在がどれほど浸透しているのかってよく分からないんだけど、多分せいぜい知っていても “希望~Yell~” と “weeeek” くらいでしょ。実際コンサートでも、爆発的に盛り上がっていたのって “weeeek” だけなように思えたし(終始熱狂的ではあったんだけど)。まぁ地力はあるグループなので、地道に頑張って欲しいものです。

ということで、昨年の11月に出た NEWS の3枚目のアルバム。

NEWS って他のジャニーズのグループに比べると、イマイチ無個性だなというのは以前から思っていたことなんだけど、この『color』と題された作品を聴いて思うのは、彼らは逆に色が無いことが色なのかなぁと。

はっちゃけたロックにヒップ・ホップを絡ませた “weeeek” 、ラテン歌謡の “太陽のナミダ” 、分かりやすく夏の記号をちりばめた “SUMMER TIME” 、しっとりとしたヒップ・ホップを多幸感で包んだ “Happy Birthday” と、そもそもシングルの時点で方向性がバラけた曲が並んでいたわけだけど、それはアルバムでも同様で、一つとして似たような曲が無い、というのは言い過ぎにしても、基本的に楽曲の方向性に統一感はない。
しかしそんな楽曲郡を、強引に自分たちの色に染め上げるというよりは、時にはヴォーカルを分け合い、時にはメイン・ヴォーカルを変えて、ある意味楽曲至上主義とも思えるような、楽曲の傍らにそっと寄り添うような姿勢を貫くことで、不思議な統一感を生み出している。
そしてそれを可能にしているのは、先に書いたようにジャニーズ随一の(いい方を変えるとジャニーズの若手で唯一まともな)歌唱力がある事が大きい。さらにまた、一番の人気者がメインをとる、というグループがほとんどなジャニーズにあって、 NEWS に限っては、一番の人気者(山下君、錦戸君)よりも他のメンバーの方が明らかに歌が上手い、という微妙なバランスのせいか、メイン・ヴォーカルを特に固定しなくなったのも、いい形で作用しているように思います。

そんな中、 NEWS の色々と新たな面がさりげなく披露されているわけですが、特に “Smile Maker” と “FLY AGAIN” での、まっすぐに伸びるような力強さというのは非常に新鮮で、かつ胸に響くものがある。他にも “Happy Birthday” での柔らかさなんて、他のジャニーズのグループには出せないものだろうし、前作で足りないように思えた「せつなさ」が随所に忍ばせてあるのも良い。

とまぁ、 NEWS の作品の中でもかなり高い充実度を誇る作品なのは間違いないので、あとは先に書いたとおり、ヒット曲をもういくつか生み出せれば、また違った伸びが見られるのではないでしょうか。

あとコンサートのことで書き忘れたことを蛇足ながら書かせてもらうと、山下君がとにかくめちゃくちゃカッコええ。実をいうとつい最近まで、山下君の良さって全然分からない人間だったんだけど、夏の KAT-TUN のライヴで初めて生で見てから徐々に変わってきたのが、この日確信に変わりましたね。今まで関ジャニ、 KAT-TUN 、嵐と見てきたけど、とにかく目を引くというか、存在感では一番じゃないでしょうか(マツジュンもかなり存在感あったけど)。

中島みゆき / 私の声が聞こえますか (YAMAHA) CD

中島みゆき / 私の声が聞こえますか (YAMAHA)
http://www.miyuki.jp/

今年の秋に中島みゆきのオリジナル・アルバムの紙ジャケ化がありまして、この機会に彼女のアルバムを全部集めようなんて思っていたのですが、結局一枚買っただけで、後は買わずじまいになっております。やはり普段から旧譜を買う習慣がないからでしょうか。まぁ結局のところ金がないからなんですが。

ということで、なんと発売されたのは私の生まれた年だというのを今知った、中島みゆきのデビュー・アルバム。

中島みゆきといいますと、よく「情念」なんて言葉で表現されますが、今作はあまりそういった印象を受けない、わりとあっさり目のフォークがほとんど。しかし1曲目の “あぶな坂” から彼女の独自性は色濃く発揮されていて、彼女の表現の軸は当時からぶれていないことが窺える。
ではその軸というか、私は彼女をどう捉えているかというと、弱者の心を掬い上げる語り部だと思っていて、女の情念云々というのは所詮その一部分だとしか思っていないし、そもそも物語を語っているだけだから、必要以上に重くないんですよね。

そして今作ではあっさりとした曲が多いからこそ、また中島みゆきの作り出すメロディーの美しさも感じやすく、やはりこの人は天才だと思った次第。中でもやはり “時代” は名曲中の名曲です。
やっぱりこうなってくると、この後のアルバムも聴かなきゃだめかなぁ~。

中島みゆき - 私の声が聞こえますか

Nicola Conte / Rituals (SCHEMA) mp3

Nicola Conte / Rituals (SCHEMA)
http://www.nicolaconte.it/

どうも最近の、所謂 Nu-Jazz ってよく分からんのですが、その中でも人気の Nicola Conte のこの新作もさっぱりだなぁ。
Wikipedia によると、 Nu-Jazz ってクラブ・ジャズ以降のジャズを指すみたいだけど、この作品から現代性というものを私は感じ取ることが出来ないし、あといかにもヨーロッパ産というか、洗練されすぎてグルーヴが感じられないのもいかがなものか。

まぁそれでも完成度自体は低いとは思わないので、聞き流してる分には悪くないんだけど、能動的に聴くには私にはちときつい音楽です。

試聴
ニコラ・コンテ - リチュアルズ