Quali / Moonchild EP (Self Released) mp3

Quali / Moonchild EP

ウクライナのプロデューサー Quali によるビート・テープ。

どの曲も悲しい旋律を奏でるピアノが中心になっており、それをヒップホップのビートが支える、というシンプルなつくり。
しかも4曲で6分弱と非常に短い作品なので、あっという間に終わってしまうのだけれど、美しいピアノの旋律がそれぞれの曲で深い余韻を残すので、それが連なりとなり、作品全体を印象深いものにしている。

短いながらも充実した作品集。

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quantec / cauldron subsidence (Echocord) mp3

quantec / cauldron subsidence (Echocord)
http://www.echocord.com/

下の DFRNT のアルバム(過去記事)にもリミキサーとして参加している Quantec の2009年のアルバム。

この人の作品はミニマル・ダブ系の中でも、特にディレイを利かせたダブダブな音、という印象が強かったんだけど、今作はエフェクト類はどちらかというと控えめで、基本フォーマットはミニマル・ダブながらも、それでも軽快さを感じさせるものもあって、非常に聴きやすいミニマル・ハウスの作品になっている。

まぁその聴きやすさ意外に本作の変化により獲得したものがあるかというと微妙なのだが、金太郎飴的に作品を重ねるアーティストの多いミニマル・ダブ系の中でも、きちんと明確な変化を提示した点は評価したいなと。

Cauldron Subsidence - Quantec

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Quenum / The World Of Alma EP (TOYS FOR BOYS) mp3

Quenum / The World Of Alma EP (TOYS FOR BOYS)
http://www.toysforboysrecords.com/

Luciano との共作『Orange Mistake』で華々しくデビューしたわりには、リリースが少ないせいか最近ではすっかり地味になってしまった感じの Quenum こと Philippe Quenum さんの限定シングル。

なんでもチャイコフスキーの “くるみ割り人形” の “こんぺいとうの精の踊り” をネタにした曲なんだそうで。
しかしクラシックに疎い私には、原曲がさっぱり分からないのですが、まぁこの曲はそんなの関係なしになかなかの佳作。

Quenum らしいどっしりとしたキックを軸に、水晶を思わせる音色が奏でる物憂げなメロディ(これが “くるみ割り人形” なのかな)が乗ってきて、あとはパーカッションが加わるだけという、けっこうシンプルなトラック。しかし何度かの展開を経て、徐々に厚みを増していくリズムがカッコよくて、ネタに頼らないしっかりとした作り込みに好感が持てる。

まぁネタモノとして考えた場合、それほどのインパクトは望めないとは思うんだけど、その分飽きもこないんじゃないかしら。

試聴

Quantec / Distant Space Pt 2 (Meanwhile) mp3

Distant Space Pt 2
http://www.myspace.com/meanwhilesounds

グズグズな天気のわりにはきびしい残暑が続いておりますが、やはりそうするとどうしてもミニマル・ダブに手が伸びてしまうものでして。
ということで、少し前に echochord から出したアルバムも評判良かった Quantec こと Sven Schienhammer のシングル。

この Meanwhile というレーベルについては全然知らないんだけど(いや、一応アルバム1枚持ってるんだけどね)、どうやらイギリスのミニマル・ダブを中心にリリースしているレーベルなようで、今作も当然ミニマルダブ。

正直 echospace 以降に活発になってきたミニマル・ダブって、定型的過ぎて、あんまり積極的に聴く気がしないんだけれども、今作もどっしりとしたリズムと、拡がりのある音響空間は完成度も高く、聴いていて気持ちのいいものなのだけれど、公式からはみ出すところが全然なくて、面白味がないのですよ。

なんか最近のミニマル・ダブは、ひたすら匠の世界になっている気がします。

試聴

Q-Tip / Open The Mixtape: Abstract Innovations

Open The Mixtape: Abstract Innovations
http://www.q-tip.com/

すばらしくてNICE CHOICE」の gogonyanta さん経由で知ったフリー・ダウンロードのアルバムを2枚ほど。まずはその1。

Q-Tip といいますと、 Kamaal the Abstract 名義でのアルバムが、ネットで出回ったとか何とかでお蔵入りになったり、最近も未だリリースされていない『Live At The Renaissance』がブートで出回ったり、と散々な状況ですが、今度はその『Live At The Renaissance』からの曲も多数収録したミックステープがネットで落とせるとあっては、もう踏んだり蹴ったりだなぁとか思ってたんですが(だったら落とすなよ)、このミックス・テープに関しては Q-Tip 公認みたいですね。というのも本人の MySpace の方にリンクが貼られていたからで、さらにこの人 Kamaal the Abstract のアルバム・リリースもまだ諦めてないんですね(同じ Myspace で署名?募集してる)。
まぁ私としては、両方とも早く正規盤としてリリースしてほしいところなんですが、とりあえずはこのミックステープ。

Kamaal the Abstract のアルバムって生音を取り入れた内容だったらしいんだけど、今作もそれは同様で、 Andre 3000 や D’Angelo 、 Will.i.am 等も参加したその音は最高の一言。なので後は聴いてください。

ということで、本作の内容とは別に、この作品聴きながら思った事を。

基本的に文化というものは歴史の集積であるわけなんですが、それは音楽も同様で、例えばヒップ・ホップの場合、簡単にいえばブルースがあってソウルがあって、さらに R&B なんかからヒップ・ホップに繋がると思うんですが、本作を聴くと、そういった様々な音楽的要素が脈々と受け継がれているが故の芳醇さというものを感じるんですよね。しかしそういった芳醇さというものを日本のヒップ・ホップから感じる事があるかというとほとんどなくて。というのも、日本のミュージシャンって(ヒップ・ホップに限らず)同時代的な音を参照しすぎていると思うんですよ。まぁそれは日本のポップス/ロックの歴史の浅さに起因するものなのかもしれないけど、だから同時代的な面白さを持った作品や、もしくは何も参照していないような突飛な作品が出てくる事はあっても、音楽的に成熟したものは少ないように思える。さらに、「ヒップ・ホップ」よりも「ラップ」に重点を置きすぎてる「日本語ラップ」とやらが一般的な現在の日本の状況を考えると、こんな事を望む私の方が間違ってるのではないかという気にならなくもないんだけど、こんな素晴らしい作品聴いちゃった日にゃぁ、日本のヒップ・ホップはまだまだだと思わざるを得ない。

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