BASTI GRUB / HOEHENREGLER VS GEREGELT

BASTI GRUB / HOEHENREGLER VS GEREGELT
http://www.myspace.com/bastigrub

そろそろ通常更新できるように頑張ってみようかと思います。

以前ほどテクノの流れを終えていないので現在どんな音が人気なのかつかめていない部分もあるのだけれど、それでも数年前に「氾濫している」という表現がピッタリなほどよく聴かれたパーカッシブなミニマル・テクノは、以前ほどの勢いが無いように感じる。
そしてその中心で数多くの作品をリリースしていた Basti Graub も、以前に比べてリリースペースが落ちた事も相まって名前を見ることが少なくなってしまったが、どんどんハードな方に流れている印象のテクノの現状からすると、パーカッシブ・ミニマルのもっていた軽妙さを思い出してみるのも面白いかもしれない。

ということで、 Busti Grub が2008年の来日時にディスク・ユニオンのインストア・イベント用に用意したミックスCD。当然今も手に入るような代物ではないので、こんなものを紹介することにどれほどの意味があるのかは分からないのだけれど、それはいつもの事なのでご容赦を。

今作は Basti Grub が自身のレーベルからリリースした曲だけが使われていて、様々なスタイルを聴かせるというよりは、パーカッションやオリエンタルなメロディ、声ネタといった如何にもな要素が多く使われた曲郡は、むしろ金太郎飴的な印象さえ与える。
しかしそれらの曲たちは極端な盛り上がりも無く終始飄々とていてこちらに何かを強要するといった雰囲気がほとんど無く、その中に入って踊る事はもちろん、少しはなれて周りの空気になじませながら聴く事も出来る自由度と適度な距離感があり、発表から数年経った今聴いても非常に心地よい。

因みに彼の Myspace をによるともう間もなく Desolat からアルバムが出るようで、そちらも楽しみにしたい。

Loco Dice / 7 Dunham Place Remixed Part 2 (Desolat) mp3

Loco Dice / 7 Dunham Place Remixed  Part 2 (Desolat)
http://www.desolat.com/

Loco Dice のアルバム『7 DUNHAM PLACE』(過去記事)のリミックス集第2弾。

前回同様今回も非常に豪華なリミキサーが揃えられていて、なおかつ普段ハードな音を作る人が多いのですが、今作はみなさんわりとやわらかめ。

現在のミニマルの中でもかなり注目度の高い Marcel Dettmann は、「Response 1 And Response 2」という副題の通り2部構成。薄いリズムと浮遊感のある上モノで引っ張る前半から、荒い音像のキックがビートを刻む後半と、流れ自体は良いんだけど、共通の音のモチーフが使われているわけでもなく、なぜにこれを一つにまとめたのかよく分かりません。
続く Onur Ozer のは色々やろうと思ったらよく分からなくなっちゃったようなりミックスでイマイチ。しかし次の Marco Carola のリミックスは、コロコロと鳴るパーカッションとさわやかなシンセの絡みが非常に気持ちよいテック・ハウスで、この人らしいかといえば大いに疑問ながら、トラック自体は今作の中では一番好き。時折入る電車の音もよくあってる。
最後は前回のに引き続き Mike Huckaby で、怪しい雰囲気だった前回から一転、低音薄めのキックと扇情的なシンセで盛り上げる、レイヴ時代を少し彷彿とさせるテクノ・トラックで、温故知新な感じで今回も良い。
このリミックス・シリーズの第3弾があるのか分からないけれど、あるなら Mike Huckaby はまた参加させて欲しいですね。

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Loco Dice / 7 Dunham Place Remixed (DESOLAT) mp3

Loco Dice / 7 Dunham Place Remixed (DESOLAT)
http://www.desolat.com/

一体どういった人脈で連れてくるのかは分からないが、とにかく毎回豪華な Loco Dice 主催のレーベル Desolat なわけですが、昨年のアルバム『7 DUNHAM PLACE』(過去記事)からのリミックス・カットとなる本作も、非常に豪華なリミキサー陣となっています。

まずはチリ出身、現在は Hardwax で働いている(働いてただっけ?) Cassy のリミックス。彼女は非常に湿り気のある、割とぼやかしたような音像のトラックを作ることが多い人なんですが、今作では丸みを帯びながらもくっきりとした音像に仕上げていて、全然悪くはないものの、彼女特有のぬめり気がない分物足りないかしら。
そして同じくチリ出身の Luciano によるリミックスは、若干サイケデリックな色合い漂う、彼にしては珍しい感じのリミックスなんだけど、これも Cassy 同様、悪くないんだけど、いつもの Luciano の水準からするとちょっと下がるかな。

一方今作で奮闘してるのがベテラン勢で、 DJ Sneak による “Pimp Jackson Is Talkin’ Now” のリミックスは、原曲がシカゴっぽいせいもあってか、跳ねるリズムを軸にした、かなりファンキーな仕上がりで、かなり盛り上がる。また Mike Huckaby によるリミックスも、単体で聴いてあまり踊る感じになる曲ではないものの、ループするピアノが独特な雰囲気を醸し出していて、呪術的な魅力を放つミニマル・トラックになっていて面白い。

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Luciano & Mirko Loco / Family EP (DESOLAT) mp3

Luciano & Mirko Loco / Family EP (DESOLAT)
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5番の Jay Haze (過去記事)から間髪いれずリリースされた6番は、 Luciano と元 LAZY FAT PEOPLE の Mirko Loco による共作。Luciano って CADENZA 立ち上げたばかりの頃は、出す曲ほとんどが誰かとの共作だったけど、何気に久しぶりですね。

Lucianot というと、何度も書くが transmat のコンピ『TIME:SPACE_02』に Lucien Nicolet 名義で参加していたような人で、方や LAZY FAT PEOPLE は Plane E からシングルを出している人達なので、この二組の相性が悪いはずもなく、当然のようにこのシングルも素晴らしい。

1曲目の “Serena” は、初期の Luciano に近いトラックで、繊細な上モノが幾重にも重なって美しさを奏でるディープ・ミニマル。しかし変則的なリズムの多く、ややリスニング向けだった初期 Luciano に比べ、しっかりとしたダンス・グルーヴを持っているのは流石。
続く “Liah” も、大枠では “Serena” と同系統の曲ながら、リズムの強度を増すことにより、また違った表情を見せいている。
3曲目のトライバルな “Mousa Big Band” はややありきたりかなという気もするんだけど、他の2曲が素晴らしいので全く問題ない。やっぱり現在のミニマルにおいて、 Luciano の才能が頭一つ抜きん出ている事を実感するシングルです。

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Jay Haze / Mama Coca (Desolat) mp3

Jay Haze / Mama Coca (Desolat)
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WordPress を 2.7 にしたんですが、タグ管理用に入れていた「Advanced Tag Entry」というプラグインと相性が悪いのか、タグ管理の部分が記事投稿ページの一番上にきちゃってすげぇ邪魔なんだよね。だからプラグイン止めちゃったんだけど大丈夫かなぁ。表示部分にかかわるプラグインではないと思うんで、多分問題ないとは思うんだけど、やはり今まで使っていたプラグインを使わなくなるのってすごく不安です。

第一弾シングルが dubfire だったり、3番では Moritz Von Oswald を引っ張り出したり(過去記事)と、毎度豪華かつ外れのない人選の、 Loco Dice と Martin Buttrich 主宰 のレーベル Desolat ですが、今回はちょっと意外な Jay Haze 。

Jay Haze ってねっとりとしたグルーヴと、捻くれたポップ感覚を持ったミニマル・ハウスを作ることの多い人ですが、今作はすっきりとしたリズムにパーカッション、そしてその上に物悲しげなオリエンタルなメロディが乗るという、ものすごく今っぽいトラック。
いや、確かにコレはコレでいい曲だと思うし、なかなか器用だなとも思うんだけど、何も Jay Haze までこんなのに手を染めなくっても、っていう気はどうしてもしてしまう。
それに比べると、こういう路線で大人気の SIS によるリミックスは、原曲をさらに幻想的に仕上げていて、さすが堂に入っている。

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Jay Haze - Mama Coca - EP

LOCO DICE / 7 DUNHAM PLACE (DESOLAT) 4LP

7 DUNHAM PLACE
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私が Loco Dice の名前を知ったのは、おそらく多くの人がそうだったように、 Cocoon から出た Villalobos とのミックスCD『Green & Blue』でなんですが、そのせいか Loco Dice は Cocoon を中心に活動しているような印象があります。
しかし実際はそんな事はなく、 Cocoon 以外にも Ovumm_nusCadenza など、一見すると節操がないほど色んなレーベル体作品を出していて、その中の何枚かは聴いてみたものの、どうもイマイチ Loco Dice の個性というものがつかめずにいます。

そしてそれは、自身のレーベルから出たこのファースト・アルバムでも変わらない。

ゆったりとした四つ打ちのキックの中から、徐々に何かが立ち上ってくるようなエレクトロニクスが印象的な1曲目の “Breakfast At Nina’s” から、暗黒ミニマルの中で悲しみと甘さを湛えたメロディがのる “Black Truffles In The Snow” 、ちょっとシカゴっぽい男性の声と荒々しいベースラインが躍動感を生み出してる “Pimp Jackson Is Talkin Now!!!” など、どの曲も一つのスタイルにとらわれず、それでいて高い完成度を有していて、そこは Loco Dice の高いセンスと技術力が伺える。しかしここに収められた9曲から、 Loco Dice らしさみたいなものが感じられるかというと、残念ながら私にはそれが分からなくて、どうもイマイチこの作品にはのめり込めずにいる。
まぁそれでも器用貧乏的な退屈さに陥っていないのは大したものだし、傑作だというのに異論はないので、 Loco Dice のことがもっと分かった時点で、また聴き返してみたいと思います。

あと蛇足ながら、私が買ったのは4枚組みのアナログで、つまりはほぼ片面1曲という構成なんだけど、だったらロング・エディットとかにしてくれれば良かったのに、と思うのは私だけでしょうか。そうすれば DJ の方々も使い勝手良かっただろうし、コレクター的な特別感も上がったのに。まぁこのご時世に、70分もしないアルバムを4枚組みで出そうという姿勢は好きですが。

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Loco Dice - 7 Dunham Place
amazon.co.jp

Sebbo / Watamu Beach (DESOLAT)12″

Watamu Beach
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この世に完璧なんてものは、もちろんありはしないんだろうけど、もし、完璧の傍らにある音楽は、と問われたら、私は Basic Channel と答える。などと、頭から大風呂敷を広げてみたわけですが、実際 Moritz Von Oswald と Mark Ernestus によるこのユニットが作り出したミニマル・ダブという語法は、テクノとダブの融合という点においては、これ以上のモノは存在しないのではないかと思えるくらい完成されたものであり、また更新される兆しが見えないどころか、多くのフォロワーに参照され続けている。しかも活動していたのが10年以上前であるにもかかわらず(Rhythm & Sound があるけど)、その影響力は衰えないばかりか、近年増すばかりで、私はこんなアーティストを他に知らない。

そんな Basic Channel の中心人物である Moritz Von Oswald が、7月に来日します。しかも Vladislav Delay と Max Loderbauer (NSI) という、ありえない面子を引き連れて。これはもう何が何でも行かねばならないでしょう。
さらに今月には、 Basic Channel から13年ぶりのCDリリースがあるということで(単なる編集盤だけど)、弥が上にも盛り上がるわけで、つまり何が言いたいかといいますと、単純に待ちきれないということです。

そんな人にとって、多少の慰み物になるかと思われるのが、 Loco Dice と Martin Buttrich によるレーベル、 DESOLAT からの Sebbo のシングル。この Sebbo という人に関しては全然知らないんだけど(実はミックスCD持ってた)、ここでは “QUADRANT” をサンプリングしたビートの上に、何かの儀式っぽい男声コーラスを乗せていて(最近多いよね)、これはこれで十分カッコいいんだけど、ここではやはり、裏の Moritz Von Oswald によるリミックスでしょう。
ここではかつてのようなディレイの洪水といった感じの音響構築ではなく、一聴するとアンビエントっぽくも思える穏やかな音世界を作り出していて、はじめは輪郭のはっきりしていたビートが、曲が進むにつれ、徐々にダブの波間に溶解していく様が実に気持ちよく、 Moritz の円熟が聴ける素晴らしいリミックス。
こんなのライヴで延々やられたら、私は気持ちよくてきっと寝ますよ。しかも今年中にはアルバムも出るというし、ホント待ちきれません。

あとは、7月11日のイベントが、7時に始まって一体何時に終わるかだなぁ。

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