Ext / One of the Moments LP (STYLSS) File

Ext / One of the Moments LP (STYLSS)
http://www.stylss.com/

ウクライナのプロデューサー Ext こと Sergey Mogilevsky が2015年1月に発表した、多分初のアルバム。

STYLSS は様々なエレクトリック・ミュージックをリリースしているレーベルなんですが、今作は Burial 以降よく聴くようになった、2ステップっぽいダブステップ。それ以外にも声ネタの使い方含め、かなり Burial っぽいんだけど、ただ本家のように悲しみ渦巻くような感じはないので、すっきりとしており聴きやすく、またヴォイス・サンプルが発する悲哀に共振するかのように振動するベースが印象的な “Causing Passion” 、軽快なリズムが良いアクセントになっている “Dark Moon” 、ストリングスやノイズに溶け込むようなベースと悲しげな上モノの対比が鮮やかな “Metro” など印象的な曲も多く、完成度も高い。

なのでbandcamp のページに「これは私が聴きたかった Burial のレコードだ」という声が載っているのも納得というか、実験を繰り返し良くも悪くも唯一無二の存在になった今の Burial よりも、『UNTRUE』(関連記事)の頃の方が好きという人には、かなり満足度の高い作品ではないかと。

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CHERRYBOY FUNCTION / SOMETHING ELECTRONIC (ExT) CD

CHERRYBOY FUNCTION / SOMETHING ELECTRONIC (ExT)
http://www.extrecordings.com/

もう1枚 ExT Recordings からの作品で、 CHERRYBOY FUNCTION の2007年リリースの初アルバム。

全体の感じとしてはデトロイトを思わせるテクノなんだけど、音の質感としては最近のエレクトロに近いドンシャリした感じもあり、でも今のテック・ハウスっぽい感じも自然に取り入れられていて、それでも総体としてはポップという、まぁ簡単に云えば非常にバランスのいい作品。
しかしその手の作品によくある器用貧乏的に思える部分がほとんどないのは、頭で考えて作ったというよりは、気分の赴くままに作ったらこうなっととでもいうような、自然な佇まいが作品から感じられるからですかね。
まぁその分突出した曲が見当たらないというのも事実だとは思うけど、それでも作品の質としては十分。

この人ももうすぐセカンド・アルバムが出るようなので、そこでの飛躍を楽しみにしたいところです。

CHERRYBOY FUNCTION - SOMETHING ELECTRONIC

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DE DE MOUSE / east end girl (EXT)CD

east end girl
http://www.extrecordings.com/

気が付けばもう今年も半月弱、ということで、去年同様 ecrn award に今年のベストアルバムをエントリーしてみました。とはいっても、まだまだ暫定的なものではあるんだけど、毎年ベストに挙げるアルバムのほとんどを紹介していないという酷い状況なので、今年はここにあげたアルバムくらいは出来るだけ紹介したいなと思っております。因みに現在20枚中9枚がこのブログで紹介してます。あと何気に聴いていない盤までベストに入れているというのは秘密です。

こんなこと書いておきながらも、全然ベストに入れてない盤の紹介です。いやね、他にも紹介してないの山ほどあるから、それを今年中に出来るだけ紹介したいのさ。

前作に当たるデビュー盤『Tide of Stars』(過去記事)は、以前書いたように素晴らしい盤だったので、当然今作も期待してたんだけど、コレは正直前作の半分の回数も聴いてない。前作での成功を意識してのものなのか、よりポップになって聴きやすくなった曲はけっして悪くないんだけど、その分ストレートすぎて面白みに欠けるのよね。あと早くもワンパターンな感じが漂っているのもマイナス要素で、結局一番聴いてるのは、原曲を鮮やかな四つ打ちに変換した Cherryboy Function のリミックスだったりして、どうにも不完全燃焼。
一応今作は来年出るセカンド・アルバムへの架け橋となる作品らしいけど、次がけっこう正念場かもしれませんね。

試聴

DE DE MOUSE / tide of stars (EXT)CD

tide of stars
http://www.extrecordings.com/

昨日新宿のタワーで DE DE MOUSE のインストア・ライヴを見てきました。
最初CD聴いているときは作っている人がどんな人か想像付かなかったんだけど、実際時間になって出てきたのは、髪は横にピッシリと分けられた眼鏡をかけた青年で、これじゃ随分淡々としたライヴになるのではないかと思ったんだけど、そんな心配は無用の面白いライヴでした。
とはいっても基本的に iPod から出力された音源(CDと一緒)を、繋いであるパットやつまみでちょっといじるくらいなので、ライヴならではの音楽的な面白みはあまりない。せっかく手弾きしてたキーボードも、音が悪くてイマイチ聴き取りづらかったし。
しかしそんな不満を吹き飛ばすほど素晴らしかったのが本人のパフォーマンスで、とにかくあの楽しそうな笑顔。本人も言っていた通り、普段の真っ暗なフロアに比べると、インストアというのは相当やりづらい状況だったと思うんだけど、それでも本当にイイ笑顔を浮かべながら、いちいちオーヴァーアクションで機材をいじっている姿を見ながら、 DE DE MOUSE の曲郡を聴くというのは、なかなかに幸せな気分にさせてくれる体験でした。
で、一応サイン会の引換券持っていたので、ジャケットにサインいただいたのが上の。ほとんどの人が最近出た『east end girl』にサインもらってたんだけど、私はそちらは買ったはいいものの、まだあまり聴けてないので、今年の頭に出たファーストアルバムの方にしてもらいました。

そう、これって出たの今年の頭なんだよね。紹介しそびれているうちに一回廃盤になったようで、少し前に1曲追加して、さらにデジパック仕様になって再発されています。正直その再発の話し聞いたときはなかなか複雑な気分だったのですが、今回サインもらえたからまぁいいや。

ここまで短期間で再発が決まったということは相当に人気のある証拠なんだろうけど(実際昨日もかなり混んでた)、それも納得なほど DE DE MOUSE の音楽はとても耳に残る。基本的にはブレイク・コアなんだけど、変調されて子供のようになった声が歌うオリエンタルなメロディや、キラキラした音色の奏でるメロディが、美しいと同時にとにかく感情の色んな部分を刺激するもので、大体のトーンとしては物悲しいものなんだけど、それだけではない力強さも感じられて、それでいて純粋性を強く感じさせるもので、同時にノスタルジックでもある。そんなメロディが激しいリズムと一体になる事で、ものすごい感情のうねりを生み出していて、新しさこそ感じないものの、ここまで感情的なエレクトリック・ミュージックって、それこそ Aphex Twin 以来聴いてなかった気がします。
あとはこのメロディ感覚の落としどころを今後もっと増やしていけたら、物凄いアーティストになるんじゃないですかね。

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