KREVA / GO (PONYCANYON) CD

KREVA / GO (PONYCANYON)
http://www.kreva.biz/

2011年9月に発売された Kerva 5枚目のアルバム。

『心臓』(過去記事)、『OASYS』(過去記事)とシンセ主体の洗練された路線の作品が続いていた Kreva さんなんですが、今作ではその反動なのかドラムが前に出た曲が多くなっている。

んで、それ自体はある程度予想できたことではあるんだけど、 AOR 的なものからヒップホップに戻ってきてそれが生かされているのかというと、ちょっと私にはピンとくるものが少なく、作品の印象も薄く感じてしまう。

“微炭酸シンドローム” 以降の柔らかい感じはやっぱり好きなんだけど、これはこれで変化に乏しいってことだからねぇ。むずかしい・・・。

あと “蜃気楼” のブレイク部分が UR っぽくて吹きそうになったのは私だけですかね。

GO - KREVA

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KREVA / OASYS (PONYCANYON) CD

KREVA / OASYS (PONYCANYON)
http://www.kreva.biz/

前作『心臓』(過去記事)から1年ぶりとなる作品で、自身初となるミニ・アルバムなんだけど、これは前作の中でも Steely Dan を想起させると書いた “Tonaight” が一番好きだった私からすると、ほぼ理想どおりといった進化を遂げた作品だ。

なんでも Kreva は今作からシンセを使ってトラックを作るようになったらしいんだけど、そのせいなのかトラック前作よりも更に洗練されたものになっていて、その無機質とも思える質感からはヒップホップ的な粗さや躍動感はあまり感じられない。

しかし前作同様甘さと憂いの強いヴォーカルと合わさる事により、曲に適度な緊張感を与える事に成功していて、それにより甘くなり過ぎる事がないため、心地よさを保ちながらも非常に聴きやすく、何度も再生ボタンに手が伸びてしまう。

つまり今作は前作以上に AOR っぽい、というかまんま AOR なんだけど、それこそが私が『心臓』の次に求めた方向性であり、本作は Kreva 流 AOR の完成型として全く申し分がない傑作だ。

逆にいうと Kreva にヒップホップを求める向きには取っ付きづらい作品だとも思うが、今年の彼は面白いヒップホップ・ゲームを色々と仕掛けてくれそうなので、そちらもまた楽しみにしたい。

OASYS - KREVA
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DJ NOBU a.k.a. BOMBRUSH! / BLACK FILE THE BOMBRUSH! SHOW 2 (PONYCANYON) CD

DJ NOBU a.k.a. BOMBRUSH! / BLACK FILE THE BOMBRUSH! SHOW 2
http://www.spaceshowertv.com/blackfile/

DJ NOBU が日本のヒップホップのみを使ったミックスCDの2枚目。

前作(過去記事)に続いて話題曲や注目曲の多くが並んでいて便利な1枚だとは思うんだけど、どうもDJミックスというとテクノやダブステップのものを聴く事が多いせいか(まぁ最近ミックス自体聴く事少ないんだけど)、トラックで繋ぐのではなくラップで繋いでいる印象の強いこの手のミックスは、あまりDJミックスを聴いている気がしない。

まぁそれでもあえてミックスCDとしての感想を書くと、冒頭の “STAY STRONG” ~ “人間交差点” ~ “I REP” 、またその少し後にくる “World’s End” ~ “ONCE AGAIN” という涙腺を刺激する感じの曲の並びの印象が強すぎて、どうもその他のハーコー路線の曲が埋没しているように思えるし、それゆえに大した山場もないまま終わっちゃうのがもったいないかなと。

あと日本のヒップホップはトラックが良いのが少ないなぁというのも改めて思うことで、音そのものの力が弱かったり、グルーブがなくのっぺりとした多いんですね。

なので逆に、単独で聴くとフロアヒット云々と書かれている事がピンとこなかった “デッパツ進行” の機能性の高さに気づかされたり、 DJ MITSU THE BEATS のトラック作りの妙には自然と耳がいったし、初めて聞く名前ながらトリッキーな印象のラップとトラックを上手くまとめ上げている KGE THE SHADOWMEN & HIMUKI はアルバム単位で聴いてみたいと思った。

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DABO, ANARCHY, KREVA / I REP (LEXINGTON) CD

DABO, ANARCHY, KREVA / I REP (LEXINGTON)

DJ HAZIME によるミックスCD『JAPANESE HIP HOP HITS』からのシングルカットで、トラックが Bach Logic 、そしてそこにラップを乗せるのが DABO, ANARCHY, KREVA という、ハーコー、メイン、ポップと全方位に向けたようなコラボ曲。

Bach Logic というと、NORIKIYO のアルバム『OUTLET BLUES』(過去記事)でのトランス風味のトラックを、RHYMESTER 『ONCE AGAIN』(過去記事)でうまく泣きの要素に転化させていましたが、今作のトラックもその延長線。
私の中での Bach Logic の評価は世間のものに比べて決して高いとはいえないんだけど、ほとんど演歌と同じではないかと思えるくらい溢れる泣きの要素を、この曲では寸でのところで高揚感につなげていて、この辺りのセンスはさすがだと思うが、やはりヒップホップとしては躍動感が足りないか。

一方ラップの方はというと、各人がラップへの思いを吐露したものになっていて(最近この手の歌詞多いけど、みんなテーマが「ラップへの愛」であって「ヒップホップへの愛」じゃねぇんだよな)、どれもトラックには合っているものの、豪華な面子を揃えました、という以上のものはない。
強いて書けば前のめりのラップでトラックを転がす ANARCHY がベストかしら。

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KREVA / 心臓 (PONYCANYON) CD

KREVA / 心臓 (PONYCANYON)
http://www.kreva.biz/

Kreva に関してはファースト・アルバムよりあとの作品に関しては全然ピンとくるものがなかったんだけど、ソロ4枚目となる今作は、評判良いのが納得の素晴らしい内容ですね。

前半の「左心室」がメロウな内容、後半の「右心室」が比較的アッパーなもの、と分かれているようなんだけれど、どの曲も基本的には最近の Kreva のメロディアス路線、という部分では一緒。しかし何回も聴くと徐々に違いも明確になってきて、私が好きなのは断然前半の「左心室」。

とはいっても今までも Kreva にはメロウな曲なんかいくらでもあったわけだが、今作で躊躇なのはソウルからの影響が非常に強いということで、まぁぶっちゃけ蟹江っぽい感じはあるんだけど、しかし曲のもつ甘さも濃厚で、このとろけるような感覚には抗えん。しかもそこに雑多な要素を加えることで、現代的な歌謡曲として見事に成立しているし、また Kreva が感情過多にならずに、少し突き放した感じで歌っ(ラップし)ているのも良い。
中でも “シンクロ” から “Tonaight” への流れは男の私でも悶絶モノで、 “シンクロ” はこの流れに古内東子を招いて悪かろうはずがないし(全編鳴ってるシンセの音がちょうど彼女の声とぶつかるのだけが残念)、 “Tonaight” は思わず Steely Dan を連想してしまうような洗練された AOR で、変調利かしたご本人のヴォーカルはこの際置いておいても、心地良いキーボードとブラスの音色だけで満点あげたくなってしまう。

一方「右心室」の方は、前半に比べてドラムの音が立ったものが多く、また Kreva のラップもより前面に出ているので彼の技術巧者ぶりがよく分かる。とはいってもこちらは今までの Kreva の印象に近いので、それほど感じ入るものはなかったりするんだけど、前半が良すぎるのでその流れでこちらも心地良く聴ける。

本人が最高傑作と断言するだけあって素晴らしい作品。個人的には前半のメロウ路線がもっと多くても良いくらいなんだけど、そう思えるものまた後半があってこそなんだろう。そういった意味では全曲で1枚のアルバムとしてよく出来ている。傑作。

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