Tim Xavier / VIPER FISH (CLINK) 2LP

Tim Xavier / VIPER FISH (CLINK)
http://www.clinkrecordings.com/

シカゴ出身で現在ベルリン在住の Tim Xavier のファースト・アルバム。
この人の盤を紹介するの久し振りなので書いておきますと、今作がアルバムとしては初となるものの、キャリア自体は10年以上ある人で、 Tony Rohr と組んでいる AFTERNOON COFFEE BOYS や、自身の顔のアップ写真をプリントした LTD.400 のシリーズで知られる人ですね。

その他にも彼はカッティング・エンジニアとしての顔もあって Wagon Repair の盤なんかも担当していたりするんですが、 Clink や Ltd.400 の初期に躊躇だったように、彼のカッティングした曲はものすごい音圧をほこっていて、それだけで曲の記名性として特徴付けていたんですね。

しかし作品数を重ねる毎にその凄まじい音圧というのは感じられなくなっていて、それは今作でも同様(いや、他の人の曲と比べれば十分なんですけどね)。
しかもトラック自体に関しても、狭いコンクリ部屋で硬く反響するような音響空間の中、妖しくアシッド音が揺らめく “Sonic Duality” を筆頭に、新しいどころか古典的にさえ思えるようなミニマル・テクノがずらりと並んでいる。

では今作が古臭いだけの退屈な作品なのかというとそんな事はなく、鍛え抜かれた音の数々は全てが確信を持って鳴らされているかのような力強さを感じさせるし、それらが無駄なく配置されているのにも彼の職人的なこだわりを感じる。
中でもダビーな音響の中、あくまで硬質な音で押し切るタイトル・トラックは圧巻の一言。

正直ここに以前の音圧が加わったら、と思わなくはないんだけど、それでも傑作と呼ぶには十分過ぎる出来だ。

Viperfish

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Tom Dazing / Motion Sickness (ToysForBoys) mp3

Motion Sickness
http://www.toysforboysrecords.com/

2006年に ToysForBoys からの『Intenze』でデビューした Tom Dazing の、再び ToysForBoys からのシングル。

彼のスタイルというと、 m_nus なんかに近いドラッギーなミニマル・テクノが多いわけですが、他と違って音作りが非常に硬質で、実際よりもハードな印象を受ける気がします。
それは今作でもそれほど変わらないんだけど、表題曲ではスカスカな音作りによってドラッギーな面を、一方 “Cappadoras” ではキックを太くすることによってハードな面を出していて、ちょっとしたバランスの変化で印象を変えていて面白い。

そしてもう1曲は、表題曲の Tim Xavier によるリミックス。最初この二人は相性最高に思えたので、結構期待してたんだけど、ちょっとイマイチでしたかね。なんか原曲に派手なシンセ乗っけただけって感じだし、彼のカッティングで音圧が上がったという感じも特にないし。期待しすぎたか。

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Mathew Jonson / AUTOMATIC (wagon repair)12″

AUTOMATIC
http://www.wagonrepair.ca/

Methew Jonson ってこのレーベルだとわりとざらついた感じの音色を使うことが多いけど、この曲なんかはその際たるもので、『Return Of The Zombie Bikers』や The Modern Deep Left Quartet で聴かれたアラビックな旋律を、もっと歪ませて派手なエレクトロに仕立てたのが本作。最初は Audion にでも影響されたのかかと思って、それほど良いとは思わなかったんだけど、そのあと見たライヴで聴いたらえらい盛り上がれたので、それ以降は好きな曲です。
裏の “BEACH PARTY” はそのディストーションがかった感じと、以前のデトロイトっぽい感じを掛け合わせたような曲。ベースが地味にエレクトロっぽくて、これまた良い曲です。
あとコレは今記事書いてる途中で気が付いたんだけど、この盤のカッティングって TIM XAVIER がやってるんですね。知らんかったよ。

Tim Xavier / Soil Between My Fingers (LTD400)12″

Soil Between My Fingers
http://www.manmademastering.com/

最近ブルックリンからベルリンに引っ越したという Tim Xavier のセルフ・レーベルからの新作。一応このレーベルは、その名の通り毎回400枚限定でしかリリースしないらしいんだけど、その割にはずいぶん市場に出回ってる気がするのは私だけでしょうか。それとも、それだけレコード市場が狭いということかしら。まぁいいや。

まず一聴して思ったのは、今までに比べると少し音圧が弱いですね。やはり自身のマスタリングによる、あの音圧の高さというのは非常に魅力だっただけに残念。でも不満点はそれくらいで、この人の作るトラックは毎度良い。低音のグルーヴが素晴らしいのは勿論なんだけど、その中での高音の鳴らし方がとても印象に残るもので、他のミニマル勢に比べると、かなり病んでる感じ。なかでも Surgeon を思わせるトライバルな “Zombie Walk With Me” は新境地なんじゃないでしょうか。
あとはいい加減、このシリーズを纏めて CD なんかで出してくれると、知名度もグッと上がると思うのですが。

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TIM XAVIER / DECEPTION DE REAL REMIXES (CLINK)2LP

TIM XAVIER / DECEPTION DE REAL REMIXES
http://www.clinkrecordings.com/

私が彼の名前を知ったのは Afternoon Coffee Boys でのデビューのときだったんだけど、そのときはまだ Tony Rohr の相棒的印象が強かったのが、その後自身のレーベル Ltd-400 からの数枚のシングルで見事にその立場を逆転させ、現在はミニマルの中でもかなりの人気をほこるのがこの Tim Xavier です。その人気のひとつに他を圧倒するような音圧にありまして、どうやらこの人自分でマスタリングするらしく、とにかく低音の鳴りがすさまじい。
それはこのリミックス盤でも同様で、オリジナルは自身の Ltd-400 からの第一弾の頭をかざった曲。
ミニマルの人ってどちらかというとベースを強調した音作りをする人が多いけど、この曲の場合地鳴りのようなベースに加え、さらに大地を割るようなキックが鳴るのでさぁ大変。しかし音作りがとても硬質で、両方ともきっちり聴こえるのでとにかく気持ちいい。
リミックスの方も、キックをさらに強調した Tony Rohr や、バウンシーな Par Grindvik 、かなりドラッギーな Pan-Pot と優れたものが多いけど、 Tim Xavier のマスタリングによってさらに良くなっているのは間違いない。
この人のトラック制作とマスタリングの相乗効果が続くかぎり、注視すべき人物です。

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AFTERNOON COFFEE BOYS/GLITCHES BREW(COCOON)12″

cor12_022.jpg 
http://www.cocoon.net/

なんか最近やる気が出なかったんで更新さぼってたんですが、ぼちぼちまたちゃんとやろうかと。
そういえば LOOPA のも宙ぶらりんなまんまだった。ん~、まぁいいや。
とりあえず手始めにあんまりお勧めじゃないのを(笑)。

Tony Rohr と Tim Xavier の二人が一体どういうタイミングで評価が上がりだしたのかっていうのは、この二人の事をよく知らない私には分からないんでけど、やっぱり決定的だったのって二人のユニットのデビュー作である『Dark Blend』だったと思うんですよね。
で、その後も Tim Xavier の方は Ltd400 というレーベルを始め、Tony Rohr も最近アルバムを出したりとさらに評価を上げた中でのセカンド・シングル。

っつうんで当然こちらの期待も大きくなるわけなんですが、これはちょっと外れかなぁ。
前作の何が良かったって、とんでもない出音の低音と、細かく刻まれるリズムが生み出すドロドロとしたグルーヴだったんだけれども、今回はそこら辺がどうも弱いんですよね。
それに COCOON だからなのかそうじゃないのか、今作は全体的に妙にブリーピーで、そのおかげで余計ドロドロしたっちゃぁしたんだけど、ここまでトビトビだと私には好きになれないです。
[Tracklist]