ROBAG WRUHME / Leistenhans Zwo EP (Musik Krause) mp3

ROBAG WRUHME / Leistenhans Zwo EP (Musik Krause)
http://www.musikkrause.de/

Robag Wruhme こと Gabor Schablitzki が2012年6月に発表したシングル。
Wighnomy Brothers での活動を休止させてからというもの、 Kompakt や Pampa からのリリースが目立っていたので、すっかり Musik Krause からは離れたのかと思っていたが、今回は久しぶりに古巣から。

Wighnomy Brothers の活動休止以降の Robag Wruhme は、どうも以前の分かりやすさが失われているようであまり積極的に聴く気になれなかったのだけれど、様々なサンプルやエフェクト、パーカッションによるリズムの緩急などをつけながらも、全体としては終始淡々と進むテック・ミニマルの “Brumby Kapell” 、太いキックとベース、甲高いパーカッションで巧みにグルーヴを練り上げる “Wolluwe” 共に、今作もその点は変わらない。

しかし以前よりも硬質な音作りと、以前からの冷たい音響空間との相性が良く、また時折挿入されるエフェクトなどからじんわりと染み出す軽妙さは、やはり Robag Wruhme らしさを感じさせ、またクラブ・トラックとしての高い機能性も相まって十分に魅力的。

まぁ以前のようなポップな曲をまた聴きたいなぁ、というのも一方で感じるのも事実だけど。

Leistenhans Zwo - EP - Robag Wruhme

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BEST ALBUM of 2008

  1. Bruno Pronsato / Why Can't We Be Like Us
  2. FUMIYA TANAKA / Unknown 3
  3. 宇多田ヒカル / HEART STATION
  4. KAT-TUN III -QUEEN OF PIRATES-
  5. OUTLET BLUES
  6. RYTHEM / 23
  7. Pom Pom / Pom Pom CD 001
  8. Metawuffmischfelge
  9. Ufomammut / Idolum
  10. SND / 4, 5, 6
  1. Bruno Pronsato / Why Can’t We Be Like Us
  2. FUMIYA TANAKA / Unknown 3
  3. 宇多田ヒカル / HEART STATION
  4. KAT-TUN / KAT-TUN III -QUEEN OF PIRATES-
  5. NORIKIYO / OUTLET BLUES
  6. RYTHEM / 23
  7. Pom Pom / Pom Pom CD 001
  8. Wighnomy Brothers / Metawuffmischfelge
  9. Ufomammut / Idolum
  10. SND / 4, 5, 6
  11. BES from Swanky Swipe / REBUILD
  12. Jun Yamabe & Enitokwa / Bisai
  13. Mr. BEATS a.k.a. DJ CELORY / BEAUTIFUL TOMORROW
  14. 2562 / aerial
  15. BUTANE / Becoming
  16. MADTEO / MEMORIA
  17. 244 ENDLI-x / I AND 愛
  18. NEWS / color
  19. BUN / BUUUUULL SHHHHHIT
  20. Perfume / GAME

みなさんあけましておめでとうございます、 shooter です。
昨年は小室哲哉が逮捕されたり、飯島愛が他界したり、自分の中である時代が終わったことを強烈に感じた年だったんですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私はといえば、正月だろうがいつもの休日と変わらず、怠惰に時間を浪費しております。今年こそはもう少し時間の使い方が上手くなりたいものです。

ということで、昨日のシングルに引き続き、私が2008年によく聴いたアルバムです。

今年は全体的に良作が多かったので、1位はけっこう迷ったんですが、やはりミニマルの音楽的進化の可能性を鮮やかに提示してみせた Bruno Pronsato 。個人的にはここ数年のテクノ/ミニマルの中でも最重要作の一つだと思ってるんだけど、他のベストとか見ると、どうやらそう思っているのは私だけみたいですね。がっくし。因みに私が海外のアーティストの作品を1位に選ぶのは、なんと96年の Nirvana 以来。以外に邦楽志向の人間なようです。

そして、6位までのものはどれも1位と入れ替わってもおかしくない傑作揃い。他のものに関しても、順位はほとんど便宜上のもので、非常に充実した作品ばかりでした。あと基本的に、メジャーなものよりアンダーグラウンドなものを優先させています。

あとは例年通り、紹介した作品の少なさに反省しきりなのですが、とりあえずここに挙げた作品くらいは、後追いで徐々に紹介していきたいとは思っています。あと今年も ecrn award の方にも投稿してますので、お暇な方はそちらも見てみてください。

今年の5月でこのブログをはじめて丸5年になるので、そろそろこのブログの有り様も変化させたいなと思っているんだけど、まだどうなるか全然分かりません。とりあえず相変わらずマイペースに、ぼちぼちと更新していきたいとは思っています。それでは今年もよろしくお願いいたします。

Wighnomy Brothers / Metawuffmischfelge (Freude-Am-Tanzen) CD

Metawuffmischfelge
http://www.freude-am-tanzen.com/

Robag Wruhme という人は、デビュー以来様々なタイプの曲をリリースしてきているわけですが、その中でも一貫しているのは、常にポップさを置き去りにしないということで、それはこの、 Monkey Mafia とのユニットである Wighnomy Brothers での、初のミックスCDでも変わらない。

1曲目からいきなり、 Matthew Dear が False 名義で出した “Fed On Youth” という、かなりディープなミニマル・トラックなんだけど、そこに元 Dead Can Dance の Lisa Gerrard が幽玄な歌声を聴かせる “Come Tenderness” という曲を乗せることで、あれだけ無機質に思えたトラックから、悲しみにも近い情感を引き出していて、まず驚く。

そしてその美しい余韻を残したまま、いくつかのトラックを経た後の、 Agoria による “Les Violons Ivres” の、あまりにも優美なストリングスが鳴り響いて以降、ほとんどの曲に明確なメロディが存在していて、それらがたゆたうようにゆるやかに、しかし確実に紡がれていく美しさを追いかけているだけで、気がつけば1時間強が終わっている。

中でも、個人的には昨年のベスト・リミックスだった、 Stewart Walker の “Fernbank 91” (過去記事)の Robag Wruhme によるリミックスをクライマックスとした、後半の美しさは筆舌に尽くしがたい。

はっきりいってノリのいい物を求めている人には不向きだと思うし、何か画期的な手法がとられているわけでもない。でもそんな不満などものともしないような美しさがあるのも間違いない。久々に Robag Wruhme の作家性に感服した大傑作。

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ROBAG WRUHME / THE LOST ARCHIVE 1998 – 2007 (MUSIK KRAUSE) CD

THE LOST ARCHIVE 1998 - 2007
http://www.musikkrause.de/

以前紹介した Robag Wruhme の未発表曲集(過去記事)のCD版。
そもそも Robag Wruhme という人は、 Volker Kahl とのユニットである BEEFCAKE として1997年ごろから活動していた人らしくて、今作のタイトルから察するに、その当時から現在までの未発表曲を集めたのが本作ということでしょうか。でもクレジット見ると、半分くらいは既発曲で、しかもわりと最近の曲ばっかな感じなんだけど、まぁいいや。
内容の方は先行のEP同様、ブレイク・ビーツやブレイク・コアが中心で、印象はそのEPと変わらないかな。全然悪くないんだけど、やっぱり3曲入っている四つ打ちの方が断然良い。あとはラストの14分にもわたるアンビエントが良かったかな。でもやっぱりマニア向けの感は否めない作品です。

試聴
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Gamat 3000 / Feeling Love Remixes (Freude-am-Tanzen)12″

Feeling Love Remixes
http://www.freude-am-tanzen.com/

せっかくなんで daniel scholzmatthias tanzmann の2人による Gamat 3000 のシングルも。
1999年のコンピ『Distille Cup』に収録されていた曲のリミックス盤で、タイトルからも分かる通り John Lennon のカヴァー。
このリミックス盤には、おそらく自身の手によるものと思われるダブ・ヴァージョン、そして Wighnomy BrothersJori Hulkkonen によるリミックスが収録されているんだけど、やはりオリジナルがダントツに素晴らしい。
原曲の美しいヴォーカル・メロディを上手くミニマル・ハウスに落とし込んでるのは勿論のこと、ボサノバを思わせるリズムのトラックも単なる歌モノではおわらせない出来。ミニマルになれた今の耳で聴くと、もう少し BPM 遅くてもいいかなと思わなくもないけど、それでも聴き入ってしまう美しさ。
そのオリジナルに比べると多少見劣りはするものの、リズムを強調した “feeling dub” 、彼ららしい広がりのあるシンセが美しい Wighnomy Brothers のリミックス、ピアノを乗せてさらにムーディーに仕上げた Jori Hulkkonen のリミックスと、どれも出来は良い。
ミニマル・ハウス好きなら外せない1枚。

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Gamat 3000 - Feeling Love - EP

WIGHNOMY BROTHERS / Guppipeitsche (Freude-am-Tanzen)12″

WIGHNOMY BROTHERS / Guppipeitsche
http://www.freude-am-tanzen.com/

TM NETWORK 再始動ですか。
個人的には前作『NETWORK -Easy Listening-』って彼ら自身が奏でる TM NETWORK の葬送曲だったと位置付けているので、あのまま終わってくれた方が美しかったと思うのですよ。っていうかあれで終わりじゃなかったんなら、あのトリビュートはなんだったんだろう。まぁいいや。

昨年末あたりから好調なリリース・ペースを保つ Robag Wruhme 及び Wighnomy Brothers 。双方最近の傾向としてどんどんジャズ的な要素を強めておりますが、今作はその際たるものという感じ。
今作は両面とも上モノにピアノを使った曲が収録されているんだけど、タイトル曲の方はリズミカルなピアノを中心に、リズムもウッド・ベースとジャズ・ドラムが使われていて、フォーマットは四つ打ちながら、ジャズの音で構成したクリック・ハウスといった趣。
一方裏の “My gloomy head” は、シャープなキックの上に物悲しいピアノのメロディが鳴るクリック・ハウスで、そのピアノから十分ジャズの香りは漂うものの、彼ららしい音響構築により正に Wighnomy Brothers としかいえない曲に仕上がっていて、その対比が面白い。
彼らのこういうシングルも1作品として聴けるような作りには非常に好感が持てます。だからオリジナル・アルバムの方もそろそろ聴きたいなぁ。

Wighnomy Brothers - Guppipeitsche - EP
[Tracklist]

WIGHNOMY BROS.|ROBAG WRUHME / Remikks Potpourri Ⅱ (Freude am Tanzen)CD

WIGHNOMY BROS.|ROBAG WRUHME / Remikks Potpourri Ⅱ
http://www.freude-am-tanzen.com/

このブログでは何度か取り上げている Robag Wruhme こと Gabor Schablitzki なんですが、たとえば Villalobos や Matthew Dear なんかに比べると、どうも一般的な注目度が低い気がするのは何でなんですかね。やっぱり2004年の『WUZZELBUD”KK”』(過去記事)以来CD作品出してないのがいけないのかな。一応2005年にリミックス集が出てるんだけど、あれは流通がイマイチ悪かったからな。まぁでもそんなことは日本だけの話で、相変わらず欧州では人気があるのか、まさかのリミックス集第2弾。

前作では比較的テクノ方面のアーティストのリミックスが大部分を占めていたけど、今作は名前が売れた影響かずいぶんと幅広く、中でも UnderWorldDepeche Mode を筆頭に有名どころの名前が目立つ。

しかし基本的な音作りは一貫していて、基本的に密室的な空間処理の中で鳴るひんやりとしたシンセと、メタリックな音で構成されたパーカッションの組み合わせ。それはリズムが四つ打ちだろうがブレイク・ビーツであろうが同じ。こう書くと金太郎飴的な退屈なものを想像するかもしれないけど、彼の魅力はそこに数多くのフックを仕掛けることで、非常に記名性の高いポップなトラックに仕上げるところで、有名どころのおかげで楽曲自体の記名性の高い今作でもそれは変わらない。
単純な好みの問題でいえば、ある程度楽曲に幅のある今作よりも、タイトなミニマル/クリックで占められていた前作の方が好みだけど、完成度自体はまったく下がっていない。しかもこれに収録されたリミックス仕事なんて氷山の一角にしか過ぎないんだから、その才能はもっと評価されてしかるべきだと思います。

あとこのアルバムって一応 Monkey Maffia とのユニットである Wighnomy Brothers の名前も使われてるんだけど、各曲のクレジット見ると実際リミックスしてるのは Robag Wruhme だけなんだよね。それはこのユニット名義で出す曲でも同様で、いったいどういう役割分担なんですかね。謎だ。

視聴
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[Tracklist]

ROBAG WRUHME ALS ROLF OKSEN / Bart Eins EP (Freude-am-Tanzen) 12″

ROBAG WRUHME ALS ROLF OKSEN/Bart Eins EP
http://www.freude-am-tanzen.com/

また仕事量が増えてきた感のある Robag Wruhme の新作。前作の『papp-tOnikk ep』が最高だったんで期待してたんだけど、A面の “Dopamin” は Robag Wruhme 流のブリープ・テクノといった趣で、個人的にはイマイチ。なのでこの盤の聞き物はB面の4曲でしょうか。
“Hakkatzen” は決して派手さはないものの、その分 Robag Wruhme らしい細やかな音作りが感じられて、螺旋状にグルーヴが積み上げられていくミニマル・テクノ。そして残りの3曲はフィールド・レコーディングされたと思われるノン・ビートの曲。しかしこの手のにありがちな実験性や高尚さとは無縁の、やはり彼らしい人懐っこさが感じられて心地良い。どうも前作が良かったせいでイマイチな感は拭えないんだけど、この3曲は新たな可能性を感じさせる。

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Robag Wruhme als Rolf Oksen - Bart Eins - EP
[Tracklist]

DOMINIK EULBERG/KREUCHT & FLEUCHT(Mischwald)2CD

DOMINIK EULBERG/KREUCHT & FLEUCHT
http://www.mischwald.net/

iTunes が7にアップデートされてからというものギャップレス再生がうれしくて、今まで手が伸びずにいたミックスCDをよく聴いているのだけれど、これもそんな1枚。

2004年の『Flora & Fauna』(過去記事)で一気に知名度を上げてからもコンスタントにシングルは発表していながら、噂のCoccon からのアルバム(来年2月?)がなかなか出ない Dominik Eulberg の初ミックスCD。

彼は自身のオリジナルではダブテック中心ながらも、このミックスCDでは予想通りクリック/ミニマルが中心。しかしさすが人気アーティストというべきか、収録曲は2005年のヒット曲総ざらいといった趣さえある豪華なものです。
しかし実際に聴いてみると、その豪華さが信じられないほど地味。
とりあえずこのミックスを聴く限り、彼のミックスというのはそんなにテクニカルなものではなくて、曲のアタマとケツをちょっと繋ぐくらいなんですよね。だから展開していく感じが全然なくて、曲自体は悪くないから退屈とはいかないまでも、びっくりするくらい何も起きません。

というのがディスク1の感想。ずっとこのままだったっらどうしようかと思いながらディスク2の方を聴いてみると、こちらはシンセが扇情的な曲が多く、特に “Dinamo (Dominik Eulberg Remix)” から “Pele Bloss” への流れはかなり盛り上がる。まぁミックスのスタイル自体はディスク1同様特に個性は感じないんだけど、この Border Community 系を多く配した選曲は自然と体が動いてしまいます。

まぁなんのかんのと書きましたが、2005年の記録として持っておくと便利な1枚な気はする。

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V.A./TSUNAMI RELIEF(TSUNAMI RELIEF)CD

V.A./TSUNAMI RELIEF

ちょっと前のアルバムなんだけど、2004年のスマトラ沖地震のチャリティ・アルバム。因みに主催は Jay Haze 。彼は自身のアルバムのタイトルを『Love for a Strange World』
(過去記事)としてみたり、最近出た Fuckpony 名義でのアルバムも『Children Of Love』だったりと社会意識の強い人みたいですね。

そして参加メンバーは、活動が多岐にわたる Jay Haze が声をかけただけあっって、クリック/ミニマル周辺の主要アーティストが勢揃いといった感じになっています。

しかしその参加メンバーからくる期待に比べると作品としてイマイチというか、全体的な完成度は高いんだけど、どうも抜きん出たトラックがないんですよね。

その中でも目玉は和尚による久々の F.u.s.e. 名義での曲なんだろうけど、これはぼんやりしたアンビエントでイマイチ。
それ以降もいつもより幾分ストレートなRicardo Villalobos Vs Jay Haze や、軽快なミニマル・ハウスな Andre Galluzzi &Guido Schneider 、激パーカッシブなのにやっぱり低血圧ファンクな Luciano 、そして最後にふさわしい幻想さを持つ Swayzak と、それなりに面白いトラックもあるんだけど、やっぱり全体としてはどうも印象に残らないんですよね。

それでも各アーティストの色は出ているので、ミニマルに普段馴染みのない人には便利だろうし、ノン・ストップな構成(ミックスはされてない)なので流し聞きにはちょうどいいんだけど。

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