ライヴを見たことのない者にとってはある種の都市伝説のようにも思えた Struggle For Pride の、待望のデビューアルバム。彼らはよくテクノやハウス、ヒップ・ホップにロックやハードコアなどが混ざり合った今の東京のシーンの代表のように扱われることが多いけれど、正直このアルバムの音からそういった背景を読み取るのは難しい。
冒頭の Kahimi Karie による手紙の朗読や、続く MSC から Mic Space の二人を招いた “Blockpain” などにはその越境性を見て取れるが、後はひたすらノイズの嵐といった感じ。しかしその凄まじいノイズを鳴らすギターとけたたましく鳴るドラムの中で、埋もれそうになりながらも叫び続ける今里のヴォーカルが素晴らしく、私が始めて聴いたときに思い出したのは Nirvana の『From the Muddy Banks of the Wishkah』の冒頭での Kurt Cobain の叫び声で、特に具体的に何が似てるというわけではないのだけれど、その声から発せられる生命エネルギーの強さに非常に近いものを感じる。つまりは私にとって Struggle For Pride は曲やメロディを聴いたりとかいうことではなく、その演奏から発せられるパワーをひたすら浴びるといった類の音楽。しかしそのパワーたるや凄まじく、最近の作品でこのアルバムに匹敵するパワーを持っているものはちょっと思い浮かばない。
そして今里はバンドについてよく「遊び」だと言うけれど、好きな遊びだからこそここまでの力を注ぎこめるということなのか、ここまでパワーを使わなければ遊びも真剣にできないという意味なのか、どちらにしてもこのアルバムには、今という時代の空気が目一杯詰め込まれているのは間違いない。
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01. REFLECTOR feat. KAHIMI KARIE
02. BLOCKPAIN feat. MC 漢&麻暴 from MSC
03. DESPISE YOU
04. TEARS FOR FEARS
05. MORAL GUIDANCE
06. FEELING IN SOIL
07. SUMMER NEVER ENDS
08. MOBS
09. YOU BARK WE BITE feat. S-ONE THE GANGSTA&D.O.&TERA-P
名前は知ってたけど、あんま自分のあれじゃなさげだったからスルーしてたんだけれども、この文章読んで、気になって、買って、聴いてみたら、おお、けっこううるさい系の音なんだねえ。わりとかっこうよかった。
おぉ!これを聴けばきっともりたさんも時代の最先端だよ!
まぁ女にもてる音かは分からんけど・・・・。