Dice Raw and The Money Making Jam Boys / The Antidote

The Antidote
http://www.okayplayer.com/

「すばらしくてNICE CHOICE」の gogonyanta さんが紹介してたんで聴いてみた、 Dice Raw という人と、 The Roots の Black Thought による新プロジェクトのフリー・ダウンロード・アルバム。
Okayplayer のサイトのほうは全然見てないので、詳しい事は分からないんだけど、80年代のヒット曲をサンプリングしたんだそうで、なるほど、音の質感からしてめちゃくちゃ80年代。っていうかほとんど加工してないみたいですね。しかしここには、最近のヒップ・ホップにはどうも無くしがちに思える風通しの良さがあり、それがこういった大ネタ使いのものにありがちな、あざとさやいやらしさを見事に回避している。それに元々ヒップ・ホップって、この音源のようにイリーガルでありながらも、やばさではなく楽しさを感じさせてくれるものだったと思うんだけど、一体いつから今のような不穏なものになってしまったのかねぇ。
んー、なんかだんだん愚痴っぽくなってしまいましたが、この作品はヒップ・ホップの現状に対する問題提起に思えるのは私だけでしょうか。

ダウンロード

COBBLESTONE JAZZ / INDIA IN ME (wagon repair)12″

INDIA IN ME
http://www.wagonrepair.ca/

このシングルって確か一回紹介した記憶があるんだけど、データベース飛んだときに消えちゃったので、再度ご紹介。 wagon repair の18番は、このレーベルからは2枚目となる Cobblestone Jazz 。私の記憶によると、このシングルの発売前レーベルのサイトの方には、「今度の Cobblestone Jazz はすげぇテクノ・アンセムだ」みたいな事が書いてあったと思うんだけど、その言葉どおり前作に引き続きヒットした、文句なしに彼らの代表作の1枚。
Itiswhatitis からのデトロイト・テクノからの影響色濃いスタイルから一転、このレーベルらしいサイケデリックな感じを前面に出したのが前作の『Dump Truck』(過去記事)だったわけですが、今作はちょうどその中間とも思える、覚醒感の強いテック・ミニマル。一聴した感じ派手さはないものの、長尺の曲らしくじっくりと絡め取るようなグルーヴが気持ちいい。一応裏表合わせて25分くらいになるんだけど、どうせなら繋げてその尺で聴きたいと思わせるような逸品です。

Cobblestone Jazz - India In Me - EP
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電気グルーヴ / 少年ヤング (Kioon)CD

少年ヤング
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/denki/

ずいぶんとお久しぶりの電気グルーヴのシングルは、ゲスト参加のヒダカトオルのギターが子気味良いエレポップ。
雑誌などを見ると、自分が求めているような電気が帰ってきた、と好意的に受け止めている方が多いようですね。しかし私はといいますと、電気グルーヴを本格的に聴きだしたのが『A』からという人間なので、別段初期のエレポップ路線が好きということもなく、じゃぁ電気で一番好きな曲はと問われれば、 “Nothing’s Gonna Change” なんだけど、ああいった路線を電気に求めているかというとそんな事もなく、何だかんだで自分が電気に、ある一定のスタイルを求めていない事に気が付いた。
では私が電気に求めているものが何なのかというと、単純に面白さとサウンド・クオリティの両立で、そういった意味では今作は全然面白くない。とはいっても前作の『VOXXX』の時だって、先行シングルの時点では不安の方が大きかったわけで、今回もアルバムにはゆるく期待しておきます。

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SEEDA / 街風 (EXIT BEAT)CD

街風
http://www.seeda.tv/

見つけたときは、とりあえず RSS に登録はするものの、結局ほとんど見る事のないアーティスト・ブログが多い中、 SEEDA のブログはけっこう楽しく見させてもらってるんですが、少し前にそのブログのコメント欄にとても気になることが書いてありまして。というのも、たぶん若い子だと思うんだけど、 SEEDA に憧れてハスリングを始めた、みたいな事を書いてる人がいたんですよね。それが個人的にはけっこうショックでして。最近日本でもハスリング・ラップが増えてきたというのは、確かにその通りだと思うんだけど、かといってハスリングを奨励してるのってそんなに無いと思うんだよね。それが平気であんな事書いちゃうんだから、日本もずいぶん変わったなぁ(そもそも本当か疑わしいけど)。まぁ私はストリートの現実なんてモンは何も知らない人間なので、ハスリング自体を頭ごなしに否定する気も無いんだけど、だからってヒップ・ホップ聴いてハスリングに憧れるって、幼稚にも程があるんじゃなかろうか(映画に憧れて車盗む中坊と変わらんよ)。

発売前から大層話題になって、発売後もけっこう話題になった SEEDA のメジャー・デビュー盤。
昨年の『COCRETE GREEN』シリーズや SCARS の成功、そしてその後の『花と雨』の高評価を経て、次の一手として放たれたのが本作なわけですが、これは分かりやすく云えば襲名式みたいなものなわけですよね。錚々たる面子のゲストを多数招いて、自分こそが次なるキングだと宣言したといいますか。だから音楽的にはそれほど意味のあるアルバムとも思えず、それを SEEDA 本人も分かってるからこそ、わずか3ヶ月という短すぎるスパンで、次のアルバム出すんじゃないですかね。というのは意地悪すぎる意見かしら。
結局私は一番最後の、「週3でマイカー」が一番面白かったです。

SEEDA - 街風

TERRENCE DIXON / DIRECTIONS EP (UNDERL_NE)12″

DIRECTIONS EP
http://www.underlinelabel.com/

最近 dubfire が m_nus から出したのも驚いたんですが、もっと驚いたのが、この Terrence Dixon の UNDERL_NE からのリリース。デトロイトでミニマリズムというと、たいてい名前が挙がるのは DBX か Robert Hood だけど、何気に Terrence Dixon の影響も大きいという事なのかしら。

でも音の方はことさら UNDERL_NE を意識したとも思えないような、マシーナリーなエレクトロやミニマル。どの曲も悪くはないんだけど、イマイチシングル向きじゃないというか、どうも打ち出しが弱いものが多いのが難でしょうか。でも最後の “REMEMBER RESCUE” だけは別で、くぐもった低音と、カンカンとなるハイハットの対比が印象的なディープ・ハウスで、どうせなら全曲この路線のも聴いてみたい。

Terrence Dixon - Directions EP

Terrence Dixon / Train of thought (yore)2LP

Train of thought
http://www.yore-records.com/

昨年カタ番50を記念したコンピをリリースして以降、ほとんど動きのない background なんですが、なんかもうこれで打ち止めっぽいですね。というのも、そもそも background というのは Terrence Dixon の作品をリリースするために立ち上げられたレーベルなんですが、その Terrence Dixon が、 Andy Vaz の立ち上げた新レーベルである yore からこのアルバムを出したから。まぁまだ何ともいえないんですけどね。

というわけで、 tresor から出てた前作『from the far future』からなんと7年振りとなるアルバム。その『from the far future』は個人的に線が細すぎてあまり好きにはなれなかったんだけど、今作はなかなかの良作。
世間一般での Terrence Dixon のイメージがどういったものなのか分からないんだけど(そもそも名前が知られてないからイメージないか)、私としては彼こそが現在最も正統派のデトロイト・テクノを鳴らしているという思いがあって、今作などは正にそう。重さはないながらもやたらと性急な感じのリズムとハイハットに、叙情的なメロディをもった上モノ。そしてそこから立ち上るのはベタベタとした感情ではなく、むしろ緊張感で、そこがたまらなくカッコいい。
まぁこの作品に新しさがあるかというと、そんなものは全くといっていいほど無いんだけど、様式的なデトロイトの手法を用いつつも、ミニマリズムも強く感じさせる今作は、ミニマル以降の伝統的なデトロイトテクノの鳴らし方としては、ほぼ完璧に近いものではないかしら。温故知新な傑作。

Terrence Dixon - Train of Thought

AKINO / Lost in Time

Lost in Time
http://bless4.jp/

「創聖のアクエリオン」効果なのかどうなのか、とりあえず注目度が高いであろうことは間違いない AKINO のファースト・ミニ・アルバム。以前書いたように、岩里祐穂と菅野よう子のコンビが作詞作曲を手がけているという事で、レンタルながら聴いてみた。

以前の記事では、まんま坂本真綾、というような事を書いたんだけれども、今作でもその印象は特に変わらず。でも柔らかい感じの声の坂本真綾に比べると、より強い声を持っているので、良くも悪くも曲の持つ大仰な感じを引き出していますね。その分アニメのテーマには合うのかなという気もするけど、素面で聴くにはちょっと恥ずかしい部分がなくもない。
しかし何度も聴いているうちにそこら辺気にならなくなってからはけっこう愛聴してます。中でもイケイケの四つ打ちを聴かせる “Chance To Shine” と “荒野のヒース” は彼女に凄くあってるんじゃないですかね。反面穏やかな曲ではまだ粗さが目立つんだけど、それもこれから経験積んでいけば良くなっていくでしょう。
とりあえず次作も菅野よう子がやるんだったら聴いてみたい。

アキノ - Lost in Time
amazon.co.jp

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CD5枚、LP2枚、12インチ3枚

PORTABLE / POWERS OF TEN
BURIAL / UNTRUE.
POLE / steingarten remixes
Takashi Wada / Brand New People
BONG-RA / FULL METAL RACKET
V.A. / Fine:The Best of Frogman
Eccy / FLOATING LIKE INCENSE
we can do it! / Nguyen (T.D. RMX)
jichael mackson / Baff
SCHNEIDER, GALLUZZI, SCHIRMACHER / ALBERTINO AND NORA P

CHAOS に行く元気はなかったけど、 warszawa のセールには行ってきた。 20% OFF ということで、欲しくても買えなかった物をしこたま買ってやろうかと思ってたんだけど、実際行くと勇気が出ずに、結局買ったのは5枚だけ。本当はもう何枚か欲しかったけど、今月は使いすぎたからしょうがない。
その後 HMV でCD2枚。 Underworld と Los Hermanos とフロッグマンのベスト買うつもりだったんだけど、 Underworld は試聴したら値段に見合った内容とも思えず、限定盤という言葉に引かれつつもパス。 Los Hermanos も別に今買わなくてもいいかなという感じ。そこで何故か代わりに Eccy を買ってしまった。
残りはテクニークとユニオンで買った新作。コレで買い忘れはないと思ってたんだけど、 wagon repair の新作買ってなかった事にさっき気づいた。ジャケ付き無くなる前にかわねぇと・・・・。

Perfume / Perfume ~Complete Best~

Perfume ~Complete Best~
http://www.amuse.co.jp/perfume/

そういえば今日の CHAOS では先着300面にアナログ・プレゼントがあるらしいですね。凄く欲しいけど、ちょっと行く元気ないなぁ。

今頃になってやっと Perfume 聴いてみた。
中田ヤスタカの事を、一時期の小室哲哉になぞらえる文章を目にするんだけど、それなりに幅のあった小室哲哉に比べると、やっぱ中田ヤスタカは金太郎飴的過ぎるんだよね。
今作での、定型的なアイドルのフォーマットと、80年代なディスコ・ハウスとの結びつけというのは、好きか嫌いかで云えば好きだけど、でもこれ聴くんだったら capsule (過去記事)や鈴木亜美とやったやつ(過去記事)みたいな、ハードな方を聴くかな。

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