1999年から活動している5人組バンド、 PE’Z が9/15~10/15まで期間限定で配信しているフリーダウンロードの作品。
日本でもフリーダウンロードがじょじょに増えてきてはいるものの、それは知名度が低いアーティストの話であって、 PE’Z のように知名度もキャリアもそれなりにあるバンドが無料配信するとなれば、それだけで十分注目に値するし、今作の配信期間が終わったすぐ後にライブ、そして今作をCDで発売と、きちんと聴いた人を「お客さん」にする流れを作っているのも興味深い。
また私は PE’Z の作品をちゃんと聴くのは初めてながら、それでも自己満足的に演奏技量をひけらかすのではなく、曲そのもに焦点を合わせているのが分かり好感が持てるし、実際今作は普段ジャズをあまり聴かないであろう人にも聴きやすいキャッチーさを持っている。
っていうところで客観的に書くとほとんど文句の付け所のない作品かなと思うんだけど、個人的にはジャズとしてもポップスとしてもあまりにも中庸というか、曲そのものに突出した個性がないから引っ掛かりがないし、流して聞く分には特段悪い気はしないものの、かといって自分で進んで聴こうとは思わん。
いかにもジャズ的な音で埋め尽くされている本作の中で、唐突にテクノ的なシンセが飛び出す “Jungle planet” はちょっと新鮮だったけど。