DOBERMAN INFINITY / THE LINE (TOY’S FACTORY) CD

DOBERMAN INFINITY / THE LINE (TOY'S FACTORY)

DOBERMAN INFINITY / THE LINE (TOY'S FACTORY)
http://dobermaninfinity-ldh.jp/

LDH 所属の5人組 DOBERMAN INFINITY が2015年に発表したファースト・アルバム。

バイオについては書くの面倒なのでオフィシャルサイトから引用するんだけど、

2014年6月、DOBERMAN INC として活動してきた、KUBO-C (クボシー)、GS (ジーエス)、P-CHO (ピーチョウ)の3人に加え、札幌のクラブシーンを中心に全国で活動し、また劇団EXILEのメンバーでもある“野替愁平”ことSWAY (スウェイ)と、「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 4」ファイナリストの「KAZUKI (カズキ)」を新メンバーに加え、ユニット名を「DOBERMAN INC」から「DOBERMAN INFINITY」へ改名し活動を開始。限界のない可能性への挑戦が始まる。

とのことなんですが、ビデオとか見ると、後からの加入ながら歌もこなす(ついでに若くてイケメンな) SWAY と KAZUKI が明らかに前面に出ていて、元からのメンバーである3人は、おまけというのは大げさにしても、2人のパートからサビにかけてのつなぎにしかなっておらず、特に DOBERMAN INC に思い入れのない私からしても少々切ない(ほとんどの曲で「LDH」ってコールはさんでくるのもね・・・)。

音楽的には Exile の音楽をヤンキー成分強めにして、完成度を数段下げたものでしかないので、書くべきことはないんだけど、日本でヒップホップ(というかラップ?)というと、類型的なヤンキーのイメージが強い事が感じられて、これまた切ない・・・。

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Detroit Swindle / Boxed Out (Dirt Crew) File

Detroit Swindle / Boxed Out (Dirt Crew)
https://www.facebook.com/dirtcrew

テストも兼ねて、下書きだけで放置してたの。

Lars Dales と Maarten Smeets によるオランダのユニット、 Detroit Swindle が3月に発表したファースト・アルバム。

揺らめくように音が入ってくる1曲目、 “B.Y.O.” なんかは如何にもなデトロイト・ハウスなんだけど、作品全体としては、殊更デトロイト色は前面に出しておらず、スッキリとしたディープハウス。
Mayer Hawthorne が滑らかな歌声を聴かせる “64 Ways” 、透明感のある上モノと鍵盤の絡みが美しい “Monkey Wrench” など、どの曲もよく出来てはいるんだけど、どうもこの人は曲のパターンに乏しくて、どれも横揺れのリズムにきれい系の上モノが入ってきて、さらに声ネタや鍵盤が乗っかる、みたいな曲ばかりなので、13曲聴いてるとさすがに飽きる。

まぁ上記したような要素って、大抵のハウスは含んでいるものとも云えるので、基本に忠実って事なのかもしれないけど、ファースト・アルバムなんだし、彼らなりの個性や冒険を聴きたかった。

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Donnacha Costello / Complete Colorseries (Self Released) File

Complete Colorseries
https://donnachacostello.bandcamp.com/

そしてこちらもお久しぶりといった感じの、Donnacha Costello さんの編集盤。

昔の記事で書いているように、この人は2004年ごろからリリースした『Colorseries』という連作12インチで話題になった人なんですが、今作はその音源を纏めたもの。

多分2004年ってまだクリック・ハウス全盛で、ミニマル・ハウスやディープ・ミニマルには移行しきってなかったと思うんだけど(記憶が曖昧)、今作はアシッドやミニマル・ダブなど色々なスタイルを試みているのがせいなのか、クリック・ハウス然とした感じはほとんどなく、思ったほど古びていない。

まぁそれでも音の線とかは、今のものと比べるとさすがに細いんだけど、当時12インチを買えなかったものとしては、こうやって纏めてくれただけでもうれしい。

ちなみに今作は、最初値段がついていたのが、最近になって「name your price」に変更されているんだけど(他の過去作も)。それと同時に今年出るアルバムの予約が bandcamp 開始されたので、これは新作のプロモーションの一環なのかと思ってたんだけど、新作はすぐに bandcamp から消されちゃったのよね。あれは何だったんだろう・・・。

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F L A C O, Chester Watson, ichiro_, Villain Park, PONY×KURABEATS, SUB SELECTOR

IKWYDLS _)F L A C O / IKWYDLS 🙂
インディアナのラッパーさんのミックステープ。最初インドの人かと思って落としたら違ったっていう。
鼻歌っぽい感じのラップが多くて、まぁ今どきな感じ。素っ頓狂な感じとかかなり好きなんだけど、もうちょい個性が欲しいか。
DownloadChester Watson / Nü
フロリダの17歳のラッパーの曲(写真見ると10代に見えないけど・・・)。どっしりとしたトラックと、テンション低めのラップがあっていてカッコいい。
NERITAKA epichiro_ / NERITAKA ep
練馬出身のトラックメイカーが今年1月に出したビートテープ。いつもよりエレクトリック成分高め。
SAME OL SHIT - COMING SOONVillain Park / We Out To Get The Money
L.A のラッパー4人組の曲。写真見る限りまだ10代っぽいんだけど、曲はオールドスクールノリ。でも微妙にテンション低目な感じが面白い。「SAME OL SHIT」っていうアルバムかミックステープがもうすぐ出るみたい。
ポニーピー'TURBOPONY×KURABEATS / ポニーピー’TURBO
山梨のラッパー PONY の作品を、東京のラックメイカー KURABEATS がリミックスした作品。湿り気のあるラップといい、ドラムが前に出たトラックといい、古き良き日本語ラップという感じ。
DownloadSUB SELECTOR / TIME TRAVELLER
そもそもどっちがアーティスト名でどっちが曲名かもよく分からないんですが、疾走感のあるエレクトロでえらいカッコいい。

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DROPXLIFE, deeB, SolomonDaGod, Endlichkeit, M


DROPXLIFE / PROLOGUE
The Weeknd 周辺のプロデューサー、 Dropxlife が12月に発表したミックステープ。ビートがいつもより重めながら、全体としては地味め。
ダウンロード


deeB / WNDW
オランダのプロデューサーがロンドンのレーベル Martian Bass Records から出したビートテープ。この手のジャジーなインスト・ヒップホップって好きでよく落とすんだけど、心地いい反面、特徴ないことが多いのよね。これもそんな感じ。


SolomonDaGod / but ur not god
フロリダのラッパーのミックステープ。悪くはないんだが、もうちょいっとグルーヴが欲しい。
ダウンロード先は消されちゃったみたい。


Endlichkeit / Endlichkeit VI–VIII
アメリカのブラック・メタル・バンドのデモ音源。トレモロ弾くノイズギターとドラム以外ほとんど聴こえない感じなんだけど、まぁ好きなので。

M / twilight EP
M / twilight EP
山口の女性ラッパーの EP 。声質含め、わりとよくある感じのメロディアスなラップながら、変な力みがなくて心地よい。
ダウンロード(なんか危険サイト報告されたみたいで見られないね・・・)

Different Marks / Untitled (Pets) mp3

Different Marks / Untitled (Pets)
http://www.pets-recordings.com/

Catz ‘n Dogz と Martin Dawson によるコラボ・ユニット Different Marks が今年の6月にフリーで発表したアルバム。リリースは Catz ‘n Dogz のレーベル Pets Recordings から。
Martin Dawson という人は今回はじめて名前を聞いたのだけれど、昨年の11月に他界されているとの事。ただレコーディング自体はその直前に全て終了しており、無事リリースされたのが本作。
またその他にも Ben Westbeach に Paul Randolph 、Glimpse など、様々なアーティストが参加しており、かなり豪華なアルバムになっている(なんで無料なのかはよく分からないけれど)。

普段ミニマルなテック・ハウスを作る事の多い Catz ‘n Dogz が、これだけのアーティストと一緒に組んで、どのような作品を作るのかちょっと想像つかなかったんだけど、乱暴にまとめてしまうと、今どきの洗練されたエレクトリック・ミュージック。
なんて書き方するとあまり良くない感じがするし、実際この手の作品は失敗作の方が多いのだけれど、今作は艶かしい女性ヴォーカルが乗るディスコっぽいハウスの “SHINY PENNIES FEAT. CARI GOLDEN” に始まり、2ステップを思わせるリズムの “INTO THE NIGHT FEAT. MAMA” 、四つ打ちのリズムの上で Paul Randolph が泥臭い歌を聞かせる R&B の “LAVENDER LADY” 、ダブステップとは似て非なるダウンビートからどんどん曲が展開していく “LONELY IN MY ROOM” など、多様性がありながら、どの曲も完成度が高い。
中でもアコースティック・ギターと柔らかなヴォーカルが絡み合う “TO BE WITHOUT ME FEAT. GLIMPSE” は本当に美しい。

検索した感じ、日本では全然話題になっていないみたいだけど、これは普段 Catz ‘n Dogz の動きを追っていない人にも聴かれるべき作品だろう。

ちなみにフリーの作品といえども高音質で楽しみたい、という贅沢なお方は Juno から落とすといいかと。

ダウンロード

DXA / DXA EP (Blunted Astronaut) mp3

DXA / DXA EP (Blunted Astronaut)
http://www.bluntedastronaut.com/

ニューヨークの4人組ラップグループ DXA が2013年1月に発表した EP 。間もなく出るフル・アルバムのサンプラー的な作品らしい。

ヒップホップって今どきのバキバキとした音作りのものも聴いてはいるものの、やっぱりサンプリングによるトラックが中心なものの方がしっくりくる人間なんですが、今作はそんな私からするとばっちりな内容ですね。

トラックはサンプリング中心のジャジーなものが多いのだけれど、その手のにありがちな過度な洗練はなく、あくまで軽妙。それはラップに関しても同様で、ユーモアがにじみ出るそのスタイルは聴いていて非常に楽しいし、きちんと体が動くグルーヴがあるのも良い。

また後半には哀愁漂うジャズもののインスト “Ice’sJazz” なんて曲もあり、全てにおいてレベルが高い。

まぁその分新鮮さとかは希薄なんだけど、この安定感の前ではないものねだりだろう。きたるフル・アルバムも楽しみだ。

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DINKY / FALLING ANGEL (Visionquest) 12″

DINKY / FALLING ANGEL (Visionquest)
http://www.yourvisionquest.com/

気がつけば活動歴が10年を超える、チリ出身の女性プロデューサー Dinky が2013年5月に発表したシングル。
今作はもう間もなく発表になるアルバム『Dimension D』からの先行カット。

なんでもそのアルバムは、Nina Kraviz に負けてられないと思ったのかどうかは知らないが、全編歌ものなんだそうで、その先行シングルである今作も当然歌もの。

ミニマル・テクノ作っていた人が歌ものにはしって成功した例ってあまり思いつかないので(Matthew Dear とか Koze とか?)、聴く前は不安の方が大きかったんですが、これが意外に悪くない。

リズムは今までの作品に比べればずっとシンプルなもので、当然のように低音もそれほど出てはいない。ただ元々この人はそれほどハードなトラックを作る人ではなかったし、それよりも自身の幾重にも重ねた声が幻惑的な雰囲気を作り出すことによって、今までの印象を損なうことなくエレポップ的な楽曲を成立させているのが面白い。

また2曲収録されたリミックスの方も秀逸で、原曲の幻惑的な雰囲気はそのままに、太いベースラインを加える事でダンサブルに仕上げた Matthew Styles 、アタック感の強いドラムやキーボード、ギターなどを使って、彼らしい躍動感のあるハウスに仕上げた Pepe Bradock と、共に素晴らしい出来。

この分ならアルバムにも期待できそうだ。

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DDMS / Makers – part one (Haunt) mp3

DDMS / Makers - part one (Haunt)
http://www.haunt-music.com/

Deadbeat 関連でもう1枚。 Horror Inc. などもリリースしているカナダのレーベル Haunt から DDMS のデビュー・シングル。
この DDMS というのは、DeadbeatDeWaltaMike ShannonThe Mole の4人によるプロジェクトで、カナダのテクノが好きな人間からすると、 The Modern Deep Left Quartet を上回るスーパーグループなんじゃないでしょうか。

ただ今作がそんな豪華アーティストの共作が堪能できる作品なのかというとそんな事はなく、3曲中2曲が Mike Shannon によるリミックス、もう1曲は The Mole と Hreno (この人もカナダの人みたい)によるリミックスという、つまりオリジナルがゼロという微妙な内容。

ただ曲自体にかんしては、ひしゃげたキックと、軽快に跳ね回るベースライン、ミニマル・ダブ的な上モノと、一聴するとバラバラにも思える要素を絶妙なバランスで纏め上げながらも、中盤から入ってくるサックスにより曲の表情をがらりと変える Mike Shannon のリミックス。そして Mike Shannon と同様のサックス(多分オリジナルで使われてるのかな?)の雰囲気を活かし、しっとりとしたディープ・ハウスに仕上げた The Mole & Hreno と、どちらも良い。

まぁこの4人が集まった、っていうインパクトに比べると、作品自体の個性は薄いのは否定し難いので、今度はがっつりオリジナルを作ってほしいものです。

ちなみに今作には『part two』もあるけど、そっちもリミックスのみ(私は聴いてない)。

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Deadbeat / The Infinity Dubs, Vol. 1 (BLKRTZ) mp3

Deadbeat / The Infinity Dubs, Vol. 1 (BLKRTZ)
http://blkrtz.bandcamp.com/

気がつけば活動歴も10年を超え、すっかりベテランといった感じになってきた、Deadbeat こと Scott Monteith さんが2013年3月に出したシングル。
この人に関してはデビュー・アルバム買って以降ずっと追いかけてるんですが、今確認したらブログで作品紹介するの約5年ぶりなのね(我ながら酷い・・・)。

今作をリリースするレーベル Blkrtz は、カナダからベルリンに移住した Deadbeat が2010年に終了した ~scape の遺志を継ぐ形で立ち上げたセルフ・レーベルで、実際レーベルからの第一弾となった『Drawn And Quartered』を筆頭に、ダブの要素が強い作品が目立っていました。

でもその路線はある程度やりきった感があるからなのか、今作はテクノ路線の曲をリリースしていくというシリーズの第一弾。
ただ昨年のアルバム『Eight』でも Mathew Jonson が参加したりテクノ色が濃い曲も合ったので、方向性としては特に違和感はない。

しかし曲に関しては、初期のシャッフルするリズムの作り出すグルーヴが強烈なマイクロ・ハウスとも、彼の代表的なスタイルでもあるミニマル・ダブとも違う、疾走感のあるテック・ハウス的なもので驚く。

1曲目の “I.D.1” は、冒頭から鳴るシンセこそミニマル・ダブ的な音色ながら、裏でリズムをとることの多いミニマル・ダブと違い、あくまで紡ぐグルーヴは前のめりという、ミニマル・ダブとは似て非なるものになっていてなかなかに新鮮。またリズムもベースではなくキックを前面に出しているのも、テクノ的な印象を強くしていて良い。
そして全体を包み込むシンセがミニマル・ダブに近い心地よさを感じさせるものの、それを変則的なリズムの疾走感が上回る “I.D.2” もかっこいい。

フロア・ユースでありながら、自身の新しい面も打ち出した傑作です。

あと自分でリンクはっておいてこんな事書くのもなんなんですが、今作が収録曲2曲なのに iTunes Store で1500円もするのなんなんですかね。アナログより高いじゃん・・・。

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