DOBERMAN INFINITY / THE LINE (TOY’S FACTORY) CD

DOBERMAN INFINITY / THE LINE (TOY'S FACTORY)

DOBERMAN INFINITY / THE LINE (TOY'S FACTORY)
http://dobermaninfinity-ldh.jp/

LDH 所属の5人組 DOBERMAN INFINITY が2015年に発表したファースト・アルバム。

バイオについては書くの面倒なのでオフィシャルサイトから引用するんだけど、

2014年6月、DOBERMAN INC として活動してきた、KUBO-C (クボシー)、GS (ジーエス)、P-CHO (ピーチョウ)の3人に加え、札幌のクラブシーンを中心に全国で活動し、また劇団EXILEのメンバーでもある“野替愁平”ことSWAY (スウェイ)と、「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 4」ファイナリストの「KAZUKI (カズキ)」を新メンバーに加え、ユニット名を「DOBERMAN INC」から「DOBERMAN INFINITY」へ改名し活動を開始。限界のない可能性への挑戦が始まる。

とのことなんですが、ビデオとか見ると、後からの加入ながら歌もこなす(ついでに若くてイケメンな) SWAY と KAZUKI が明らかに前面に出ていて、元からのメンバーである3人は、おまけというのは大げさにしても、2人のパートからサビにかけてのつなぎにしかなっておらず、特に DOBERMAN INC に思い入れのない私からしても少々切ない(ほとんどの曲で「LDH」ってコールはさんでくるのもね・・・)。

音楽的には Exile の音楽をヤンキー成分強めにして、完成度を数段下げたものでしかないので、書くべきことはないんだけど、日本でヒップホップ(というかラップ?)というと、類型的なヤンキーのイメージが強い事が感じられて、これまた切ない・・・。

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Detroit Swindle / Boxed Out (Dirt Crew) File

Detroit Swindle / Boxed Out (Dirt Crew)
https://www.facebook.com/dirtcrew

テストも兼ねて、下書きだけで放置してたの。

Lars Dales と Maarten Smeets によるオランダのユニット、 Detroit Swindle が3月に発表したファースト・アルバム。

揺らめくように音が入ってくる1曲目、 “B.Y.O.” なんかは如何にもなデトロイト・ハウスなんだけど、作品全体としては、殊更デトロイト色は前面に出しておらず、スッキリとしたディープハウス。
Mayer Hawthorne が滑らかな歌声を聴かせる “64 Ways” 、透明感のある上モノと鍵盤の絡みが美しい “Monkey Wrench” など、どの曲もよく出来てはいるんだけど、どうもこの人は曲のパターンに乏しくて、どれも横揺れのリズムにきれい系の上モノが入ってきて、さらに声ネタや鍵盤が乗っかる、みたいな曲ばかりなので、13曲聴いてるとさすがに飽きる。

まぁ上記したような要素って、大抵のハウスは含んでいるものとも云えるので、基本に忠実って事なのかもしれないけど、ファースト・アルバムなんだし、彼らなりの個性や冒険を聴きたかった。

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Donnacha Costello / Complete Colorseries (Self Released) File

Complete Colorseries
https://donnachacostello.bandcamp.com/

そしてこちらもお久しぶりといった感じの、Donnacha Costello さんの編集盤。

昔の記事で書いているように、この人は2004年ごろからリリースした『Colorseries』という連作12インチで話題になった人なんですが、今作はその音源を纏めたもの。

多分2004年ってまだクリック・ハウス全盛で、ミニマル・ハウスやディープ・ミニマルには移行しきってなかったと思うんだけど(記憶が曖昧)、今作はアシッドやミニマル・ダブなど色々なスタイルを試みているのがせいなのか、クリック・ハウス然とした感じはほとんどなく、思ったほど古びていない。

まぁそれでも音の線とかは、今のものと比べるとさすがに細いんだけど、当時12インチを買えなかったものとしては、こうやって纏めてくれただけでもうれしい。

ちなみに今作は、最初値段がついていたのが、最近になって「name your price」に変更されているんだけど(他の過去作も)。それと同時に今年出るアルバムの予約が bandcamp 開始されたので、これは新作のプロモーションの一環なのかと思ってたんだけど、新作はすぐに bandcamp から消されちゃったのよね。あれは何だったんだろう・・・。

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F L A C O, Chester Watson, ichiro_, Villain Park, PONY×KURABEATS, SUB SELECTOR

IKWYDLS _)F L A C O / IKWYDLS 🙂
インディアナのラッパーさんのミックステープ。最初インドの人かと思って落としたら違ったっていう。
鼻歌っぽい感じのラップが多くて、まぁ今どきな感じ。素っ頓狂な感じとかかなり好きなんだけど、もうちょい個性が欲しいか。
DownloadChester Watson / Nü
フロリダの17歳のラッパーの曲(写真見ると10代に見えないけど・・・)。どっしりとしたトラックと、テンション低めのラップがあっていてカッコいい。
NERITAKA epichiro_ / NERITAKA ep
練馬出身のトラックメイカーが今年1月に出したビートテープ。いつもよりエレクトリック成分高め。
SAME OL SHIT - COMING SOONVillain Park / We Out To Get The Money
L.A のラッパー4人組の曲。写真見る限りまだ10代っぽいんだけど、曲はオールドスクールノリ。でも微妙にテンション低目な感じが面白い。「SAME OL SHIT」っていうアルバムかミックステープがもうすぐ出るみたい。
ポニーピー'TURBOPONY×KURABEATS / ポニーピー’TURBO
山梨のラッパー PONY の作品を、東京のラックメイカー KURABEATS がリミックスした作品。湿り気のあるラップといい、ドラムが前に出たトラックといい、古き良き日本語ラップという感じ。
DownloadSUB SELECTOR / TIME TRAVELLER
そもそもどっちがアーティスト名でどっちが曲名かもよく分からないんですが、疾走感のあるエレクトロでえらいカッコいい。

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DROPXLIFE, deeB, SolomonDaGod, Endlichkeit, M


DROPXLIFE / PROLOGUE
The Weeknd 周辺のプロデューサー、 Dropxlife が12月に発表したミックステープ。ビートがいつもより重めながら、全体としては地味め。
ダウンロード


deeB / WNDW
オランダのプロデューサーがロンドンのレーベル Martian Bass Records から出したビートテープ。この手のジャジーなインスト・ヒップホップって好きでよく落とすんだけど、心地いい反面、特徴ないことが多いのよね。これもそんな感じ。


SolomonDaGod / but ur not god
フロリダのラッパーのミックステープ。悪くはないんだが、もうちょいっとグルーヴが欲しい。
ダウンロード先は消されちゃったみたい。


Endlichkeit / Endlichkeit VI–VIII
アメリカのブラック・メタル・バンドのデモ音源。トレモロ弾くノイズギターとドラム以外ほとんど聴こえない感じなんだけど、まぁ好きなので。

M / twilight EP
M / twilight EP
山口の女性ラッパーの EP 。声質含め、わりとよくある感じのメロディアスなラップながら、変な力みがなくて心地よい。
ダウンロード(なんか危険サイト報告されたみたいで見られないね・・・)

Different Marks / Untitled (Pets) mp3

Different Marks / Untitled (Pets)
http://www.pets-recordings.com/

Catz ‘n Dogz と Martin Dawson によるコラボ・ユニット Different Marks が今年の6月にフリーで発表したアルバム。リリースは Catz ‘n Dogz のレーベル Pets Recordings から。
Martin Dawson という人は今回はじめて名前を聞いたのだけれど、昨年の11月に他界されているとの事。ただレコーディング自体はその直前に全て終了しており、無事リリースされたのが本作。
またその他にも Ben Westbeach に Paul Randolph 、Glimpse など、様々なアーティストが参加しており、かなり豪華なアルバムになっている(なんで無料なのかはよく分からないけれど)。

普段ミニマルなテック・ハウスを作る事の多い Catz ‘n Dogz が、これだけのアーティストと一緒に組んで、どのような作品を作るのかちょっと想像つかなかったんだけど、乱暴にまとめてしまうと、今どきの洗練されたエレクトリック・ミュージック。
なんて書き方するとあまり良くない感じがするし、実際この手の作品は失敗作の方が多いのだけれど、今作は艶かしい女性ヴォーカルが乗るディスコっぽいハウスの “SHINY PENNIES FEAT. CARI GOLDEN” に始まり、2ステップを思わせるリズムの “INTO THE NIGHT FEAT. MAMA” 、四つ打ちのリズムの上で Paul Randolph が泥臭い歌を聞かせる R&B の “LAVENDER LADY” 、ダブステップとは似て非なるダウンビートからどんどん曲が展開していく “LONELY IN MY ROOM” など、多様性がありながら、どの曲も完成度が高い。
中でもアコースティック・ギターと柔らかなヴォーカルが絡み合う “TO BE WITHOUT ME FEAT. GLIMPSE” は本当に美しい。

検索した感じ、日本では全然話題になっていないみたいだけど、これは普段 Catz ‘n Dogz の動きを追っていない人にも聴かれるべき作品だろう。

ちなみにフリーの作品といえども高音質で楽しみたい、という贅沢なお方は Juno から落とすといいかと。

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DXA / DXA EP (Blunted Astronaut) mp3

DXA / DXA EP (Blunted Astronaut)
http://www.bluntedastronaut.com/

ニューヨークの4人組ラップグループ DXA が2013年1月に発表した EP 。間もなく出るフル・アルバムのサンプラー的な作品らしい。

ヒップホップって今どきのバキバキとした音作りのものも聴いてはいるものの、やっぱりサンプリングによるトラックが中心なものの方がしっくりくる人間なんですが、今作はそんな私からするとばっちりな内容ですね。

トラックはサンプリング中心のジャジーなものが多いのだけれど、その手のにありがちな過度な洗練はなく、あくまで軽妙。それはラップに関しても同様で、ユーモアがにじみ出るそのスタイルは聴いていて非常に楽しいし、きちんと体が動くグルーヴがあるのも良い。

また後半には哀愁漂うジャズもののインスト “Ice’sJazz” なんて曲もあり、全てにおいてレベルが高い。

まぁその分新鮮さとかは希薄なんだけど、この安定感の前ではないものねだりだろう。きたるフル・アルバムも楽しみだ。

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DINKY / FALLING ANGEL (Visionquest) 12″

DINKY / FALLING ANGEL (Visionquest)
http://www.yourvisionquest.com/

気がつけば活動歴が10年を超える、チリ出身の女性プロデューサー Dinky が2013年5月に発表したシングル。
今作はもう間もなく発表になるアルバム『Dimension D』からの先行カット。

なんでもそのアルバムは、Nina Kraviz に負けてられないと思ったのかどうかは知らないが、全編歌ものなんだそうで、その先行シングルである今作も当然歌もの。

ミニマル・テクノ作っていた人が歌ものにはしって成功した例ってあまり思いつかないので(Matthew Dear とか Koze とか?)、聴く前は不安の方が大きかったんですが、これが意外に悪くない。

リズムは今までの作品に比べればずっとシンプルなもので、当然のように低音もそれほど出てはいない。ただ元々この人はそれほどハードなトラックを作る人ではなかったし、それよりも自身の幾重にも重ねた声が幻惑的な雰囲気を作り出すことによって、今までの印象を損なうことなくエレポップ的な楽曲を成立させているのが面白い。

また2曲収録されたリミックスの方も秀逸で、原曲の幻惑的な雰囲気はそのままに、太いベースラインを加える事でダンサブルに仕上げた Matthew Styles 、アタック感の強いドラムやキーボード、ギターなどを使って、彼らしい躍動感のあるハウスに仕上げた Pepe Bradock と、共に素晴らしい出来。

この分ならアルバムにも期待できそうだ。

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DDMS / Makers – part one (Haunt) mp3

DDMS / Makers - part one (Haunt)
http://www.haunt-music.com/

Deadbeat 関連でもう1枚。 Horror Inc. などもリリースしているカナダのレーベル Haunt から DDMS のデビュー・シングル。
この DDMS というのは、DeadbeatDeWaltaMike ShannonThe Mole の4人によるプロジェクトで、カナダのテクノが好きな人間からすると、 The Modern Deep Left Quartet を上回るスーパーグループなんじゃないでしょうか。

ただ今作がそんな豪華アーティストの共作が堪能できる作品なのかというとそんな事はなく、3曲中2曲が Mike Shannon によるリミックス、もう1曲は The Mole と Hreno (この人もカナダの人みたい)によるリミックスという、つまりオリジナルがゼロという微妙な内容。

ただ曲自体にかんしては、ひしゃげたキックと、軽快に跳ね回るベースライン、ミニマル・ダブ的な上モノと、一聴するとバラバラにも思える要素を絶妙なバランスで纏め上げながらも、中盤から入ってくるサックスにより曲の表情をがらりと変える Mike Shannon のリミックス。そして Mike Shannon と同様のサックス(多分オリジナルで使われてるのかな?)の雰囲気を活かし、しっとりとしたディープ・ハウスに仕上げた The Mole & Hreno と、どちらも良い。

まぁこの4人が集まった、っていうインパクトに比べると、作品自体の個性は薄いのは否定し難いので、今度はがっつりオリジナルを作ってほしいものです。

ちなみに今作には『part two』もあるけど、そっちもリミックスのみ(私は聴いてない)。

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Deadbeat / The Infinity Dubs, Vol. 1 (BLKRTZ) mp3

Deadbeat / The Infinity Dubs, Vol. 1 (BLKRTZ)
http://blkrtz.bandcamp.com/

気がつけば活動歴も10年を超え、すっかりベテランといった感じになってきた、Deadbeat こと Scott Monteith さんが2013年3月に出したシングル。
この人に関してはデビュー・アルバム買って以降ずっと追いかけてるんですが、今確認したらブログで作品紹介するの約5年ぶりなのね(我ながら酷い・・・)。

今作をリリースするレーベル Blkrtz は、カナダからベルリンに移住した Deadbeat が2010年に終了した ~scape の遺志を継ぐ形で立ち上げたセルフ・レーベルで、実際レーベルからの第一弾となった『Drawn And Quartered』を筆頭に、ダブの要素が強い作品が目立っていました。

でもその路線はある程度やりきった感があるからなのか、今作はテクノ路線の曲をリリースしていくというシリーズの第一弾。
ただ昨年のアルバム『Eight』でも Mathew Jonson が参加したりテクノ色が濃い曲も合ったので、方向性としては特に違和感はない。

しかし曲に関しては、初期のシャッフルするリズムの作り出すグルーヴが強烈なマイクロ・ハウスとも、彼の代表的なスタイルでもあるミニマル・ダブとも違う、疾走感のあるテック・ハウス的なもので驚く。

1曲目の “I.D.1” は、冒頭から鳴るシンセこそミニマル・ダブ的な音色ながら、裏でリズムをとることの多いミニマル・ダブと違い、あくまで紡ぐグルーヴは前のめりという、ミニマル・ダブとは似て非なるものになっていてなかなかに新鮮。またリズムもベースではなくキックを前面に出しているのも、テクノ的な印象を強くしていて良い。
そして全体を包み込むシンセがミニマル・ダブに近い心地よさを感じさせるものの、それを変則的なリズムの疾走感が上回る “I.D.2” もかっこいい。

フロア・ユースでありながら、自身の新しい面も打ち出した傑作です。

あと自分でリンクはっておいてこんな事書くのもなんなんですが、今作が収録曲2曲なのに iTunes Store で1500円もするのなんなんですかね。アナログより高いじゃん・・・。

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DFRNT / The Big Freeze (On The Edge) mp3

DFRNT / The Big Freeze (On The Edge)
http://dfrnt.co.uk/

DFRNT が2012年に出したシングルは、ロンドンのレーベル On the Edge から。

On the Edge って DFRNT がファースト・アルバム(関連記事)を出したレーベルでもあるわけですが、だからなのか1曲目の “Monday Morning” は、そのファースト・アルバムの頃を思わせる、ゆったりとしたベースとシンセが気持ちいい浮遊感のある曲。ただシンセの鋭角的な音はやはり最近の DFRNT のもので、それゆえ空間の隙間も多く、静謐な感じもあり、それまた心地よい。中盤辺りから入ってくる声ネタもいいアクセントになっている。

次の “The Big Freeze” はリズムこそドラムンベースっぽいもの音、全体の質感としてはアンビエントの要素が強く、世界観としては “Monday Morning” とそれほど変わらない。逆にいえばリズムが多少変わろうが、 DFRNT の世界観は変わらないという事でもあり興味深いし、『Actaeon EP』(関連記事)のときもそうだったけど、私は DFRNT のこの手の曲が一番好き。

3曲目の “Piston” は、四つ打ちのキックの上に歪んだ電子音が乗る、少し不穏ささえ感じる DFRNT には珍しいタイプの始まりながら、透明感のあるシンセが入ってきた瞬間、 DFRNT 以外の何者でもない曲になるのが面白い。
また Indigo による “Monday Morning” のリミックスも、原曲の雰囲気そのままに、金属的なドラムやパルス音を足していて気持ちいい。

今の DFRNT の好調振りがよく分かるシングルかと。

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DFRNT / EMOTIONAL RESPONSE (NU DIRECTIONS) CD

DFRNT / EMOTIONAL RESPONSE (NU DIRECTIONS)
https://soundcloud.com/nudirections

DFRNT こと Alex Cowles が2011年に出したセカンド・アルバム。

冒頭の “True” の鋭角的なシンセの音からして、柔らかさが目立っていた前作『METAFICTION』(関連記事)とは違う印象を受けるんだけど、リズム自体もダブステップの定型をギリギリ保ちながらも前のめりのものが多く、テクノ的な音作りのせいもあって、聴いた印象はほとんどテック・ハウス。

ただダブステップらしいベースの打ち出しの強さや、スネアのアタック感の強さはそのままなので、有無をいわせずこちらの体を揺らせるようなグルーヴがあり、その境界線にあるような音作りはやはり面白い。
また前作よりも使っている音色やリズムに幅がある分、作品の流れが感じられるのも良いし、彼の作品の中でもダンサブルな面が強く出ているというのも興味深い。

あと前作同様リミックスが収録されているんだけど、ドラムンベースに仕上げた ASC 以外、あまり代わり映えしてないのが残念(どれも良く出来てはいるんだけど)。

試聴

Dfrnt / Fading (Echodub) CD

Dfrnt / Fading (Echodub)
http://echodub.co.uk/

スコットランド出身のプロデューサー DFRNT こと Alex Cowles が2012年にリリースした3枚目のアルバム。
彼は EchodubCut という二つのネット・レーベルを主催しているのだけれど、今作は前者から(同レーベルから CD が出るのは初)。

DFRNT は2009年のファースト・アルバム『METAFICTION』(関連記事)の時点でテクノ的なダブステップの中でも、かなり踏み込んだ形でアンビエントの要素を取り入れていて、その浮遊感の強いダブステップは異彩を放っていましたが、そこから様々な変化や洗練を重ねた結果、今作ではダブステップ的なリズムが聴ける曲は半分ほどとなり、のこりは四つ打ちのダブ・テクノになっている。

しかしそれにより DFRNT の個性が薄れたのかといえばそんな事はなく、研ぎ澄まされたシンセの音を使い作り上げられた拡がりのある音響空間に、キックよりもベースを前面に出したリズムが溶け込む様は非常に気持ちよく、またアンビエントとダンスの境界を揺らめくような感覚も面白い。

ちなみにこのアルバムは作品のインフォが出てから、実際リリースされるまでかなり時間がかかったんだけど、 Indiegogo っていうクラウド・ファンディングで資金提供を募ったから、っていうのは今調べて初めて知った。実際の出資者の反応がどうだったのかは分からないけれど、その期待に十分足る傑作ではないかと。

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Dublicator / Spectrum (Entropy) CD

Dublicator / Spectrum (Entropy)
http://www.entropy-records.com/

明日を越えればきつかった年度末がやっと終わりますねぇ。いや、本当に終わるんだろうか・・・。

ということで今日も簡単に。

昨日に続きフランスのレーベル Entropy Records から2011年にからでた Dublicator のアルバム。

彼はハンガリー出身で、2006年から音楽制作を始めたらしいんだけど、名義が非常に多く、またそれに伴って作品数も多い(bandcamp でも色々公開してる)。

んで今作は、 Entropy Records からというのを抜きにしても、名義を見ればわかるようにミニマル・ダブ。しっかりと四つ打ちのリズムの入ったトラックは、ミニマル・ダブの定型をそれほど外れるものではないのだけれど、音の粒立ちがよく非常に気持ちがいい。

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Deepchord Presents Echospace / Silent World (ECHOSPACE) mp3

DEEPCHORD PRESENTS ECHOSPACE / Silent World
http://www.echospacedetroit.com/

Rod Modell と Stephen Hitchell による二人組、Echospace が2012年に出したアルバム。

この人たちって限定な上にお値段割高な作品が多くて、途中から全然追いかけてなかったんだけど、久しぶりに聴いた今作は、以前のいかにもなベーチャン的ダブダブ路線とはちょっと違いますかね。

とはいってもダブ的な奥行きのある音空間というのはそのままながら、ノイズ・ドローン的な “In Echospace (Original Mix)” にはじまり、細かい音の粒子がシューゲイザーっぽくもある “Lisbon” 、霧のような音像の中でゆったりとなる上モノが雄大な川の流れを思わせる “Theme From Silent World” など、予想以上に様々な音要素が取り込まれていて面白い。

また一方で、徐々に弱まっていくビートは反比例して、シンセが折り重なり美しさを増していく “Orbiting” や、深い音響の中で鳴る太いリズムがじっくりとグルーヴを組み立てる “Hydrodynamics” などミニマル・ダブ路線の曲も充実していて、完成度が高い。

久しく Echospace を聴いていなかった私も、彼らを再評価するには十分の傑作です。

ちなみに3枚組みのアナログセットと、それらの曲をライブミックした CD 盤が出てるんですが、デジタルはその両方とボーナストラックまでついているので一番お得。

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DFRNT / Actaeon EP (cut) mp3

DFRNT / Actaeon EP (cut)
http://cutmusic.org/

DFRNT こと Alex Cowles が2012年の2月に出した EP 。
DFRNT が主催するネット・レーベルである cut はエレクトリック・ミュージックが好きなら気にかけておいて損はないレーベルであるし、それは DFRNT というプロデューサーに関しても同様なのだが、中でも今作は出色の出来だろう。

冒頭の “Dark Spaces” の、ドラムンベースともジュークとも親和性のありそうな高速のパーカッションと、寄せては返す波のように鳴るシンセ、ゆったりとした響きのベースが織り成すたゆたうような世界観は素晴らしいの一言。それ以降も細かいリズムが入りながらも全体の感触としてはアンビエントという、今までの DFRNT のスタイルの延長線上にありながら、テクノとダブステップのどっちつかずな感じを回避した、新たな個性を作り出していて面白いし、それでいてどれも完成度が高い。

DERNT は去年これ以外にも色々出していて、どれも良かったんだけど、自らの個性を崩さずに新鮮な驚きを与えてくれた今作が一番回数聴きました。

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DJ ISSO / THE FOREFRONT RECORDS presents THE MESSAGE Vol.1 (FOREFRONT) CD

DJ ISSO / THE FOREFRONT RECORDS presents THE MESSAGE Vol.1 (FOREFRONT)

DJ Isso が今年の10月に出したミックスCD。

タイトルにあるとおりメッセージ色の強い曲を集めた内容との事で(メッセージをしっかりと聴かせたいという意図なのかミックスもゆるめ)、 “Can’t Stop Da Party-Save Da Club- feat.A-THUG&Y’S” の風営法や D.O の “BAD NEWS” の放射能など、社会的なテーマについてラップした曲も目立つ。しかし一方で女漁りについてラップした “Beast Is The Bitch” みたいな曲もあるので、特別お堅い内容というわけでもなく、またラップに気持ちのこもったものが多いので聴き応えがある。

ただ反面言葉遊び的なラップを排除した結果なのか、ちょっと前のハスラー・ラップ的な曲が多いため、若干古臭く感じるのも事実でそこが痛し痒し。あと後半に泣きの曲が多すぎて今の私にはちょっと重過ぎるかしら。

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datacat / 9DOORS (Black Chalk) mp3

9doors / 9DOORS (Self Released)
http://blackchalk.bandcamp.com/

datacat こと Ethan Smith さんがアメリカのレーベル Black Chalk から出したビート・テープ。

今作は電子ノイズに導かれてダブステップの影響を感じさせるタメの効いた重たいビートが鳴る “9doors” が代表的なように、基本的にはエレクトリック・ミュージックからの影響を感じさせる暗いアンダーグラウンド色の濃い作品。しかしこのアルバムが面白いのは随所にチップチューン的な 8 bit 音が挿入されているところで、それにより暗く思いビートとの対比で見事に作品に色を与えているし、同時に素っ頓狂なユーモアを感じさせるのもいい。

また引きずるようなベースの上でノイズが引き付けおこしたような “Sludge” や、極端に音数抜いたドラムンベースのようにも思える “numberworld” など、単純にビートとしてもかっこいいものが多く、これからが楽しみなプロデューサーだ。

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Dead Seagull Medicine / Dead Seagull Medicine (Self Released) mp3

Dead Seagull Medicine / Dead Seagull Medicine (Self Released)
http://sharkdentures.bandcamp.com/

Shark DenturesSummon という二人のラッパーによるユニットの初アルバム。

二人の Soundcloud にアップされている曲を聴くと、普段から非常にアンダーグラウンド色の濃いヒップホップをやっているようで、そんな二人が組んだ今作も当然のことながらアンダーグラウンド色が濃い。

とはいってもそれは今時のものではなく(まぁ今のアンダーグラウンド・ヒップホップってよく分かってないんだけど)、90年代終盤から00年代頭辺りの音を想起させるもの。
それはピアノなどを使った重く悲しげなトラックであったり、低めの声で芝居がかった早口で畳み掛けるラップであったりと、けっこうまんまではあるんだけど、適度にユーモラスな部分も織り交ぜており重くなりすぎるのを回避しているし、やっている本人たちが回顧的なつもりでやってないからなのか、古臭さとは無縁の躍動感があり楽しめる。

あとやはりこの辺りの音は自分の好みど真ん中だったりするので、ついつい回数聴いてしまいます。

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Dope D.O.D. / Branded (Self Released) CD

Dope D.O.D. / Branded
http://dopedod.com/

オランダの3人組ヒップホップ・グループ、 Dope D.O.D. が2011年に発表したデビュー・アルバム。

ビデオとか見るとひたすら悪そうな人たちに見えなくもなくて、音の方もそれっぽいハーコーなヒップホップが多いのですが、かといって本当にヤバイ人たちのもっているヒリヒリとした緊張感は希薄で、むしろ暴力的なものを記号として好んで使っている感じ。そういった意味ではかつてのへヴィロックにも近くて、またアメリカで EDM なんかが話題になる前からダブステップを取り入れていることも含めて、 KORN のヨーロッパツアーの前座に抜擢されたのも納得な作品。

こういう作品に若者が熱狂するのは健全だと思うし、実際イイ作品かと(作品単体よりビデオの方がかっこいいけど)。

ちなみに CD は彼らのサイトじゃないと買えないみたい。

Branded - Dope D.O.D.

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Dodecahedron / Dodecahedron (Season of Mist) CD

Dodecahedron / Dodecahedron (Season of Mist)
http://season-of-mist.com/

オランダのブラック・メタル・バンドが2012年春に出したデビュー・アルバム。

昔はブラック・メタルというと音が劣悪なのが当然、みたいな感じだったんですが、今作は非常に抜けのいいすっきりとした音になっていて、それだけでかなり現代的な印象を与える作品になっている。

また曲の方もブラック・メタル的なおどろおどろしさよりも、モダンなハードコアなんかに近い暴力性のある比較的直球なモノなんだけど、ものすごい速さのブラストビートを聴かせる頭2曲の衝撃がでかいので、それだけで1枚なんとなく聴きとおせる。

まぁ長い曲になるとスローパートが明らかに中だるみになってるんだけど、そこら辺はまだ1枚目という事で、構成力磨いてほしいところでしょうか。

でも全体的には聴きやすい好盤かと。

Dodecahedron - Dodecahedron

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Dro Carey / Tussin Underwater (Self Released) mp3

Dro Carey / Tussin Underwater

色々考えたけど、やっぱりいつもの感じで。

シドニーのプロデューサー Dro Carey が今年の頭に出したフリーのミニ・アルバム。

この人まだ20歳前後とまだかなり若いからなのか、非常に多作な人で、しかも「何々系」などの一言でくくれない位スタイルの幅も合ったりするんですが、今作に限っていえばヒップホップに近いビート集。
全体的に暗いので万人に薦められるような感じではないものの、引きずるような感覚が強いのに、ありがちにベースで埋め尽くす事をしないビート感覚は独特で、彼の才気を感じさせる。

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Dom O Briggs / Always Inspire(d) (Self Released) mp3

Dom O Briggs / Always Inspire(d)

ブルックリンのラッパー Dom O Briggs のフリー EP 。

この人に関しても一聴してひっかかるような強烈な個性は感じなかったんだけど、新旧の感覚が上手く同居したトラックと、彼の低めの声によるラップが気持ちよく、またリズムに躍動感があって楽しく聴ける。
良盤。

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d’Eon / Music For Keyboards vol. I (Self Released) mp3

d'Eon / Music For Keyboards vol. I (Self Released)
http://www.facebook.com/pages/D-E-O-N/131040556939418

カナダはモントリオールのアーティスト、 d’Eon のフリーのアルバム。

この人 Grimes とスプリット出したりなんかしてる人みたいなんだけど、じゃぁ今作は歌もののポップスなのかというと、そんなことなくて、タイトルどおりシンセやピアノを中心としたインストになっている。

しかし様々な音色を使ったシンセは、時にアンビエント的な音を鳴らしたかと思えば、違う曲では明確なメロディを奏でてみたりと、その揺れるような感覚が心地よく、とてもポップとはいえない作品ながらも、ついつい何度も聴いてしまう。

ちなみに最近この続編が出たので、そちらも聴いてみたい。

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