JK FLESH/PRURIENT / WORSHIP IS THE CLEANSING OF THE IMAGINATION (HYDRA HEAD) 12″

JK FLESH/PRURIENT / WORSHIP IS THE CLEANSING OF THE IMAGINATION
http://www.hydrahead.com/

JK Flesh と Prurient が2013年1月に発表したスプリット盤。

JK Flesh こと Justin Broadrick は2012年に発表したアルバム『Posthuman』でダブステップの要素を取り込んでいたらしいんだけど(未聴)、今作ではメタル・リフとジャングル的な性急なブレイクビーツを組み合わせていて、リズムとノイズの有機的な絡みは非常にかっこいいのだが、今聴くと Demdike Stare のジャングル回帰と共振する感じもあって面白い。

音圧で圧倒するノイズ/ドローンの PRURIENT も良い。

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Jamie Isaac / I Will Be Cold Soon (HOUSE ANXIETY) mp3

Jamie Isaac / I Will Be Cold Soon (HOUSE ANXIETY)
http://houseanxietyrecords.com/site/

全然更新していなかったので、リハビリがてらぽつぽつ書いてみる。

ロンドン出身の18歳、 Jamie Isaac が2013年の7月に発表したデビューシングル。以前 King Krule とコラボなどもしていたようだが、私は今作で始めて聞いた。

この人の音楽は色々なところで書かれているように James Blake に非常に近い。ピアノの弾き語りに近いスタイルで、深いベース音が絡むところなんか確かにそのまんま。
ただ James Blake の音を特徴づけているノイズがかった音響構築などはないため、音数も少ない事から静謐な印象が強く、その音世界を崩すことない透明感のある歌声は非常に魅力的。要は歌ものとしても聴きやすいく James Blake の歌が未だに好きになれない私からするとうれしいところ。

また彼の Bandcamp に上がっている音源を聴くと、以前はインストのアンビエントを作っていたようだが、今作でも緩やかにひろがるアンビエンスは非常に心地よく、今作を一層魅力的なものにしている。

まぁ今作は曲のタイプが全部ピアノ・バラードなので、アルバムでも全部これだとさすがにきついとか、逆にバラード以外はどうなのかとか、不安がないわけではないんですが、とりあえず今後が楽しみな新人さんかと。

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JAMES BLAKE / OVERGROWN (republic) CD

JAMES BLAKE / OVERGROWN (republic)

JAMES BLAKE / OVERGROWN (republic)
http://jamesblakemusic.com/

ロンドンのアーティスト James Blake が2013年4月に発表したセカンド・アルバム。

2011年に発表されたデビューアルバム(関連記事)はダブステップの要素を期待しすぎたせいなのか、世間での評価をは裏腹に、自分にはよく分からない作品でした。ただそれ以降も James Blake は話題に上る事が多く、それに比例して耳にする機械も多かったし、昨年オフィシャル・ブートのような形で発表されたライブ盤(もうファイル削除されちゃってるのね)をけっこう聴いたせいか、 James Blake に対する苦手意識がなくなったというか、要は慣れた。

ということで、今作はわりとフラットな気持ちで聴けたんですが、前作よりもずっと好きな作品ですかね。

柔らかな低音の上で James Blake が切々と歌うタイトル・トラックの “Overgrown” に始まり、語りかけるような RZA のラップがかっこいい “Take A Fall For Me” 、振動するようなベースと、その上で跳ねるようなスネアの絡みが刺激的な “Digital Lion” 、最終曲らしくじょじょに沈み込んでいくような感覚が心地よい “Our Love Comes Back” と、相変わらず地味ながらも良曲ぞろい。
また以前は消え入りそうだった James Blake の歌唱も堂々としたものに変化していて、その分歌ものとしての魅力も増した。

ただ全てが良い方向に変化したわけでもなく、 James Blake の大きな特徴の一つだと思っていた、霞みがかった音響構築がなくなっていて、そうなってくると最近のエレクトリックな R&B とあんまり変わらない気がするし、 “Voyeur” での安易な四つ打ちとか聴いてると、ちょっと今後が心配にならなくもない。

まぁそうはいっても先日行われた来日公演は大絶賛の嵐だったので、今後もアーティストとして健やかに成長してくれる事を願いたい。

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James T. Cotton / Like No One (Spectral) 2LP

James T. Cotton / Like No One (Spectral)
http://ghostly.com/releases#Spectral

Dabrye の名義で知られる Tadd Mullinix の別名義、 James T. Cotton が2008年にアナログとデジタルのみで発表したセカンド・アルバム。

James T. Cotton というのは彼がアシッド・ハウスをやるときの名義なので、今作も当然のようにアシッド・ハウス。しかも1曲目の “The Second Night Cycle (Featuring Ellis Monk)” のうにょうにょする 303 の音とか、けっこうモロな感じではあるんだけど、音の質感的にはミニマル以降の感覚があるので、単なる懐古的な作品にはなっておらず、温故知新的な面白さがある。

Like No One - James T. Cotton

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JMSN / Knocksteady Live (Knocksteady) mp3

JMSN / Knocksteady Live (Knocksteady)
http://www.knocksteady.com/

昨年発表したアルバムが傑作で年間ベストにも入れた(関連記事)、現在 LA を中心に活動している JMSN が Knocksteady からポッドキャストで配信したスタジオ・ライブ音源(Knocksteady はアパレル・ブランドなのかな)。

彼は Weeknd 以降といった感じのアンビエント R&B をやる人で、アルバム以降も Ab-Soul や Kendrick Lamar の作品に参加してる注目の存在ですが(Ab-Soul とのコラボ作が今月出るとかいう話)、歌い手としては気持ちよく喉を鳴らすというよりは、どちらかというと繊細な歌声を聴かせるタイプの人なので、ライブはどうだろうと思ってたんだけど、案の定ヴォーカルに関してはちょっと頼りない感じ(思ったより悪くないけど)。

ただバックが生演奏になったことで曲の躍動感が増し、輪郭がはっきりした事でアルバムの印象からは若干変わってはいるんだけど、それでもメロディの美しさは堪能できるので、なかなか聴き応えがある。
ちなみに披露している曲は “Jameson” 、 “Alone” 、 “Do U Remember The Time” という、アルバムの冒頭に配された3曲(もう少しひねろうよ)。

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Jack Dixon / 1 (Self Released) mp3

Jack Dixon / 1
http://www.facebook.com/jackdixonmusic

ロンドンのアーティスト Jack Dixon が2012年12月にフリーで公開した3曲入りシングル。

この人の名前は今作で初めて知ったんだけど、 Discogs 見ると Hotflush なんかからもシングルを出しているみたい。

なら今作はダブステップなのかというとそんな事もなく、変則的な四つ打ちのテック・ハウス。
なのでそれほどダブステップとの折衷的な要素は感じられないものの、どの曲に関しても、きちんと躍動感を持ったリズムと落ち着いた感じの上モノを無理なく融合させていて、実力の高さが伺える。また繊細な音作りも魅力的。

ちょっと名前を覚えておきたいプロデューサーです。

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JoJo / Agapé (Self Released) mp3

JoJo / Agapé
http://www.jojoonline.com

2005年に若干13歳でデビューした(過去記事) JoJo が2012年12月に発表したミックステープ。

2010年のミックステープ(過去記事)聴いたときには特に感じなかったんだけど、今作では以前よりも若干声が低くなっていて、全体的に大人びた雰囲気になっている。またその声にあわせたのか曲自体も落ち着いたものが多く、心地よく聴ける。

ただ難をいえば、普通の R&B という感じでイマイチ個性がみえないところなんですが、まぁそれはデビュー時の溌剌としたところが好きだった人間だからですかねぇ。
作品としては全然悪くないんだけど。

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Joy Orbison, Pearson Sound & Boddika / SUNKLOFREE (Sunklow) 12″

Joy Orbison, Pearson Sound & Boddika / SUNKLOFREE (Sunklow)

Joy Orbison が Instra:Mental のメンバーでもある Boddika と立ち上げたレーベルの3枚目は、その二人に Ramadanman の別名義 Pearson Sound が加わったシングル。

流麗さの目立つ Joy Orbison の単独作に比べると、女性のヴォイス・サンプルを印象的に使っているところなんか「らしい」ものの、タメの効いた力強いベースが前面に出ていて、そこがこの3人ならではという感じ。しかもドラムの音が非常に軽く、ダブステップとも明らかに違っていて、ベースラインで曲を引っ張る、正にベース・ミュージックというものになっている。

そしてそのベースラインを無理やり四つ打ちに落とし込んだような “Nil (Reece)” 、 “Moist” も非常に面白く、実験的ながら個性の光るシングルだ。

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Joy Orbison / Ellipsis (Hinge Finger) 12″

Joy Orbison / Ellipsis (Hinge Finger)
https://twitter.com/HingeFinger

Joy Orbison のレーベル Hinge Finger の2枚目は、何気に単独作としては久しぶりな Joy Orbison 自身のシングル。

Joy Orbison っていうと自身の名を知らしめた2009年の『Hyph Mngo』(過去記事)の時点で、テクノ感の強いダブステップを作る人ではありましたが、今作は完全に四つ打ちのハウス。
振動するようなベースラインはさすがベース・シーン出身という感じだけど、淡い音色が徐々に広がっていくようなシンセや Source Direct のインタビューから引用されているというヴォイス・サンプルの流麗さは、タメのあるダブステップとは明らかに一線を画していて、それでいて後半の鼓舞するようなピアノ含め、全ての要素が溶け合うように調和した実に美しい曲。
私が聴いたことのあるこの人の曲の中では一番好き。

一方の Shed の Head High 名義でのリミックスは、狂ったように鳴らされるドラムのブレイクビーツと、原曲のベースラインとピアノによって縦に横にと振らされるすごいリミックスで、非常にアッパーでありながらも単純なクラブ・トラックにはなっていない流石の出来。

素晴らしいシングルです。

試聴

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JAY BLISS / The Art Of Doing Nothing EP (Initials) mp3

JAY BLISS / The Art Of Doing Nothing EP (Initials)
http://www.facebook.com/jay.bliss.music

一応前回、前々回とデジタルで買えるルーマニアン・ミニマルを紹介したんですが、今回ので最後です(本当はシリーズ化してみたかったんだけど数が足らなかった)。

っつうことで、2003年ごろから活動しているらしい Jay Bliss さんがイギリスの新興レーベル Initials から出したシングル。

この人は色々なレーベルから作品を出していて良い作品も多いのですが、今作はあまり特徴のないミニマル・ハウスで、まぁ良くもないけど悪くもないという感じ。
なので作品としてはかなり微妙なんですが、例外なのが14分にも及ぶ Petre Inspirescu のリミックス。
Petre Inspirescu は細かい部分まで作りこんだ印象のトラックが多い人ですが、今回のリミックスも細かい音の抜き差しでじっくりと展開し、何か起こりそうな予感を引っ張りつつも、結局何も起こらないという素晴らしいもの(褒めてます)。

ということで、 Petre Inspirescu のリミックスのためだけに買っても十分元取れるシングルかと(デジタルで1曲ずつ買ってもいいんだけど)。
ちなみにデジタルの方がアナログより1曲多いです。

The Art of Doing Nothing - EP - Jay Bliss

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JONES / The Juice (Self Released) mp3

JONES / The Juice

ブルックリンのラッパー Jones が今年出したミックステープ。
基本的にラテンやレゲエなどを下敷きにした開放感のある曲が多いので気持ちよく聴けるんだけど、それ以上のひっかかりが希薄なので作品としてはちと弱いかな。
ラップしている曲よりも、素っ頓狂な歌を聴かせる “Surprise” が一番よかったです。

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J Valentine / Love & Other Drugs (Self Released) mp3

J Valentine / Love & Other Drugs
http://jvalentine.com/

バレンタインってお祭りごとだからなんなのか、色んな人がミックステープを出していて、これはその中の一つ。今頃バレンタインネタかよ、って思うかもしれませんが、1年遅れで記事にするとか普通な当ブログですので、そういうのは無視ということで。

この J Valentine っていう人の事はまったく知らないんですが、 The Song Dynasty っていうプロデューサー・チームの一員らしくて(今作でも7曲中6曲プロデュースしている)、裏方としては2000年ごろから活動している人らしい。

音の方はといいますと、さすがバレンタインにリリースされただけあって、いかにもといった感じの甘々の R&B 。
まぁ書き方を変えると、こちらの想像からは一ミリとしてはみ出していないので、面白みといった点は期待できないんだけど、その分美メロの応酬で、トラックの完成度も高い。

なんだかんだでこういうのは嫌いになれない。

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Jinx / Schattenkluft EP (58mizik) mp3

Jinx / Schattenkluft EP
http://www.58muzik.com/

ドイツのラッパー Jinx さんが今年の2月にフリーで出したミックステープ。

数自体それほど聴いているわけではないのであまりえらそうなことは書けないんですが、なんとなくヨーロッパのヒップホップって寂しげな雰囲気のものが多い印象がありまして。
んで、今作もジャケットはなかなかに爽やかですが、音の方は基本的に物憂げな暗さに覆われていて、明るい展開はほとんどない。

でもその暗い中でもきちんと緩急のある流れは出来ていて、柔らかなギターとメロディが印象的な “Sehnsucht” を中盤において一回緊張感をとくのもいいし、また逆に一番ハードな “Der Beste der Besten der Besten” を終盤においているので、全体が締まっている。

まぁラップ、トラック共にそれほど特徴のある人ではないので地味ではあるのだけれど、なかなかの好盤。

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Jonwayne / This is False (Self Released) mp3

Jonwayne / This is False (Self Released)
http://www.stonesthrow.com/

LA 出身で Low End Theory にも出演したことがあるという Jonwayne のミックステープ。

Low End Theory ってあまりピンとこないんだけど、 Stones Throw と契約していると聞くとなるほど、となるような、少しくぐもった音質のサンプリング主体のヒップホップで、
デモ音源中心なのか作り自体はかなりにラフなんだけど、彼のどっしりとしたラップとトラックが合っていて、非常に聴き応えがある。
後半にいくにしたがって色濃くなっていくメロウな雰囲気もいい味出していて、これはなかなかの好盤です。

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Jerry.k / 우성인자 Mixtape Vol.1

Jerry.k / 우성인자 Mixtape Vol.1
http://soundcloud.com/jerry-k

んで、こちらは Soul Company 所属の Jerry.k が10月に発表したミックステープ。

なんかジャケットの写真見る限りとっつぁん坊やといった感じだが(失礼)、通りのいい声でガンガン前に出るラップは力強く、また Soul Company のミックステープ(過去記事)に比べるとシンセを多用してずっとモダンになったトラックは、ロックやジャズの要素を取り入れたりとなかなか幅広く、やや一本調子にも思える Jerry.k のラップに対して、いい具合に変化を加えている。

これまた良作です。

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James Blake / $ EP

James Blake / $ EP
http://www.myspace.com/jamesblakeproduction

さすがに古めの音盤紹介が続きすぎているので、いい加減あたらしめのも取り上げましょうか。

ということで、みんな大好き James Blake が5月にアナログで出したブート・シングル。
アルバムはよく分からないとか書いておきながらシングル買うんかい、という突込みが入りそうですが、アナログでこういう怪しいブツが出るとついつい手が伸びてしまうのですよ・・・。

James Blake といいます、以前からメジャーな曲のブート・リミックスを作っているという話を聞きますが、今作は Lil Wayne と Destiny’s Child をリミックスしたもの。

ダブステップのリミックスって、歌ものにウォブル・ベース加えただけみたいなものが、ネットにはそれこそものすごい数転がっていますが、今作はそんなものではもちろんなく、良くも悪くも James Blake らしいくぐもった音色のブレイクビーツ。

しかしための利いたビートと飄々と鳴る上モノが Lil Wayne のラップと意外にあっている “A Mill” 、ラテンパーカッションを軸に疾走感のあるビートと、逆に低速回転させたようなヴォーカルの対比が面白い “Bills Bills Bills” と、アルバムよりもずっとトラックが面白いので楽しめる。

まぁそれでもこれがきっかけに James Blake の魅力に目覚める、なんてことにはならなかったんだけど、それでもこの路線の音ならもっと聴いてみたい。

試聴

JAMES BLAKE / JAMES BLAKE (ATLAS) CD

AMES BLAKE / JAMES BLAKE (ATLAS)
http://www.myspace.com/jamesblakeproduction

年に何枚か発売される前から名盤である事がほぼ確定されているアルバム、っていうのがありますが、今年でいえばまずこれでしょうね。っていうことで、タワー・レコードでも激押しされててびっくりした James Blake のデビュー・アルバム。

私が彼の名前を認識したのはそれほど早くはなく、昨年秋『Klavierwerke EP』を出した時で、その時試聴した印象では歌モノダブステップという印象で、悪くはなかったものの少しトラックが弱い感じがして買わなかったんですよね。
しかし昨年末から今年の頭にかけて彼の名前を年間ベストや2011年の予測記事の類で頻繁に目にするようになり、それに伴って色んなところで彼に対する期待値がどんどん高くなっていくのを感じました。

それにつられるように私も James Blake のアルバムには期待するようになったんだけど、実際聴いてみると、う~ん、これは私にはよく分からない作品ですかね。

私が今作に期待していたものとしては当然ダブステップの要素なんだけど、それがまずよく分からない。
音響的にダブステップ以降のものだといわれると、まぁそうなのかと思わなくもないし、チリチリとしたノイズを纏い少し奥まったところで鳴るクセに妙にクリアな音は確かに面白いとは思うけど、そこまで評価されるようなものなのかというと疑問だし。
かといってダブステップらしい低音や、タメのきいたドラムが聴こえるかっていうと、それもあまりないし、もっといえばダブステップの要素が必要だと思わされるような曲もない。

じゃぁ単純に一つの作品としてどうなのかというと、オルガンを軸にか細い声で歌い上げる今作は、所謂ブルー・アイド・ソウルと呼ばれるものに近いんだけど、曲にしても彼のヴォーカルにしてもあまり引っかかるものがなく、やっぱり今作が評価される理由というのがよく分からん。

多分最初に期待したせいか減点法で評価してしまったのがよくなかったんだろうし、一つの作品としてそんなに悪い作品だとは思わないんだけど、なんか今作のせいで「ポスト・ダブステップ」という言葉が歌モノダブステップと同義のように扱われているような感じもあって、どうもモヤモヤしてしまうのです。

なんか取り留めのない感じになってしまいましたね。

James Blake - James Blake
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JORIS VOORN / BALANCE 014 (EQ) 2CD

JORIS VOORN / BALANCE 014 (EQ)
http://www.myspace.com/balanceseries

やっぱり六本木は恐ろしいところだと実感した一日でした。

今更な感じの盤が続きますけれども、オランダ出身のプロデューサー Joris Voorn が2009年に発表した2枚組みミックスCD。

彼は自身の曲でのデトロイティッシュな作風とは違って、DJのときはPCを駆使して緻密に組み立てたミックスを聴かせることが多い人ですが、なんでも100曲以上を使用したという今作も同じスタイル。

1曲を丸々使うのではなく、様々な曲のパーツを持ち寄って新たに曲を作り上げるようなミックスは、今ではそれほど新味のあるものではないけれど、比較的直球のテクノ/ミニマルを繋いだ「MIZUIRO MIX」の方は、細かい展開の積み重ねで徐々に熱を帯びていくのが刺激的で、それほど派手ではないものの十分盛り上がる。

一方色んなタイプの曲を盛り込んだ「MIDORI MIX」は、ちょっと手広くやりすぎたせいかとりとめのない内容に思える。

どうせなら1枚でもっとタイトにやってほしかったかしら。

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Jay Haze / LOVE=EVOLUTION (Contexterrior) mp3

Jay Haze / LOVE=EVOLUTION

先月末に発表された Jay Haze の最終作となる3枚目のアルバム。
当初自身のレーベルである Contexterrior からのリリースと報じられていたものが、「金銭のために発表したいと考えられなかった」という彼の言葉と共に(Jay Haze の facebook ページから)、突如フリーで発表された作品です。

Jay Haze というと3部作だった前作の『Love & Beyond』(過去記事)は、最初はCDなどでリリースしたものの、後の二つはフリーで発表したし、またもっと以前にはフリーのネット・レーベルである textone (今はサイトなくなっちゃったけど、archive.org で音は拾える)なども運営していたので、作品をフリーで発表した事自体には驚きはない。

しかし HigherFrequency の記事によれば「今後も商業ベースではない新しい形(彼いわく『Music 2.0』)で音楽活動を続ける」となっていたのが、その商業ベースでの最終作となる本作がフリーで発表されたとなると、もう音楽活動自体終了と言う意味にも思えてしまって、自分には今回の発表形態は軽い衝撃だったのだが、はたしてどうなるのだろう。

まぁこれは穿った見方だろうし、先のことをこれ以上考えてもしょうがないだろう。

という事で本作。

私が Jay Haze の名前を始めて認識したのはおそらく Portable のレーベル Süd Electronic のコンピレーション『What was it like before i got into electricity』だったと思うんだけど、その時はガチャガチャとした音作りが印象的なダブ・テクノだったのが、それ以降も捻くれたユーモアを感じさせるミニマル・ハウスや実験的なミニマル・テクノ、ミニマル・ダブにダブステップなど、多種多様なスタイルの曲を様々なレーベルから発表しているわけですが、今作はそれらのスタイルを網羅したような内容になっていて、アンビエントっぽい1曲目からミニマル・ダブの2曲目、 R&B っぽいミニマル・ハウスの3曲目と、そのスタイルは幅広い。

しかしほとんどの曲でヴォーカリストが参加していたり、また前作よりも更にすっきりとした音作りがなされている事もあり、彼の作品の中では格段に聴きやすいポップな作りなっていると同時に、それでもどの曲にも定型を崩しながらもダンス・グルーブが感じられて、 Jay Haze が自身のベスト・ワークというだけの完成度がある。

だが今作は最終作であり、つまり今作での音楽的広がりに先がないことも意味するわけで、そこだけが非常に残念なのだが、それでもこの先が聴けることを楽しみにしていたい。

ダウンロード(直リンです)

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Jakes / hench Mixtape Vol.1 (hench) CD

Jakes / hench Mixtape Vol.1 (hench)
http://www.dstyle.co.uk/

Distorted Minds が主催する D-Ssyle のサブレーベル hench のレーベルサンプラー的ミックスCD。
ミックスを担当したのはレーベルの中心アーティストである Jakes (半分以上彼のトラック)。

テープにスプレーしたジャケットからしてストリート臭がプンプンするが、音の方も最近増えてきたテクノやアンビエントを取り入れたものではなく、全編ゴツゴツとした、まさにダブステップという内容。さらに1時間強の中に32曲も収められたトラック郡は、テンポよく切り替えられながらも終始高いテンションを保っていて、ここからダブステップの先進性や幅広さなどはあまり感じることが出来ないが、ダンスミュージックとしてのダブステップの現在の勢いや熱量はこめられていて、まぁ端的に書けば聴いていて非常に燃える。

それに最近安易な享楽性が目立つ多くのダブステップに比べ、ストリート的な荒々しさが残っているのも好ましい。

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Jin / Say Something

Jin / Say Something
http://ayojin.com/

2004年のデビュー作が発表された当時、東洋人で初めて Ruff Rydes の一員になったと話題になった チャイニーズ・アメリカン、 Jin の8曲入りミックステープ。

中国系アメリカ人とはいっても生まれも育ちもマイアミという事で、今作を聴く限り特別中国という国を意識させるような場面はない。

しかし一方で、まぁこれは半分以上見た目からくる思い込みと思ってかまわないのだが、やはり同じ東洋人だからなのか Shing02 や Seeda の英語に近い、黒人とも白人とも違う感覚が彼のラップにはあって、日本のヒップホップの方が聴く事の多い私からすると、そういった意味ではものすごく親しみやすい。

また派手な上モノとドタバタとしたドラムを中心にしたトラックは Bach Logic に近いもので、ますます Seeda に近い印象を抱くのだが、そんなトラックにも負けない強い声で、起伏に富んだフロウながら非常に聴きやすい Jin のラップは非常に魅力的で、中でも今作からのリード曲、 “Angels” は、上記の要素が凝縮されたような名曲で、ついつい繰り返し聴いてしまう。

サイトのディスコグラフィを見ると2007年を最後にアルバムをリリースしていないようだが、今作を契機にぜひ活動を活発化させてほしいところだ。

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JoJo / Unreleased

JoJo / Unreleased
http://www.jojoonline.com/

13歳でデビューして話題になった JoJo さんの未発表曲やデモを集めたミックステープ(ミックスはされてない)。

彼女の歌はデビュー作(過去記事)以来聴いてないんですが、そこから6年経ったとはいえまだ20歳なわけで、声自体はもちろん若さを感じさせるものの、歌い方は中途半端に落ち着いたものになっちゃって、どうも無個性になっちゃいましたかね。

まぁ曲の方は未発表といっても特に質が低いわけでもないので、 BGM としては全然問題ないんですが、ちょっと積極的に聴く気にはなれないですかね。最近音源出してないみたいなんで、ファンの人にはうれしいんだろうけど。

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Jendor / Dark Cloud

Jendor  / Dark Cloud

Organised Grime というクルーの一員だという(今は脱退しているみたい)イギリスのラッパー Jendor が今年の春に出したミックステープ。

ビートはグライム一辺倒かと思ったらゆったりとしたものから早いものまで色々そろっていて、そういった意味ではバラエティには富んでいるんだけど、ご本人の声がちょっとこもり気味なものなので、音が悪いのもあいまってゆったりとした曲のほとんどがラップが聴き取りづらく、聴いていて少々辛い。
それよりは後半出てくるグライム・ビートの上で前のめりにラップする曲の方がラップも聴き取りやすくて好きなんだけど、こういった曲は少ないっていう・・・。

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JPLS / The Depths (m_nus) mp3

JPLS / The Depths (m_nus)
http://www.m-nus.com/

2009年末に発表された JPLS の約2年ぶりのセカンド・アルバム(CDは限定みたいだけどファイルは普通に買える)。

この人のファースト・アルバムに関しては、試聴してみたら期待に反して普通のアシッド・ミニマルだったので買わなかった記憶があるんだけど、今作は彼なりのミニマリズムというものが感じられて、非常に面白い作品になっている。
中でも面白いのが3曲の長尺曲で、ゆったりとしたリズムが溶け出すように変容していき最後はノイズに飲み込まれる “Collapse” 、グルーヴ自体は四つ打ちのものながら、音の揺れと変則的なキックでそのグルーヴをどんどん捻じ曲げていく “Convolution” 、様々な音が強迫観念的に激しく鳴る “Reset” など、どれも甲乙付け難い。
また日本太鼓を思わせる力強いドラムが印象的な “Fold” や、玉がゆったり転がるようになるパーカションが心地よい “State” など、四つ打ちの曲もよく出来ている。

最近 m_nus って全然聴いてなかったんだけど、これはちょっと久々に追いかけてみようかなという気にさせられた。

The

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