TENSAL / C (Tensal) flac

TENSAL / C (Tensal)
https://www.facebook.com/hector.sandoval.92798

なんでブログってやつはしばらく更新しないと書き方を忘れてしまうもんなんでしょうか。おかげで筆が一向に進みません。っていうかいい加減この手の表現って、「タイピングが進みません」とかにしたほうがいいんでしょうか。

まぁどうでもいいですね。

という事で、スペインのユニット Exium のメンバーである Héctor Sandoval さんのソロ・プロジェクト、TENSAL のファースト・アルバム。

今作を含む自身のレーベルからのリリースは、A、B、C、D と順番にアルファベットを割り振っただけ、曲名もなしと非常に素っ気ない体裁なのだが、音楽性も負けず劣らず無駄を排したミニマル・テクノ。

今のミニマル・テクノというと、ノイズやドローンの要素を取り入れたインダストリアル系が目立っていますが、今作はそれらの要素はあまり出てきておらず、また Sleeparchive のようにベースが前面に出てくることもなく、あくまでキックが中心になっている。そのため一聴すると新味がないようにも思えるんだけど、キックとベースが一体となったような低音が作り出すグルーヴは十分に現代的で、中でも低音蠢く “C-C1” などかなりかっこいい。

この手のミニマル・テクノってどうしてもシングル中心になるので、アルバムとしてきちんと聴ける作品が少ないので、この人には期待したい。

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Living In Frames, 7 Days Of Funk, Franjazzco, Thom Yorke, McBROVA$

OuterLiving In Frames / Outer
ブラジルの二人組みユニットの、おそらくデビュー作となる EP 。基本的にはエレクトリックなインスト・ヒップホップなんだけど、大仰な上モノが多く、その分リズムも EDM っぽかったりと逞しく、悪くない。ただまだ個性不足かしら。ほぼノンビートの “Can’t Dream” がいい感じ。
N My System7 Days Of Funk / N My System
Snoop Dogg と DaM-FunK によるユニットのフリーのシングル。どうもこの手の水っぽいというか、音がビヨンビヨンしたファンクって苦手なんだけど、この曲はかなりポップで聴きやすい。でももうちょっと Snoop のヴォーカルを聴きたかった。
Chemtrails EPFranjazzco / Chemtrails EP
オーストリアのプロデューサーの4曲入り EP 。基本どの曲も滑らかなグルーヴの洗練されたジュークなんだけど、それに太いリズムと猥雑なヴォイス・サンプルが無理なく同居していてカッコいい。あと “Make U Wanna” って Theo Parrish の曲(曲名忘れた)をサンプリングしてる気がするんだけど、どうだろう。
Youwouldn'tlikemewhenI'mangryThom Yorke / Youwouldn’tlikemewhenI’mangry
昨年の9月にビットトレントを通じてアルバムを発表した Thom Yorke が、今度は昨年末に bandcamp で突然発表した曲。
たしかアルバム合評当時、共同制作者のナイジェル・ゴドリッチがビットトレントはアーティストの取り分が多い、みたいなこと言ってた記憶があるんだけど、結局 bandcamp の方が良かったって事なのかしら。まぁビットトレント面倒なんで bandcamp で出してくれたほうがずっと嬉しいんだけど。曲自体は浮遊感のあるトラックと Thom Yorke の歌声がマッチした良曲。
#BeginningTheMixtape3McBROVA$ / #BeginningTheMixtape3
札幌の 2MC が昨年末に発表したミックステープ。ヒップホップらしいヒップホップ、という風情の曲が並んで入るんだけど、ちょっとこの人たちらしい個性というのがイマイチ感じられなくて、それに加えて韻がそれほど硬くないのもあって、イマイチ印象に残りにくい。ディスコっぽい “Traffic” は良曲。

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Ta-ku / Make It Last EP (Live For The Funk) mp3

Ta-ku / Make It Last EP (Live For The Funk)
http://www.liveforthefunk.com/

オーストラリアのビートメイカー Ta-Ku が2013年1月に発表したフリーの EP 。

彼は影響を受けたアーティストとして J Dilla の名前を挙げていたり、Nujabes へのトリビュート作を発表したりしているんだけど、じゃぁ今作はサンプリングを基調としたヒップホップなのかというとそんな事はなく、所謂トラップと呼ばれるもの。

カットアップされた TLC のヴォイス・サンプルと、扇情的なシンセが絡み合う “Brokeas” 、浮遊感のあるトラックとゲスト参加した JMSN のヴォーカルが抜群の相性をみせる “Make It Last” 、4分強という時間の中でいくつもの展開を聴かせる “Tell Me Twice ” 、重たいリズムの上で R&B ヴォーカルが映える “Sweat Like Keith ” と、この手のにありがちな過度に盛り上げる感じがないので落ち着いて聴ける。

曲数は少ないけど充実した作品だ。

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TASO / Draped Up (The Dankles) mp3

Draped Up
http://thedankles.com/

ベイエリアのトラックメイカー、 Taso が2013年1月に発表したミニ・アルバム。
Taso は過去に「World Wide Juke」に参加した事もある人で、ジュークやゲットーベースなど、ベース系のトラックを作る事が多い人みたいだけど、今作はトラップが中心。

とまぁ書いてみたものの、以前書いたようにトラップって実はよく分かってなくて、 RA の記事軽く読んだことあるくらいの知識しかないんですが、ベースがブオンブオンいっててスネアとハットがスコココ鳴ってるのがトラップなのかなぁ、となんとなく思っております(超適当)。

んで、今作の走り出しそうなスネアやハットなんかは正にそんな感じなんですが、普段ベース系のトラックを作っているだけあって、サイケデリックな色合いのギターを横からなぎ倒すようになる “Rollin Choppas” のベースラインや、冒頭の柔らかな音の鳴りから、ベースの音を硬くする事によって曲を重厚なものへとしている “Playerz Ball” 、波状に鳴るベースが気持ちいい “Draped Up” など、ベースが中心になっているものが多く楽しめる。

とはいいつつも、何だかんだで一番好きなのは「DJ Go」というヴォイス・サンプルが乗る脱力気味のジューク “Go DJ” で、こういう適当な感じのトラックがいいのも魅力的。

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Tunnidge / Twenty12 (Deep Medi) mp3

Tunnidge / Twenty12 (Deep Medi)
http://deepmedi.com/

ロンドンのプロデューサー Tunnidge が2013年1月に出したシングル。

彼のサイトを見ると Metalheadz から出す、みたいな事が書いてあるのだが、今作は Metalheadz の硬質なイメージとも違う、かといって Deep Medi ともちょっと違うアッパーなダブステップ。
ならよくあるレイブノリのものなのかという、それとも違っていて、扇情的なシンセと、グルーヴを加速させるようなパーカッションによってどんどん盛り上げていはいくものの、ドラムの生っぽい質感と、あまり歪んだ音がないおかげで、変な過剰さがなく、思いのほかすっきりと聴ける。

ただすっきりしてる分印象にも残りにくく、細かくビートを刻むドラムが中心になった “Orion” と、ゆったりとしたビートと怪しいヴォイス・サンプルや上モノで重厚さを演出する “Take Flight” もそれは同様。
なので全体としてはイマイチ地味かしら。悪い作品じゃないんだけど。

Twenty 12 - EP - Tunnidge

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TC STUDIO / Waste E.P. (Allinn Black) 12″

TC STUDIO / Waste E.P. (Allinn Black)
http://www.allinnrecords.com/

Traian Chereches と Matei Tulbure による二人組み TC STUDIO が、ルーマニアのレーベル Allinn Black から2012年5月に出したシングル。

以前紹介したコンピ『3 Years Do Easy』(過去記事)に収録されていた曲は比較的実験的なものでしたが、今作の A1 “rew” は冒頭からウッドベースがうねる直球のダンス・トラックで、これはこれでインパクトがでかい。
ただその分大味な面も否めず、個人的には可もなく不可もなくという感じ。

それよりもパーカッシブなビートと、そこから零れ落ちそうな美しいピアノが印象的な “waste” の方が私にはツボで、ルーマニアの人が作るこの手の儚げなトラックにはどうにも抗えません。

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Tyga / 187 (Self Released) mp3

Tyga / 187 (Self Released)

4年前にわずか18歳でデビューしたというカリフォルニア出身のラッパーさんのミックステープ。

どうやらもうすぐ出るシングルのプロモーションとして作られたみたいで、ほとんどがフリースタイルみたい(トラックも有りモノなのかな?)。

1曲目の “F %kn Crack” からして薄いシンセとカラカラとした軽いスネアが鳴るというトラックで、この手のトラックには食傷気味の私には若干きつい。また他の曲にしてもどこかで聴いたようなトラックが多く(有名曲の使ってて本当にどこかで聴いた事あるのかもしれないけど)、そこら辺の面白みはほとんどない。

一方のラップはというと、あまり抑揚のないのっぺりした感じで、これまたあまり好きなタイプではないものの、けっこうメロディアスなので意外に聴きやすい。
まぁそれでも正規盤には手は伸びないかな・・・。

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TADEO / The Close Encounter (Micropunto Schallplatten) mp3

TADEO / The Close Encounter (Micropunto Schalplatten)
http://www.micropunto.net/

なんかあまり書く事がなくなってきましたが、ダメ押しで NX1 (がリミックスで参加した Tadeo のシングル)。

元々 Tadeo って Alex Under なんかと一緒に出てきたスペインの人なんですが、どうもその当時から私にはピンとこない人で、それは今作でも一緒。
Jeff Mills に近いスペイシーなテクノは悪くはないんだけど、特に印象に残る事もなく、なんともかんともという感じ。

んで、肝心の NX1 のリミックスなんですが、彼の作品の中でもハードな部類に入るであろう、重量級のキックとハットでひたすら押し切る直球のハード・ミニマル。原曲にある空間的なシンセも時折飛び出すものの、基本的にはリズム中心のものになっていて、そのハード・ミニマルぶりに、今はいったい何年だ、と思わなくもないんですが、かっこいいのだから関係ない。

NX1 はこれ以降、自身のレーベルから『NX1 03』を出していて、まもなく『4』も出るみたいなんだけど、私はまだ両方とも聴けてないです。

The Close Encounter - EP - Tadeo

2562 / AIR JORDAN (When In Doubt) 12″

2562 / AIR JORDAN (When In Doubt)

2562 こと Dave Huismans さんが今年の3月に出したシングルで、この名義では今のところ最新作。

ジャケットの感じからして今までの 2562 とは違う雰囲気の本作ですが、なんでもフィールドレコーディングした素材を使っているんだそうで、音の方もかなりの変化したものになっている。

2曲目の “DESERT LAMENT” こそ彼らしいタメの効いたダブステップながら、動物の鳴き声などが使われ、いつもの洗練とは逆の野性味のある音になっているし、1曲目の
“SOLITARY SHEEPBELL” はノンビートの音響作品。また3曲目の “JERASH HEKWERKEN” は、パーカッションというよりは太鼓と呼びたくなるようなドラムが前面に出された変則的なハウスだし、 “NOCTURNAL DRUMMERS” は呪術的な怪しい雰囲気を醸し出すパーカッションと徐々に増すベース、そして上モノのエフェクトでどんどんはめていくサイケデリックな曲だったりと、今までの 2562 にはなかったような曲ばかりが並んでいる。

なので今作には今までの 2562 の曲にあったような流麗なフォルムというものはないのだが、代わりに今までなかったような力強さに満ちていて、これはこれで非常に魅力的だし、今後の作品にどういった影響を及ぼすのかも興味深い。

Air Jordan - EP - 2562

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2562 / Fever addendum (When In Doubt) 12″

2562 / Fever addendum

まだ 2562 で、今回のは『Fever』(過去記事)からのシングル・カット。

表の “Aquatic Family Affair (extended re-cut)” は、文字通り “Aquatic Family Affair” (過去記事)の曲が長くなったバージョン。とはいっても最初のドラムのところが少し伸びただけ、時間的にも30秒弱長くなっただけなので、別段曲の印象が変わるわけでもなく、なんでわざわざこんなバージョンを作ったのかよく分からない曲。まぁ DJ の方々からすると、多少使い勝手がよくなった、のかな?・・・。

裏は shed の Head High 名義によるリミックス。ずしりと重いながらもファンキーなリズムと、疾走感のある上モノのバランスがいつもながらに絶妙な塩梅で、さすがとしかいいようがないのだが、若干手癖で作った感もあり、これだけのためにシングル買った方がいいかと問われれば、ちょっと微妙かも。

まぁ一般的な基準で考えれば十分すぎる完成度なんだけど・・・。

Aquatic Family Affair (Extended Re-Cut) / Wasteland (Head High Aka Shed Remix) - Single - 2562

2562 / BLACKOUT01

別に頑張って続ける必要もないのだが、どうせなんで 2562 の続き。

っつうことで 2562 がアルバム『Fever』(過去記事)の直後に出した謎のシングル。

テクノ的な質感の強かった『Fever』なんかに比べると、使われている音そのものはそれほど違わないものの、複雑なドラムをタメの効いたリズムに落とし込んでいる “Blackout ” 、最近の彼にしては比較的素直にダブステップの定型をなぞりながらもテクノ的な流麗さが感じられる “S.O.S” と、意外にダブステップ的な部分も強く、そういった意味では初期から一周回ってきた感がありなかなか面白い作品になっている。

テックハウスな “Boogie Kitchen” は、まぁぼちぼち。

試聴

2562 / Fever (When In Doubt) 2LP

2562 / Fever (When In Doubt)

昨日に続いて 2562 が2011年に発表した通産3枚目のアルバム。

2562 こと Dave Huismans さんは一貫してテクノ的なダブステップを作り続けていたわけですが、今作もそれは同様。
しかしトラックの作りとしては、先行シングル(過去記事)で聴かせた抜けのいいドラムを中心としたもので、そのドラムが作り出すリズムの複雑さや重量感、そして一方ではテクノ的な質感や疾走感もあり、その双方が合わさる事で、単純なテクノとダブステップの足し算とは違う、独自のブレイクビーツになっていて非常に面白い。

Fever - 2562

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2562 / AQUATIC FAMILY AFFAIR (When In Doubt) 10″

2562 / AQUATIC FAMILY AFFAIR (When In Doubt)

今更もいいとこなんですが、 2562 が2011年に発表したシングル(本当は A Made Up Sound の後に書こうと思ってたんだけど間が空いちゃった)。

この人って前作『Unbalance』(過去記事)ではドラムンベースみたい、っていいうのは大げさにしても、ダブステップ勢の中ではかなり軽めのドラムの音を使っていたんですが、今作は生っぽい質感ながらも、抜けのよさと重量感が絶妙なバランスを保った音に変化していて、それがまず非常に気持ちが良い。

そしてそのドラムから生み出されるリズムも、若干タメの効いたどっしりとしたグルーヴを生み出しているのだけれど、そこに疾走感のある上モノを加えることによって、印象をほぼ真逆のものに変えているもの面白い。

また裏面の、より複雑なリズムを聴かせる “This Is Hardcore” も素晴らしく、今作は 2562 屈指の傑作ではないかと。

ちなみに今作は 2562 が新たに立ち上げたレーベルからの最初のリリースという事で注目度が高かったのか、あっという間に売り切れちゃった盤なんですが、音源自体は『Fever』に普通に入ってます。

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Temmy Ton / MOMO (Self Released) mp3

Temmy Ton / MOMO

ドイツの女性ラッパー Temmy Ton が今年出したミックステープ。

自分の中でドイツのヒップホップって愁いを帯びたものが多い印象なんですが、今作もトラックだけ聴くと比較的メロウなものが多い。でも Temmy Ton の少ししゃがれた声でのラップがなかなかにファンキーで、曲に躍動感を与えているので結果バランスよく聴きやすい。

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Thomas Prime / The Instrumental LP Vol. 1 (Cult Classic) mp3

Thomas Prime / The Instrumental LP Vol. 1
http://www.cultclassicrecords.com/

ロンドンのプロデューサー Thomas Prime が今年4月に発表した作品。

この人の作風は、一言でいえば「ジャジー・ヒップホップ」っていうやつになるんだと思いますが、インストながらもどの曲にもはっきりとした主旋律を奏でる楽器が中心に据えられているので、そういった意味では非常にポップで聴きやすい。
その分ヒップホップ的なグルーブ感が希薄なので、やや淡白なのは否めないんだけど、普段この手のを聴かない人にはいいんじゃないかしら。

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Tidus / Mirrors EP (Self Released) mp3

Tidus / Mirrors EP
http://www.tidustv.com/

ニューヨークのトラック・メイカーが今年発表した作品。

この人はサイトを見る限りけっこうな多作家みたいなんだけど、パッと聴いた感じどの作品も暗く、今作も同様に全体の雰囲気としては暗い。
でも使っている音そのものは軽めのものが多いので、沈み込むような暗さにはなっていなくて、そこを中途半端と捉えるか聴きやすいと捉えるかは人それぞれだと思うんだけど、私は思いっきり暗い方がよかったかなぁ。
ダブステップからの影響がそこはかとなくにじみ出るヒップホップ、という音楽性は好みなので、もうちょっと作品数重ねたところでまた聴いてみたい。

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Teyana Taylor / The Misunderstanding Of Teyana Taylor (Self Released) mp3

Teyana Taylor / The Misunderstanding Of Teyana Taylor (Self Released)
http://www.teyanatayloronline.com/

ニューヨークのシンガー、ラッパーの Teyana Taylor が今年3月に発表したミックステープ。
私は彼女の名前を本作ではじめて知ったんだけど、以前 Star Trak と契約していて、2008年に出したシングルはけっこう話題になった方だそう。

曲の方は硬軟織り交ぜながらも、比較的オーソドックスなヒップホップという感じで特筆すべきものは感じないんだけど、彼女のヴォーカルの陽性な雰囲気が全体的に躍動感を生んでいて気持ちよく聴けるし、まただからこそたまにある愁いを帯びた曲も印象的になっていて、非常によくまとまっている。

今度は変化球的なプロデューサーと組んだのも聴いてみたい。

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T++ / Wireless (Honest Jons) 2LP

T++ / Wireless (Honest Jons)
http://www.honestjons.com/

こちらは現在 Monolake のメンバーでもある T++ こと Torsten Profrock さんが2010年に出したダブルパック。

なんでも今作は東アフリカの SSEKINOMU なるアーティストの音源をサンプリングしたものなんだそうで、つんのめったブレイクビーツにパーカッション、ヴォイスサンプルなどによって形作られるグルーヴは、非常にファンキーながらもダブステップともドラムンベースとも似て非なるもの。
しかしそれでいてベース・ミュージックらいい猥雑さも備えていて、音楽性と機能性を高い次元で融合させている素晴らしい作品。

まぁこの後に出た Shackleton のリミックスしたやつ聴くと意外に引き出し少ない人なのかな、という感じもするんだけど、それでも今作に関しては文句なしかと。傑作です。

Wireless - EP - T++

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2562 / Unbalance (TECTONIC) 3LP

2562 / Unbalance (TECTONIC)
http://www.myspace.com/tectonicrecordings

前作『aerial』(過去記事)から約1年半、間に A MADE UP SOUND 名義でのアルバムをはさんでの2枚目。

前作のいかにもミニマル・ダブといった感じの音の質感やエフェクトは抑えられ、代わりにドラムの手数が増えたことにより、ベースよりもドラムがグルーブを引っ張る曲が多くなり、全体的にダンサブルになった。またデトロイト的な浮遊感のある上モノが増え、曲が色彩豊かになったりと、フロアでの機能性は抜群に高くなった。

まぁその分前作のような衝撃はないんだけど、それでも前作とは違った形でテクのらしさが現れているところに、 Dave Huismans の生真面目さを感じる。

Unbalance

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2562 / aerial (TECTONIC) 2LP

2562 / aerial (TECTONIC)
http://www.myspace.com/2562dub

オランダ出身の 2562 こと Dave Huismans の2008年発表のファースト・アルバム。

ダブステップの歴史というものを考えた時、まず間違いなく名前が挙げられるだろう、というくらいの重要作であるとの評価を本作はされているわけですが、それはひとえにダブステップとテクノの融合を本作が推し進めたから、だと思うんですね。

そして私もダブステップとテクノの融合には期待していたし、実際本作も非常に好きな作品なのだが、しかし今聴きかえしてみると、あれだけ歪だったダブステップに彼が与えたフォルムはあまりにも滑らか過ぎたし、それがダブステップのストリート・ミュージック的な獰猛さをけしてしまう一因になったのかなと思えてしまう。

まぁそんなものはダブステップの現状に不満を感じる私の愚痴でしかないんだけど、逆にいえばそんな事思ってしまうくらい、本作のダブステップのミニマル・ダブ的な解釈は完成度が高い。

やはり名盤。

Aerial

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Tim Xavier / VIPER FISH (CLINK) 2LP

Tim Xavier / VIPER FISH (CLINK)
http://www.clinkrecordings.com/

シカゴ出身で現在ベルリン在住の Tim Xavier のファースト・アルバム。
この人の盤を紹介するの久し振りなので書いておきますと、今作がアルバムとしては初となるものの、キャリア自体は10年以上ある人で、 Tony Rohr と組んでいる AFTERNOON COFFEE BOYS や、自身の顔のアップ写真をプリントした LTD.400 のシリーズで知られる人ですね。

その他にも彼はカッティング・エンジニアとしての顔もあって Wagon Repair の盤なんかも担当していたりするんですが、 Clink や Ltd.400 の初期に躊躇だったように、彼のカッティングした曲はものすごい音圧をほこっていて、それだけで曲の記名性として特徴付けていたんですね。

しかし作品数を重ねる毎にその凄まじい音圧というのは感じられなくなっていて、それは今作でも同様(いや、他の人の曲と比べれば十分なんですけどね)。
しかもトラック自体に関しても、狭いコンクリ部屋で硬く反響するような音響空間の中、妖しくアシッド音が揺らめく “Sonic Duality” を筆頭に、新しいどころか古典的にさえ思えるようなミニマル・テクノがずらりと並んでいる。

では今作が古臭いだけの退屈な作品なのかというとそんな事はなく、鍛え抜かれた音の数々は全てが確信を持って鳴らされているかのような力強さを感じさせるし、それらが無駄なく配置されているのにも彼の職人的なこだわりを感じる。
中でもダビーな音響の中、あくまで硬質な音で押し切るタイトル・トラックは圧巻の一言。

正直ここに以前の音圧が加わったら、と思わなくはないんだけど、それでも傑作と呼ぶには十分過ぎる出来だ。

Viperfish

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Tinchy Stryder / Before The Storm

Tinchy Stryder / Before The Storm

Ruff Sqwad というクルーの一員らしいロンドンのラッパー Tinchy Stryder のフリーダウンロードのアルバム。

MySpace のバイオ見るとシングル・チャートで1位とったりなんかしている人みたいで、だからなのか今作もメジャー感のある華やかなものになっていて、さらに性急なグライムだけではなくメロディアスなスローナンバー、気の抜けたエレクトロみたいなのや四つ打ちまでスタイルに幅があり聴きやすい。

まぁその分ストリートの匂いというのはそれほどしないんだけど、それを補って余りある完成度は有しているように思う。

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Twocubed / Bass for nerds (Bitcrusher) mp3

Twocubed / Bass for nerds (Bitcrusher)
http://bitcrusher.co.uk/

多分ドメインがイギリスなんでイギリスのネット・レーベルと思われる Bitcrusher から、Twocubed という人が昨年発表した8曲入りのミニ・アルバム。

音の方ははジャケットのとおりチップチューン(ファミコンみたいなピコピコ音で作ってるやつ)なんですが、たいていチップチューンというとエレクトロやブレイクコアが多い中、この人はなんとダブステップをやっております。

なんでまたチップチューンでダブステップなんてやろうと思ったのか全くわからないし、聴く前はその二つが合うのかも疑問だったんだけど、今作は上モノのピコピコ感を生かしながらも、同時にダブステップの重量感も感じられるものになっていて、目から鱗のような面白さがある。何曲かあるダークな雰囲気のトラックも素敵です。おすすめ。

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Tokio / 太陽と砂漠のバラ (J Storm) CD

Tokio / 太陽と砂漠のバラ (J Storm)
http://www.johnnys-net.jp/j/artists/tokio/

すっかりバラエティ・タレントになってしまった TOKIO が昨年出した唯一のシングル。

2006年の “宙船” のヒット以降、中島みゆき、甲斐よしひろ、長渕剛、東京事変と、歌謡色が濃い作家からの曲提供が続いていて、今作の表題曲もその流れを汲むアコースティックなバラードなのだが、この曲を聴いて思うのは、いつの間に長瀬くんはこんなに味わい深い歌声を聴かせるようになったのだろうということで、元来の声の甘さを残しつつ、サビでのどっしりとした歌声にはついつい聴き入ってしまう。

反面 “スベキコト” のように高音で歌われる曲だと軽さが目立つものの、歌唱力だけでは長瀬くんよりも上と思われる山口達也が歌う “誓い” と聞き比べると、長瀬くんの歌には技術だけではない情感があるのがよく分かる。

それだけに、最近テレビの片手間のような、中途半端な音楽活動が続いているのが歯がゆい。