TENSAL / C (Tensal) flac

TENSAL / C (Tensal)
https://www.facebook.com/hector.sandoval.92798

なんでブログってやつはしばらく更新しないと書き方を忘れてしまうもんなんでしょうか。おかげで筆が一向に進みません。っていうかいい加減この手の表現って、「タイピングが進みません」とかにしたほうがいいんでしょうか。

まぁどうでもいいですね。

という事で、スペインのユニット Exium のメンバーである Héctor Sandoval さんのソロ・プロジェクト、TENSAL のファースト・アルバム。

今作を含む自身のレーベルからのリリースは、A、B、C、D と順番にアルファベットを割り振っただけ、曲名もなしと非常に素っ気ない体裁なのだが、音楽性も負けず劣らず無駄を排したミニマル・テクノ。

今のミニマル・テクノというと、ノイズやドローンの要素を取り入れたインダストリアル系が目立っていますが、今作はそれらの要素はあまり出てきておらず、また Sleeparchive のようにベースが前面に出てくることもなく、あくまでキックが中心になっている。そのため一聴すると新味がないようにも思えるんだけど、キックとベースが一体となったような低音が作り出すグルーヴは十分に現代的で、中でも低音蠢く “C-C1” などかなりかっこいい。

この手のミニマル・テクノってどうしてもシングル中心になるので、アルバムとしてきちんと聴ける作品が少ないので、この人には期待したい。

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Living In Frames, 7 Days Of Funk, Franjazzco, Thom Yorke, McBROVA$

OuterLiving In Frames / Outer
ブラジルの二人組みユニットの、おそらくデビュー作となる EP 。基本的にはエレクトリックなインスト・ヒップホップなんだけど、大仰な上モノが多く、その分リズムも EDM っぽかったりと逞しく、悪くない。ただまだ個性不足かしら。ほぼノンビートの “Can’t Dream” がいい感じ。
N My System7 Days Of Funk / N My System
Snoop Dogg と DaM-FunK によるユニットのフリーのシングル。どうもこの手の水っぽいというか、音がビヨンビヨンしたファンクって苦手なんだけど、この曲はかなりポップで聴きやすい。でももうちょっと Snoop のヴォーカルを聴きたかった。
Chemtrails EPFranjazzco / Chemtrails EP
オーストリアのプロデューサーの4曲入り EP 。基本どの曲も滑らかなグルーヴの洗練されたジュークなんだけど、それに太いリズムと猥雑なヴォイス・サンプルが無理なく同居していてカッコいい。あと “Make U Wanna” って Theo Parrish の曲(曲名忘れた)をサンプリングしてる気がするんだけど、どうだろう。
Youwouldn'tlikemewhenI'mangryThom Yorke / Youwouldn’tlikemewhenI’mangry
昨年の9月にビットトレントを通じてアルバムを発表した Thom Yorke が、今度は昨年末に bandcamp で突然発表した曲。
たしかアルバム合評当時、共同制作者のナイジェル・ゴドリッチがビットトレントはアーティストの取り分が多い、みたいなこと言ってた記憶があるんだけど、結局 bandcamp の方が良かったって事なのかしら。まぁビットトレント面倒なんで bandcamp で出してくれたほうがずっと嬉しいんだけど。曲自体は浮遊感のあるトラックと Thom Yorke の歌声がマッチした良曲。
#BeginningTheMixtape3McBROVA$ / #BeginningTheMixtape3
札幌の 2MC が昨年末に発表したミックステープ。ヒップホップらしいヒップホップ、という風情の曲が並んで入るんだけど、ちょっとこの人たちらしい個性というのがイマイチ感じられなくて、それに加えて韻がそれほど硬くないのもあって、イマイチ印象に残りにくい。ディスコっぽい “Traffic” は良曲。

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Ta-ku / Make It Last EP (Live For The Funk) mp3

Ta-ku / Make It Last EP (Live For The Funk)
http://www.liveforthefunk.com/

オーストラリアのビートメイカー Ta-Ku が2013年1月に発表したフリーの EP 。

彼は影響を受けたアーティストとして J Dilla の名前を挙げていたり、Nujabes へのトリビュート作を発表したりしているんだけど、じゃぁ今作はサンプリングを基調としたヒップホップなのかというとそんな事はなく、所謂トラップと呼ばれるもの。

カットアップされた TLC のヴォイス・サンプルと、扇情的なシンセが絡み合う “Brokeas” 、浮遊感のあるトラックとゲスト参加した JMSN のヴォーカルが抜群の相性をみせる “Make It Last” 、4分強という時間の中でいくつもの展開を聴かせる “Tell Me Twice ” 、重たいリズムの上で R&B ヴォーカルが映える “Sweat Like Keith ” と、この手のにありがちな過度に盛り上げる感じがないので落ち着いて聴ける。

曲数は少ないけど充実した作品だ。

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TASO / Draped Up (The Dankles) mp3

Draped Up
http://thedankles.com/

ベイエリアのトラックメイカー、 Taso が2013年1月に発表したミニ・アルバム。
Taso は過去に「World Wide Juke」に参加した事もある人で、ジュークやゲットーベースなど、ベース系のトラックを作る事が多い人みたいだけど、今作はトラップが中心。

とまぁ書いてみたものの、以前書いたようにトラップって実はよく分かってなくて、 RA の記事軽く読んだことあるくらいの知識しかないんですが、ベースがブオンブオンいっててスネアとハットがスコココ鳴ってるのがトラップなのかなぁ、となんとなく思っております(超適当)。

んで、今作の走り出しそうなスネアやハットなんかは正にそんな感じなんですが、普段ベース系のトラックを作っているだけあって、サイケデリックな色合いのギターを横からなぎ倒すようになる “Rollin Choppas” のベースラインや、冒頭の柔らかな音の鳴りから、ベースの音を硬くする事によって曲を重厚なものへとしている “Playerz Ball” 、波状に鳴るベースが気持ちいい “Draped Up” など、ベースが中心になっているものが多く楽しめる。

とはいいつつも、何だかんだで一番好きなのは「DJ Go」というヴォイス・サンプルが乗る脱力気味のジューク “Go DJ” で、こういう適当な感じのトラックがいいのも魅力的。

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Tunnidge / Twenty12 (Deep Medi) mp3

Tunnidge / Twenty12 (Deep Medi)
http://deepmedi.com/

ロンドンのプロデューサー Tunnidge が2013年1月に出したシングル。

彼のサイトを見ると Metalheadz から出す、みたいな事が書いてあるのだが、今作は Metalheadz の硬質なイメージとも違う、かといって Deep Medi ともちょっと違うアッパーなダブステップ。
ならよくあるレイブノリのものなのかという、それとも違っていて、扇情的なシンセと、グルーヴを加速させるようなパーカッションによってどんどん盛り上げていはいくものの、ドラムの生っぽい質感と、あまり歪んだ音がないおかげで、変な過剰さがなく、思いのほかすっきりと聴ける。

ただすっきりしてる分印象にも残りにくく、細かくビートを刻むドラムが中心になった “Orion” と、ゆったりとしたビートと怪しいヴォイス・サンプルや上モノで重厚さを演出する “Take Flight” もそれは同様。
なので全体としてはイマイチ地味かしら。悪い作品じゃないんだけど。

Twenty 12 - EP - Tunnidge

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TC STUDIO / Waste E.P. (Allinn Black) 12″

TC STUDIO / Waste E.P. (Allinn Black)
http://www.allinnrecords.com/

Traian Chereches と Matei Tulbure による二人組み TC STUDIO が、ルーマニアのレーベル Allinn Black から2012年5月に出したシングル。

以前紹介したコンピ『3 Years Do Easy』(過去記事)に収録されていた曲は比較的実験的なものでしたが、今作の A1 “rew” は冒頭からウッドベースがうねる直球のダンス・トラックで、これはこれでインパクトがでかい。
ただその分大味な面も否めず、個人的には可もなく不可もなくという感じ。

それよりもパーカッシブなビートと、そこから零れ落ちそうな美しいピアノが印象的な “waste” の方が私にはツボで、ルーマニアの人が作るこの手の儚げなトラックにはどうにも抗えません。

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Tyga / 187 (Self Released) mp3

Tyga / 187 (Self Released)

4年前にわずか18歳でデビューしたというカリフォルニア出身のラッパーさんのミックステープ。

どうやらもうすぐ出るシングルのプロモーションとして作られたみたいで、ほとんどがフリースタイルみたい(トラックも有りモノなのかな?)。

1曲目の “F %kn Crack” からして薄いシンセとカラカラとした軽いスネアが鳴るというトラックで、この手のトラックには食傷気味の私には若干きつい。また他の曲にしてもどこかで聴いたようなトラックが多く(有名曲の使ってて本当にどこかで聴いた事あるのかもしれないけど)、そこら辺の面白みはほとんどない。

一方のラップはというと、あまり抑揚のないのっぺりした感じで、これまたあまり好きなタイプではないものの、けっこうメロディアスなので意外に聴きやすい。
まぁそれでも正規盤には手は伸びないかな・・・。

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TADEO / The Close Encounter (Micropunto Schallplatten) mp3

TADEO / The Close Encounter (Micropunto Schalplatten)
http://www.micropunto.net/

なんかあまり書く事がなくなってきましたが、ダメ押しで NX1 (がリミックスで参加した Tadeo のシングル)。

元々 Tadeo って Alex Under なんかと一緒に出てきたスペインの人なんですが、どうもその当時から私にはピンとこない人で、それは今作でも一緒。
Jeff Mills に近いスペイシーなテクノは悪くはないんだけど、特に印象に残る事もなく、なんともかんともという感じ。

んで、肝心の NX1 のリミックスなんですが、彼の作品の中でもハードな部類に入るであろう、重量級のキックとハットでひたすら押し切る直球のハード・ミニマル。原曲にある空間的なシンセも時折飛び出すものの、基本的にはリズム中心のものになっていて、そのハード・ミニマルぶりに、今はいったい何年だ、と思わなくもないんですが、かっこいいのだから関係ない。

NX1 はこれ以降、自身のレーベルから『NX1 03』を出していて、まもなく『4』も出るみたいなんだけど、私はまだ両方とも聴けてないです。

The Close Encounter - EP - Tadeo

2562 / AIR JORDAN (When In Doubt) 12″

2562 / AIR JORDAN (When In Doubt)

2562 こと Dave Huismans さんが今年の3月に出したシングルで、この名義では今のところ最新作。

ジャケットの感じからして今までの 2562 とは違う雰囲気の本作ですが、なんでもフィールドレコーディングした素材を使っているんだそうで、音の方もかなりの変化したものになっている。

2曲目の “DESERT LAMENT” こそ彼らしいタメの効いたダブステップながら、動物の鳴き声などが使われ、いつもの洗練とは逆の野性味のある音になっているし、1曲目の
“SOLITARY SHEEPBELL” はノンビートの音響作品。また3曲目の “JERASH HEKWERKEN” は、パーカッションというよりは太鼓と呼びたくなるようなドラムが前面に出された変則的なハウスだし、 “NOCTURNAL DRUMMERS” は呪術的な怪しい雰囲気を醸し出すパーカッションと徐々に増すベース、そして上モノのエフェクトでどんどんはめていくサイケデリックな曲だったりと、今までの 2562 にはなかったような曲ばかりが並んでいる。

なので今作には今までの 2562 の曲にあったような流麗なフォルムというものはないのだが、代わりに今までなかったような力強さに満ちていて、これはこれで非常に魅力的だし、今後の作品にどういった影響を及ぼすのかも興味深い。

Air Jordan - EP - 2562

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2562 / Fever addendum (When In Doubt) 12″

2562 / Fever addendum

まだ 2562 で、今回のは『Fever』(過去記事)からのシングル・カット。

表の “Aquatic Family Affair (extended re-cut)” は、文字通り “Aquatic Family Affair” (過去記事)の曲が長くなったバージョン。とはいっても最初のドラムのところが少し伸びただけ、時間的にも30秒弱長くなっただけなので、別段曲の印象が変わるわけでもなく、なんでわざわざこんなバージョンを作ったのかよく分からない曲。まぁ DJ の方々からすると、多少使い勝手がよくなった、のかな?・・・。

裏は shed の Head High 名義によるリミックス。ずしりと重いながらもファンキーなリズムと、疾走感のある上モノのバランスがいつもながらに絶妙な塩梅で、さすがとしかいいようがないのだが、若干手癖で作った感もあり、これだけのためにシングル買った方がいいかと問われれば、ちょっと微妙かも。

まぁ一般的な基準で考えれば十分すぎる完成度なんだけど・・・。

Aquatic Family Affair (Extended Re-Cut) / Wasteland (Head High Aka Shed Remix) - Single - 2562