Luciano / Cachai (Cadenza) mp3

Luciano / Cachai (Cadenza)
http://www.cadenzamusic.net/

今年中にはこの名義では2枚目となるアルバムが出るという Luciano が2013年3月に発表したシングル(アルバムからの先行なんですかね)。

昨年発表された『Rise Of Angel』(関連記事)はキックの入る事がない、およそクラブ・トラックとは言いがたい作品でしたが、今作は2曲とも四つ打ちのキックの入ったミニマル・ハウス。

お化けが出るときの BGM に使うような楽器(あの「ヒュードロドロ」ってやつ。名前知らない)をメインに、そこにオルガンが絡む “Cachai” 、パーカッシブなリズムの上で、これまたオリエンタルな上モノが印象的な “Dance Unity” と、両曲共に悪くはないものの、ちょっと今までの Luciano の作品と比べるとひねりがなさ過ぎて物足りない出来。

この分かりやすさがイビザでパーティーをやるようになった影響なのかは分からないが、アルバムもこの路線だときついなぁ・・・。

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Luciano / Rise Of Angel (Cadenza) mp3

Luciano / Rise Of Angel (Cadenza)
http://www.cadenzamusic.net/

Cadenza を主催する Luciano が、自身のレーベルから2012年11月に発表したシングル。
Cadenza のリリースが活発であったり、彼自身も他アーティストへのリミックス提供や DJ ミックス等を発表していたのでご無沙汰感はあまりないが、自信の名義での作品は2009年の『TRIBUTE TO THE SUN』以来初。

その『TRIBUTE TO THE SUN』はタイトル通り、淡い陽光が降り注ぐような清らかな祝祭ムードの作品だったが、今作はそこから一歩踏み出して、という表現が適切なのかどうかは分からないが、キックの入らない簡素なリズムの上に、弾むようなシンセと、これまたシンプルながらも印象的なピアノが乗る、陽性の美しさを持ったものになっている。

つまりはダンストラックといえるような屈強なリズムがあるわけでもなく、かといってアンビエント的とはいい難い、はっきりとした輪郭をもっていて、 Luciano にダンス・トラックを期待する向きには戸惑いさえ感じてしまうほどポップな曲になっている。

しかし16分かけて徐々に音を重ねながら多幸感を増していく構成は今までと変わらぬものであり、また Cadenza より以前の彼がそれほどダンスに重きを置いた作品を作っていなかった事を考えると、アルバムの延長線上での原点回帰にも思えて、なかなかに面白い。

表題曲以外では、 Cadenza からリリース経験のあるアーティストによるリミックスが3曲収録されていて(アナログは1曲)、全てが四つ打ちのキックを足したダンス・トラックになっている。
Mirko Loko によるリミックスは、最近の彼が使うひしゃげたような音のリズムが足されていて、この音があまり好きではない私にはイマイチ。
一方 Andrea Oliva と Uner は、このレーベルらしいパーカッシブなリズムのリミックスをしていて良いのだが、比較的淡々とした感じの Andrea Oliva よりは、スネアなども交えより有機的なグルーヴを作り出している Uner の方が好きかしら。

Rise of Angel (Remixes) - Luciano

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Luciano / Vagabundos 2011 (Cadenza) mp3

Luciano / Vagabundos 2011 (Cadenza)
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Luciano がイビザでやっているパーティー「Vagabundos」をテーマにしたミックス。最近2012年版が出ましたが、これは2011年版(出たのは今年だけど)。

この人の DJ って生では聴いた事ないんだけど、いつの間にやら PC でやるようになっていたようで、ご多分に漏れず今作も数曲を同時に重ねたようなミックス。なので最初は音数が多すぎな気がするんだけど、いったん体になじんでしまえば、派手さはないものの、緩やかに盛り上がる柔らかなグルーヴに身をゆだねられる。

ただ以前よりもヴォーカル・トラックなども増えてより分かりやすくなった分、展開や抜き差しで耳をひくような場面が減って、ただの気持ちがいいハウス・ミックスにとどまってしまっている感も否めず。まぁ好きだけど。

ちなみに今作はなぜかファイルでしか出てないみたい。

Unknown Artist / Flöte + Clarinette (RAL) 12″

Unknown Artist / Flöte + Clarinette (RAL)

この前紹介した RAL の2枚目。
例によって誰が手がけているかは分からないのだけれど、テクニークによると Rhadoo と Petre Inspirescu の仕事だそう。しかし『RAL1001』が Luciano の特徴が分かりやすく出ていたのに比べると、こちらはちょっと作者の色までは聴き取れず。

だがいかにも Cadenza っぽい作品が多いというのはこのレーベルの共通とするところで(そもそも Cadenza の周辺人脈が中心なんだから当たり前なんだけど)、今作も Dumitru Farcas の “Suita Din Tara Motilor” からサンプリングしたトラッドフォークっぽい音色が印象的な “Flöte” 、そしてこちらもオリエンタルな笛のサンプリングが印象的な “Clarinette” と両曲ともそれは変わらない。

でも一口に Cadenza っぽいといっても色々あるわけで、今作に関してはパーカッションがチャカポコと鳴る類のものではなく、以前のようなゆったりと風景が変容していくような感覚があるのがうれしいところ。
特にどんどん時間を引き延ばしていくかのような “Flöte” はかなり好きだ。

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Unknown Artist / Cae + Nin (RAL) 12″

Unknown Artist / Cae + Nin (RAL)

昨年のテクノって際立って新しい動きがあったという印象はなかったものの、作品自体は非常に良質なものが多く、そのせいか私もアナログを多く買った1年でした。でもそれらを全然紹介していなかったのでぼちぼち紹介していきたいと思います。
そんなもん今更紹介されても売ってねぇじゃねぇか、っていわれたらその通りなんですけどね。えぇ、すいません。

ということで、昨年私が金をつぎ込んだアナログといえば、何をおいてもこれでしょう、ということで RAL の1枚目。

多分アナログ追いかけていない人には耳慣れないレーベル名だと思うんですが、 RAL というのは Ricardo and Luciano の略で、彼らの周辺アーティストが参加したネタモノブートレーベル。と、これだけで十分マニア心をくすぐるんですが、さらにカタログ番号がそのままドイツ品質保証協会のカラーコードになっているというのもにくいところ。

そんなレーベルからの1作目である本作(Discogs によれば2008年に出たみたい)は、 Caetano Veloso の “Depois que ile passar” と Nina Simone の “Sinnerman” をネタにした作品で、クレジットはないんだけど Luciano の手によるものだそう。

今作は最初のリリースという事で気合が入ったのか、このレーベルのリリースの中でもかなり上位に入る傑作なんだけど、中でも傑作なのがA面の “Cae” 。それはもちろんネタの Caetano Veloso の涼やかな歌声に因るところも大きいのだけれど、絶妙なタメの利いたキックと軽やかに鳴るパーカッションが、歌に寄り添いながらもきちんとダンス・トラックである事を主張していて、ネタモノ云々の面白さを抜きにしても素晴らしい曲。

一方裏の “Nin” は展開の多いリズムが Nina Simone のソウルフルな歌を盛り立てていて、これまた傑作なんだけど、乾いた音のスネアやベースラインなんかが、 Luciano が2009年に出したアルバム『TRIBUTE TO THE SUN』の “CELESTIAL” まんまなのが面白い。
ここで作ったリズムが気に入って、アルバムで再利用したってことなんでしょうか・・・。

ちなみに上では今作は Luciano 作という事で書いているけれども、 youtube に上がっている Jack Ridella という人の “Depois Que O Ile Passar” のリミックスが今作に収録されている曲と全く一緒なのよね。かといって Jack Ridella という人の事を調べてみても RA のページにイタリア出身であることが書いてあるの位しか見つからなくて、なんかよく分からんねぇっす。

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mirko loko / SEVENTYNINE remixes (Cadenza) 12″

mirko loko / SEVENTYNINE remixes (Cadenza)
http://www.cadenzarecords.com/

元 Lazy Fat People の片割れ Mirko Loko が今年の頭の方に出したシングルで、タイトル通り昨年出したアルバム『SEVENTYNINE』のリミックス盤。
そしてリミキサーが Carl Craig と Villalobos というかなり豪華な組み合わせなんですが、今作は両者とも期待を裏切らない素晴らしい出来でして、 Carl Craig の “Love Harmonic” のリミックスは軽快なパーカッションと扇情的なシンセでグイグイ盛り上げるテック・ミニマル、 Villalobos の “tahktok” のリミックスは原曲の子供の声のサンプルを軸にした、まるで鼻先をくすぐられているかのような心地よさのある柔らかなアンビエントで、双方とも Cadenza らしさから大きく外れることなく、それでもきちんと独自性を出している。

これは Cadenza レーベルの作品の中でも会心の出来なのではなかろうか。

あとデジタルだと Luciano のリミックスもあるんだけど、これはそのためにわざわざ買うようなもんじゃないです。

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Minilogue / Animals RMX (Cocoon) mp3

Minilogue / Animals Remixes (Cocoon)
http://www.cocoon.net/

昨年を代表するアルバムとなった Minilogue のアルバム『Animals』(過去記事)からタイトル曲のリミックス・カット。

まず最初は Luciano 。彼は最近オリジナルのトラックはほとんどリリースしないでリミックスばかりやっているような印象があるんだけど、もうすぐ出るアルバム用に曲溜め込んでたんですかね。まぁ完成度は全く落ちてないから別にいいのですが。
ということでこのリミックスも出来は上々で、彼らしいための効いたリズムと軽やかなパーカッションが交差するミニマル・トラック。中盤から原曲で使われていた、それ自体が踊っているかのように跳ねる上モノが入ってくると、どうしてもその印象で埋め尽くされちゃう感じはあるんだけど、まぁそれは元が強烈なだけにしょうがないか。

次の Tolga Fidan という人のリミックスも、基本パーカッシブながらさわやかなテック・ミニマルになっていて、こちらもなかなかの好リミックスながら、やっぱり上モノが入ってくるとその印象に負けちゃう感じ。

残る Beat Pharmacy も原曲の上モノを使っていはいるものの、ダブの音響で飲み込んでいて、この人がある意味一番うまく料理できてますかね。まぁ原曲とダビーな音響との水と油ッぷりがすごいけど、その分面白いリミックスにはなっています。

あとデジタルだともう1曲 Beat Pharmacy のリミックスが入ってるんだけど、こちらは普通のダブ・ミニマル。

Minilogue - Animals Remixes

V.A. / Cadenza CONTEMPORARY 01 & CLASSICS (CADENZA) 2CD


http://www.cadenzarecords.com/

Luciano が主催するレーベル、 Cadenza の初となるコンピレーションと、レーベル音源を使ったミックスの2枚組み。2007年リリース。

最近のパーカッシブ・ミニマル(ちょっと落ち着いてきたかな?)とは似て非なる、このレーベルの音楽的な部分と、ゆっくりと景色が流れていくような感覚というものが、こうやってレーベル・コンピとミックスCDという形になるとよく分かって、しかもそれがとんでもなく素晴らしいという、まことにもってコンピのお手本のような傑作。

なんだけれども、あえて不満を書けば選曲の部分で、コンピのほうはカタログ番号1から6まで、ミックスの方は16から22番くらいのものが使われていて、個人的に好きな8、9、11あたりがすっぽりと抜け落ちているんですよね。
まぁその辺は次のコンピに入るんだろうから、いいんだけどさ。

あとコンピの3曲目は “Extension” じゃなくて “Oregon” ですね。

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Loco Dice / 7 Dunham Place Remixed (DESOLAT) mp3

Loco Dice / 7 Dunham Place Remixed (DESOLAT)
http://www.desolat.com/

一体どういった人脈で連れてくるのかは分からないが、とにかく毎回豪華な Loco Dice 主催のレーベル Desolat なわけですが、昨年のアルバム『7 DUNHAM PLACE』(過去記事)からのリミックス・カットとなる本作も、非常に豪華なリミキサー陣となっています。

まずはチリ出身、現在は Hardwax で働いている(働いてただっけ?) Cassy のリミックス。彼女は非常に湿り気のある、割とぼやかしたような音像のトラックを作ることが多い人なんですが、今作では丸みを帯びながらもくっきりとした音像に仕上げていて、全然悪くはないものの、彼女特有のぬめり気がない分物足りないかしら。
そして同じくチリ出身の Luciano によるリミックスは、若干サイケデリックな色合い漂う、彼にしては珍しい感じのリミックスなんだけど、これも Cassy 同様、悪くないんだけど、いつもの Luciano の水準からするとちょっと下がるかな。

一方今作で奮闘してるのがベテラン勢で、 DJ Sneak による “Pimp Jackson Is Talkin’ Now” のリミックスは、原曲がシカゴっぽいせいもあってか、跳ねるリズムを軸にした、かなりファンキーな仕上がりで、かなり盛り上がる。また Mike Huckaby によるリミックスも、単体で聴いてあまり踊る感じになる曲ではないものの、ループするピアノが独特な雰囲気を醸し出していて、呪術的な魅力を放つミニマル・トラックになっていて面白い。

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Luciano & Mirko Loco / Family EP (DESOLAT) mp3

Luciano & Mirko Loco / Family EP (DESOLAT)
http://www.desolat.com/

5番の Jay Haze (過去記事)から間髪いれずリリースされた6番は、 Luciano と元 LAZY FAT PEOPLE の Mirko Loco による共作。Luciano って CADENZA 立ち上げたばかりの頃は、出す曲ほとんどが誰かとの共作だったけど、何気に久しぶりですね。

Lucianot というと、何度も書くが transmat のコンピ『TIME:SPACE_02』に Lucien Nicolet 名義で参加していたような人で、方や LAZY FAT PEOPLE は Plane E からシングルを出している人達なので、この二組の相性が悪いはずもなく、当然のようにこのシングルも素晴らしい。

1曲目の “Serena” は、初期の Luciano に近いトラックで、繊細な上モノが幾重にも重なって美しさを奏でるディープ・ミニマル。しかし変則的なリズムの多く、ややリスニング向けだった初期 Luciano に比べ、しっかりとしたダンス・グルーヴを持っているのは流石。
続く “Liah” も、大枠では “Serena” と同系統の曲ながら、リズムの強度を増すことにより、また違った表情を見せいている。
3曲目のトライバルな “Mousa Big Band” はややありきたりかなという気もするんだけど、他の2曲が素晴らしいので全く問題ない。やっぱり現在のミニマルにおいて、 Luciano の才能が頭一つ抜きん出ている事を実感するシングルです。

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DINKY / Get Lost 03 (Crosstown rebels)mp3

Get Lost 03
http://www.crosstownrebels.com/

チリ出身の女性アーティスト、 Dinky が昨年 Crosstown rebels から出したミックスCDが、何故か彼女のサイトからフリーで落とせるようになっているのでご紹介。
チリ出身の女性アーティストというと、彼女のほかに最近では Cassy がいますが、 Cassy が Villalobos に近い、大雑把にいえばねっとり系なのに対して、 Dinky の方は Luciano に近い爽やか系で、このミックスも、基本パーカッシブなもの中心に、しかし終始軽快さを失わずに進むので、気持ちよく聴ける。
まぁ難をいえば、あまり抑揚がなく、特に大きな盛り上がりがないまま終わってしまうので、騒ぎたい人には不向きだろうけれど、彼女は夏に自身のレーベル Horizontal のショウケース・ミックスを、秋には Vakant から3枚目のアルバムと、リリースが続く予定なので、これで予習するのもいいのではないかと。

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V.A. / shut up and dance! updated (Ostgut Ton)CD

shut up and dance! updated
http://www.ostgut.de/ton/

昨日紹介した Ostgut Ton なんですけれども、今までこのレーベルの作品は『Serenity』買うまで1枚も持っていないと思っていたら、実は2枚ほど持っている事が判明しまして。1枚は以前紹介した cassy のミックスCD『Panoramabar 01』、そしてもう1枚が本作。

staatsballett berlin (ベルリン国立バレエ団)とのコラボレーションによるモダンアートの為の音楽らしいんだけど、その情報から想像されるようなクラシック系のものでは全くなく、流石ベルリンというべきか、全てミニマル系。しかも面子が Cadenza 等からリリースする nsi. 、 現在ミニマルの極北の最も近くにいると思われる sleeparchive 、 そしてご存知 Ame に Luciano 、さらには Luke Slater の変名である The 7Tth Plain と、私みたいな人間にとっては超豪華。

でもですね、このアルバムに関しては何はなくとも Ame の “Fiori” ですね。このアルバムから唯一アナログ・カットされた曲でもあるわけですが、大きな螺旋階段を上るように、ゆっくりゆっくりと厚みを増していく壮大な曲で、コレはもう文句なしの名曲。正直 Ame って “Rej” 以降どれもパッとしない印象だったんだけど、そんな印象も吹っ飛びました。
あとの曲は比較的抑え目の曲が多いんだけど、変則的なリズムが印象的な nsi. 、ふか~いダブ・ミニマルな sleeparchive 、いつも以上に流麗なラテン・ミニマルを聴かせる Luciano 、アンビエントっぽい The 7th Plain と良曲揃い。極の寄せ集め的印象の強いミニマル系のコンピの中でも、しっかりとコンセプトが音からも感じられる傑作ではないかと。

しかしこんな音楽をバックに、どんな踊りを見せてくれるんですかねぇ。この舞台見てみたいわぁ~。(と思ったら、舞台見た人のレポ発見。うらやましい・・)

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LUCIANO / FOURGES ET SABRES (PERLON)12″

FOURGES ET SABRES
http://www.perlon.net/

盟友 villalobos と共に曲が長くなる一方の luciano 。今作は2曲で30分越え。しかしコレがもう素晴らしいのですよ。
まぁいつものパーカッシブで繊細な上モノが乗った、正に luciano って感じの曲ではあるんだけど、今作では美しい風景がゆったりと流れていくような感覚が強くて、ホント映画でも見ているかのような、とてもイマジネイティブな至福の時間が味わえる。まぁその分、クラブ・トラックの機能性は少し弱いんだけど、この美しさの前ではそんなの関係ないですね。
もう是非こんな感じでアルバム作ってほほしい。

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luciano / live @ weetamix (max.ernst)CD

luciano / live @ weetamix
http://www.max-ernst.de/

最近猛暑のせいで何にもやる気が起きないので、とりあえず今聴いてるのを書いてみよう。

luciano こと Lucien Nicolet といいますと、最近では自身のレーベルである Cadenza から、以前は Mental Groove から作品を出すことが多かったのだけれど、初のアルバムは意外にも thomas brinkmann の max.ernst から。っていってもライヴ盤なんですが。
この盤は luciano がまだそれほど注目を集めていない時期にリリースされたので、録音時期などの情報が全く分からないんだけど、内容的には現在のエレクトリックな質感よりは、こちらの方がはるかに生っぽい。しかし彼らしい叙情性とパーカッション使いの巧みさはここでも十分に感じられて、さらにビートの組み立て方もパーカッシブ。アメリをサンプリングしたことで有名な『Amerie On Ice』が “Arzier” という名前で収録されていたり、後半には『Blind Behaviour』に近いメロディも聴けるんだけど、 luciano の作品の中でもここまでパーカッシブなのってないんじゃないでしょうか。まぁ単純にライヴだからってことなのかもしれないけど。
あと luciano は現在ライヴは行っていないんだけど、以前のライヴ音源とか聴いてみても、基本的にここで聴ける音とほとんど変わらないのよね。DJには定評のある人だけど、ライヴは苦手だったのかしら。

視聴

LUCIANO/No Model No Tool (Cadenza) 2LP

LUCIANO/No Model No Tool
http://www.cadenzarecords.com/

何か最近仕事中常に眠いんだけど何でなんでしょうか。答えは簡単。単に夜寝てないから。だったら早く寝ろよって話なんですが。

なんかこのインタビューで語っている2枚目のアルバムが一向に出る気配のない Luciano さんなんですが、これは自身のレーベルからの新シリーズの第一弾。Cadenza は比較的叙情的な曲が多いレーベルなんだけど、このシリーズではDJツール的なものをリリースしていくんだとか。
で、その第一弾という事で気合入れてレーベル・オーナーの Luciano がご登場というわけなのですが、最近ノリにノッっている Luciano さんであるからして、今作も当然のように傑作。
アナログ2枚組みとなる本作は、1枚目の各片面に長尺のダンス・トラックが1曲づつ。そして2枚目にノン・ビートの曲が6曲という構成になっているのだけれど、やはり私が好きなのは1枚目のダンスものの方。パタパタと鳴るパーカッションが気持ちいい A1 、絶妙なタメを利かせる B1 と両方いいんだけど、共にダンサブルでありながら、どこかゆったりとした流れを感じさせるのが心地よい。一転2枚目の方はノン・ビートでもアンビエントというよりは映画音楽とかに近い感じ。全然悪くはないんだけど、アナログで聴きたい感じではないかな。しかし Luciano の異彩は確かに刻み込まれていて、コレはコレで興味深い。

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V.A./THE SILVERBIRD CASINO(dnp)CD

V.A./THE SILVERBIRD CASINO
http://www.dnp-music.com/

一時期の勢いはすっかりなくなり、またぼちぼちな更新ペースになっておりますが、最近はそれ程塩化ヴィニールも合成プラスチックも買っていないはずなのに紹介してない音盤が溜まる一方。なのでここら辺で矢継ぎ早に紹介でもしようかと思うのですが、如何せんやる気が出ない・・・。
とまぁいきなり後ろ向きですが、このアルバム自体は比較的よく聴いていて、出たのは去年の末かな?とりあえず面子の豪華さに抗えず買ったコンピであります。

まず冒頭の Cassy の曲が強烈で、所謂チリアン・ミニマルの人ってぬめり気のあるトラックを作る人が多いけど、そのなかでもこの Cassy は飛びぬけてますね。いつものように自身の声を使ったトラックなんだけど、8分強ひたすら耳に生ぬるい息を吹きかけられているような気持ち悪さがあって、でもその気持ち悪さが癖になる。以降もアブストラクトな Dimbiman 、パーカッシブながら美しい Luciano 、そしていつも通り激ミニマルな Sleeparchive と、総じてトラックのレベルは高い。さらに最後の Ricardo Villalobos がまたネチネチとしたいやらしいトラックで、なんか湿度の高さが非常に印象的な一枚。ちょっと面子の豪華さのわりに内容は好事家向けな感じもするけど、いいコンピです。

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Ricardo Villalobos & Luciano/Something Bad(I Need A Freak)12″

Ricardo Villalobos & Luciano/Something Bad

1,2年前に発売されたマイコーネタのクリックの再発盤。
マイコーネタのものだと Geoff White Jackstone 名義でのものが思い浮かびますが、今作は LucianoVillalobos の仲良しコンビ。
音の方は両面ともいつものパーカッシブな面が控えめで、ちょっとどういう作業分担がなされたのかよく分からないんだけど、アブストラクトなミニマルのA面は Villalobos の、キックのアタック感が強く非常にダンサブルなB面は Luciano の色が強いかな。
そんな感じでそれぞれのトラック共になかなか秀逸だとは思うんだけど、これに関しては結局のところ途中で入ってくるマイコーの声が全部持っていっちゃう感じですね。やっぱこの声が入ってくるだけでファンキー度が全然違いますもん。
なんかマイコー自身のニュースになるとあまり最近いい話聞きませんが、これだけマイコーネタのブートとかが出るって事は需要があるってことだろうから、早いとこ大復活してほしいものです。

視聴→CISCO
[Tracklist]

V.A./TSUNAMI RELIEF(TSUNAMI RELIEF)CD

V.A./TSUNAMI RELIEF

ちょっと前のアルバムなんだけど、2004年のスマトラ沖地震のチャリティ・アルバム。因みに主催は Jay Haze 。彼は自身のアルバムのタイトルを『Love for a Strange World』
(過去記事)としてみたり、最近出た Fuckpony 名義でのアルバムも『Children Of Love』だったりと社会意識の強い人みたいですね。

そして参加メンバーは、活動が多岐にわたる Jay Haze が声をかけただけあっって、クリック/ミニマル周辺の主要アーティストが勢揃いといった感じになっています。

しかしその参加メンバーからくる期待に比べると作品としてイマイチというか、全体的な完成度は高いんだけど、どうも抜きん出たトラックがないんですよね。

その中でも目玉は和尚による久々の F.u.s.e. 名義での曲なんだろうけど、これはぼんやりしたアンビエントでイマイチ。
それ以降もいつもより幾分ストレートなRicardo Villalobos Vs Jay Haze や、軽快なミニマル・ハウスな Andre Galluzzi &Guido Schneider 、激パーカッシブなのにやっぱり低血圧ファンクな Luciano 、そして最後にふさわしい幻想さを持つ Swayzak と、それなりに面白いトラックもあるんだけど、やっぱり全体としてはどうも印象に残らないんですよね。

それでも各アーティストの色は出ているので、ミニマルに普段馴染みのない人には便利だろうし、ノン・ストップな構成(ミックスはされてない)なので流し聞きにはちょうどいいんだけど。

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Luciano/Sci.Fi.Hi.Fi Volume2(SOMA)CD

Luciano/Sci.Fi.Hi.Fi Volume2
http://www.somarecords.com/

先頃行われた Metamorphose にDJで参加していたLuciano 。そのプレイがあまりに評判が良かったものだから、今晩渋谷で、明晩大阪でDJやるそうです。私は今日のに行きたかったんだけど、結局行けなそう・・・・。なので代わりというわけでもないんだけど、彼のミックスCDを聴いてます。

2000年に Mental Groove よりデビューして以降、様々なレーベルから作品をリリースしている彼は、今までに『Blind Behaviour』というアルバムと、『live@weetamix』というライヴ盤を出しているが、ミックスCDはこれが以外にも初。

この人のミックス音源ってあまり聴いた事がないんだけど、ここでのプレイは彼のトラックから連想されるような、非常に淡々とした温度低めなもの。多分普段ハード・ミニマルとか聴いてる人には、このスカスカ具合はかなり寂しく感じるのではないでしょうか。それでも中盤に進むにしたがって徐々に温度が上がっていって、繊細なエレクトロニクスが顔を出すのがなんとも気持ちいい。特に終盤の Villalobos からの流れの美しさは正に圧巻。ここらへんのセンスはやはり彼ならではのものだと思います。

ん~、やっぱり今夜行きたいかも。どうしよう・・・・・。

視聴→CISCO
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V.A./SUPERLOOOONGEVITY(PERLON)4LP

PERL56.jpg
http://www.perlon.net/

依然としてミニマルの代表レーベルとして高い人気を誇る Perlon の4枚目のコンピはアナログでは4枚組み、CDでは2枚組みという大ボリューム。

コンピにどのような役割を持たせるかというのはレーベルによって様々だと思うんだけど、このアルバムではわりとみなさん新しいスタイルというのを追求しています。そしてこのアルバムにはミニマルの有名アーティストの大半が参加しているわけで、つまりはシーンの新局面とも取れるものだと思います。

ってなんか大げさに書いてみたけど、内容の方はちょっと微妙。

とりあえず一番驚いたのが Villalobos 。彼は最近自分の新しいスタイルを色々模索しているように思えるんだけど、中でもこれはかなり実験的。ポスポスとした軽めのキックの上に、いつもの不協和音にも近い不安定なメロディが乗る曲で、これをフロアでかけるには相当な技術とセンスが要求される気がします。
他にもまぁ実験的な曲は多いんだけど、それ以外に全体的な印象として、妙にダブっぽいというかモクモクした雰囲気のものが多く、そのせいでこのレーベル特有のユーモアが殺がれちゃってる気がします。兎角シリアスになりがちなミニマルの中で、そのユーモアを保持し続ける姿勢は貴重に思えただけに、この変化はちょっと残念。
まぁ各トラックの質は高いんだけどね。
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ISOLEE/THE WESTERN EDITS PT.1(PLAYHOUSE)2LP

play120.jpg
http://www.ongaku.de/

なんかびびんばさんが ISOLEE のアルバム紹介してたので、私はそのアルバムのリミックスでも。

この人ってレーベルメイトの LOSOUL の影の薄さに比べて未だ高い注目度を保っているけど、そこらへんを反映してかリミキサーもかなり豪華。

で、私としては Villalobos と Luciano に注目してしまうわけですが、どちらもいまひとつかなぁ。
Luciano はデビュー・アルバムでみせたのとは違う、思いっきりエコーを効かせたサウンドでダブに接近していて興味深くはあるんだけれども、結果として出来たサウンドは Portable とかぶった感じなのよね。
あと Villalobos の方も、彼のねちっこい感じと ISOLEE の妖しい感じを融合させようとしたんだろうけれど、なんとも中途半端でこれも消化不良。
結局一番期待してなかった Glimmers のエレクトロ・ダブ・ハウスなリミックスが一番良かったです。

でも片面1曲ずつという強気な姿勢は好きですが。

視聴→Isol!)e - The Western Edits, Pt. 1 - EP

[Tracklist]

Ricardo Villalobos / ACHSO (CADENZA) 2LP

c08.jpg 
http://www.cadenzarecords.com/

最近気が付けば『メジャー』を読みふけっている毎日で、どうにもこうにも止まりません。

VIllalobos って日本でも最近知名度が上がってきたけど、彼の作品を熱心に聴いている人ってまだまだ少ない気がします。確かに安易な分かりやすさとは無縁のトラックは一聴地味だし、2枚出ているアルバムも『Alcachofa』はアブストラクトすぎるかもしれないし、『THE AU HAREM D’ARCHIMEDE』は実験的過ぎると感じるかもしれない。そんな人はこの作品はどうでしょう。って、アナログなんで聴く人かなり限定しちゃうんだけど。
Cadenza といえば Villalobos の盟友 Luciano が主催するレーベルであり、独自のアブストラクト・ミニマルを追求しながらも決してグルーヴを損なうことのない今最も素晴らしいレーベルの1つです。

そんなレーベル・カラーを意識してなのか違うのか、とにかくこの作品は最近の彼の作品の中でも特にダンス色が濃いんですよね。
とにかく圧倒的なのがA1!細かく刻まれるリズムの上でなるオリエンタルな響きの音色にまずモッてかれるんだけど、その後乾いたドラムの音に続いて硬いキックが入ってきた時のストレートな快感って、今までの彼にはあまり見受けられなかったものではないでしょうか。それからもノスタルジックなメロディを奏でる上ものと(これ何の楽器だろう?)リズムが付かず離れず不思議な空間を作り出していきます。
他の曲も、彼の変態系粘着質ミニマルでみられるような独自性を持ったまま、ダンサブルなグルーヴが前面に出ていて、そこら辺を物足りなく感じていた人の不満をかなり解消してくれるのではないでしょうか。そしてこの作品には、さすがにポップとまでは行かないにしても、何かすっきりとしたような明快さというものが感じられて私はそこを一番評価したい(蛇足ながら、以前 HEADZ の西山さんが「最近の Villalobos はポップに挑戦してる」って書いてたんだけど、その成果って事かしら)。そして何度も書いているように独自性は全く失われていないのだから、いやはや本当に素晴らしい作品です。

一応2月になったら iTunes で買える様になるみたいだけど、日本ではどうだろう。

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SALIF KEITA/REMIXES FROM MOFFOU(Universal)CD

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http://salifkeita.artistes.universalmusic.fr/

アフリカ繋がりでもう一枚。ユッスー・ンドゥルと共にアフリカを代表するアーティスト、サリフ・ケイタのリミックス盤。
この手のワールド・ミュージックのリミックス盤って色々あるけど、私は普段ここら辺のはあんまり買わないんですよね。というのも参加している面子がいつもいっしょなので退屈に思えるからなのですが。そして今作にもフレデリック・ガリアーノやオスンラデといったいかにもな人たちが参加しているんだけど、何故かアークルチアーノも参加しているのよね(あと未聴ながら5枚組みのアナログにはキャバンヌも)。
内容的には皆さん基本的に4つ打ちのリミックスなんだけど、これは原曲のせいなのかポータブルとは逆に祝祭感に溢れてるんですよね。あとみんなサリフのヴォーカルをわりと残しているんで統一感あります。
しかしその中でも一等賞はやはりルチアーノでしょうか。強烈な4つ打ちに、チャカポコと鳴り絶妙なアクセントをつけるパーカッション。そして波のように寄せては返すアコースティック・ギターとまんまルチアーノ。あと一人物憂げなチャールズ・ウェブスターのリミックスもいい感じです。

しかしユッスー・ンドゥルといいサリフ・ケイタといい、結構な年のわりに妙に声が高いですよね。これってアフリカ特有のものなのかしら?

Remixes from Moffou
Salif Keita

Decca 2004-04-06
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RICARDO VILLALOBOS / THE AU HAREM D’ARCHIMEDE (PERLON)3LP

THE AU HAREM D’ARCHIMEDE
http://www.perlon.net/

なんだかこれも難しい作品だねぇ。まだそんなに回数聴いてないんだけど、全然全体像がつかめません。っていうかね、長いよ長い。CDは1曲少ないって前書いたけど、アナログだと80分超えちゃうのね。まぁ、そんなこんなでとりあえず。

この Villalobos にしてもLuciano にしても、あとPortable もそうなんだけど所謂クリック/ミニマル系の人ってパーカッションをあからさまに使わないんだよね。っていうのは何度か書いてますが。トライバル・テクノみたいにズンドコした感じではなく、うっすらと、でも手数の多いパーカッションを乗せることが(大雑把に言うと)多いかなと。そしてそのパーカッションにプラスして、キックとスネアの絡みでグルーヴを作っている印象のあるほかの二人に比べ、この人はそのパーカッションとそこにまとわりつく様なベース・ラインでグルーヴを作ってる感じがするんですよね。だから Villalobos の作る音はとてもねっとりしてる。

でもそれに比べるとこのアルバムは音全体がパーカッシブになった印象ですね。しかしだからといって今までよりも機能的で分かりやすい音になったのかというと、そんな事ないのがまた難しい。なんかね、音の位相とか、各チャンネルの音とかが変なんだよね。変な所で変な音が飛び出してきたり、全体的な音が小さいのにベース音だけでかかったり。かといってこの人のねっとりとしたグルーヴはまったく損なわれていないのだから恐ろしい。なんか前から、こちらがイキそうなのにイカせてくれないみたいなところはあったけど、それがより強まった感じ。とりあえず相当変態的な音なのは間違いないかと。

それにしても前作からわずか1年でこれだけのアルバムをもう作っちゃうんだから、この人の今のテンションはすごいね。

[Tracklist]