Luciano / Cachai (Cadenza) mp3

Luciano / Cachai (Cadenza)
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今年中にはこの名義では2枚目となるアルバムが出るという Luciano が2013年3月に発表したシングル(アルバムからの先行なんですかね)。

昨年発表された『Rise Of Angel』(関連記事)はキックの入る事がない、およそクラブ・トラックとは言いがたい作品でしたが、今作は2曲とも四つ打ちのキックの入ったミニマル・ハウス。

お化けが出るときの BGM に使うような楽器(あの「ヒュードロドロ」ってやつ。名前知らない)をメインに、そこにオルガンが絡む “Cachai” 、パーカッシブなリズムの上で、これまたオリエンタルな上モノが印象的な “Dance Unity” と、両曲共に悪くはないものの、ちょっと今までの Luciano の作品と比べるとひねりがなさ過ぎて物足りない出来。

この分かりやすさがイビザでパーティーをやるようになった影響なのかは分からないが、アルバムもこの路線だときついなぁ・・・。

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Luciano / Rise Of Angel (Cadenza) mp3

Luciano / Rise Of Angel (Cadenza)
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Cadenza を主催する Luciano が、自身のレーベルから2012年11月に発表したシングル。
Cadenza のリリースが活発であったり、彼自身も他アーティストへのリミックス提供や DJ ミックス等を発表していたのでご無沙汰感はあまりないが、自信の名義での作品は2009年の『TRIBUTE TO THE SUN』以来初。

その『TRIBUTE TO THE SUN』はタイトル通り、淡い陽光が降り注ぐような清らかな祝祭ムードの作品だったが、今作はそこから一歩踏み出して、という表現が適切なのかどうかは分からないが、キックの入らない簡素なリズムの上に、弾むようなシンセと、これまたシンプルながらも印象的なピアノが乗る、陽性の美しさを持ったものになっている。

つまりはダンストラックといえるような屈強なリズムがあるわけでもなく、かといってアンビエント的とはいい難い、はっきりとした輪郭をもっていて、 Luciano にダンス・トラックを期待する向きには戸惑いさえ感じてしまうほどポップな曲になっている。

しかし16分かけて徐々に音を重ねながら多幸感を増していく構成は今までと変わらぬものであり、また Cadenza より以前の彼がそれほどダンスに重きを置いた作品を作っていなかった事を考えると、アルバムの延長線上での原点回帰にも思えて、なかなかに面白い。

表題曲以外では、 Cadenza からリリース経験のあるアーティストによるリミックスが3曲収録されていて(アナログは1曲)、全てが四つ打ちのキックを足したダンス・トラックになっている。
Mirko Loko によるリミックスは、最近の彼が使うひしゃげたような音のリズムが足されていて、この音があまり好きではない私にはイマイチ。
一方 Andrea Oliva と Uner は、このレーベルらしいパーカッシブなリズムのリミックスをしていて良いのだが、比較的淡々とした感じの Andrea Oliva よりは、スネアなども交えより有機的なグルーヴを作り出している Uner の方が好きかしら。

Rise of Angel (Remixes) - Luciano

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Luciano / Vagabundos 2011 (Cadenza) mp3

Luciano / Vagabundos 2011 (Cadenza)
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Luciano がイビザでやっているパーティー「Vagabundos」をテーマにしたミックス。最近2012年版が出ましたが、これは2011年版(出たのは今年だけど)。

この人の DJ って生では聴いた事ないんだけど、いつの間にやら PC でやるようになっていたようで、ご多分に漏れず今作も数曲を同時に重ねたようなミックス。なので最初は音数が多すぎな気がするんだけど、いったん体になじんでしまえば、派手さはないものの、緩やかに盛り上がる柔らかなグルーヴに身をゆだねられる。

ただ以前よりもヴォーカル・トラックなども増えてより分かりやすくなった分、展開や抜き差しで耳をひくような場面が減って、ただの気持ちがいいハウス・ミックスにとどまってしまっている感も否めず。まぁ好きだけど。

ちなみに今作はなぜかファイルでしか出てないみたい。

Unknown Artist / Flöte + Clarinette (RAL) 12″

Unknown Artist / Flöte + Clarinette (RAL)

この前紹介した RAL の2枚目。
例によって誰が手がけているかは分からないのだけれど、テクニークによると Rhadoo と Petre Inspirescu の仕事だそう。しかし『RAL1001』が Luciano の特徴が分かりやすく出ていたのに比べると、こちらはちょっと作者の色までは聴き取れず。

だがいかにも Cadenza っぽい作品が多いというのはこのレーベルの共通とするところで(そもそも Cadenza の周辺人脈が中心なんだから当たり前なんだけど)、今作も Dumitru Farcas の “Suita Din Tara Motilor” からサンプリングしたトラッドフォークっぽい音色が印象的な “Flöte” 、そしてこちらもオリエンタルな笛のサンプリングが印象的な “Clarinette” と両曲ともそれは変わらない。

でも一口に Cadenza っぽいといっても色々あるわけで、今作に関してはパーカッションがチャカポコと鳴る類のものではなく、以前のようなゆったりと風景が変容していくような感覚があるのがうれしいところ。
特にどんどん時間を引き延ばしていくかのような “Flöte” はかなり好きだ。

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Unknown Artist / Cae + Nin (RAL) 12″

Unknown Artist / Cae + Nin (RAL)

昨年のテクノって際立って新しい動きがあったという印象はなかったものの、作品自体は非常に良質なものが多く、そのせいか私もアナログを多く買った1年でした。でもそれらを全然紹介していなかったのでぼちぼち紹介していきたいと思います。
そんなもん今更紹介されても売ってねぇじゃねぇか、っていわれたらその通りなんですけどね。えぇ、すいません。

ということで、昨年私が金をつぎ込んだアナログといえば、何をおいてもこれでしょう、ということで RAL の1枚目。

多分アナログ追いかけていない人には耳慣れないレーベル名だと思うんですが、 RAL というのは Ricardo and Luciano の略で、彼らの周辺アーティストが参加したネタモノブートレーベル。と、これだけで十分マニア心をくすぐるんですが、さらにカタログ番号がそのままドイツ品質保証協会のカラーコードになっているというのもにくいところ。

そんなレーベルからの1作目である本作(Discogs によれば2008年に出たみたい)は、 Caetano Veloso の “Depois que ile passar” と Nina Simone の “Sinnerman” をネタにした作品で、クレジットはないんだけど Luciano の手によるものだそう。

今作は最初のリリースという事で気合が入ったのか、このレーベルのリリースの中でもかなり上位に入る傑作なんだけど、中でも傑作なのがA面の “Cae” 。それはもちろんネタの Caetano Veloso の涼やかな歌声に因るところも大きいのだけれど、絶妙なタメの利いたキックと軽やかに鳴るパーカッションが、歌に寄り添いながらもきちんとダンス・トラックである事を主張していて、ネタモノ云々の面白さを抜きにしても素晴らしい曲。

一方裏の “Nin” は展開の多いリズムが Nina Simone のソウルフルな歌を盛り立てていて、これまた傑作なんだけど、乾いた音のスネアやベースラインなんかが、 Luciano が2009年に出したアルバム『TRIBUTE TO THE SUN』の “CELESTIAL” まんまなのが面白い。
ここで作ったリズムが気に入って、アルバムで再利用したってことなんでしょうか・・・。

ちなみに上では今作は Luciano 作という事で書いているけれども、 youtube に上がっている Jack Ridella という人の “Depois Que O Ile Passar” のリミックスが今作に収録されている曲と全く一緒なのよね。かといって Jack Ridella という人の事を調べてみても RA のページにイタリア出身であることが書いてあるの位しか見つからなくて、なんかよく分からんねぇっす。

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mirko loko / SEVENTYNINE remixes (Cadenza) 12″

mirko loko / SEVENTYNINE remixes (Cadenza)
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元 Lazy Fat People の片割れ Mirko Loko が今年の頭の方に出したシングルで、タイトル通り昨年出したアルバム『SEVENTYNINE』のリミックス盤。
そしてリミキサーが Carl Craig と Villalobos というかなり豪華な組み合わせなんですが、今作は両者とも期待を裏切らない素晴らしい出来でして、 Carl Craig の “Love Harmonic” のリミックスは軽快なパーカッションと扇情的なシンセでグイグイ盛り上げるテック・ミニマル、 Villalobos の “tahktok” のリミックスは原曲の子供の声のサンプルを軸にした、まるで鼻先をくすぐられているかのような心地よさのある柔らかなアンビエントで、双方とも Cadenza らしさから大きく外れることなく、それでもきちんと独自性を出している。

これは Cadenza レーベルの作品の中でも会心の出来なのではなかろうか。

あとデジタルだと Luciano のリミックスもあるんだけど、これはそのためにわざわざ買うようなもんじゃないです。

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Minilogue / Animals RMX (Cocoon) mp3

Minilogue / Animals Remixes (Cocoon)
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昨年を代表するアルバムとなった Minilogue のアルバム『Animals』(過去記事)からタイトル曲のリミックス・カット。

まず最初は Luciano 。彼は最近オリジナルのトラックはほとんどリリースしないでリミックスばかりやっているような印象があるんだけど、もうすぐ出るアルバム用に曲溜め込んでたんですかね。まぁ完成度は全く落ちてないから別にいいのですが。
ということでこのリミックスも出来は上々で、彼らしいための効いたリズムと軽やかなパーカッションが交差するミニマル・トラック。中盤から原曲で使われていた、それ自体が踊っているかのように跳ねる上モノが入ってくると、どうしてもその印象で埋め尽くされちゃう感じはあるんだけど、まぁそれは元が強烈なだけにしょうがないか。

次の Tolga Fidan という人のリミックスも、基本パーカッシブながらさわやかなテック・ミニマルになっていて、こちらもなかなかの好リミックスながら、やっぱり上モノが入ってくるとその印象に負けちゃう感じ。

残る Beat Pharmacy も原曲の上モノを使っていはいるものの、ダブの音響で飲み込んでいて、この人がある意味一番うまく料理できてますかね。まぁ原曲とダビーな音響との水と油ッぷりがすごいけど、その分面白いリミックスにはなっています。

あとデジタルだともう1曲 Beat Pharmacy のリミックスが入ってるんだけど、こちらは普通のダブ・ミニマル。

Minilogue - Animals Remixes

V.A. / Cadenza CONTEMPORARY 01 & CLASSICS (CADENZA) 2CD

Cadenza Contemporary 01 & Classics
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Luciano が主催するレーベル、 Cadenza の初となるコンピレーションと、レーベル音源を使ったミックスの2枚組み。2007年リリース。

最近のパーカッシブ・ミニマル(ちょっと落ち着いてきたかな?)とは似て非なる、このレーベルの音楽的な部分と、ゆっくりと景色が流れていくような感覚というものが、こうやってレーベル・コンピとミックスCDという形になるとよく分かって、しかもそれがとんでもなく素晴らしいという、まことにもってコンピのお手本のような傑作。

なんだけれども、あえて不満を書けば選曲の部分で、コンピのほうはカタログ番号1から6まで、ミックスの方は16から22番くらいのものが使われていて、個人的に好きな8、9、11あたりがすっぽりと抜け落ちているんですよね。
まぁその辺は次のコンピに入るんだろうから、いいんだけどさ。

あとコンピの3曲目は “Extension” じゃなくて “Oregon” ですね。

[曲目]

Loco Dice / 7 Dunham Place Remixed (DESOLAT) mp3

Loco Dice / 7 Dunham Place Remixed (DESOLAT)
http://www.desolat.com/

一体どういった人脈で連れてくるのかは分からないが、とにかく毎回豪華な Loco Dice 主催のレーベル Desolat なわけですが、昨年のアルバム『7 DUNHAM PLACE』(過去記事)からのリミックス・カットとなる本作も、非常に豪華なリミキサー陣となっています。

まずはチリ出身、現在は Hardwax で働いている(働いてただっけ?) Cassy のリミックス。彼女は非常に湿り気のある、割とぼやかしたような音像のトラックを作ることが多い人なんですが、今作では丸みを帯びながらもくっきりとした音像に仕上げていて、全然悪くはないものの、彼女特有のぬめり気がない分物足りないかしら。
そして同じくチリ出身の Luciano によるリミックスは、若干サイケデリックな色合い漂う、彼にしては珍しい感じのリミックスなんだけど、これも Cassy 同様、悪くないんだけど、いつもの Luciano の水準からするとちょっと下がるかな。

一方今作で奮闘してるのがベテラン勢で、 DJ Sneak による “Pimp Jackson Is Talkin’ Now” のリミックスは、原曲がシカゴっぽいせいもあってか、跳ねるリズムを軸にした、かなりファンキーな仕上がりで、かなり盛り上がる。また Mike Huckaby によるリミックスも、単体で聴いてあまり踊る感じになる曲ではないものの、ループするピアノが独特な雰囲気を醸し出していて、呪術的な魅力を放つミニマル・トラックになっていて面白い。

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Luciano & Mirko Loco / Family EP (DESOLAT) mp3

Luciano & Mirko Loco / Family EP (DESOLAT)
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5番の Jay Haze (過去記事)から間髪いれずリリースされた6番は、 Luciano と元 LAZY FAT PEOPLE の Mirko Loco による共作。Luciano って CADENZA 立ち上げたばかりの頃は、出す曲ほとんどが誰かとの共作だったけど、何気に久しぶりですね。

Lucianot というと、何度も書くが transmat のコンピ『TIME:SPACE_02』に Lucien Nicolet 名義で参加していたような人で、方や LAZY FAT PEOPLE は Plane E からシングルを出している人達なので、この二組の相性が悪いはずもなく、当然のようにこのシングルも素晴らしい。

1曲目の “Serena” は、初期の Luciano に近いトラックで、繊細な上モノが幾重にも重なって美しさを奏でるディープ・ミニマル。しかし変則的なリズムの多く、ややリスニング向けだった初期 Luciano に比べ、しっかりとしたダンス・グルーヴを持っているのは流石。
続く “Liah” も、大枠では “Serena” と同系統の曲ながら、リズムの強度を増すことにより、また違った表情を見せいている。
3曲目のトライバルな “Mousa Big Band” はややありきたりかなという気もするんだけど、他の2曲が素晴らしいので全く問題ない。やっぱり現在のミニマルにおいて、 Luciano の才能が頭一つ抜きん出ている事を実感するシングルです。

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