今回も簡単に。
例によって並びは順位とかではないです。
それにしても日本のアーティスト多いな…。
2019年下半期ベスト
2016年上半期ベスト
Perfume / Magic of Love (UNIVERSAL) CD+DVD
先日子供が通っている小学校の運動会を見たんですが、その中の一つに小学1年生による踊りがありまして、その音楽が Perfume の “未来のミュージアム” (関連記事)だったんですね。子供に人気のあるアイドルというと今は AKB と嵐が圧倒的に強いという印象なんですが(AKB の方が人気だろうけど)、そんな中にあって Perfume の音楽が使われたというのは、ドラえもんとのタイアップはそれなりに効果があったんだなぁ、という事を実感した出来事でした。
ただ、前回のタイアップが成功したからといって、今回も子供向け、なんてことはもちろんなく、 Perfume 18枚目となる今作は、いつもの彼女たちらしいダンス・ポップ。
親しみやすい音色のシンセと、ダンス・ミュージックとしては控えめな出音のリズム(グルーヴが無いって意味ではない)、そして Perfume にしては隙間のある音作りというのは、『⊿』辺りの時期の作風を思い起こさせるもので、新味というのは薄いんだけど(控えめにウォブルベースっぽい音が入っているのは、作者である中田ヤスタカの意地なんだろうか)、弾むようなメロディと、少し夢見がちな恋心を歌った歌詞がよく合っていて、なかなかの良曲。
ただ気になる部分もありまして、それは Perfume の歌唱。基本的に3人の事は歌唱力も表現力もある歌い手さんだとは思っているんだけど、この曲での彼女たちの歌はイマイチ声にハリが無かったり、音程がよたってる部分があったりと、どうも曲を自分たちのものに出来ていない感じがしてしまう。
まぁこれが痩せすぎなヴィジュアルを見たことによる先入観からきたものなら別にいいんだけど、ちょっと心配になってしまうシングルです。
カップリングの “Handy Man” は、アジアの民謡みたいな旋律(すげぇ適当に書いてる)が耳をひくわりには、総体としてはいつもの Perfume って感じのエレポップ。
Perfume / 未来のミュージアム (UNIVERSAL) CD+DVD
広島出身の3人組 Perfume が2013年2月に発表した17枚目のシングル。今作は映画『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』の主題歌なんだそう。
私は映画を1年に1本見るか見ないかの人間で、ドラえもんの映画に関しても、子供の頃に何本か見た事はあるものの、リニューアルして以降のものは1本も見たことがない。なので私には今作が劇中で一体どういったタイミングで流れるのかは分からないのだけれど、物語の佳境に迫ったときにその興奮を増幅させてくれるものでも、最後に流れて物語の余韻に浸らせてくれるものでもない。透明感のある音を多く使ったトラックや、一度聴いただけで覚えてしまいそうな親しみ易いメロディなど、子供を意識した作りにはなっているものの、曲自体は大した展開もなく進む盛り上がりに欠けるもので、映画の主題歌といわれて思い浮かべるような大上段に構えたものではなく、小品的なポップスになっている。そういった意味では商業音楽としてはやや疑問を感じずにはいられない曲ながら、作品自体はなかなか面白い。
この曲が子供を意識した曲、っていうのは上記した通りなんですが、その他に特色をあげるとすると、全編で鳴っているウォブルベースなんじゃないかと思うんですよね。これは小さい音や、テレビで流れ的なときなどはそれほど気にならないものなんだろうけれど、大きな音で聴くと曲にしっかりとしたうねりを与えているのが分かる。またドラムに関しては、一聴するとシンプルなエイトビートのようなんだけど、細かく刻むハイハットや、ブレイク部分などで微妙に変化するパターンなどによって、疾走感のある、それこそ手数の少ないドラムンベースのよう。つまりは前作の “Spending all my time” (関連記事)に続く、 Perfume 流 EDM といった内容になっていて興味深いし、 EDM の落とし込み方としては “Spending all my time” なんかよりはるかに面白い。
まぁこれを Perfume でやる必要があるのか、って気はしなくもないんだけど・・・。
カップリングの “だいじょばない” は、軽快なシンセと軽めの四つ打ちキックによるエレクトリックなディスコ・ポップ。ヴォーカルを素材の一部として扱っているような感じは初期を髣髴とさせるものので、悪い曲ではないもののグルーヴが平板すぎて面白みはイマイチ。
Perfume / LOVE THE WORLD (TOKUMA) CD+DVD
Perfume が今年の9月に出したコンピレーション。
普通移籍に伴うコンピっていいますと、適当に代表曲詰め込んだベストという印象が強いですが、そこをちゃんとしたコンセプトを持った作品を作ってもらえるというというところは、このグループがレコード会社からも愛されていたからなのか、事務所の力なのか、まぁ詮索はやめておこう。
ということで、本作はただのベスト盤ではなく、現在の世界戦略を意識してダンサブルな曲を集めたという事で、基本的に四つ打ちドンドンな曲が多いのですが、 “edge (⊿-mix)” みたいな攻撃的な曲もあれば、 “love the world” のようにポップな曲もあり、曲調の幅はそれなりに広い。
ただそれはあくまで「それなり」なだけであって、彼女たちの魅力の一端でしかなく、またこの手の曲にそれほど好きなものがない私としては、特別編集盤としての面白さも感じることなく、これだったら全編ミックスでもしてほしかったなぁ、という感じ。
あとこの盤だけに入ってるリミックスがイマイチなのも、この盤の魅力を殺いでいるかと・・・。
Perfume / Spending all my time (UNIVERSAL) CD+DVD
サボりにサボっていたら Perfume についてブログに書くの2年ぶりになっちまった。しかもこの寒い時期に夏に出したシングルについて。
気がつけば、アイドルも色んな方向性のグループが雨後の筍のようにひしめいている状況ですが、良くも悪くも個性的なグループが多い中で、女の子特有の可愛らしさを素直に出せている数少ないグループが Perfume なのかな、っていうことを “微かなカオリ” と “スパイス” を聴いた時に思いまして。
なのでそういった方向性をそのまま延ばしたようなアルバム『JPN』は非常に評価できたし、その後の移籍や世界デビューという派手な話題のときに “Spring of Life” という原点回帰的なダンス・ポップを出した事も、ファンを安心させる意味でも、グループの立ち位置を再確認する意味でも、納得できるものがありました。
しかし Perfume が8月に出した16枚目のシングルである今作は、結論から書くとちょっとよく分からない作品ですね。
今作はアメリカで今人気のある Electronic Dance Music 、所謂 EDM の影響が強く、また全編英詩という事で発売前から話題になっておりまして、私も初めて聴いた時は、確かに EDM っぽい曲だなぁ、と思いました。ただ実際 CD として発売されたものを、 EDM っぽい曲という先入観を持って聴いてみると、曲の意匠こそ多少それっぽいものの、基本的には普段の Perfume っぽい曲で、こうなってくると打ち出しとして非常に弱く感じられるし、日本向けにも海外向けにも中途半端なこの方向性をやる意味がよく分からないんですよね。カタカナ英語が悪い意味で和モノ感だしてるのもイマイチだし(彼女たちってこんな英語下手だったっけ?)。
これだったら思いっきり尖った曲を海外だけで出した方がいいと思うんだけど、まぁそれは商売的に無理って事なんでしょうか。
一方カップリングの2曲は日本向けって事なのか、非常にポップな曲ながら、 “ポイント” は彼女たちにしては珍しくドラムンベースで、私にはこちらの方が新鮮に感じられるし、ドンシャリしたリズムが『GAME』(過去記事)を思わせる “Hurly Burly” も新味はないものの良曲。
私としては「世界標準」という名の退屈なんかにわざわざ合わせる必要ないと思うんだけど、まぁメジャーだとそうもいかないんですかね・・・。
Perfume LIVE @ TOKYO DOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
今回のコンサート・チケットの写真が良かったので、画像がいつもより大きめです。悪しからず(これ後ろの東京ドームの感じからして早朝に撮ったんだろうね。ご苦労様です)。
という事で、以前書いたようにパフュームのドーム公演に行ってきたんですが、ここ数日この公演見て思ったことをまとめようと苦心したんだけど、上手く書けなかったので、ざっくりと簡単に書きたいと思います(はいすいません、言い訳です)。
まず、彼女たちを先鋭的なアーティスト集団と捉えるか、もしくは下世話なアイドル・グループとして捉えるか、っていうのがあるとするならば、私は間違いなく後者な人間なんですが、そんな私からするとクールでキメキメな感じの前半、特に4曲目までは、正直微妙な感じでありました。
というのも、パフュームのコンサートの魅力って、けっこうダンスに拠るところが大きいと思うんだけど、彼女たちの統制の取れたダンスというのは3人が一箇所に集まっていなくては意味がないわけで、そうなってくるとさすがにドームは会場としてでか過ぎる。かといって音楽的な観点からすると、基本的に口パクの彼女たちのコンサートはCD鳴らしてるのと変わらないわけで、そうなってくるとこちらとしてはどういう対応をしたらいいものか、正直よく分からない感じ。
しかもその後のMCでは、ふんわりとしたお嬢さん方がひたすらふわふわとした会話を繰り広げるという(パフュームしゃべってるところってテレビでもあんまり見たことないのよ)、曲とのギャップがすごい上に、これまたこちらがどう反応していいものか困る感じで(内心ひたすらパフューム怖い、って思ってたんだけど、詳細は面倒なんで割愛)、パフュームってよく分かんねぇなぁ、と思いながら見てました。
それが変わってきたのが中盤のMCが増えだした辺りからで、この辺から内容的にはグダグダなんだけど、その代わり3人のキャラクターを前面に出すような感じになってきていて、これにより3人がステージ上でバラけてもそれほど気にならなくなったし、それと同時にステージと客席の距離もずっと近づいたような気がした。
つまり書き方を変えると後半はよりアイドルらしいステージだったという事で、私としてはこちらの方がずっとしっくりきたし、そうなると一転して全てを好意的にとることが出来て(えぇ、どうせ私はいい加減ですよ)、初めてのドーム公演らしい初々しさも、良くも悪くもドーム公演に慣れきったジャニーズに比べ微笑ましかったし、ステージが近くに感じられるようになった分、彼女たちがステージを楽しんでいるさまも伝わってきて、前半のもやもやが嘘のように楽しめました。
でもそうなるとどうしても気になるのが歌が口パクだという部分で(それでもこの日は生歌多かった方らしいけどね)、多少音程外れてもちゃんと歌った方が伝わると思うし、彼女たちのダンスにそれほど魅力を感じない私には、同時に歌を捨ててまでダンスに注力する必然性が感じられなかった。かといって口パクにしなきゃいけないよう歌唱力じゃないという事は、あーちゃんを中心にちょいちょいはさんできていた教育テレビ系の歌を聴けば十分に分かったし(笑)。
今までパフュームの音楽が好きでも彼女たち自体にはそれほど興味がない、というスタンスだった私には、彼女たちをかなり好意的に見られるようになった、というだけでも収穫だったのだけれど、やっぱり彼女たちの微妙なスタンスに難しさを感じたのも事実。
そういう意味ではやはり複雑な心境のコンサートではあったのだけれど、この日感じた多幸感が次の日も残っているような素敵なコンサートだったのは間違いなく、こういうアーティストにとって節目となるようなコンサートが見られたのは幸運であったなと思います。
Perfume / VOICE (TOKUMA JAPAN) CD
某氏よりお誘いいただきパフュームの東京ドーム公演に行ける事になっているのですが、正直今回のドーム公演に対して自分の中であまり盛り上がるものがないんですよね。てっきりジャニーズみたいに直前にアルバムリリースでもあるのかと思ったらないみたいだし、今年出たシングルは両方イマイチだし、ドーム直後に新しいシングル出すってだけじゃ燃料不足に思うんだけど、やっぱりそれは私が彼女たちのファンじゃないからなんですかねぇ。まぁそうだろうなぁ。チケット完売だもんね。ファンの方々は期待で胸がはちきれそうなんだろうなぁ。む~。
ということで今年の8月に出たシングル。
上でイマイチって書いているので、まぁ今作については特に書きたいこともないんだけど、今作も前作(過去記事)同様安全牌でいきすぎですかね。そもそも私は彼女たちに先進性を求めるタイプの聴き手ではないんだけど、それでも今作は既聴感ありすぎだと思う。まぁ悪い曲では全然ないんだけど。
カップリングの方は実際のテンポよりもゆったりした感じのミドル・バラード。曲自体はメインのよりも好きなんだけど、今更歌詞で「なう」とか使うのどうなんですかね。この親父臭さに一気に冷めたのは私だけですかね。ラップの部分は、これぞアイドルラップ、といった感じの適当さで好きな分、どうしてももったいなく思ってしまう。
う~ん、私は3日に向けてどうテンション上げていけばいいのかなぁ・・・。
Perfume / 不自然なガール (TOKUMA JAPAN) CD
昨年のアルバム以降リリースがなかったせいかご無沙汰感のある Perfume の今年初となるシングル。
そのアルバム『⊿』は以前よりヴォーカル・エフェクトを抑え目にして歌謡曲に近づきつつも、バックのトラックの方はきっちりダンサブルと、私としては非常に好ましい変化を聴かせてくれた作品だったのですが、今作の1曲目 “不自然なガール” はいかにもなダンスポップに戻っていてあまり面白みはなし。
それよりはカップリングの “ナチュラルに恋して” の方が、独特のためを使った構成が面白く、こちらの方がずっと好き。
これからはこういうミディアム・テンポの曲もやってほしいっすな。