昨年のテクノってなかなか豊作だったと思うんだけど、どれもイマイチ決め手に欠けたというか、傑作が多かったかわりにその年を代表するようなアルバムが少なかったように思います。これもそんな印象でしょうか。
カリ・レケブシュといえばスウェディッシュ・テクノを代表する存在ですが、今回の新作は自身のH-PRODUCTIONSからではなくアダム・ベイヤーのTruesoulから。Truesoulといえば、ハード・ミニマルで鳴らしたベイヤーが突然デトロイト・フォロアーになったアルバム『Ignition Key』を発表するために立ち上げたレーベル。で、この2作ってわりと似通った雰囲気が感じられるんですよね。
今までのレケブシュってハデめのハード・ミニマルというような印象だったのだけれども、今作ではがらりと作風が変わって全体的に柔らかくなった感じなのだけれども、これがとても良い。まず1曲目のタイトル・トラックのゆったりした始まりからして今までと違うのだけれども、意外とハウスからの影響が感じられるんですよね。そして今までのガシガシしたたてノリではなく、艶やかともいえるグルーヴがとても心地よい。そして曲全体を包み込むような穏やかなストリングスがまた美しい。でも彼がまんまハウスに鞍替えしたのかというとそんな事はなくて、音の作りはしっかりとテクノなんですよね。
これ以降もBPMが抑え目のトラックが続くんですが、ストリングスを入れたからといって彼までもがデトロイト・フォロアーになったわけではなく、きちんと独自の世界を作り上げていてもう素晴らしいの一言です。
でね、ここまでなら昨年を代表する名盤に相応しかったと思うんだけど、中盤以降、最近の彼の傾向であるエレクトロ路線の曲が続くんですよね。で、これがちょっとなぁ・・・。まぁ、出来自体は全然悪くないのだけれど、前半の素晴らしさと比べるとどうも。でもさっき書いた艶やかなグルーヴというのは変わらないので、作品の流れは良いんですけどね。
今度はぜひアルバム全部1曲目のような路線でいってほしいなぁ。
あと彼のサイトからミスティック・レター・K名義で、オールドスクールなブレイク・ビーツのミックス音源が落とせます。これが彼のルーツが垣間見えるようでなかなか興味深い。
カリレケのアルバム、CDで出たんですね?
LPしかまだ見かけてないんですよ。
Henrik Bのアルバムとかも殆ど流通してなくて
購入するのに手間でした。一昨年位に
Prime Distributionが倒産したせいで、流通が
かなり遅れたらしいんですよね。
このアルバムもカリレケのHPでは随分前から
MP3が公開されてたのにやっと発売かって感じです。
早くCD買いたいですよぉ
私が買ったのは12月の頭なんですけど確かにあまり店頭で見ないですね。
Henrik Bのはアマゾンで売ってるのでそのうち買いたいとは思っているのですが、まだ注文したのにきてないのが3万円分くらいあるんですよね。
うぅ~、恐ろしや。