COLDFISH / THE ORPHANS (All Inn) 2LP

COLDFISH / THE ORPHANS (All Inn)
http://www.allinnrecords.com/

前に書いたように、この連休中でブログ更新してある程度2013年の音源をまとめたかったんですが、結果全然だめでしたね。特に忙しくしてたわけではないんだけど、ブログに関しては、内容はともかくとして、更新する事を癖づける事の重要性を痛感しております。

私も更新頻度を上げるために、他の方の真似してお酒やラーメンでもネタにしてみたいところですが、あいにく音楽以外に興味あることってあんまりないのよねぇ。あえて書けばガンダムくらいだけど、特に書きたい事もないのよねぇ。む~ん・・・。

などという与太話はおいておいて、ルーマニア関連で、 Coldfish こと Laurine Frost が、ルーマニアン・ミニマルの中心レーベルともいえる All Inn から2013年5月に発表したファースト・アルバム(Coldfish 自身はハンガリーの出身)。

All Inn って比較的フロア・ユースな作品を出す事が多い印象なんですが、今作は変則的なリズムの曲が多く、分かりやすい四つ打ちの曲はほとんどない。では実験的なリスニング向きの作品なのかというとそんな事もなく、様々なリズムが取り込まれて入るものの、パーカッションとベースを中心に作り出すグルーヴは、むしろ力強い。

まぁ例によって地味な事この上ない内容ではあるんだけど、様々なパーカッションが重層的に鳴る “The Waxman” なんかは十分フロアでも機能すると思うし、荘厳なストリングスが響く最終曲の “Salute For The Unicorns” も美しい。

Cristian Vogel / Enter The Tub (Shitkatapult) mp3

Cristian Vogel / Enter The Tub (Shitkatapult)
http://www.shitkatapult.com/

90年代初頭から活動しているドイツのプロデューサー Cristian Vorgel が2012年に発表したシングル。

Cristian Vorgel っていいますと、90年代に実験的なテクノを精力的にリリースを重ねていた人なんですが、2000年代入るとリリースペースがとたんに落ちて、最近では Snork Enterprises なんていう意外なレーベルからシングル出した、っていうくらいしか印象に残っていません。
なので Super_Collider で共に活動していた Jamie Lidell がヴォーカリストとしてある一定の評価を得ているのに比べると、ずいぶん地味になっちまったなぁという感じなんですが、 Shitkatapult という、これまた Cristian Vogel とはあまり結びつかなそうなレーベルから本作はなかなかに面白い。

1曲目の “Enter The Tub” がいきなりダブステップなんでかなり意外なんですが、音自体はそれほど太くないものの、引きずるようなベースラインの存在感が大きく、また彼らしい鋭角的なノイズが散りばめられてはいるんだけど、全体としてはどことなくアシッドっぽいという、なんとも独特な曲。
続く “Lucky Connor” もダブステップを基調としているものの、 Cristian Vorgel らしいノイズが目立つ分、従来の印象に近くはあるんだけど、それでも彼がダブステップのリズムに手を出したというのはかなり意外。

そして残りの2曲 “Deconstructions” と “Voidster” は攻撃的なダブ・テクノでこれまた方向性としては意外。まぁ両方ともダブつながり、と考えればそれほど以外でもないのかもしれないけど、そもそも Cristian Vogel にダブのイメージがなかったので、この方向性は興味深いし、付け焼刃ではない完成度と個性を持っているのも良い。

この後に出たアルバムは買い逃したまんまなんだけど、これは聴いてみたほうが良さそうだ。

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Commodo / Northern Soul EP (Deep Medi) mp3

Commodo / Northern Soul EP (Deep Medi)
http://deepmedi.com/

DIGITAL MYSTIKZ の MALA が主宰レーベル Deep Medi から、シェーフィールドのプロデューサー Commodo が2012年に出したダブルパック(なんだけど私はデータで購入。ダブルパックだとアナログとデータの値段の差が如実に出るのでねぇ)。

Deep Medi っていうと変化の激しいダブステップの中でも硬派なレーベル、という印象ですが、今作も非常に王道感のあるフロア映えしそうなダブステップ。
ただタメの効いたベースと跳ねるスネア、っていうダブステップの基本を抑えつつも、どの曲も細かいパーカッションなどでグルーヴを変容させていて面白い。

Commodo - EP - Commodo
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COS/MES / SNAKER 001 (SNAKER) LP

COS/MES / SNAKER 001 (SNAKER)
http://snaker.elektronik.jp/

Cos/Mes の 5ive と Traks Boys の K404 が主催する不定期開催パーティの名前を冠したレーベル Snaker から2013年1月発表された、 Cos/Mes のアルバム。
この Cos/Mes というのは Flatic と 5ive による二人組みで、2010年に出したセカンド・アルバム『GOZMEZ LAND – CHAOSEXOTICA』の高評価で名前が知られるようになったユニット。ちなみに名前自体はこの頃から知ってはいたものの、作品自体を聴くのは今作が初。

今作の収録曲は11曲と通常のアルバム並みながら、1、2分台の短い曲も多く、内容的にも非常に雑多。幻惑的な上モノとゆったりとしたリズムが心地よいディスコ・ナンバーの “Red Rock” みたいな曲があったかと思うと、80年代的なドラムが印象的なエレ・ディスコ “Kannana Loop 7” やワールド・ミュージックに影響を受けたフュージョンみたいな “Mister Cosmic” 、熱くうなるギターと軽快なパーカッションが前面に出たインストのファンク “Brazilian Idol” など、一聴するとまとまりなく思えてしまうほど。ただその雑多な方向性や各曲の無国籍感、さらにサンプリングベースの音作りに80年代的なフレーズ、現代的なエディット感覚など様々な要素が合わさる事によって、地域や時間を飛び越えたような自由な空気が流れていて非常に心地よい。

今作はアナログのみの発売で、しかも限定300枚という事で現在は入手困難かと思うんだけど、そういった発売形態で聴く人を選ぶには非常にもったいない、充実した作品だ。
アナログ全部売り切ったんなら、音だけでも Bandcamp とかで売ればいいのに。

CAMEA / Clinkology (CLINK) CD

CAMEA / Clinkology (CLINK)
http://clinkrecordings.com/

2005年にブルックリンで設立され、その後ベルリンに拠点を移したレーベル Clink から、2011年に発表されたミックス CD 。
今作のミックスはレーベル・オーナーの Camea こと Camea Hoffman が担当しており、ただのミックス CD ではなく、レーベルのショーケース的なものになっている。

このレーベルの事を Afternoon Coffee Boys の “Dark Blend” で知った人間からすると、 Clink は非常に硬く重いアシッド・ミニマル、という印象が強く、同時にベルリンのものとは似て非なる機能美の追求しているとも感じていました。

しかしそこは時が経つと共に変化したという事なのか、今作はアシッドっぽさは残しながらも、テックハウス的な軽快さをもった曲が多い。なので以前の重厚さや硬質さを求めると肩透かしなんだけど、小気味よくミックスされた曲群はやはりダンサブルであり、そういった意味では機能性はやはり高く、このレーベルらしいとも思える。

まぁ私はやっぱり以前のように重たい音の方が好きだけど。

ちなみに今作で Clink のリリースは途切れてるみたいなんだけど、今作で最後って事なんでしょうか。できればまたアメリカ戻って復活してほしいんだけど。

Clinkology - VARIOUS

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Chris Dave / Chris Dave and the Drumhedz Mixtape (Self Released) mp3

Chris Dave / Chris Dave and the Drumhedz Mixtape
http://chris-dave.com/

ヒューストン出身のドラマー Chris Dave が2013年1月に発表したミックステープ。
彼は昨年アルバムが話題になった Robert Glasper Experiment のメンバーみたいで、ジャズやヒップホップの方面では名の知れた人みたい。

んで、そんなドラマーのミックステープなので、手数の多いドラム叩きまくりのものを期待していたんですが、落ち着いた感じのジャジー・ヒップホップがほとんど。
時折さすがと思わせる妙技を披露してはくれるものの、基本的には自身のドラムの技術を前面に出すというよりは、楽曲の完成度を優先させたようなつくり。なので全体の統一感はあるんだけど、ゆったりした曲が多いせいか完成度自体は高いものの、のっぺりとして印象に残りにくい。
これは聞き流し用かなぁ。

ちなみにサイトでメアドを登録すると落とせる。

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CLAUDIO PRC / INNER STATE (Prologue Music) 2LP

CLAUDIO PRC / INNER STATE (Prologue Music)
http://www.prologue-music.com/

イタリアのプロデューサー Claudio PRC がドイツのレーベル Prologue Music から2012年に出したファースト・アルバム。
Prologue Music っていいますと、 Voices From The Lake のアルバムの高評価もあり、2012年話題になることの多かったレーベルですが、今作もそんな話題の一端は担ってあろう事は間違いない傑作です。

ノイズをまとったゆったりとしたリズムがシューゲイザー的ながら、徐々に輪郭がはっきりとしてグルーヴの逞しさが現れる “Black Hole” 、変則的なリズムの上で鳴る細やかなノイズで緊張感を演出する “Echoes” 、細かく切られたドローンのようなベースが印象的な “Transparent” など、どの曲も地味ながら音楽的個性とクラブ・トラック的なグルーヴを両方備えていて、完成度が高い。

まぁその分アルバム全体としては盛り上がりに欠けるところがなくもないんだけど、それもこの硬派な作風からすれば瑣末な事か。

Inner State - Claudio PRC

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CIRCLE OF OUROBORUS / ELEVEN FINGERS (Handmade Birds) CD

CIRCLE OF OUROBORUS / ELEVEN FINGERS (Handmade Birds)
http://handmadebirds.com/

本当は今日年間ベストの記事を上げたかったんだけど、時間なくて出来なかったので、相変わらず時期外れの去年の盤をば。

フィンランドのバンド CIRCLE OF OUROBORUS が2011年にアナログで出したアルバムを、2012年に CD で出しなおした盤。

彼らの音楽性は大別するとブラック・メタルという事になるんだろうけれど、全体的にぼやけた音像の中でフワフワと鳴るギターに、妙に軽快なドラム、また他が輪郭のぼやけた音の中、唯一はっきりとした音を出すハイハット、そして脱力気味のヴォーカルが作り出す音世界は、かなり独特なもの。
シューゲイザー的な音作りのブラック・メタルに近いといえなくもないけど、あちらのように尖った音は少なく柔らかだし、フワフワした音像はアンビエント的とも思えるが、時折出てくる歪んだヴォーカルはまさにブラック・メタルのそれであり、またメロディ自体は非常に感情的で、それによりある種のポップささえも獲得していて非常に面白い。

最初メタル的なものを期待していたので肩透かしだったんだけど、この世界観はクセになる。

Cobblestone Jazz / Before That EP (Wagon Repair) mp3

Cobblestone Jazz / Before That EP (Wagon Repair)
http://www.wagonrepair.ca/

個人的に2010年の『The Modern Deep Left Quartet』(過去記事)以降追いかけてなかったのでご無沙汰感あるんですが、そのアルバム以降では4枚目となるシングル(2012年作)。
いつの間にか Wagon Repair Ltd. なんてサブレーベルが出来ていたようで、リリースはそこから。

アルバム以降のシングルを軽く聞いてみた感じだと、どれもジャジーなテック・ミニマルなようだけど、それは今作も同様。軽快なパーカッションとキックに導かれ入ってくる、弾むようなベースラインと、踊るようなフェンダー・ローズの響きが描く有機的な色合いは、まさに Cobblestone Jazz ならではのもので、流石の完成度。

ただ以前より洗練はされているものの、進化や変化というものがイマイチ感じられず、以前の彼らにあった得体の知れない期待感が希薄なのが難かしら。

ちなみに今作に収録された2曲は基本一緒で、 “Before This” よりも “Before That” の方が曲が長く、若干リズムも太いのでクラブ向き。

Before That EP - Cobblestone Jazz

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Chairlift / Something Demos (Self Released) mp3

Chairlift / Something Demos
http://www.chairlifted.com/

ニューヨークの男女二人組みユニット、 Chairlift が1月に発表したアルバム『Something』のデモ音源集。
私はこのユニットのことを、日本語で歌われて話題になった “I Belong In Your Arms (Japanese Version)” くらいしか知らなかったので、なんとなく活動歴の浅いユニットだと思ってたんだけど、2005年から活動していて、曲が iPod nano の CM に使われた事もあるそう。

デモ音源ということで、宅録っぽいエレポップが中心になっており、正規盤を聴いていない私には、それとの差異は分からないものの、柔らかなメロディと Caroline Polachek の伸びやかな声は十分楽しめるものになっている。
淡々と歌われる “Take It Out On Me” も悪くないんですが、やはり軽やかでポップなメロディの “Sidewalk Safari” や “Amanaemonesia” が魅力的。
あとはトラックで使われている音色がよく聴く感じのものが多いのが難ですが、これはデモ音源だからしょうがないところか。

これからちょっと名前を気にしておきたいユニットです。

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Camp Lo & Ski Beatz / Fort Apache (Self Released) mp3

Camp Lo & Ski Beatz / Fort Apache

Camp Lo と Ski Beatz が先月出したミックステープ。

Ski Beatz って『24 HOUR KARATE SCHOOL JAPAN』のときに気になって聴いてみたものの、トラックダサすぎてとても買う気にならなかったんだけど、今作に関しても、音がでかいわりにはグルーヴが全然なくて、やっぱり私にはこの人の良さが分かりません。

Camp Lo のどっしりとしたラップは悪くない。

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C-San / Dreams & Reality (Self Released) mp3

C-San / Dreams & Reality

LA のラッパー C-San のミックステープ。

わりと世間では注目のラッパーさんみたいなんだけど、これを聴いた限りでは比較的オーソドックスなヒップホップという感じで、全然悪くはないんだけど、かといって特別どうというような感想も出てこない感じ。
個人的には流し聞き用かな・・・。
あと同じ LA の Iman Omari が参加してる。

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Clubroot / II – Mmx (Lo Dubs) 2LP+CD

Clubroot / II - Mmx (Lo Dubs)
http://lodubs.bandcamp.com/

イギリスのプロデューサー、 Clubroot こと Daniel Richmond が2010年に発表したセカンド・アルバム。

ダブ的な拡がりのある音響空間の中で、軽やかで疾走感のある、甲高いドラムのリズムが曲を引っ張る、っていうところで、非常に burial を髣髴をさせる音作りがなされているんですが、 burial の激情を表現したような独特のベース・ラインに比べると、今作は非常にすっきりとしていて聴きやすく、また機能性も高い。
そしてひんやりとした上モノも、アンビエント的な浮遊感がありながらも、同時に疾走感も伴っていて、とにかく完成度が高い。
中でもトランスっぽいシンセやストリングスをを用いながらも、あまり盛り上げすぎずにうっすらとした情緒性を漂わせながらはしる “‘Closure” は名曲。

最近新しいアルバムが出たばかりなので、そちらの方も聴いてみたい。

Ii - Mmx - Clubroot

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Cody Simpson / Angels & Gentlemen (Self Released) mp3

Cody Simpson / Angels & Gentlemen
http://www.codysimpson.com/

最近フリーの音源ばかり紹介している当ブログなんですが、果たしてここを見てくださっている方にたいして、需要があるもんなんですかねぇ。まぁ需要とか考えたらアイドルと日本のヒップホップの記事ばかり書かなきゃならなくなるんだけど・・・。

オーストラリア出身のシンガーソングライター Cody Simpson が6月に発売されるアルバムまでのつなぎとして発表したらしいミックステープ。

ジャケットを見るといかにも若い、っていう感じの Cody くん、なんでもまだ15歳だそうだが、歌声自体は声変わりもしているせいかそれほど幼さを感じさせず、また歌唱力もしっかりしているので年齢というのは良くも悪くも気にならない。

ただそのルックス同様、歌の方も甘いものなので、そこら辺好き嫌いが分かれそうだけど、それほどしつこくないので比較的聴きやすいのではなかろうか。
まぁそれは言い換えれば引っ掛かりが少ないともいえるんだけど、そこはゆっくり成長していってもらえればいいかな。

ちなみに今作はカバー曲がほとんどで、 Chris Brown 、 Rihanna 、 Drake 、 The Weeknd 、 Jack Johnson という面々の曲が選ばれているので、聴き比べてみるのも面白いかも。

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Conner Youngblood / Sketches pt.1 (Self Released) mp3

Conner Youngblood / Sketches pt.1
http://www.conneryoungblood.com/

ダラス出身で、多分現在22,3歳位の、まぁとにかく若い Conner Youngblood の作品集。

最近この辺りの動きって全然追いかけられてないのですごく適当に書くんですが、チルウェイヴとかウィッチハウスなんかの影響が他のスタイルに伝播している今の感じって、昔 anticon なんかがポストロックに接近していた頃をなんとなく思い出させるものがありまして。
んで、今作もビートにそこはかとなくヒップホップの影響をにじませながらも、基本的にはアコギを主体にした歌もの、しかもエフェクトをかけて輪郭をぼやかしたその音作りは、硬い音大好きな私からすると、昔苦手にしていたポストロックの音そのものという感じなんですが、まぁ私もいい加減年取って間口が多少広がったというのと、基本メロディがいいので、思ったよりも楽しんで聴けた。

でも結局ウクレレ弾き語りの “Color Blind (I swear)” が一番好きなんだけど。

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CHAKAL / La Orbe de Isis

CHAKAL / La Orbe de Isis
http://www.facebook.com/ChakalA3Bandas

A3Bandas っていうスペインのクルーに所属するラッパーさん(多分・・・)、 Chakal のミックステープ。

パイプオルガンで始まる冒頭の “El Maizal” から、ジャケットにも現れているゴシックぽさを漂わせながらも、基本大袈裟なトラックに Chakal の前のめりのラップが乗るというものなんだけど、ダブステップの影響をほんのりと感じさせるトラックがどれもかっこいいし、それに負けない芯の強さがある Chakal のラップも良くて、作品としてよく出来ている。

中でも似非ダブステップな雰囲気が最高に胡散臭い(褒め言葉です) “Terapia” はかなりかっこいい。

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DropxLife., Clams Casino, Omari Shakir., The Weeknd

また Weeknd 関連のものをまとめていくつか。

DropxLife. / Furthur.
『DropxLife. / Furthur.』
The Weeknd って元々 The Noise というプロデュース・ユニットで活動していたらしい、っていうのは以前書いたと思うんですが(過去記事)、なもんだから私はてっきり自身のトラックも全部自分で作っているものと思い込んでいました。
でも実際はそんなことなかったみたいで、何人かのプロデューサが参加していたみたいですね。
っつうことで『Echoes Of Silence』収録の “Initiation” のプロデューサーだという DropxLife. のミックステープ。
この DropxLife. というアーティスト、 Weeknd 周辺の人みたいなんだけど、その正体は今のところ謎みたい。
さらにこの作品のリリースの仕方もよく分からなくて、昨年末に3曲入りで出たものに曲足して6曲入りで今年出したと思ったら、次は9曲入りで出て、この度出た10曲入りのものが完全版らしい。
“Initiation” ってどんどんヴォーカルが変調していくけっこう実験的な曲だったので、今作も実験的なのかと思ったらそんなこともなく、新味というのは薄い。
でもヒップホップとダブステップとアブストラクトが溶け合ったようなビートと、徐々に沈みこむような音世界は心地よく、 Weeknd に通ずる雰囲気にはやはり抗えない。あと Weeknd のような高い緊張感がないのと、なんだかんだで1曲に1つは耳に引っかかりやすい要素が入っているので、インストでありながらも Weeknd よりある意味聴きやすいかも。
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DROPXLIFE / ALLXLEGENDS
『DROPXLIFE / ALLXLEGENDS』
んでこちらは DropxLife が昨年秋に出したミックステープ。
全体の雰囲気としては『Furthur.』とそれほどかわらないものの、ビートはこちらの方がシンプルで、こちらの方が幾分ポップ。なのでこちらから聴いた方が入りやすいかも(まぁ暗いのには変わりないんだけど)。
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Clams Casino / Instrumental Mixtape
『Clams Casino / Instrumental Mixtape』
こちらは『Echoes Of Silence』収録の “The Fall” をプロデュースした Clams Casino が、今まで他のアーティストに提供したトラックを中心にまとめたミックステープ。
今作に関しては Weeknd 関係なしに非常に評価の高い作品なんだけど、太いベースラインと重たいドラム、粒子の細かい幻想的な上モノの組み合わせは確かに気持ちがよい。あからさまにキャッチーな要素がなくてもきちんとポップなのも素晴らしい。
まぁ時折、これってポストロックに接近してたころの anticon の焼き直しじゃねぇの、って思う部分がなくもないんだけど、気持ちがいいのに変わりはないので気にするのはやめておきましょう。
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Omari Shakir. / Different.OMARI SHAKIR / NONCHALANT
『Omari Shakir. / Different.』『OMARI SHAKIR / NONCHALANT』
最近知ったんだけど Weeknd 周辺には彼を含む XO Gang というクルーが存在するらしく、そこに参加しているラッパーさんが出しているのが上2曲(もう1曲 “Like A Book” 曲もあるんだけどジャケットないので割愛)。
三味線(?)をサンプリングした “Different.” (DropxLife プロデュース)はかっこいいし、Omari Shakir の低い声でのラップも魅力的なんだけど、ちょっとこれだけだとラッパーとしての個性までは分からないですかね。
あと両曲とも iTunes に入れるとアルバム名のところに『TIL WE OVERDOSE』って出るので、もうすぐアルバムが出るのかも。
Different. ダウンロード
NONCHALANT ダウンロード

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Cosmin TRG / Tower Block (Hemlock) 12″

Cosmin TRG / Tower Block (Hemlock)
http://www.hemlockrecordings.co.uk/

もうすぐアルバムが出るらしいルーマニア出身の TRG 改め Cosmin TRG が昨年出したシングル。

彼は TRG 名義のときはブレイクビーツを前面に出したダブステップを作ることが多かったように思うんだけど、 Cosmin TRG 名義に改めてからは四つ打ち感の強いトラックを作ることが多い。
それがいき過ぎて単なるハウスになってしまうこともしばしばなのだが、今作は四つ打ちとブレイクビーツがせめぎあったような変則的なビートを聴かせていて非常に面白い。
そのビートに関してもグルーヴをぎりぎりのところでつなぎとめておきながら、徐々にはめていくタイプのもので気持ちがいいし、軽快さを失わないのもいい。

ちなみに上に書いたデビューアルバムは Modeselektor の 50 Weapons から出るそうで、こちらも期待せずにはいられない。

Tower Block / Béton Brut - Single - TRG

CLOAKS / VERSUS GRAIN (3by3) CD

CLOAKS / VERSUS GRAIN (3by3)
http://www.3by3music.com/

わりと紹介したのが正統派なダブステップばかりだったので変り種も紹介しましょうか。まぁ相変わらず紹介しそびれてたちょっと前の盤なんだけど・・・

この Cloaks というアーティストに関してはほとんど情報がないのでどんな出自の人なのか分からないのだけれど、この人が2009年に発表したデビュー・アルバムはなかなかのインパクト。
そのスタイルを大別すればダブステップにはなるんだろうけれど、それを構成する音に関してはノイズまみれのメタリックなものがほとんどで、質感としてはむしろインダストリアル。
それでいてそのインパクトに頼ることなく、ベースを中心にきちんとしたグルーヴを作り出していているし(まぁ踊る感じではないけど)、洗練に向かうことが多いダブステップの中にあって、ここまでざらついた音を聴かせてくれるというのも小気味いい。

Versus Grain - Cloaks

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Cuthead / City Slicker

Cuthead / City Slicker
http://kunststoffbreakz.wordpress.com/

ドイツのプロデューサー Cuthead が WEB 上でフリーで発表している23曲入りのアルバム(2009年頃のものみたい)。

そもそも私がこの人を知るきっかけになった “The Sinner” という曲は、ジャジーな雰囲気を保ちながらも四つ打ちとブレイクビーツの間をゆらめくような曲だったので、てっきりハウスのプロデューサーだと思ってたんだけど、今作は非常にヒップホップの要素の強い作品になっている。

しかしヒップホップといってもストリート色の強いそれではなく、所謂アブストラクト系に近い音だとは思うんだけど、洗練された上モノと、その雰囲気を壊すことなく粗さを残したリズムの組み合わせが絶妙で、全編気持ちよく聴ける。

まぁバランス感覚が良い反面、突出した個性というものも感じないんだけど、それゆえに中盤以降にハウスやダブステップが混ざってくるのがいいアクセントになっているし、その結果が上記の “The Sinner” なのだとしたら、まだまだこれからも面白い曲を作ってくれそうだ。

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サイプレス上野とロベルト吉野 / ドリーム (ZZ PRODUCTION) CD

JPLS / The Depths (m_nus)
http://www.sauetoroyoshi.com/

これまた今更だけど、横浜の2人組、サイプレス上野とロベルト吉野の2007年発表のファースト・アルバム。

今作の傑作たる所以はもう色んなところで語りつくされているだろうから、私が付け足したいと思うことはそれほどないんだけど、それでもやはり思うのは、今作の素晴らしさはバラエティ豊かなトラック郡でもなく、またそれでも失われないユーモアやポップさでもなく、またはそれでも薄まらないヒップホップイズムでもなく、パーティーに近い刹那さが全編から感じられるところで、つまりこの刹那の先のことは分からないという不安と、だからこそ今を遊びつくそうという力強さであり、その感覚が一番感じられる “Bay Dream ~フロム課外授業~” の「汚れる事だけが自慢の仲間でも大丈夫すぐ側は墓場」というラインは、今作で最も感動的な部分だろう。

あと今作の冒頭(に限らないけど)で伊藤政則の声がサンプリングされているけれど、彼は自分の声が日本のヒップホップでサンプリングされているなんて知っているのかなぁ・・・。

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Cobblestone Jazz / The Modern Deep Left Quartet (!K7) CD

Cobblestone Jazz / The Modern Deep Left Quartet (!K7)
http://www.cobblestonejazz.com/

前作『23 Seconds』(過去記事)から約2年半ぶりとなる Cobblestone Jazz のセカンド・アルバム。

今作で特筆すべき事はやはりメンバーが Mathew Jonson 、 Danuel Tate 、 Tyger Dhula の3人だけではなく、 Mole が参加しているという事で、つまりは The Modern Deep Left Quartet の初のアルバム、という事だと思います。
以前 the modern deep left quartet 名義で『babyfoot ep』(過去記事)が出たときは、てっきり Cobblestone Jazz に Mole が加わったのが The Modern Deep Left Quartet だと思っていたのですが、実際には逆で、元々4人で The Modern Deep Left Quartet でやっていたのが地理的条件で Mole が抜けたのが Cobblestone Jazz らしく、要はこのグループがやっとあるべき姿に戻ったともいえるわけで、さらに前述の『babyfoot ep』は Wagon Repair のカタログの中でもかなりの怪作だったこともあり、前作からの相当な変化を予想していたんですが、実際には前作の延長線上のじゃジーなテック・ミニマルに。

ではこれは前作を上回るような作品化というとそれも微妙で、前半と後半に配置されたテック・ミニマル路線の曲はさすがの出来だが、中盤のファンクを意識したような曲郡が明らかに魅力不足で、どうしてもそこで流れがだれる。かといって私が期待していたような土着的なサイケデリアが感じられる曲もなく、これだったら機能性に重きを置いたような前作の方がいっそ潔かったように思う。

先行シングルに収録されていた “Traffic Jam” がサイケデリアとバンドの演奏感を両立させた素晴らしい出来だっただけに(先行シングルの中ではこの曲だけ今作に入ってないのよね)余計に残念。
次作はもっとドロドロなのを期待したい。

The

[Tracklist]

Mr. BEATS a.k.a. DJ CELORY / BEAUTIFUL TOMORROW (PONY CANYON) CD

Mr. BEATS a.k.a. DJ CELORY / BEAUTIFUL TOMORROW (PONY CANYON)
http://ameblo.jp/djcelory/

Soul Scream といいますと、どうしても特徴のある声で早口に言葉を繰り出す HAB I SCREAM と E.G.G.MAN という2人のMCに耳がいってしまって、あまりトラックに関しては印象に残っていないんだけど、 Soul Scream のトラック・メイカーである Mr. Beats こと DJ Celory が数多くのラッパーや歌手を招いた今作も、トラック・メイカーの作品でありながら、それほどトラックに耳がいくようなアルバムではない。

しかしそれは彼の作り出すトラックに魅力がない、とかいう事ではなく、自身のトラックを前面に出すよりも、他の歌などを含めての曲としての魅力を考えたからであり、だから今作は非常にバランス良くとても聴きやすい。

また『BEAUTIFUL TOMORROW』というタイトル通り、前向きな力を感じさせる曲ばかりで(だからそんな中で一人不穏な言葉を吐く K-DUB はどうかと思うけど)、何か新しいとか画期的とかいうことはないが、それでも聴いているとその日はちょっと良い気分ですごせるような、そんな魅力的な作品だ。

Mr.BEATS a.k.a DJ CELORY - BEAUTIFUL TOMORROW

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