The Green Kingdom / Dustloops : Memory Fragments (SEM) mp3

The Green Kingdom / Dustloops : Memory Fragments (SEM)
http://semlabel.com/

明けましておめでとうございます。
昨年はなんのかんのとあったんですが、無事新年を迎える事ができましたので、ここらで他の方がやっているように年間ベストでも発表したいところなんですが、どうもベストっていうほど強烈に印象に残っている作品が少ないので、この連休中に次点候補を中心に振り返ってみたいと思います(多分いつもどおり続かないと思うけど・・・)。

ということで、 Green Kingdom さんのソロ・プロジェクト The Green Kingdom が2013年2月に発表した8枚目のアルバム。

昨年はテクノのインダストリアル化からさらに進んで、ノイズやドローンの要素が強い、分かりやすく書くとテクノとエレクトロニカの境目がないような作品を好んで聴いていた気がするんですが、今作もそんな作品。

幾重にも重なったノイズと、それを包み込むような柔らかなギターが鳴る中、中盤からゆったりとしたキックと美しいベースが入ってくる “dust_rds” 、空間的な音響とノイズが印象的なミニマル・ダブの “green being” 、徐々にこちらの記憶を呼び覚ますかのような郷愁を感じさせる “rustloop” と、リズムが立ち上っては消えていくような曲が多い。

そしてそのリズムやノイズで緊張感を作り出している場面と、それ以外のノンビートなどで緩やかに聴かせる場面の押し引きが絶妙で、まるで大きな波に身を任せているかのような心地良さがある。

正直初めて聴いたときの印象はそれほどでもなかったんだけど、気がつけば1年を通してよく聴いた作品でした。48分強という収録時間も今の私にはちょうど良い。

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Gerry Read / Saucepan Jams Part 1 (Self Released) CD

Gerry Read / Saucepan Jams Part 1
http://www.ramprecordings.com/

イギリスのプロデューサー Gerry Read が2013年3月に発表した2枚目のアルバム。

Gerry Read が昨年末に発表した『Jummy』は、ジャズ的な音作りとベース・ミュージックからの影響が強いリズムが素晴らしく、2012年のテクノを代表する作品だったと思うんだけど(年間ベストにも入れた)、日本ではあまり話題にならず寂しい限り。

そしてあまり間を空けずに発表された本作は、B級感のすごいアメコミジャケットからして怪しさ満点ですが、レーベルのサイトから CDR で限定100枚のみ発表という、少々変則的なもの。

英語の記事しか見つからなかったので本作がどういった意図で発表されたのかは分からないのだけれど、 Gerry Read の普段の作風とは違い、サンプリング主体と思われるディスコ・ミュージック。
そのため最初はその違いに戸惑いさえ覚えてしまうのだが、お世辞にもいい音とはいえないこもり気味な音を、無理やり出音上げたみたいな、乱暴ともいえる音作りは面白いし、全編ファンキーなグルーヴがあってかっこいい。

音の感じから考えても、発売形態から考えても、おそらくそれほど時間をかけずに作ったのだろうけれど、それゆえ彼のセンスの良さが表れた盤かと。

grad_u / sequence (Entropy) CD

grad_u / sequence (Entropy)
http://www.entropy-records.com/

眠いので簡単に。

リトアニア出身のアーティスト grad_u が、フランスのレーベル Entropy Records から2011年に発表したアルバム。

Entropy Records って少し前に Mr. Cloudy のアルバムを紹介しましたが(関連記事)、ダブ・テクノ系のレーベルの中でもリリース数が非常多く、中には変り種もあったり寸ですが、今作もリズムがほとんどないアンビエント作で、そういった意味では異色。

ただミニマル・ダブでアンビエントというと、ただただ気持ちがいいだけなのかというとそんな事はなく、ノイズやドローンの要素を取りいえれた、比較的緊張感の高い曲が多く面白い。

まぁそれでもノンビートで80分はさすがに長いんだけど・・・。

Gatekeeper / Atmosphere Processor (Apple Pips) mp3

Gatekeeper / Atmosphere Processor (Apple Pips)
https://www.facebook.com/Apple.Pips.Recordings

Appleblim が主宰するブリストルのレーベル Apple Pips から、2012年に発表された Gatekeeper のシングル。
Appleblim といいますと、 Shackleton と共に Skull Disco を運営していた人物であり、 Gatekeeper も Skull Disco からのリリースがあることから Shackleton 周辺っていう括りで語られる事が多い人。

ということは今作も Shackleton みたいなドロドロ系なのかというとむしろ逆で、 “Atmosphere Processor” なんかは前のめりに変則的なリズムを刻むドラムにパーカッション、そこに空間を切り裂くような鋭いシンセの音が入ってくるという、テクノ的な疾走感をもった曲。この手のやつってベースがおざなりになって軽くなる事が多いんですが、これはきちんとタメの効いた重たいベースで非常にかっこいい。
それに比べるともう1曲の “Let Us In” はダブステップの基本に近い感じではあるんだけど、リズムは十分変則的だし、ダブ的な音響が気持ちよかったりと、これまた良い。

この人は作品の数がイマイチ少ないんだけど、それでもこれだけの作品を出されれば文句もない。

Atmosphere Processor / Let Us In - Single - Gatekeeper

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Guy Gerber / The Mirror Game (Visionquest) mp3

Guy Gerber / The Mirror Game (Visionquest)
http://www.vquest.tv/

音盤購入の記事見てもらえば分かるように、今年はけっこうテクノを買っているんですが、そのわりにブログで紹介していない気がするので、ポツポツなんか書いてみます。とはいっても例によって何ヶ月も前のなんだけど。

っつうことで今年の春に出た、イスラエルのプロデューサー Guy Gerber のシングル。

今作は冒頭から入ってくる、柔らかなギターを思わせる音色で奏でられる、たゆたうような上モノにまずもっていかれるんですが、そこに絡むしなやかなリズム、幽玄なヴォイス・サンプル、切ないシンセのメロディと、全てが素晴らしい。それでいてあからさまな盛り上がりや展開を聴かせることなく、ゆらゆらと流れるように曲が進行していくのもいいし、7分という時間を一切弛緩させることないこの曲は、名曲といって差し支えないんじゃないかしら。

2曲目の “One Day In May” は、表題曲のような印象的な上モノがない分地味なんだけど、これまたしなやかなリズムが気持ちのいい良曲。

ちなみにデジタルだと表題曲のビートレス・バージョンが入っているんだけど、これまた切なさ倍増で良い。傑作です。

The Mirror Game - Single - Guy Gerber

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GReeeeN / いままでのA面、B面ですと!? (NAYUTAWAVE) 2CD

GReeeeN / いままでのA面、B面ですと!? (NAYUTAWAVE)
http://www.greeeen.net/

以前石野卓球が田中フミヤを評した言葉に「日本でアンダーグラウンドなのはフミヤだけ。あとはマイナー。」っていうのがありまして。
あと他に THA BLUE HERB に “アンダーグラウンドVSアマチュア” なんて曲もありましたが、要はアンダーグラウンドというのは人気不人気とかいうものではなく、如何に自分の流儀でやるか、っていう話なんだと理解しています。

そういった意味でいうと、一時期の GReeeeN というのは日本で一番有名なアンダーグラウンド・アーティストなのではないか、と考えていた時期がありまして。
それは顔を一切メディアに出さないという姿勢だったり、人を食ったようなタイトルだったりという、あまり音楽とは関係のない部分が理由ではあったのだけれど、それでも他の売れているバンドとは一線を画す活動の仕方はなかなか興味深いものでした。

だから2009年のバンドの人気が頂点のときに、このベスト盤の発表と前後して彼らの解散の噂が出たときには、その勝ち逃げの仕方に興奮すら覚えたものなのだけれど、結局のところ噂は噂であって、しばらくの活動休止期間を経て、現在ではいつの間にか地味に復活して普通の人気バンドに収まった感がある。

なんともつまらん話である。

いままでのA面、B面ですと!? - GReeeeN

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G. Rina / MASHED PIECES #2 (Melody & Riddim) CD

G. Rina / MASHED PIECES #2 (Melody & Riddim)
http://www.goodingsrina.com/

シンガー、と呼んでよいのか一瞬考えてしまうほど多方面で魅力をみせている G.Rina が2010年秋に発表した4枚目のアルバム。

彼女がダブステップに興味があるというのは以前からなんとなくは知っていたし、 Helixir のビートに彼女のヴォーカルをのせた “Let You Drive” などは好きで何度も聴いていたんだけど、まさかアルバム1枚丸々ダブステップやファンキーなどの現行ビートを飲み込んだものになるとはまさか思っていなくて、しかもそれがどれも素晴らしいものなのでちょっと驚いている。

今作には Eccy や Tofubeats 、 Skyfish など様々な日本のプロデューサーが参加しているんだけど、海外のフロア志向の強いトラックに比べると、彼らの折衷的なトラックは間口が広く、それゆえに彼女のポップなメロディとも親和性が高く、ポップスとしてもビート物としても非常に刺激的なものになっている。
中でもチップチューン的な上モノとダブステップの凶暴なサブベースが交差する Tofubeats 作の “Did It Again” は面白いし、アンビエントっぽいダブステップとゆったりとした G.Rina のヴォーカルが抜群の相性を聴かせる (dub)y 作(初めて聞く名前だ)の “First Taste” の気持ち良さは格別。

今まで G.Rina を聴いてこなかったのを後悔するくらいの傑作。これからはもっと積極的に聴いていこう。

MASHED PIECES #2 - グディングス・リナ

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Gui Boratto / Take My Breath Away (KOMPAKT) 2LP+CD

Gui Boratto / Take My Breath Away (KOMPAKT)
http://www.kompakt.fm/

一時期に比べるとめっきり数が減った感じのするシューゲイザー系のミニマルなんですが、この頃はまだけっこう色んな人が出していましたね、っていうことで、ブラジル出身の gui boratto が2009年に出したセカンド・アルバム。

彼のファースト・アルバム(過去記事)はジャケット同様カラフルかつポップな内容でしたが、今作は基本的な部分では変わらないものの、メロディの多彩さは若干抑え目に、代わりにリズムを太く、そしてシューゲイザー的な上モノの歪みを強める事によって、よりフロアユースになった印象。

しかしだからといって作品が一本調子になっているとかいうことはなく、憂いのある雰囲気、という部分では共通しながらも、きちんと多彩なメロディを聴かせる中盤などはさすがと思わせるものだし、中でもいかにも朝焼けにピッタリといった感じの “No Turning Back” はかなり泣ける。

まぁ他の人の文章を読むと、前作からの延長線上過ぎる部分が引っかかっている人が多いようだけれど、そもそもこの手のシューゲイザー・ミニマルをあまり聴かない私はその点に関しては気になりませんでした。
よって前作よりも好きな作品です。

Take My Breath Away - Gui Boratto

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GLAY / LOVE IS BEAUTIFUL (EMI) CD+DVD

GLAY / LOVE IS BEAUTIFUL (EMI)
http://www.glay.co.jp/

2007年リリースの GLAY の9枚目のアルバム。

この人たちは『pure soul』『HEAVY GAUGE』という傑作をモノにして以降、長い間迷走しているな期間が続いていたけれど、今作は久し振りに、全てを吹っ切ったかのように GLAY らしい曲が並んでいる傑作になっている。

まぁその分意外性というものに乏しいのは事実なんだけど、それゆえにシングルの時点ではやや突飛に思えた EXILE との共作である “SCREAM” が存在感を放っていて、全体を引きしめたものにしている。

後はこのまま以前のようなペースで活動できていればよかったんだろうけれど、事務所とのゴタゴタが原因なのかまた停滞してしまった印象で、つい先日出た10枚目のアルバムが、今作同様快作ならば良いのだけれど、まだ聴いてないのでそこは何とも書けないっす(中途半端ですいません)。

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Guy Gerber / My Invisible Romance (Supplement Facts) mp3

Guy Gerber / My Invisible Romance (Supplement Facts)
http://www.supplementfacts-records.com/

イスラエル出身のプロデューサー Guy Gerber が昨年末に発表した EP。
とはいってもアナログだと4曲入りダブル・パック、デジタルでは8曲入り70分超という、容量的にはアルバムといっても全く遜色ない代物。

この Guy Gerber というアーティストに関してはここ数年名前自体はよく目にするものの、音源に関しては2007年のアルバム『Late Bloomers』を持っているくらいで(はい、つまりまだ聴いてません)、他にはほとんど聴いたことがないので以前のスタイルとの比較などは出来ないのだが(元々プログレ/トランス畑の人みたいだけど)、今作での音は簡単に書けば Cadenza 以降の有機的な感触を取り入れたミニマル・ハウス。

しかし今出回っているそれらの音のほとんどが、ある種の型にはまっている退屈さを感じさせるのとは違って、柔らかなキックとさまざまな生音で描かれる今作の音は、揺らめきながら立ち上る風景が徐々に変化していくような、こちらの想像力を常に刺激するようなもの。それでいてダンス・ミュージックとしてのグルーヴも申し分なく、その音楽的な完成度には圧倒される。

まぁあえて難癖つけるなら、なんでデジタルの方が曲数多いんだよ、ってとこですかね。これなら片面1曲4枚組みでも買いますよ。

My

G.F.B. / Different Shades of Grey

G.F.B. / Different Shades of Grey
http://www.notthebizzle.com/

1986年産まれの白人ラッパーの2枚目のフリーダウンロード・アルバム。

彼は元々バンドなどもやっていたようで、今作にはミクスチャー・ロックのような曲や弾き語りの曲があって、その2曲が異彩を放っていはいるものの、それ以外は比較的オーソドックスなヒップホップ/グライムで、そのどれもが悪くはないものの、どうもラップとトラックの噛み合わせが悪くて、グルーヴに欠けるのよね。

そのせいなのかどうなのか、結局アカペラの “Still Spittin'” が一番好きかな。

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Guns N’ Roses / Chinese Democracy (GEFFEN) CD

Guns N' Roses / Chinese Democracy (GEFFEN)
http://web.gunsnroses.com/

いつの間にか Guns N’ Roses が来日したんですってね。ライヴの出来の方はどうだったんでしょうか。
ということで、2008年発売された Guns N’ Roses 17年ぶりのアルバム。

このアルバムに関しては、世間的にはひたすら期待値だけが上がっているような状態だったので、その中きちんと作品を出したことはある意味えらいと思うんだけど(まぁ原因は完全に自分達だけどね)、内容的には凡庸なアメリカン・ハードロック。

私は衝動を重視した『Appetite For Destruction』よりも、完成度を重視した『Use Your Illusion』の方が好きな人間なのでまだ聴けるが、未だにこのバンドにロックン・ロールを期待している人からすれば辛い内容だろうし、このアルバムを Guns N’ Roses の作品たらしめているのは、良くも悪くも Axl Rose の声だけだということを痛感する。

しかもこれで世紀の駄盤だというのなら笑いのネタにでも出来るのだが、これが意外に聴ける作品というのも困りもので、それゆえにやはり凡庸な作品だといわざるを得ない。

ガンズ・アンド・ローゼズ - Chinese Democracy

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DJ GEORGE / THE Z -BEST OF ZEEBRA- (PONYCANYON) 2CD

DJ GEORGE / THE Z -BEST OF ZEEBRA- (PONYCANYON)
http://blog.livedoor.jp/djgeorge305/

Zeebra 関連の音源を DJ GEORGE がミックスした2枚組み。

昨年の20周年を記念したベストが3枚組み、そして今作には50曲収録という事で、かなりの曲がかぶってるんだけど、それほど明確に分かれているわけではないものの、1枚目が ZEEBRA のハードな面、2枚目が彼の華やかな部分が強く感じられる選曲になっている。

まず1枚目。ほとんどの曲が ZEEBRA がダミ声でガンガン押すタイプの曲ばかりで、正直ミックスとしては抑揚に欠けるんだけど、機能性にこだわる ZEEBRA だけあって、改めて聴いてもトラックの質が高い。そしてだからこそ、外国のラッパーと絡んだ曲でもトラックに違和感がなくて、そこはやはり流石です。

でも今作で面白いのは2枚目で、ほとんどの曲がシンガーと絡んだ曲なんだけど、最近自身が歌に寄ったラップをするラッパーは増えたけど、こうやってラップの部分を崩さずに歌手とがぶり寄って組める人って日本だとまだ少ない気がするんですよね。要はきちんとちゃらいのやれる人がいない。

そういった意味で ZEEBRA には抜群に上手さを感じるし、また同時に FIRSTKLAS が短期で終わってしまったのは改めて残念に思う。こういうポップの土壌で良い仕事する人がたくさんいたら、今の状況というのはまた違ったと思うんだけどね。

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GummiHz / Sleepless Nights (Mobilee) mp3

GummiHz / Sleepless Nights (Mobilee)
http://mobilee-records.de/

確かあれは1年位前だったか、「ミニマルのディープ・ハウス化」なんて事がよく云われておりまして(もうちょっと前だっけ?)、そのときよく名前が挙がっていたのがこのドイツのレーベル Mobilee Records だったんですが、私からすると Mobilee っていうといかにもミニマルな暗黒ビートを鳴らす代表レーベル、みたな印象が強かったので、その意見に関しては当時かなり疑問でした。
しかし Mobilee の配信のみのリリースとなる Gummihz こと Alexander Tsotsos のアルバムは、「ミニマルのディープ・ハウス化」なんて通り越し、まんまハウスになっていて軽く驚く。

以前彼の音源を Mobilee のコンピで聴いたときは、このレーベルらしいディープ・ミニマルだったのだけれど、今作では1曲目の “Love Call” から王道感のある歌モノで、続く “Sunshine Dub” もストリングスと上モノの感じがニューヨーク・ハウスっぽい。これ以降もテクノらしい硬い音はあまり使われず、その柔らかさはハウス的な印象を強めている。

しかし今作がまんまハウスなのかというとそんなこともなく、ベースよりもキックがグルーヴを形作ってるところなどはテクノの語法を感じるし(単純すぎますか)、そのキックの音もそれほど重くないので、こちらに何かを強要する感じがないのも聴きやすくて良い。

どっちつかずと云ってしまえばそれまでだが、ダンス・ミュージック好きならどんなタイプの人でも聴きやすい作品かと。

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GReeeeN / 塩、コショウ (NAYUTAWAVE) CD

GReeeeN / 塩、コショウ (NAYUTAWAVE)
http://www.greeeen.net/

このブログに対するモチベーションはイマイチ上がらないものの、先月の最初のほうは頑張って更新したんですが、結局後半は息切れしちゃったので、今月はちょっとスタイル変えてゆるりといってみようかと思います(まぁいつも緩いけどね)。

ということで、売り上げ的にみれば間違いなく今年を代表する作品である GReeeeN のメジャー3枚目のアルバム。

昨年末に出た Zeebra の自伝に、最近「大丈夫」っていう歌が多いけど「大丈夫」と言わなきゃいけないということは大丈夫じゃないということだろう、みたいな事が書いてあって、それは確かにその通りなのだろうし、またその手の応援歌じみた歌は辟易するほど世の中に溢れている。
そしてこの GReeeeN というバンドの歌も、大別すればその手の応援歌になるのだろう。

しかしこの『塩、コショウ』を聴いてみると(因みに私は彼らの作品をまともに聴くのは初めて)、とにかく浮かんでくるのは彼らの屈託のない笑顔なんですよね。そう、彼らの発する音はとにかく屈託がない。多くの曲で歌われる未来に対する希望であったり、周りの人に対する思いやりであったり、また今この時という時間を楽しもうという気持ちであったり、そうやって種類は違えど、どんな曲であってもそこに込められた彼らの思いはどれも真っ直ぐだ。しかし同時に、そこかしこにちゃんと大人としての視点も感じられて、その真っ直ぐさというものは、子供じみた純粋性ではなく、彼らの人間的な資質によるものだというのが分かる。

そしてその真っ直ぐさをのせたメロディも、非常に感情的なものながら、それを歌うヴォーカルはあまり感情を込めすぎることがないので重くならないし、また同時に感情的な隙間があることで、聴き手が思い出で補完する余地があるのだろう。

まぁ以前書いたようにメロディのパターンはやっぱり少ないかなとは思うんだけど、メンバーがヴォーカルを分けあうことで程よく印象を変えているし、今作の「良い奴」振りからすると、そんなことは些末な問題に思える。

とにかく個人的には GReeeeN に対する印象がガラリと変わった。良いアルバムです。

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GIRL NEXT DOOR / Seeds of dream (avex) CD

GIRL NEXT DOOR / Seeds of dream (avex)
http://girlnextdoor.jp/

GIRL NEXT DOOR の、昨年のアルバム(過去記事)以降では初となるシングル。
一応アルバム出した後なんで、多少は音楽性に変化があるのかなぁなんて思ってたんだけど、そんなものは当然のようにあるわけもなく、それにデビューしてまだ1年くらいなんだから、そんなに早くは音楽性も変わらないか、ってな感じで、いつも通りのエイベックス打ち込み歌謡。

表題曲の方はアイスのCMで流れているので聴いた人も多いかもしれませんが、ヴァースからコーラスへの展開がプログレもびっくりな強引さで、その無理やり加減が逆にエイベックスっぽくて、なんだかほっこりする曲。しかし曲の頭からけっこうでかい音でキックがなるんだけど、それがサビになっても全く音圧下げないのはものすごくエライ!

カップリングの “Reasons for tears” は、バックのトラックが四つ打ちじゃなくてブレイク・ビーツになっているせいか、いつもの直情的な感じが削がれちゃってイマイチ。

あとの残りのリミックスは、このユニットの別な側面を見せるというものではなく、エイベックス的な音のバリエーションでしかないんだけど、 “ESCAPE (ice cream mix)” はなかなか面白く、ヴォーカルを掻き消すように馬鹿でかく鳴らされるハットとキックがこれまたステキな佳曲。

このユニットは毎回金太郎飴のような音なので、いい加減飽きるかと思ったんだけど、意外とまだいけそうですね。まぁ世間的にはそろそろ厳しい感じもするが、果たして・・・・・。

Girl Talk / Feed The Animals (Illegal Art) mp3

Girl Talk / Feed The Animals (Illegal Art)
http://illegalart.net/

アメリカ出身の Gregg Gillis さんのソロ・プロジェクト Girl Talk が昨年夏に発表した4枚目のマッシュアップ・アルバム。
私はこの Girl Talk という人はよく知らないんだけど、 In Rainbows の『In Rainbows』(過去記事)と同様言い値でダウンロードできるというので聴いてみた盤です(因みに0ドルで落とした)。

この作品は収録時間50分強の中に250曲以上詰め込んでいるということで話題になったようで、まぁ実際そこまでやるのはすごいとは思うんだけど、それだけ詰め込むということは曲をかなり細切れにしているということでもあって、そうなってくるとかなり展開がせわしなく、流れも何もあったもんじゃないんだよね。だから知っているフレーズが飛び出して瞬間的に盛り上がる場面はいくつかあるものの、全体としては作りこみすぎたプログレ聴かされている様な感じで、のっぺりしていて正直よく分からん。

過ぎたるは及ばざるが如し、っていう言葉そのまんまの作品。

ダウンロード・ページ

GIRL NEXT DOOR / GIRL NEXT DOOR (avex) CD

GIRL NEXT DOOR / GIRL NEXT DOOR (avex)
http://girlnextdoor.jp/

あれは確か「rockin’ on」に載っていた oasis のレビューだったと記憶しているんだけど、「oasis を時代錯誤とかいうやつがいるが、今の時代にコレだけ受け入れられているということは、それだけで現代性を持っていることの証明である」、みたいな事が書いてあって、それを読んだ私は激しく納得してしまったのだけれど、じゃぁその言説に沿っていくならば、いくらレコード会社の力が大きいとはいえ、それなりの結果を出している Girl Next Door も、きちんと現代性を持っているということになるのだけど、いや、どうなんでしょうね。

この100年に一度といわせる大不況の中、全曲にタイアップがついているという、非常に景気のいいこのアルバムなんですが、先に発売されたシングルの路線から予想できる通り、全ての要素において avex の遺産のみで作られたような作品。

なのでここから最近の音楽の流れを読み取ることはかなり難しい。

しかし上記の論は多少極論めいていたとしても、現状受け入れられているのは事実なわけで、ということはやはりこのグループが現代性を持っていると考えられるわけで、それは一体なんなのか、昔の avex ものと聴き比べてみたりしたんだけど、全然分からないのよね。多少 Girl Next Door の方がキックの音がくっきりしてる気はするんだけど、そんな細かいとこ普通の人が気にしないだろうしさ(っていうか私もしない)。

そうするとあと考えられるのは、結局ここ10年、 J-POP の進化なんてものはなかった、ということなんだけど、そう云い切ってしまうのもちょっと抵抗あるんだよね。まぁ目に見えるほどの進化があったかといえば、それも甚だ疑問なんだけど。

ということで、話が全然まとまらないので、ここで強引に終わりにしたいんだけど、この10年の avex なり J-POP なりを振り返るというのも中々面白いかもしれませんね。まぁ気が向いたら書きます。

GIRL NEXT DOOR - GIRL NEXT DOOR

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GAGLE / THE FUNKY INSTRUMENTALS VOLUME THREE (MUKATSUKU) 7″

GAGLE / THE FUNKY INSTRUMENTALS VOLUME THREE (MUKATSUKU)
http://www.myspace.com/mukatsuku

Pepe Bradock 絡みでもう1枚。

ってなんで Pepe Bradock 絡みで、日本のヒップ・ホップのグループである Gagle になるんだ、と思う人もいるかもしれませんが、この盤に収められた “Snow Revolution” が、 Fredie Hurbert をネタに使ったトラックなんですね。そう、あの “DEEP BURNT” (過去記事)と同じネタです。
元々この “Snow Revolution” という曲は、 “雪ノ革命” というタイトルで、 Gagle のデビューアルバム『3 MEN ON WAX』に収められていたもののインスト版。

なんていうことは、この記事書くにあたって検索していてはじめて知ったんだけど、聞き比べてみると、ストリングスの美しさが堪能できる、このインストのほうが私は好きかな。素材の魅力を何倍にも増幅させていた Pepe Bradock に比べると、こちらはヒップ・ホップのビートに乗せただけの、比較的シンプルなモノながら、逆にシンプルであるが故の美しさというものが感じられて、こちらもやっぱり良い。
裏の方は Jazzy Sport らしいジャジーなものなんだけど、使われているピアノに躍動感があって、よくある雰囲気モノに終わっていないのが良いです。

試聴

Gaiser / Blank Fade (m_nus) mp3

Gaiser / Blank Fade (m_nus)
http://www.m-nus.com/

そういえばここ何週間くらい、 DrecomRSS に RSS が送信できていないみたいなんだけど、他の RSS リーダーはどうなんでしょうか。多分プラグインいじったのが原因だと思うんだけど、直し方がさっぱり分かりません。

今年はずいぶん積極的にアルバムを発表してきた m_nus ですが、 Jon Gaiser こと Gaiser の初アルバム。

m_nus のアーティストというと、 Richie Hawtin 直径のアシッド・ミニマルを作る人が多い印象があるんですが、この作品に関しては比較的アシッド成分は薄め。その代わり漆黒の闇に沈み込むようなディープ・ミニマルが多く、全体を通して相当地味ではあるんだけど、グルーヴにきちんと躍動感があるので機能性は高い。

まぁ言い換えると、家で聴くよりはクラブで爆音で聴いた方がいい作品ということになるんだけど、非常に高い完成度を有した作品です。

試聴
[Tracklist]

GIRL NEXT DOOR / Drive away (avex) CD

GIRL NEXT DOOR / Drive away
http://girlnextdoor.jp/

個人的にはデビュー作『偶然の確率』(過去記事)がツボだった GIRL NEXT DOOR の、矢継ぎ早の2枚目。

イントロの今時ないくらいトランスっぽいシンセに思わず仰け反りそうになるんだけど、歌が始まってしまえば、やっぱり avex な王道 J-POP 。前作同様まさに既聴感のみで構成されたような曲なんだけど、こちらの方がテンポが速い分、不健康なまでに健康的な躁状態、とでもいいたいような感覚が強くて、こういうのには逆らえないんですねぇ。同じ応援ソングでも、こういう病的な方が私は好きです。

あと今作も avex のいつもの例に漏れず、リミックスが2曲ほど収録されてるんですが、こういうのって、一体どういう層に向けて作ってるんですかね。昔近田春夫が「クラブで使える」みたいなこと書いてた気がするけど、ホントに現場で使ってるとは思えないしさ。せいぜい使ってても「申し訳」とかその手のでしょ。そういうのがそれ程需要があるとは思えないしなぁ。まぁこういう avex のリミックスだけでカッコいいミックス作れる人がいるのなら、ぜひとも聴いてみたいところではありますが。

視聴
amazon

GIRL NEXT DOOR / 偶然の確率 (avex) CD

GIRL NEXT DOOR / 偶然の確率
http://girlnextdoor.jp/

別段好物というわけではないんだけど、ふとした瞬間にファンタとかマックとか、添加物の多そうな食べ物(実際はどうだか知りませんが、イメージとして)が食べたくなるときがあるんだけど、それと同じようなことが音楽でもありまして。ではそのような時に、私はどんなのを聴くかといいますと、まさにこの曲ですよ、 GIRL NEXT DOOR のデビュー曲である “偶然の確率” 。

なんでもこの人たちは avex の20周年である今年送り出された大型新人らしいんだけど、もう私は CM で聴いた瞬間にもってかれた。昔 ELT がデビューした時も、ただでさえパチもんくさい globe の、またさらに三流コピーのような風情にしびれたものだけど、この GIRL NEXT DOOR も、この J-POP の進化など何もなかったかのような(実際なかったのかもしれないけど)、どこからどう聴いても avex 意外ではありえないような王道の打ち込み J-POP で、とにかくスゴイ。

イントロのギターが鳴った瞬間、そのあまりに90年代な音色にクラクラするんだけど、それ以降も、曲にしろ歌詞にしろ音にしろ、構成される要素の全てにオリジナルなものが一切なく、 trf 以降の avex の語法を駆使したものになっていて、逆に最近の avex にはない王道感を強く感じる。もうすぐ21世紀も10年経とうというのに、こんな音を鳴らせるのは、よほどの天才かアホかのどちらかだろう。
そして後ろで演奏してるおっさん二人はどうだか知らないけど、少なくとも歌っている女の子に関していえば、自分の歌、及び音楽が最高であると信じて疑ってないような堂々としたたたずまいのヴォーカルで、そこが素晴らしいし、でも実際には、音程はともかくとして、声に躍動感がなくて平板な印象しか与えないのも avex っぽくて個人的にはツボ。歌詞が誇大妄想気味なのも、小室哲哉っぽくていいし。

まぁ正直いえば、全てにおいてディフォルメがきつすぎて、この曲がいいのか悪いのかもよく分からないんだけど、好きか嫌いかでいえば私は大好き。なんかこうなってくると day after tomorrow を聴いてこなかったことが悔やまれるが、まぁそんなことはどうでもいい。彼らにはこのまま、時代の徒花として添加物にまみれた曲を量産してほしいなぁ。

GIRL NEXT DOOR - 偶然の確率 - EP

Guillaume & The Coutu Dumonts / I Was On My Way To Hell (Circus Company) mp3

Guillaume & The Coutu Dumonts / I Was On My Way To Hell
http://www.circusprod.com/

今のミニマルって “heater” 以降というべきなのか、やたらとオリエンタルなメロディのトラックが目立ちますが、それと似たような流れなのか、パーカッシブなのもずいぶんと増えてきていて、それとは別に、またハウスっぽいのもやたらと多くなっていて。

というのが私の印象なんだけど、実際どうなんでしょう。なんかシスコが無くなってからというもの、あんまりレコ屋に行かなくなっちゃったし(買ってはいるけど)、元々クラブに頻繁にいく人間でもないので、実は最近のミニマルって全然分かってないんだけど、まぁそれほど大きくは外れてない気がする。

んでまぁそういう流れからいくと、一時期ほどの勢いはないものの、いまだ高い人気をほこっているのがこの Guillaume & The Coutu Dumonts さん。なんかものすごく二人ユニットっぽいお名前ですが、カナダ出身の Guillaume Coutu Dumont の一人ユニットで、 Egg とか Luci とかやってる人なんだそうで。

カナダのミニマル系のアーティストの多くがそうであるように、この人もカナダのレーベル中心に出してたんだけれども、今作はフランスの Circus Company からになるわけですが、表題曲は、上にあげた3つの要素を見事なまでに混ぜ合わせた曲。ってもどれも要素的に相性はいいので、何の不自然さも感じさせない、楽しげなファンキー・ミニマル・ハウス。

そして裏の “Can’t Argue With Silence” はもっと隙間を生かながらもよりミニマルに、でも独特のゆるさも持っていて、やはり明るく楽しげな曲になっていて、これも最近の傾向なんですかね。思えば近頃人気のある曲って、基本的に明るい曲が多いもんね。やはり皆さんいい加減鬱々と踊るのには飽きたということなのでしょうか。そうするとこの先にあるのはハウスのシカゴ回帰な気がするし、最近のデトロイトの復権とあわせて、テクノも原点回帰するんでしょうか。んで、暗いミニマルの方々は(私が好きなの)、ダブ・ステップと交配して、よりミニマルに鬱々と、ってな感じなのかしら。うん、よく分かんないや。

っていうかすげぇ眠い。なので今回かなり文章グダグダですね。次回からはもっとがんばります。ごめんなさい。

視聴

BIANCO / CIOCCOLATO SESSUALE (PERSISTENCEBIT) 12″

CIOCCOLATO SESSUALE
http://www.persistencebit.com/

Geoff White による新名義のシングル。リリースはまたもや Andy Vaz 絡みのレーベルから。

彼は以前も Aeroc や Jackstone 等の名義で作品を出しているけど、そのどれもが単発で終わっていて、今回はどうなんでしょうか。
まぁとにかく、 Geoff White といえば、以前からの透明感のあるミニマル・ダブから一転、 Apnea からの『sum』において、はっちゃけミニマル・ファンクを披露していたわけですが、今作はなんとカット・アップ・ファンク。以前の Akufen を思わせるトラックは、カット・アップ・ファンクの中でも、比較的オーソドックスなものではあるんだけど、ところどころに顔を出す、透明感のある音使いが Geoff White らしい。

作品としては全然悪いものではないんだけど、やはりどことなく過渡期的な印象をいだいてしまうのはしょうがないところかしら。

Bianco - Cioccolato Sessuale - EP