REBOOT / Deep V (Deep Vibes) File

REBOOT / Deep V (Deep Vibes)
https://www.facebook.com/DeepVibesRecordings

Reboot こと Frank Heinrich が2014年2月に発表した2枚目のアルバム。
前作は Luciano の Cadenza からでしたが、今作は Sascha Dive 主催の Deep Vibes Recordings から。

2010年に発表された前作『Shunyata』は、躍動感のある曲や、それなりの重さを持ったダンサブルなアルバムだったという印象だったんだけど、今作は全体的に音が軽め。ならそこで軽めの音でも聴かせるような工夫がなされていれば良かったんだけど、今作は音の軽さに伴ってグルーヴも希薄になっているので、ただのチャカポコしたミニマル・ハウスになってしまっている。

6曲入りで70分という長尺曲ばかりの作品なので、ミックスされてなんぼ、って事なのかもしれないが、単体では退屈な作品と書かざるを得ない。

まぁ RA で「1.5」を叩き出すほどの酷い作品とも思わないけど(笑)。


Regis / Turin Versions (Blackest Ever Black) 12″

Regis / Turin Versions (Blackest Ever Black)
http://blackesteverblack.blogspot.jp/

Regis こと Karl O’Connor が2013年に出したシングル。
今作をリリースしている Blackest Ever Black って、よく分からないカセットなんかも限定で出してたりしますが、今作もアナログ限定300枚という代物。

曲の方はというと2012年に同レーベルから発表した『In A Syrian Tongue』(関連記事)の別バージョン。
オリジナルは重厚なリズムの、いかにもハード・ミニマルといった感じでしたが、こちらはベースを中心に音が削られているため、非常に隙間のある音作りになっている。しかしドラムの音自体が太いためスカスカな印象は全くないし、左右にふれるドラムが作り出す縦ノリのグルーヴには、オリジナルとは違った躍らせる力があり面白い。

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Roger Robinson / Contemplate Mixtape (Self Released) mp3

Roger Robinson / Contemplate Mixtape
http://www.rogerrobinsononline.com/

King Midas Sound のメンバーである Roger Robinson が、2013年3月に発表したミックステープ。
King Midas Sound ってリミックス・アルバムを持っているだけなのでそれほど詳しくはなくて、The Bug こと Kevin Martin のプロジェクト、って位の印象しかないのだけれど、この Roger Robinson もスポークンワード出身で、それなりにキャリアがある人みたい。

そんなヴォーカリストというよりは詩人といった感じの Roger Robinson の久しぶりのソロ作となる本作は、Ryuichi Sakamoto and Alva Noto や William Bassinki などの既発曲に、自身の声をのせたもの(ちなみに同じく King Midas Sound のメンバーである Kiki Hitomi も同様のミックステープを昨年発表してるけど、なにか申し合わせたのかしら)。

今作は Ryuichi Sakamoto and Alva Noto の曲が2曲使われているものの、それ以外は違うアーティストによるもの。しかしどの曲でも共通しているのはピアノ等の鍵盤楽器が基調になっているということで、そこに微細なエレクトロニクスやノイズが絡んで描き出す世界は非常に静謐なもの。

そしてそこに乗る Roger Robinson のヴォーカルは、お世辞にも巧いといえるようなものではないのだけれど、彼の揺らめくようなか細い声は、その世界観を壊すことなく寄り添っていて、非常に心地よい。
また世界観自体はどの曲も変わらないものの、ほとんど囁くようなヴォーカルの “Iano” や “The Garden of Brokeness” 以外にも、はっきりとした歌に近い “Replica” や “Ode To Gill” みたいな曲もあり、作品全体として強弱のある流れになっているので飽きずに聴ける。

4月に EP 、8月にアルバムを出すようなので、そちらの方も楽しみだ。

Ruddyp x Bear//Face / Ruddyp x Bear​/​/​Face Split (Self Released) mp3

Ruddyp x Bear//Face / Ruddyp x Bear​/​/​Face Split

アメリカの Ruddyp と、イギリスの Bear//Face という、二人のビートメイカーによるタイトルどおりのスプリット盤。
とはいっても各1曲ずつしか収録されておらず、さらに両曲とも A$AP Rocky のリミックス。

まず Bear//Face による “Long.Live.A$AP [Bear//Face Bootleg Edit]” 。 Bear//Face という人はベルファスト出身の19歳。今作では細かい粒子の靄がかかったような音作りと、原曲でのコーラスを活かした幻想的なリミックスに仕上げながらも、底から突き上げるようなベースと変質的に鳴らされるハイハットで高揚感も生んでいて素晴らしい。

それに比べると Ruddyp による “PMW (All I Really Need) [Ruddyp Bootleg Edit]” は原曲との違いがあまりなくてイマイチかしら。音作りを変えたりシンセを加える事で、原曲の印象をほとんど変えずに軽くしている、という点では面白いんだけど。

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RICARDO VILLALOBOS / DEPENDENT AND HAPPY – 4 (Perlon) 12″

RICARDO VILLALOBOS / DEPENDENT AND HAPPY - 4 (Perlon)
http://www.perlon.net/

チリ出身、現在ベルリン在住のプロデューサー Ricardo Villalobos が2012年に発表した12インチ。

昨年 Villalobos が発表したアルバム『DEPENDENT AND HAPPY』は、その内容は当然の事、14曲で5枚にもわたるアナログと、そこから11曲抜粋してミックスされた CD 、という発売形態も話題になった作品でした。
そして今作は、それらに収録されなかった未発表曲を収録したシングル。当初ベルリンにある Perlon のショップでしか取り扱っていなかったのが、限定ながら一般流通したもの。初回プレス分はあっというまに売り切れたみたいだけど、最近リプレスされたみたいで、今のうちならわりと買える(すぐ売り切れるだろうけど)。

Villalobos というと “Easy Lee” に代表されるような、細かいパーカッションと絡みつくようなベースラインによる粘着性により、なかなか沸点を迎えない中毒性の高いリズムを作る一方で、一般的な親しみやすさからは程遠いものの、通常の曲の流れからすると異物感のある要素を放り込む事によって、結果曲に引っ掛かりを与えるという、ポップながらも変態という部分が自分には印象的です。

しかし最近の Villalobos はというと、2011年に Max Loderbauer と組んで ECM の音源を再構築した『Re: ECM』に顕著に現れていたと思うんだけど、どうも実験的な要素が目立っていて、以前ほどには積極的に聴く気になれませんでした。

では昨年の『DEPENDENT AND HAPPY』はどうだったのかというと、過去の作品よりも複雑になったリズムを聴かせながらも、様々な印象的なサンプルや音色により総体としてはポップという、 Villalobos の長いキャリアの中でも代表作と呼べるような作品になっていて、2012年の年間ベスト(関連記事)でも上位に入れるくらいよく聴いた。

ということで前置きが長くなりましたが本作。アルバムの未発表曲という位置づけなので、完成度的には一段下がるのかと思ってたんだけど、なんでこれが未発表だったのか疑問になるほどの傑作。
今作に収められた2曲はアルバムの曲に比べると、比較的直球の四つ打ちのダンス・トラックになっていて、そういった意味ではあえて分類するなら、アナログの『Part 3』に近い。しかし比較的展開のあった『Part 3』に比べると、今作はよりミニマル。なのでアルバムよりも少々地味なんだけど、2曲に共通して多く使われているヴォイス・サンプルと、その後ろで立ち上っては消えていく様々な音たちは、まるで雑踏の中で目の前を流れていく景色のようであり、またそれはアルバム一枚を通して描いていた時間の流れをシングルに凝縮したようでもあり、非常に聴き応えがあり、それと同時にアルバムの番外編として納得のいくものになっている。

アルバム気に入った人は、買えるうちに買っておいたほうがいいかと。
ちなみに今作入れると『DEPENDENT AND HAPPY』はアナログ6枚で2時間半。アホですな。

試聴

Ricky Hil / SYLDD (Self Released) mp3

Ricky Hil / SYLDD
http://rickyhil.com/

Tommy Hilfiger の息子だという Ricky Hil が2013年2月にフリーで発表したデビュー・アルバム。
なんでも本作は元々 Warner Bros. から出る予定だったものの、発売日の延期などでなかなかリリースされない事に業を煮やし、無料公開に踏み切ったものだそう(ちなみにタイトルは「Support Your Local Drug Dealer」の略)。
なのでフリーとはいえ Leona LewisThe Weeknd が参加していたりと、なかなか豪華。

ただ音の方はというと、もの悲しいアコースティック・ギターの調べで始まる冒頭の “Slickville” からしてあまり作りこまれた感じはない。さらにビートこそヒップホップのモノながら、そこにブルージーなギターが絡み、その上で Ricky Hil がしゃがれ声でラップや歌を聴かせるという、要はラッパーが作るロック作としてはありがちな作り。

さらに Ricky Hil の歌が明確なメロディを歌い上げるというよりは、鼻歌のようにふわふわと気だるく声を出すものなので、どうしても雰囲気モノという印象が強くなってしまうんだけど、このたそがれた空気感というのは悪くない。
なかでも柔らかな演奏やメロディと銃声のサンプリングの対比が印象的な “The Right Time” いい。

The Weeknd と Leona Lewis が参加した部分だけ音楽的完成度が一気に上がって感じるのはご愛嬌。

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Roses Gabor / Stars (Girls Music) mp3

Roses Gabor / Stars (Girls Music)
http://www.facebook.com/IamRosesGabor

ロンドンの女性シンガー Roses Gabor が2012年末に発表したデビューシングル。

彼女以前紹介したミックステープ(過去記事)では、ベース系のトラックにブラック・ミュージック然としたヴォーカルを乗せる、っていう感じだったんですが、今作でも方向性としてはそれほど変わらない。
タメの効いたドラムとうなるベースラインは明らかにダブステップ以降のものだし、彼女のヴォーカルも相変わらずソウルフル。
ただ今までと決定的に違うのは今作は非常にポップだという事で、切なさをにじませながらも基本的に明るいメロディもそうだし、自分の声をあえて素材の一つとして、サビで細切れにしたり変調をきかせているのもそう。
しかしそれにより、きちんとベース・ミュージックの要素を持ちながらもすっきりとしたポップスとして聴かせることに成功しているし、サビで変則的なキックを入れることで曲に緩急つけているのも良い。

もう1曲の “Night Sky” も、豊かな低音と切ないメロディが絡む良曲。この人はアルバムが楽しみだ。

Stars - Single - Roses Gabor

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Rejoicer, Rotem Or / Re​-​Magic (Self Released) mp3

Rejoicer, Rotem Or / Re​-​Magic
http://www.rotemor.com/

イスラエルの女性シンガー Rotem Or のアルバム『Hard Magic』を、ベルリンのプロデューサー Rejoicer がリミックスした作品。

Rotem Or はフォークを基調とした音楽をしている人みたいなんだけど、今作では全てヒップホップに再構築されている。
またそのビートはさすがベルリンのプロデューサー、というべきなのか、エレクトリックな色合いの濃いモノながら、それほど原曲を感じさせる要素がなく、そういった意味での面白みは薄い。
また妙に間延びしたような音作りが多いのも個人的には苦手で、残念ながら引っかかるものがほとんどなかった。

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ryouta pinky a.k.a 桃色技術音楽堂 / Cuite Magic (OSFC) mp3

ryouta pinky a.k.a 桃色技術音楽堂 / Cuite Magic (OSFC)
http://ordinarysfc.main.jp/

OrdinarySuperFamilyComputer (オーディナリー スーパーファミリーコンピューター)というチームの一員である ryouta pinky さんが2011年に出した EP 。

ジャケットの感じから最初ヴォーカロイドものなのかと思って聴いてみると、実際タイトル曲など最初の方の無機質なヴォーカルは生身の人間なのかヴォーカロイドなのか、この辺に疎い私には判別がつかないほどなのだが、次第に熱を帯びてきて感情がにじみ出てくるヴォーカルはやはり生身のもので(多分・・・)、またそれに伴ってバックのトラックも色彩豊かになってゆくのが非常良い。
音楽的には四つ打ちの女性ヴォーカルもの、というか普通に J-POP と呼んで差し支えないほどポップながら、何気にミニマルな部分も持ち合わせているのも魅力的。

まぁ音そのものの完成度は普段聴いているテクノなんかに比べると一段も二段も下がるんだけど、お世辞にも上手いとはいえない女性ヴォーカルと共に、今作ではいい味になっている。

リミックスもこの手のものにありがちな必要以上に解体した感じがなくて好感持てます。

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ROBAG WRUHME / THORA VUKK (Pampa) 2LP+7″

ROBAG WRUHME / THORA VUKK (Pampa)
http://pamparecords.com/

ついでなんで Robag Wruhme が2011年に発表したセカンド・アルバム。
シングルはもちろんの事、ミックスCDやコンピなどがあったのでご無沙汰感は全くないが、オリジナル・アルバムとしては『WUZZELBUD”KK”』(過去記事)以来7年ぶり。

ある家族の休日の一こまを切り取ったようなジャケットが郷愁を誘うが、柔らかな電子音に導かれ、徐々にビートが入ってくる “Wupp Dek” で始まる本作は、ピアノやストリングスなどのメロディを用いながらゆったりとした時間を作り出していて、こちらも回顧的な色合いが強い。

しかしいくつかのインタールードをはさみながら赤ん坊をあやすかのような声で終わる、ある家族の物語を紡いでいるかのような作りは、 Robag Wruhme の作家性が際立つ非常に美しいもので、それでいて以前からのジャズの影響を思わせる細やかなビート・メイクはテクノとしても聴き応えのあるものになっている。

また以前のようなポップさは影を潜めながらも、メロディを多用する事で以前とは違った聴きやすさも獲得していて、改めて彼の音楽的な奥深さを感じさせてくれる本作は、非常に魅力的な傑作だ。

Thora Vukk - Robag Wruhme

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ROBAG WRUHME / Leistenhans Zwo EP (Musik Krause) mp3

ROBAG WRUHME / Leistenhans Zwo EP (Musik Krause)
http://www.musikkrause.de/

Robag Wruhme こと Gabor Schablitzki が2012年6月に発表したシングル。
Wighnomy Brothers での活動を休止させてからというもの、 Kompakt や Pampa からのリリースが目立っていたので、すっかり Musik Krause からは離れたのかと思っていたが、今回は久しぶりに古巣から。

Wighnomy Brothers の活動休止以降の Robag Wruhme は、どうも以前の分かりやすさが失われているようであまり積極的に聴く気になれなかったのだけれど、様々なサンプルやエフェクト、パーカッションによるリズムの緩急などをつけながらも、全体としては終始淡々と進むテック・ミニマルの “Brumby Kapell” 、太いキックとベース、甲高いパーカッションで巧みにグルーヴを練り上げる “Wolluwe” 共に、今作もその点は変わらない。

しかし以前よりも硬質な音作りと、以前からの冷たい音響空間との相性が良く、また時折挿入されるエフェクトなどからじんわりと染み出す軽妙さは、やはり Robag Wruhme らしさを感じさせ、またクラブ・トラックとしての高い機能性も相まって十分に魅力的。

まぁ以前のようなポップな曲をまた聴きたいなぁ、というのも一方で感じるのも事実だけど。

Leistenhans Zwo - EP - Robag Wruhme

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RAMPA / So Many Everything (Keinemusik) mp3

RAMPA / So Many Everything (Keinemusik)
http://keinemusik.com/

これは今年の春にルーマニアのミニマルに熱を上げていたときに(今も継続中だけど)、ルーマニア産だと思って買ったやつ。まぁちゃんと見たらレーベルもアーティストもベルリンだったんだけど、結果的には買って大正解のシングルでした。

まず1曲目の “So Many” は、パーカッションというよりは太鼓という感じの雄々しさがあるドラム、時折入るホーンの音、変調された野太い男声のヴォイス・サンプルなど、男性的に思える要素が強い曲なんだけど、それが総体としては非常に柔らかな曲としてまとめられていて、気持ちのいいミニマル・ハウスになっているし、要所要所で入ってくるダブ処理も良い。

2曲目の “Everything” はパーカッシブなリズムももちろん気持ちが良いのだけれど、こちらはちょっと鼻歌っぽい歌を聴かせる Meggy という人の歌が最高。変に魂込めすぎて押し付けがましくなることもなく、さらりと歌いながら印象的で素敵です。

試聴

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Regis / Adolescence: The Complete Recordings 1994-2001 (Downwards) 3CD

Regis / Adolescence: The Complete Recordings 1994-2001 (Downwards)

ダメ押しで Regis 。最近になってちょこちょこ過去作を再発している Regis さんですが、今作は昨年末に出した未発表曲も含めたコンピレーション。
このハードカバーつきの3枚組みは超限定だったみたいで、ほとんど日本に入ってくる事なく売り切れちゃったみたいなんだけど(私も海外のサイトで買った)、今年になってから CD 1枚ずつのものが売られているので、音自体はそれで聴ける。

田中フミヤの『MIX-UP Vol.4』にも使われた “Speak To Me” ではじまる本作は、ほとんどの曲が90年代のものなので、さすがに時代を感じさせる、いかにもハード・ミニマルといった感じの曲が多いんだけど、こうやって改めて聴いてみると、思ったよりも bpm は早くないんですね。
それでも最近の曲に比べて早く感じられるのは、やはりベースよりもキックを中心とした直線的なビートによるリズムがほとんどのためで、ここにある「テクノ感」って、確かに今はあまりないかもなぁ、とは思う。

逆にいえばそれだけ古臭さも感じるんだけど、これはいっそ2000年代の音源も纏めてもらって、その変遷というのを聴いてみたいところ。

Regis Complete Works 1994-1996 – Regis(iTunes link)
Complete Works 1997-1998 – Regis(iTunes link)
Regis Complete Works 1999-2001 – Regis(iTunes link)

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REGIS / In A Syrian Tongue (Blackest Ever Black) 12″

REGIS / In A Syrian Tongue (Blackest Ever Black)
http://blackesteverblack.blogspot.jp/

もう1枚 Regis がらみ。 Regis が昨年の夏に Blackest Ever Black から発表したシングル。

ジャケットは手前の人が刃物らしきものを持っているという、何気に物騒なものですが、音の方は変則的なキックのパーカッシブなハード(な)ミニマルで、以前のがちゃがちゃした感じを求める向きには肩透かしかしら。でも個人的にはこのくらいじっくりとグルーヴを組み立てていく曲の方が好きです。

後の2曲に関しても同路線なんで特に書く事ないんですが、 “Blood Witness” のライブ・ヴァージョンに Mick Harris が参加していて、ここら辺の地下人脈は相変わらず面白いなぁ、と思ってみたり。

In a Syrian Tongue - Single - Regis

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Roses Gabor / The Wonderful World Of Roses Gabor Vol. 1

Roses Gabor / The Wonderful World Of Roses Gabor Vol. 1
http://rosesgabor.blogspot.jp/

ロンドンの女性シンガー Roses Gabor が今まで参加した曲を集めたと思われるミックステープ。

彼女に関しては SBTRKT のアルバムに参加していたのしか知らないんだけど、トラックリストを見ると Boddika や Instra:Mental 、 Hudson Mohawke の名前もあって、私が知らないだけで人気ある人なんですかね。
内容の方はヒップホップからダブステップ、ガラージと、さながらベース・ミュージックの見本市のような流れでひたすら楽しいし、彼女のかすれた感じのヴォーカルも、陽性ながらもソウルフルで非常に良い。

あと私が落としたときは全曲バラだったんだけど、今は全部つながったのになってるみたいね。個人的にはミックスでもトラック分かれている方が好きなんだけど。

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Skream, Benga, Rusko, Funkystepz

ベースものでフリーの作品をいくつか。

Skream & Benga / Scion A/V Presents - Skream & Benga
『Skream & Benga / Scion A/V Presents – Skream & Benga』
アメリカの音楽サイト「Scion Audio Visual」で12月初旬に発表された、タイトルどおり Skream と Skream のスプリット盤(共作はなし)。
Skream って何だかんだでフリーの曲をしょっちゅうネットで見かける気がするんですが、 Benga に関してはリリース自体少なくなっているのでありがたい。
んでその Benga さん、ギターリフっぽいサブベースと、ギターソロのようにうなる “Any Steppers ” の方はロックっぽい珍妙な曲、 “Electro West ” は跳ねまくるドラムと扇情的なシンセが印象的な曲で、両方とも個性的。
一方 Skream の3曲はベースがうなるフロアトラックで、どれもかっこいいんだけど、彼のレベルからするとまぁ普通という感じかしら。
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『Skream / FREEIZM HISTORY』
んでこちらは Skream が昨年のクリスマスに発表した音源(ジャケットなし)。
タイトルから察するに昔の音源を含めた網羅的なものではないかと思うんだけど、実際以前を髣髴とさせるどっしりとしたベースラインの曲が多く、最近のベースがやたらとブリブリいうものより私はこういうものの方がやはり好き。時折入ってくるドラムンベースもいいアクセントになっている。
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Rusko / 2006 - 2010 remix collection
『Rusko / 2006 – 2010 remix collection』
Rusko が今まで手がけたリミックスをまとめた作品(発売したものとはミックスが違うみたい)。
Rusko ってダブステップ黎明期から活動しているプロデューサーの中でも露骨にポップに振れた人、ということであまり良い印象がなかったんだけど、今作は原曲のポップな要素を上手くダブステップに取り込んでいて、思ったよりもずっと楽しめた。思ったほどブロステップっぽくもなかったし。今年アルバム出るみたいなんで、今度はちゃんと聴いてみようかしら。
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Funkystepz / The ReFix EP
『Funkystepz / The ReFix EP』
ロンドンの3人組 Funkystepz が昨年末に出した EP 。
彼らについては赤西くんの盤(過去記事)にリミキサーとして参加していた以外は、 Hyperdub からリリースしていることくらいしか知らないので、てっきりダブステップなのかと思ったら、 UK Funky とか BassLine と呼ばれるタイプの曲がほとんど。なので軽快なダンスミュージックとして全然悪くないんだけど、私はこの手の曲ならもうちょっと BPM 早めの方がいいかしら。1曲だけやたらとベースがでかい “Bounce ReFix” とか好きだけど。
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Russo / Lights Are Off

Russo / Lights Are Off
http://russomusic.tumblr.com/

ロンドンはブリクストンのラッパー Russo さんが11月に出したミックステープ。

ちょっと詳しいバイオが見つけられなかったのでよく分からないんだけど、 Scrufizzer や Dot Rotten なんかが参加してるんで多分グライムのシーンに近い場所で活動してる人だと思われる。

しかし今作での彼女のラップがグライムかというとそんなことなく、スタイルからそれほど特徴的なものは感じられない。
でも派手なシンセが鳴るダブステップの色が濃いトラックの上に乗る、彼女の陽性のラップが実に合っていて、さらに曲全体にも躍動感を加えていて気持ちよく聴ける。

あとダブステップのブリブリしたベースが鳴るくせして、あくまでドラムのドタバタ感で引っ張るトラックも良かったです。

おすすめ!

ちなみに下にリンク張ったダウンロード先は名前とか登録しなきゃいけないので、そういうのが面倒な人は適当にアップローダー探してください。

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Reso / FREE EP

Reso / FREE EP
http://reso-music.com/

イギリスのプロデューサー Reso の3曲入りフリー EP 。

某『ガンダムUC』に出てくる敵機を丸パクリしたジャケットはご愛嬌といった感じだけど、今作は3曲入りながら、うなるサブベースと跳ねるドラムでガンガン押してくる “Beasts In the Basement V.I.P” 、美しいアンビエンスの中テクノ的な音作りと疾走感を聴かせる “Abyss” 、ファンキーっぽいリズムに後半なぜかデトロイトっぽい上モノが乗る “Identity” と、見事にタイプの違うダブステップを聴かせていて非常に面白い。

また今作には彼によるミックスも同梱されていて、これがダブステップを中心としながらもブロークンビーツや R&B を織り交ぜた洗練されたもので、また終始保った軽妙さは、分かりやすく書くとものすごくちゃらい。でもダブステップのミックスというとハードなものばかり聴いてきた私からすると、それこそデートの車中で流しても違和感のなさそうなミックスというのは聴いたことがなく、非常に新鮮。
まぁそれがなくても流すところと引っ掛けるところを心得たこのミックスは魅力的で、それこそ EP の方より好きなくらい。
いい作品です。

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RSD / good energy (PUNCH DRUNK) CD

RSD / good energy (PUNCH DRUNK)
http://punchdrunkmusic.com/

SMITH & MIGHTY の Rob Smith が RSD 名義で出したシングルを纏めたアルバム。発表は Peverelist が主催する PUNCH DRUNK からで2009年作。

そもそも RSD というのは Rob Smith がダブステップを発表する時の名義みたいなんだけど、今作を聴く限りいかにもといったダブステップのスタイルの曲は少なく、軽めのスネアが手数多く鳴るそのスタイルは、むしろスローダウンしたジャングルといった感じだし、またダブの要素も非常に強い事から、彼の長いキャリアが反映されているようでなかなか面白い。

反面現在のサブベースがけたたましく鳴るタイプのダブステップに慣れてしまった耳には、今作はいささかレイドバックし過ぎにも聴こえるんだけど、それでもよくあるベテランが無理して若手に合わせてみました、みたいな作品に終わっていないのには好感が持てる。

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RHYMESTER / POP LIFE (KRE) CD

RHYMESTER / POP LIFE (KRE)
http://www.rhymester.jp/

前作(過去記事)からわずか1年ほどで発表されたメジャーからは5枚目となるアルバム。

自分としてはイマイチだった『MANIFESTO』からそれほど間が空いていない事、そして今作からの唯一のシングルである “Walk This Way” が前作を引きずった感動路線の曲だったという事で、今作にはほとんど期待していなかったんだけど、これがなかなかどうして、前作よりもずっと素直に楽しめる作品になっている。

まぁ今回も前作同様大半が外部プロデューサーのトラックという事で、以前のようなグルーヴが感じられる場面は少ない。
しかし普段の生活を主題とした今作は、適度に力の抜けた曲が多いせいか、前作のようなラップとトラックの乖離をそれほど感じないし、歌詞に関しても、身近な小ネタをユーモアと毒をもって小突き回している方が彼ららしいように感じる。

反面、子育てを通じて命に言及した “Hands” のようにテーマがでかくなると途端にありきたりな言葉ばかりで退屈なのは相変わらずではあるのだけれど(まぁこれは前作に始まったことじゃないからね)、それでも “ラストヴァース” で感動大作のように終わった前作よりも、感動路線の “Walk This Way” の後に “余計なお世話だバカヤロウ” で照れ隠しして終わる今作の方が私にはずっと魅力的だ。

試聴

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Ramadanman / Ramadanman EP (Hessle Audio) mp3

Ramadanman / Ramadanman EP (Hessle Audio)
http://www.myspace.com/hessleaudio

イギリス出身のダブステップ・プロデューサー Ramadanman が今年の春に出したEP。

先日の来日公演はずいぶんと評判が良かったようだけれど、今作を聴く限りではその魅力がちょっとよく分からない、というのが正直なところで、そのガラージ回帰的なリズムは確かに特徴的だとは思うけど、かといってそれ以上に感じるものがあるかというとそんな事もなく、またどの音も軽いのも私には辛い。

また次にめぐり合うときに期待、って感じでしょうか。

Ramadanman EP - EP - Ramadanman

RYTHEM / 23 (SONY) CD+DVD

RYTHEM / 23 (SONY)
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/RYTHEM/

先ごろ解散を発表した RYTHEM の2008年発表の3枚目のアルバム。

そもそもデビュー時には二人は一心同体、みたいなことを言っていたのに、今作では二人の共作曲が1曲もない、という時点で、まぁこれはある程度予想された事なのかなとは思うけど、それにしても残念ですね。

今作にしても、デビュー作(過去記事)の幼さに比べると、ずいぶんと大人っぽいたたずまいになっていて驚くのだが、落ち着いた中にも彼女たちらしいポップセンスと、変わらずに美しいヴォーカル・ハーモニーがあって、非常に良い作品だったんだけどなぁ。

まぁ二人ともソロになったとしても変わらず良質な音楽を作ってくれる事を願うばかりだが、私の中で声の力だけで聴かせられる数少ないアーティストだっただけに、重ね重ね残念です。

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Robag Wruhme / DrEIKLANG KAPrIOLEN (MUSIK KRAUSE) 12″

Robag Wruhme / DrEIKLANG KAPrIOLEN (MUSIK KRAUSE)
http://www.musikkrause.de/

先頃 MONKEY MAFFIA とのユニット WIGHNOMY BROTHERS の活動を停止させた Robag Wruhme の、停止後多分2枚目となるシングル。
とはいってもこの人はユニットやっている時からソロでもバンバン出していたし、 WIGHNOMY BROTHERS にしても MONKEY MAFFIA からのインプットがどれだけあったのかイマイチ不明なので、それほど影響はないように思える。

しかし1曲目の “DAKKTYLAFF” からして、狭いコンクリ部屋を思わせる固い音響空間が非常に Robag Wruhme らしいのだが、同時に以前のポップさが影を潜めた暗い曲で、それは残りの2曲も同様。

他にもひねた音使いなどもあって総体としては非常に彼らしいトラックながらも、やはりその暗さはちょっと気になるもので、これが MONKEY MAFFIA との離別の影響なのかは分からないが、これからどう変化していくのかは注視したいところ。
まぁ今作に限っていえばその暗さが全体を引き締めていて、クラブ・トラックとしては機能性が上がって良いんだけどね。

Dreiklangkapriolen