山下智久 / SUPERGOOD, SUPERBAD (Johnny’s Entertainment) 2CD

山下智久
http://www.jehp.jp/

せっかくなんで紹介しそびれていた、山下くんが2011年に発表した初のソロ・アルバムを。

そもそもの話として、山下くんのもっさりとした声ってあまり歌には向いていないと思っている人間なので、彼の歌だけでCD2枚分というのは半ば拷問に近い、とかひどいことを聴く前は思っていたんですが、これがなかなかどうして、予想以上に楽しめる珍品になっております。

山下くんのソロの路線って、大別すると初期の歌謡路線と、最近の打ち込みダンス路線があるわけですが、歌謡路線の曲を集めたのが1枚目の「SUPERGOOD」。
こちらには “はだかんぼー” なんていうライト・ファンクのかっこいい曲が入ってたりもするんですが、基本的には古き良きジャニーズ歌謡、といった趣の曲がほとんど。
なので時代性には乏しい、っていうかぶっちゃけ古臭いんですが、最近のある程度歌える人が増えてきたジャニーズの歌手に比べると、明らかに歌唱力という点では劣る山下くんの歌がのると、さらに回顧的な色合いが強くなっていて、ここまで徹底していると逆に面白い。
特に「ザ・ベストテン」で歌っている姿が容易に想像できる “口づけでアディオス” とか最高です。

一方のダンス路線を集めた「SUPERBAD」は、洋楽感覚で聴ける、とまではいかないものの、こちらは逆に時代に目配せした内容になっていて、どのトラックもなかなかに完成度が高い。
中でもオープニングらしい荘厳なシンセが鳴る “Tokyo Sinfonietta” や、力の抜けたヴォーカルがいい味を出しているディスコ・ファンクな “Yours Baby” (山下くんは意外にファンク合うのかもしれないねぇ)、トランスっぽいアレンジで思いっきりポップなメロディを聴かせる “Touch You” など、聴き応えのある曲も多い。

まぁそれでも歌手としての山下くんが好きになったかというと、お世辞にもそんなことは書けないのだが(すいません)、ある意味ジャニーズの過去と未来を内包した興味深い作品ではないかと。

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山下智久 / 愛、テキサス (Warner) CD

山下智久 / 愛、テキサス (Warner)
http://wmg.jp/artist/yamashitatomohisa/

2月に発売した、 NEWS 脱退以降は初となるシングル(通算5枚目)。

彼の脱退理由って「自分の好きなことがやりたい」という、基本的には赤西くんの KAT-TUN 脱退理由と同じものみたいだけど、なかなか KAT-TUN では難しいような本格的なアメリカ志向の曲で、その言葉をある程度実証してみせた赤西くんに比べると、良くも悪くも色々なスタイルに合わせられる器用さを持っていた NEWS というグループにいた山下くんは、脱退というもを音楽的に証明するのは難しいのではないかと思っていました。

しかし、事前に今作の表題曲が相対性理論によるもの、というのを知って、これは面白い方向に行くのかな、と思ったんだけど、蓋を開けてみれば、歌謡曲の要素が強い曲といい、男の友情を扱った歌詞といい、見事なまでに “青春アミーゴ” の路線を踏襲していて、ある意味これぞ山下智久、っていう作品になっていて、かなり肩透かし。

まぁそれは私が彼のソロに変化を求めていたからなんだけど、そもそもグループ脱退したからといって今までの路線を変更する必要なんかないわけで、そう考えれば納得できなくはないんだけど、この歌謡路線って山下くんの音楽的趣向というよりは、事務所主動のものだと思っていたので、どうももやもやするものが残るし、第一これが NEWS を脱退しないと出来ないことか、といわれるとかなり疑問で、要はこんなことをグダグダ書きたくなるくらい曲がつまらないからで、むしろこんな凡庸な曲を提供した相対性理論の職業作家的な手腕に恐れ入る。

一方カップリングの方は、扇情的なシンセが乗るダンス・ナンバーで、こういう今っぽい打ち込みの曲が山下くんのやりたいことだと思っていたし、ちゃらい感じも彼に合っていていいと思うんだけど、この方向性だと NEWS のが上手いじゃん、というのもあって、まぁ痛し痒し・・・。

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JIN AKANISHI / TEST DRIVE (WARNER) CD

JIN AKANISHI / TEST DRIVE (WARNER)JIN AKANISHI / TEST DRIVE (WARNER)
http://jinakanishiusa.com/

2011年の KAT-TUN 脱退以降、やれ全米デビューだハリウッド・デビューだと、出てくる話がいちいち大きくて、その広げた風呂敷に果たして中身が入っているのか心配でならなかった赤西くんなのですが、予定よりは遅れたものの、とりあえず無事全米デビューシングルが発売されたということでまず目出度い。

しかし肝心の中身の方は、ラジオとかで聴いてるときには良いと思えたものの、ちゃんと聴いてみるとけっこう微妙・・・。

まず発売前から話題になった Jason Derulo 参加の表題曲だけど、ブラスっぽい音を使った勇壮なイントロが印象的な疾走感のあるダンス・ナンバーで、最近四つ打ちづいているアメリカのことを考えたならば、方向性としては妥当なところなのだろう。
しかしこうやってアメリカ基準のトラックに赤西くんの声が乗っているのを聴くと、正直迫力の面でも伸びの面でもヴォーカルが弱く、曲の勢いをそいでしまっている感が否めない。

以前 KAT-TUN にいるときは彼のヴォーカルを力強いものだと思っていたし、実際このブログでもそう書いてたと思うんだけど、例えはアレなのだが恋は盲目に近いものだったのが、いきなり現実を突きつけられたようで、これはなかなかに衝撃だった。

まぁ上の印象は、変にコーラス重ねたヴォーカル処理に起因する部分も大きいのだけれど、この曲が赤西くんの歌手としての魅力を伝えているとはいえず、これなら、こんな素人臭いヴォーカルの奴がよく全米一位とか取れたな、って感じの Jason Derulo の方が曲に合っているだけいくらかマシに思える。

一方カップリングには先のツアーで披露された曲から3曲収録されていて、変にアメリカの影響を受けすぎた地味な曲ではなく、ある程度聴きやすいキャッチーさを持った曲を選んだのは良かったと思うんだけど、こちらは逆にバックのトラックが変に引っ込んだ、やたらとヴォーカルが前に出たミックスになっていて、これはこれでバランス悪く不完全燃焼。

結局ヴォーカルが前面に出過ぎていても不自然じゃないミドル・バラードの “TIPSY LOVE” が、ほんわかした雰囲気が今の季節に合っているのもあり一番いいですかね。

まぁ彼の全米デビューに関しては期待していた部分も大きかったので、ハードルが自然と上がっていたのはあるんだけど、それでも啖呵きって KAT-TUN を飛び出したからにはきちんと結果を出してほしいので、もっと頑張ってほしいところなのですが、どうなんでしょう。ちょっと心配になってきた・・・。

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Kis-My-Ft2 / Everybody Go (avex) CD

Kis-My-Ft2 / Everybody Go (avex)
http://avexnet.or.jp/kismyft2/

世間様が Sexy Zone で盛り上がっている中時機を逸しているにもほどがあるのだが、ジャニーズのデビュー・シングルとしては歴代3位の売り上げを記録したことで話題になった Kis-My-Ft2 のシングル。

私はジャニーズJr. までチェックするようなディープなジャニーズ・ファンではないのだけれど、この Kis-My-Ft2 に関しては KAT-TUN のライブで何度か曲を聴いておりまして。まぁ曲を聴いたといっても正直 “FIRE BEAT” しか印象に残っていないのだが、その曲に関しては、 KAT-TUN を野暮ったくしたような印象で、まぁ KAT-TUN のコンサートによく参加していることもあり、 KAT-TUN に近いハードロックを基盤にした音楽性でいくのだろう、となんとなく思っていました。

しかし正式なデビュー曲となるこの “Everybody Go” は、 KAT-TUN というよりは、むしろ NEWS に近い、トランス風のシンセが派手に鳴るダンス・ナンバーになっていて、以前のイメージに引っ張られている私などは少々面を食らってしまった。

曲自体は、何故この曲がバレーボール・ワールドカップのタイアップ曲になっていないのか不思議になるほどの王道ジャニーズ、といった感じで全然悪くないし(っていうか好きだけど)、神経症的に鳴るシンセとハットがリズムを引っ張るバラード “S.O.KISS” 、表題曲と同路線の “KISS FOR U” 、ブラスを入れてより歌謡曲的な “若者たち” と、どの曲も器用にこなしていているんだけど、こうなってくるとグループの方向性として、他のデビューが近いグループとどう差別化を図っていくのか少々疑問に感じる。

上で KAT-TUN に近い、って書いている時点で独自性もへったくれもないんだけど、それでも Hey! Say! Jump や NYC にはない男臭さは個性だと思うので、そこを伸ばした方が面白いと思うのだが。
それとも私が “FIRE BEAT” の印象に引っ張られすぎなだけであって、それ以外の曲に関しては昔からこんな感じだったのかしら?

まぁ今作の方向性が、 NEWS の脱退劇を見越してのことなら、事務所の戦略眼には色んな意味でびっくりなのだが、それはさすがに邪推しすぎか・・・。

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NEWS のアルバム『LIVE』とコンサート「LIVE!LIVE!LIVE!NEWS DOMEPARTY」について

NEWS / LIVENEWS / LIVE
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先週今週と忙しかったのと、どうもやる気が出なかったのとで後回しにしていたら、いつの間にか2週間近く経っちゃったんですね。

ということで、さる9月28日、 NEWS のコンサートに行ってきたので、先日出たアルバムと一緒に簡単に感想など書きたいと思います。

今回のコンサートが一体どういったものだったのか、それは一言で表せば「良いコンサート」だった、という事になるんだと思います。
それはそのまま額面通りの意味ももちろんあるんだけど、言い換えるとそれは良いコンサート以上でも以下でもないというか、極端に酷い赤点を取ることもないけれど、代わりに突き抜けた満点を取ることもない、万年80点とでもいう、 NEWS の優等生的な部分がよく出たコンサートだったかなと。

そもそも今回のツアーは開催2ヶ月前近くになって発表されるという、急遽決まったものだったわけですが、さらにその後にアルバムの発表があったことは、このアルバムはツアーのためのアルバムであるという事を強く印象付けるものでした。

実際『LIVE』と題された今作は、昨年のシングル『恋の ABO』(過去記事)の流れを汲むようなダンス・ナンバーが多くしめ、なるほどコンサートで盛り上がりそうな内容になってはいたものの、反面今までの NEWS にあった多面性が影を潜める形になり、やや単調な印象を受ける。

とはいっても、メンバー全員でコヤシゲやっているようなはっちゃけた勢いが魅力的な表題曲をはじめ、切なさを湛えた歌唱がメンバーの成長を感じさせるバラード “秋の空” 、今作を端的に表す「勢い」と「切なさ」という部分を上手く融合させた “2人/130000000の奇跡” 、前作収録の “FLY AGAIN” に通ずる真っ直ぐな力強さが印象的な、夢を追い続ける日々を「終わらない夏」として讃えた “エンドレス・サマー” など、個々の曲は良いだけに聴き所も多く、良いアルバムだとは思う。

なので今回のコンサートは、アップテンポの曲でどんどん盛り上げていくようなものになるのかと期待していたのだが、実際のコンサートはそうでもなかった。

いや、まぁ “恋の ABO” に始まり、シングルを立て続けにやった前半や、アルバム曲を中心にダンサブルな曲を並べたところなどの盛り上がりはすごいものがあったんだけど、その後にくる曲の選択がイマイチで、出来かかっていた良い流れをいちいち切っている感じだったし、今回のアルバム曲以外はシングルしかやらなかったのも、意外性がなく物足りない感じがした。

つまり個々の楽曲でのパフォーマンスは悪くなかったものの、コンサートを通して一つの大きなうねりを作り出すことが出来なかったために、「良いコンサート」以上の感想がもてなかったように思う。

あと観客の盛り上がりに関しても、好きな曲がはっきりしてるからなのか好きなメンバーがはっきりしているからなのか、曲ごとに変に差があるのも気になった。メンバーのMCに対して何も反応しない場面も目立ったし。
今までのジャニーズのコンサートというと、良くも悪くもメンバーの一挙手一投足にわーきゃー騒ぐという印象だったので、この日来たファンの人たちが一体何を求めていたのかよく分からなかったし、かと思えばアンコールで手越くんが女装して出てきたときがこの日一番の盛り上がりだったというのもよく分からなかった。

ということで、 NEWS の側にも観客の側にも何か問題があるように思えて、なんともモヤモヤするライブでもありました。

あと蛇足的に、アルバムでの錦戸くんの歌唱について書きたいんですが、元々錦戸くんは技術よりも感情優先の歌い手だと思うんだけど、今作では歌い方を変えたのか以前よりも丁寧にメロディラインを追っている印象で、まぁそれ自体はけっこうな事なんだけど、そのせいで歌に込められた感情的な部分が以前よりも引っ込んでしまっていて、結果あまり引っかかりのない歌になってしまっている。

これが過渡期的なもので、技術的な面と感情的な面の両立が出来れば良いんだけど、このまま中途半端な状態が続くとつらいなぁ。

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Hey! Say! JUMP / JUMP NO.1 (J Storm) CD

Hey!Say!JUMP / JUMP NO.1 (J Storm)
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デビューから約2年8ヶ月たってようやく発表された Hey! Say! JUMP のファースト・アルバム。

シングルでデビューしてからそれほど間をおかずアルバムを出す事が多いように思えるジャニーズのグループにあって、2年8ヶ月というのはずいぶん時間をかけたなという感じなのだが、それが大事に育てられたというよりは、事務所に放置されていたという方がしっくりくる状況だったのは、このグループの未来に不安を感じずに入られないが、この作品に関してもちょっと心配になる出来だ。

SMAP 以降のジャニーズ、特に KinKi Kids 以降のグループに関しては、常に時代に合わせて音楽を洗練させる(洗練という言葉が適当かちょっと分からないけど)形で、自分たちの音楽的特徴を磨いてきたわけですが、その中にあって、正統派アイドル的な要素が強かった NEWS をさらにレイドバックさせたのが Hey! Say! JUMP という印象で、それこそ曲によっては光GENJI の時代に逆戻りしたのではないか、と錯覚させられるほど。

じゃぁ今作はただ古臭いだけの作品なのか、といえば、まぁ基本的な部分においては王道的なジャニーズ歌謡が基本になっているのは間違いないのだが、ヒップホップを取り入れた “Your Seed” などに顕著なように、それなりに時代性に対する目配せもされている。

しかしそれらを含めても今作は今までのジャニーズの遺産だけで出来上がっていて、つまりは Hey! Say! JUMP らしさが全くといっていいほど感じられない。
まぁまだファースト・アルバムという事と、全員平成生まれであるという若さを考えれば仕方のない部分もあるかと思うが、だったらその若さをもっと前面に出して弾けた内容にしても良かったのではないかと思うし、「僕らは平成Only! 昭和でShowは無理!」というとんでもないパンチラインを引っさげてデビューしたグループが前身になっているわりに、この小ぢんまりとした内容はいかにももったいない。

あと今作のレイドバックした内容は、あまりにも音楽的になり過ぎたジャニーズの音楽性を、いったんアイドルらしいものに戻すためなのかと思ったんだけど、今作には作詞はもとより、作曲や編曲にまでメンバーが関わっているらしくて、ということは今作の方向性はメンバー主導によるものなのだろうか。だとしたらますますよく分からないグループだ。

ちなみにこの盤を貸してくれたもりたさん激推しの “Time” はねぇ、ごめんなさい、よく分かんなかったです。

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ユカイツーカイ怪物くん / 怪物くん(怪物太郎) (J Storm) CD

ユカイツーカイ怪物くん / 怪物くん(怪物太郎) (J Storm)
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そしてこれは嵐の大野くんが主演した「怪物くん」の挿入歌で、タイトルから分かるとおり同名アニメの主題歌のカバー。

まぁこれに関しては大野くんが「怪物くん」の歌を歌っている、という以上の感想は出てこないんだけど、この曲でのいい感じで吹っ切れた、ちゃんと子供向けになっている歌唱を聴くと、大野くんは色んな意味で歌がうまいな、と改めて感じる。

ここら辺、木村カエラさんにはぜひ参考にしてほしいなぁ、なんていうのは余計な一言か。

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ARASHI / To be free (J Storm) CD+DVD

ARASHI / To be free (J Storm)
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今年の7月に出た嵐31枚目のシングル。

最初 CM で聴いた時は嵐らしい爽やかな曲という印象しかなかったんだけど、実際 CD で聴いてみるとディストーション・ギターとストリングスが前面に出た、あえて例えれば90年代後半の商業オルタナのバラードみたいな曲になっていて、まぁ新鮮っちゃぁ新鮮なんだけど、だからどうなの、っていのが正直な感想で、やはり最近の嵐の場当たり過ぎるリリースはちょっと自分には合わん。

ちなみに彼らは先ごろアルバムを出したばかりですが、それにはこのシングルは収録されないそうで、つまりは嵐のアルバム以降のモードが感じられる曲、といえなくもないんだけど、そんな深読みは多分意味のないことだろう。

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KAT-TUN LIVE TOUR 2010 PART2:WORLD BIG TOUR

さて、前回(過去記事)書いたとおり、 KAT-TUN のドーム公演3日目となるコンサートを先日24日見てきたわけですが、とにかく実感したのは気分の問題というのはここまで大きいのかという事で、6人に戻るかもしれないという気分で見る5人と、もう6人が並ぶところは見られないという気分で見る5人ではまるで違っていて、内容的には初日であった前回よりもはるかにこなれたものになっていたものの、どうにも寂しい気分を感じずにはいられないコンサートだった。

その寂しさの原因は赤西くんの不在に他ならないわけだが、それでも先日のアルバムは5人としての KAT-TUN の現時点の回答としては非常によく出来ていて、赤西くんの不在を歌唱の面では中丸くんが、力強さの面では田中くんが前に出ることによって赤西くんの不在を感じさせないものになっていて、非常に聴き応えのある作品になっていた。

しかしコンサートとなると話は別で、まだまだ5人での形が出来上がっていなくて手探り状態という印象が非常に強かった。
そう感じさせた一番の要因は前回書いたとおりやはり選曲や曲順で、新作からの曲はソロを除いて全てやったにもかかわらず(もっといえば今回5人体制で作った曲全部)、それを変にバラけさせたせいで印象が薄くなってしまったし、むしろ以前の曲との盛り上がりの差の大きさを印象付けてしまった感さえある。中でも “Lips” ~ “愛のコマンド” ~ “GOLD” の流れや、 “WILDS OF MY HEART” と “Peacefuldays” はこの日最大級の盛り上がりを見せていて、やはり KAT-TUN の本流はハード・ロックなのだと思わされる。
またこれら以前の曲に関しては亀梨くん以外のメンバーがそれぞれパートを分け合う事で対処していたのだが、それでもメンバーの中でも一際強い声の持ち主であった赤西くんの不在はいかんともしがたく、この辺り声質的にも歌のスタイルとしても田中くんがカバーするのが最も違和感がないのだが、音源ではともかく、ライブとなるとまだまだ彼の歌は稚拙で、少々、といういか正直書けばかなり辛いし、それは他のメンバーでもそれほど変わらない。その中でも中丸くんは唯一歌唱が安定して入るものの、彼の柔らかな声を、ハードロック調の曲で前面に出すのは辛かろう。

まぁその辺りはメンバー自体5人でうまくいく曲が少ないのが分かっているのか、だからこそ “N.M.P.” と “Going!” を2回やったり、いつも以上にMCに長い時間を割いたりしたのだろうと思うけど、だったら思い切って定番曲を削って、新作に合わせてダンサブルな曲でまとめるなどした方が面白かったし、もっと5人体制の KAT-TUN らしさに焦点を当てた選曲の方が良かったのではなかろうか。

あと他にも気になる点は多々あるものの、今書いても後ろ向きな事しか書けないのでまぁいいです。
でもどうしても気になるのが1点だけ。

それはこれから KAT-TUN はどういうアイドルを形作るのかという事で、今までがアイドルらしからぬアイドルなら、今は変にソフティケイトされたアイドルを目指しているように思える点で、セックスを直接的に歌った田中くんのソロ曲などは、初日見たときは田中くんがチャックを下ろす仕草や女性ダンサーとの際どい絡みがあったものの、それがこの日には一切なくなっていたし、メンバーがMC中変に下ネタを意識していたのも気になった。以前なら KAT-TUN はエロくてなんぼ、みたいなところがあったのに(そう思ってるのオレだけ?)、どんな心境の変化かと勘繰ってしまうし、もっと酷いと思ったのが田中くんがコンサート中によく言う「盛り上がらないとおまえら、命はねぇからなぁ」という言葉について、「あれはリップサービスですから」と言った事で、いやまぁ、そりゃ実際そうなんだろし、MCの流れの中で冗談っぽく言っていたのも分かるんだけど、それでもそれを言っちゃあお終いでしょ、と思わざるを得ないし、そんなところでも変に勘ぐってしまうほどもう私は後ろ向きなわけですよ。

ということで結局愚痴になってしまったのここらでやめますが、これから KAT-TUN は一体どうなってしまうんでしょうね。この期に及んで6人に戻ってほしいと思うのは後ろ向きなのかなぁ。

あと最後に蛇足ながら書くと、亀梨くんはとりあえずソロでオペラでもやって毒気を抜いて、その後上田くんに自分のキャラクターをふまえた上での世界観の作り方でも学んだ方が良いんじゃないかしら。

KAT-TUN / 『Love yourself ~君が嫌いな君が好き~』『Going!』『NO MORE PAIИ』について書こうと思ったけど、結局赤西くんに対する戯言

KAT-TUN / Love yourself ~君が嫌いな君が好き~KAT-TUN / Love yourself ~君が嫌いな君が好き~KAT-TUN / Love yourself ~君が嫌いな君が好き~KAT-TUN / Going!KAT-TUN / Going!KAT-TUN / Going!KAT-TUN / NO MORE PAIИKAT-TUN / NO MORE PAIИ
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さてさて、今年に入ってからの KAT-TUN に関しては、あまりにも状況の変化が激しくて、またその都度書きたいことが上手くまとまらなかったので記事書くの後回しにしていたのですが、そうこうしているうちに、赤西くんの脱退は決定的なようですね。
最初ジャニー社長の談話として発表されたときは、少々唐突なタイミングに、所詮ワンマン社長の気まぐれだろう、くらいにしか思わなかったのだが(同時にワンマン社長だからこそ、気まぐれでも通ってしまうのだろうとも思ったけど)、赤西くんが会員向けの日記で、これからソロ活動をしていく旨を書いたようで、もうこの流れは変わりようがなさそうだし、私としては最悪に近い結果に落ち着いたとの思いが強い。

それは私の中での赤西くんの評価の高さに起因するのはもちろんなのだが、それと共に今年の頭に出たシングル『Love yourself ~君が嫌いな君が好き~』の素晴らしさによる部分も大きい。

私が『Love yourself ~君が嫌いな君が好き~』の発売を知ったのは HMV のサイトだったと思うのだが、それを伝えるニュース・ページ(探したけどもう削除されちゃったみたい)にあったある言葉が非常に印象に残っていて、それは記憶によれば「破壊の次は再生」、というようなものだったと思う。はたしてこの言葉が事務所の資料から持ってきたオフィシャルなものなのか、それとも HMV の担当者が考えて書いたものなのかは分からないが、確かに『Love yourself ~君が嫌いな君が好き~』は「再生」という言葉がしっくりとくる作品だったからだ。

ではそもそもその「再生」という言葉は何を指しているのだろうか。それは思うにアイドルとしての再生だろう(ちなみに「破壊」の方は昨年の東京ドーム連続公演記録を破った事)。

今までの KAT-TUN といえばクールな印象であったり、またどこか陰のあるものであったりと、アイドルらしさとそれ以外の要素がせめぎあっているような曲が多かったが、それに比べ、”Love yourself ~君が嫌いな君が好き~” と “THE D-MOTION” は今までにないほどの華やかさをもった、素直にアイドルらしいといえる曲で、また6人中最も端正な歌声を聴かせる亀梨くんが基本的なメインパートを担当している事もその印象を強くする。

しかし今作はアイドルらしからぬアイドルである KAT-TUN が単なるアイドルになった曲、とはならずに、きちんと KAT-TUN としての個性を感じさせるものになっていて、要は KAT-TUN は6人全員が口を揃えるほど各人指向性がバラバラなグループなわけだが、そこを無理にまとめようとせず、曲のケツもちは亀梨くんにやらせるから、あとはみんな好きにしていいよ、ってな感じの良い意味でのいい加減さがあるからで、赤西くんにいたっては、極端に書けば終始オートチューン使って遊んでいるだけである。
それでも結果、両曲とも赤西くんの歌った部分は強烈なフックとして機能していて、本作のサウンド・プロデューサーが誰なのか知らないが、これぞプロデュースの妙、といったものを感じる。
それに “THE D-MOTION” の最初、中丸くん、上田くんに続いて赤西くんのパートに入ったときにハッとするのだが、ほぼ感情過多と同義になっていた彼のヴォーカルが今までにない軽やかさを持って鳴っていて、この時のグループの風通しのよさを表しているようで、このままいけば KAT-TUN は、とんでもない傑作をものにするのではないか、そんな予感さえ抱かせてくれた。

しかし結局私の期待は赤西くんの海外ツアーによって叶わぬものになった。
この辺りについても色々と思う事はあるのだが、今書いても恨み節にしかならなそうなので省く。

そして5人体制で発表されたシングル『Going!』は爽やかさが前面に出た、さらにアイドルらしいものになっていたが、普通の J-POP ではなかなか聴けないような変則的なキックを鳴らすアレンジと、躍動感溢れる田中くんのラップによって、ギリギリのところで「せめぎあい」を演出していた。

さらに6月に発表されたアルバム『NO MORE PAIИ』も同様に爽やかさが前面に出た作品ながら、随所に KAT-TUN らしい適度な異物感を感じさせることで作品が引き締まったものになっているし、また以前赤西くん抜きで作られた『catoon KAT-TUN Ⅱ You』のように変に幅を出すのではなく、方向性を絞ったのも功を奏して、作品としては非常に充実したものになっていて、おかげで赤西くんの不在をそれほど意識することなく、7月16日のコンサートに臨むことが出来た。

しかしコンサートともなると話は別で、やはり赤西くんの不在を強烈に感じざるを得なかった。

まぁコンサートに関しては24日にもう一度行ける事になっているので、細かい部分について書くのは控えるが、大雑把に見たとしても、正直よく分からない部分の多いコンサートだった。

演出面で無駄や意味の分からないものが多いのはいつもの事なのだが、一番意図が分からなかったのが選曲で、前半シングルや代表曲を中心にやっていたのは、5人でも KAT-TUN らしさを出せるとアピールしたかったのか、それとも代表曲を並べる事でファンを安心させたかったのか分からないが、 “僕らの街で” が終わって後半、 “FARAWAY” と “RIGHT NOW” という新作からの曲が並んだ事で、 KAT-TUN の新機軸を鮮烈に打ち出すのかと思いきや、ここでもよく分からない演出をはさむ事で流れがブツ切れになっていたし、全体でみれば尻すぼみな印象さえ与えていたのは非常に勿体無いと感じた。

あと面白いと思ったのはメンバーの個性の部分で、性格的な面では赤西くんの我が儘な部分ばかりが注目されるが、音楽的な面を見れば、本物志向の赤西くんよりも、自己陶酔型の亀梨くんの方が、 KAT-TUN の音楽性からすれば異質なんだよね。
それでも赤西くんがグループを離れ亀梨くんが残ったというのは、やはり性格的な部分が大きいのかなと思うが、前回、そして今回のコンサートを見るに、亀梨くんの世界観はよくいえば孤高に、悪くいえば誰もついいけないようなものになってきていて、結局ジュニアが世界観を構成する部品として出てくるだけで、メンバーの誰も絡めない状況を見ると、こちらはこちらで危ういものを感じてしまう。
あと今までは一歩引く形でグループの中心になっていた中丸くんが、赤西くんの不在にともなって矢面に立つ部分が増えたのもちょっと心配。

とまぁ結局何が書きたかったのかよく分からなくなっているが、とりあえず私はコンサートの最後に、いつもの「We are KAT-TUN」を5人でやったときにはちょっと泣きそうになったし、ここ数年最も情熱を注いだグループはもうないのだなぁ、と虚無感に包まれている・・・。

ARASHI / 『Troublemaker』『Monster』 (J Storm)

嵐 / Troublemaker嵐 / Troublemaker
嵐 / Monster嵐 / Monster
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昨年末に見た嵐の東京ドームコンサート(過去記事)は文句なしに楽しいものだったのだけれど、今年に入ってからというもの、どうも嵐の音楽面に関してはあまり盛り上がれないでいる自分がいる。

その大きな要因はこの2枚のシングルがイマイチだったから、というのはその通りなのだけれど、それ以前の問題として、『One Love』の大ヒット以降シングル出せば売れる状態が続いているのをいい事に、タイアップ主導でシングル出し過ぎな気がするんですよね。
おい、お前以前は「きちんとタイアップを意識した曲なのが良い」って書いてたじゃないか、と指摘されれば、すいません、自分勝手なんです、と返すしかないんですが、作品毎にきちんと成長や物語を刻む KAT-TUN に比べると、どうしても物足りなさを感じてしまうのです。

ということでこのシングルに関しては特に書きたいこともないんだけど、ポップなヴァースからブリッジ、サビへと感情的にどんどん盛り上がる “揺らせ、今を” (”Troublemaker” のカップリング)は文句なしの名曲。

[Tracklist]

NEWS / さくらガール (Johnny’s Entertainment) CD

NEWS / さくらガール (Johnny’s Entertainment)NEWS / さくらガール (Johnny’s Entertainment)
http://www.jehp.jp/

ジャニーズの中では NEWS か Hey! Say! Jump か、っていうくらいリリースのなかった NEWS の約1年ぶりとなるシングル。

私の中での NEWS の歌の魅力というと、錦戸くん放つ青臭さが大きいのだが、今作ではびっくりするくらい彼の存在感が感じられない。 NEWS の活動がほとんどなかった間に錦戸くんも籍を置く関ジャニが発表したシングルもアルバムも聴いていないので、これが今作からなのかここ1年の間に起こった変化なのかは分からないのだが、錦戸くんの存在感が薄れた事によって、 NEWS のもつ流麗さを前面に出す事には成功しているものの、その分以前あったような引っ掛かりも少なくなってしまったように感じる。

それでも爽やかなメロディとトランス風味のアレンジが久々に NEWS らしいと思わせる表題曲や、軽快なダンス・ナンバーの “Love Melodies” は、そういった面の良い部分が出ていて好きなのだが、このグループにもそろそろ変化の季節が来たのかな、と思わせるシングルだ。

LANDS / Olympos (J-Storm) CD

LANDS / Olympos (J-Storm)
http://www.j-storm.co.jp/kattun/

今日(日付的には昨日)赤西くんのソロ公演である「友 & 仁」を見てきました。
そこで思うところが色々あったので、忘れないうちにメモ的に書き留めておきたいと思います。

普段ならこういうのってある程度頭の中でまとまってから記事にしていたんだけど、そうするとどうしても時間がかかるのと、今年はブログの書き方を色々試したいと思っているので、今回はこういう形にします。なので多分後で加筆訂正とかするかと思います(LANDS についても多分後で書く)。悪しからず。

あとネタばれ的な部分もあるかと思うので、ソロ講演の内容知りたくない人は見ないほうがいいかも。

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Tokio / 太陽と砂漠のバラ (J Storm) CD

Tokio / 太陽と砂漠のバラ (J Storm)
http://www.johnnys-net.jp/j/artists/tokio/

すっかりバラエティ・タレントになってしまった TOKIO が昨年出した唯一のシングル。

2006年の “宙船” のヒット以降、中島みゆき、甲斐よしひろ、長渕剛、東京事変と、歌謡色が濃い作家からの曲提供が続いていて、今作の表題曲もその流れを汲むアコースティックなバラードなのだが、この曲を聴いて思うのは、いつの間に長瀬くんはこんなに味わい深い歌声を聴かせるようになったのだろうということで、元来の声の甘さを残しつつ、サビでのどっしりとした歌声にはついつい聴き入ってしまう。

反面 “スベキコト” のように高音で歌われる曲だと軽さが目立つものの、歌唱力だけでは長瀬くんよりも上と思われる山口達也が歌う “誓い” と聞き比べると、長瀬くんの歌には技術だけではない情感があるのがよく分かる。

それだけに、最近テレビの片手間のような、中途半端な音楽活動が続いているのが歯がゆい。

Tomohisa Yamashita / Loveless (Johnny’s Entertainment) CD

Tomohisa Yamashita / Loveless (Johnny's Entertainment)Tomohisa Yamashita / Loveless (Johnny's Entertainment)
http://www.johnnys-entertainment.co.jp/

前作『抱いてセニョリータ』から3年半ぶり、2枚目となる NEWS の山下智久のソロ・シングル。表題曲は同じものの、初回盤と通常盤ではカップリングの3曲が違っていて、だったらミニ・アルバムにしてよ、って感じの仕様です。

その『抱いてセニョリータ』は、修二と彰の流れを汲むような歌謡テイストの強い曲でしたが、今作はカップリングを含めた7曲全てが R&B っぽいアレンジの曲になっていて、作品としての統一感はあるものの、前作はもちろん、 NEWS の活動を考えても少々唐突な感が否めない。

それでも曲の完成度が高ければ問題ないのだが、この手の高音の伸びが要求される曲だと、声量のない山下くんでは少々つらい。トラックやメロディはよく出来ているので、慣れるとそれほど気にはならなくなるんだけど、それでもこの組み合わせは失敗ではなかろうか。

嵐 / All the BEST! 1999-2009 (J Storm) 3CD

嵐 / All the BEST! 1999-2009 (J Storm)
嵐 / 明日の記憶 (J Storm)嵐 / Crazy Moon (J Storm)嵐 / Everything (J Storm)
嵐 / マイガール (J Storm)嵐 / マイガール (J Storm)

6日の日曜日、東京ドームで嵐のコンサートを見てきましたよ。
といっても何だかんだで見てから1週間も経ってしまい、記憶も随分おぼろげになってきたので簡単に。

この日は私としては昨年の国立以来1年半ぶり2回目の嵐のコンサートだったんですが、あのコンサートが当時ものすごい上り調子だった嵐が、アジアツアーを前に自分達の節目となることを意識して、またそれが実際に形になっていたという意味でとても貴重な体験だったと今でも思っているんだけど、それに比べると今回は10周年とはいえ、それほど特別感のあるライブではなかったように思うんだけど、だからこそ現在の嵐のライブの手腕というものがよく分かるライブだったように思います。

嵐の一般的にイメージというと、にこやかな仲良し5人組、みたいなものだと思うし、実際ライブの雰囲気もそれに近いもので、終始5人の親しみやすさというものが前面には出ているものの、決して空気がゆるいということにはなっておらず、むしろ非常にメリハリがあるんですね。それはきちんと歌を聴かせる部分はしっかり聴かせて、また盛り上がるところでは畳み掛けるようにどんどん熱気を高めていく、という構成面でもそうだし、またさすがバラエティ慣れしているだけあって、無駄な間をほとんど作らないトークもそうだし。

さらに今回は大野くんののどの調子が非常に良く、ソロで歌った “曇りのち、快晴” なんてバッチリだったし(じゃぁ5人で歌うとバッチリじゃないのか、などという突っ込みは入れてはいけません)、彼の歌がしっかりしていると曲全体に一本芯が通るので、それだけで聴き応えがまるで違う。

あと今回はベスト盤にからむツアーという事で、恒例のソロ曲がないので、代わりに各メンバーが嵐の曲をアレンジ変えて歌う、という趣向も良かったし(私はギターをかき鳴らし歌う二宮くんの “言葉より大切なもの” にしびれた)、また丁寧にお辞儀をしながら各自感謝の言葉を述べた本編のラストも心に響いたしで、嵐の現在の充実振りを感じさせる素晴らしいライブでした。

ということで、今年出た嵐の盤をまとめて。1番上のが10周年記念のシングル・ベストで、下のはシングル。

多分以前どこかにも書いたと思うんだけど、私は嵐に関してはにわかファンなので、シングルでも聴いたことがない曲が結構あるんだけど、こうやって時系列に並べられたものを聴いてみると、偶像としての等身大、とでもいうものを描く、という部分がほぼ一貫してあるんですね。というのも、嵐はほとんどの曲を自分達で作詞をしていないので(櫻井くんのラップは別として)、当然ここで語られる言葉というのは自分達の言葉ではないものの、それでも各人からそれほど離れている感じもしない、要は「嵐」という少年が、焦燥や葛藤を抱えながらもゆっくりと成長していく様を見ているようで、だからこそ初期のミクスチャー路線というのは鮮烈だったのだろうし、また現在の過去を振り返りながらも前に進むような歌詞も、成熟を感じさせながら、確かな説得力を曲にもたせることが出来るのだろう。

そういった意味においても、また曲の好みの部分でも、やはり3枚のシングルの中では『Everything / season』の組み合わせが一番好きだし、また “マイガール” のような飾らない曲(言い換えるとものすごく地味な曲)でもきちんと魅力的に聴かせる嵐というグループは、音楽面においてももうちょっと評価されても良いグループではないだろうか。

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桜庭裕一郎 / ひとりぼっちのハブラシ (UNIVERSAL) CD

桜庭裕一郎 / ひとりぼっちのハブラシ (UNIVERSAL)
http://web.archive.org/web/20030801184913/www.fujitv.co.jp/muko2003/sakuraba/

なんかものすごく唐突なんだけど、久しぶりに聴いたら改めて名曲だと思ったので。
ということで、 TOKIO の長瀬智也がドラマ「ムコ殿」で演じた桜庭裕一郎名義で出したつんく作詞作曲によるシングル( TOKIO の “メッセージ” とのカップリング)。

そもそも桜庭裕一郎は、常に「抱かれたい男No.1」に選ばれるようなスターなのに、素顔は案外へたれ、みたいなキャラクターだったと思うんだけど、このシングルのジャケットでも胸をはだけて随分とカッコウつけているが、歌詞の方は相当情けない。

まぁタイトルが「ひとりぼっちのハブラシ」っていう時点でかっこいいも何もないのだが、内容としては同棲してた家を出て行った彼女への思いを歌ったもの。似たようなものとしては沢田研二の “勝手にしやがれ” なんてのがありますが(例えが古くてすいませんね)、あちらは最低限男の意地みたいなものがあったのとは対照的に、ここでの彼は徹底して後ろ向きだ。

幸せだったときと同じようにカガミの前に2つ並んでいるのに、自分のだけが使い古されていくハブラシを見て嘆くばかり。そして自分に非があるのが分かっているにもかかわらず、「俺は待ってる 信じて待つよ」と聞こえの良い事は言うものの、結局自分から動こうとはしない。これだけでもかなり情けないのに、挙句の果てには「ねぇ 君は 愛の続きを ねぇ 誰としてる?」と彼女に思いをはせるのだが、おそらく彼女がしているのは「愛の続き」ではなく「新しい愛」だろう。

つまりここで歌われる男は、後ろを向きすぎるあまり現状認識が全く出来ていないダメな男なわけだが、じゃぁこの男のことをバカだと一笑にふせるかというとそれも違う。なぜなら大部分の男がかっこいい恋愛ばかりしているわけではない、この情けない男とそれほど変わらないからで、多分私も同じような状況になったらただハブラシを眺めることしか出来ないだろう。

そしてそんな曲を歌う長瀬くんも、決して上手くはないものの情感のこもった歌声を聴かせてくれていて、非常に心に響く。
一般的には単なるドラマ発の企画モノなのだろうが、個人的にはこれからもずっと聴き続けていきたい名曲だ。

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LANDS / BANDAGE (J Storm) CD+DVD

LANDS / BANDAGE (J Storm)LANDS / BANDAGE (J Storm)
http://www.j-storm.co.jp/kattun/

どうも今日は、「E.YAZAWA ROCK」も「THIS IS IT」も、ましてや「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」も見ていないのに、「BANDAGE」は見に行こうかと思っている shooter です(前売り券売り切れだってね。すごいなぁ)。

ということで、「BANDAGE」主演の赤西くんが劇中の LANDS 名義で出したのがこのシングル、なんだけど、なんだけど。
どうもこのシングルはですね、何回聴いても意図がちょっとよく分からんのですよね。というか色々と書きたい事があってまとまらないので、とりあえず思った事だらだら書いてみたいと思います。

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堂本光一 / 妖 ~あやかし~ (Johnny’s Entertament) CD

堂本光一 / 妖 ~あやかし~ (Johnny’s Entertament)
http://www.johnnys-entertainment.co.jp/

すいませんが、またもジャニーズ。

ということで、定期的に作品を出す堂本剛に比べて、いったいどういうタイミングで出してるのかよく分からない、光一くんの多分本人名義では2枚目のシングル。

以前アルバム出したとき(過去記事)には、剛くんがいない間のキンキの代替品、みたいな事書いたんだけど、今作もそれほど変わらず歌謡曲路線。
しかし今となっては Kinki Kids 本隊ではあまりこういう歌謡路線の曲はやらなくなってきているので(っていうかリリース自体少ない)、以前のような不満もそれほどないし、光一くんの歌の方も年季を重ねた分だけ堂に入ったものになっていて、なかなかに聴き応えがある。

でも惜しむらくは、この人も滝沢くんと一緒でソロでやるにはイマイチ声量が足りなく思えるのよね。だからサビの高音とか微妙に苦しそうで、その分盛り上がりに欠けるというか。そういった意味では、比較的淡々とした曲調の “Falling -2009-” が一番合ってるかと。

NEWS / 恋の ABO (Johnny’s Entertainment) CD+DVD

NEWS / 恋の ABO (Johnny’s Entertainment)NEWS / 恋の ABO (Johnny’s Entertainment)
http://www.johnnys-entertainment.co.jp/

調子乗ってまたジャニーズいきましょうか。

24時間テレビお疲れ様でした、な NEWS が今年の4月に出したシングル。
しかし24時間のあとに山下くんと錦戸くんが新型インフルエンザに感染したことが発表されましたけど、二人ともドラマやってるわりに錦戸君ばかり話題になっていたような気がするのは私だけですかね。とうとうトップ入れ替わりでしょうか。まぁ仲良くやってくれればどっちでも良いんですけどね。

ということで NEWS にとって11枚目のシングルとなる今作なんですけれども、表題曲の “恋の ABO” は、彼らにしては珍しいディスコ・ナンバー。でも曲としては小山くんのホストキャラを拡大した合コンソング、といった感じで、結局二の線でいくのか三の線でいくのかはっきりしないところが、そのまま曲のダメな部分につながっていてイマイチ。大サビの前でアホみたいな歌詞を、狂おしいまでに感情込めて歌う手越くんの素晴らしさだけがひたすら光る曲です。

でもその代わり、というわけでもないんだけど、このシングルは残りの3曲がどれも名曲。

中でも好きなのが “ラビリンス” で、曲のタイプとしてはジャニーズによくあるラテン風味の哀愁歌謡なんだけど、巧みな展開をもったメロディと、大胆さを伴いながら素早く場面を切り替えていくようなアレンジ、そして曲世界に過不足なく情感を込める NEWS の歌が三位一体となり非常に大きなうねりを曲にもたらしていて、もうこれは素晴らしいの一言。
昔の歌謡曲を思わせる暗めの歌詞も曲によく合っている。

そして “OPEN YOUR EYES” では、以前 “Why” で試みていた南部っぽい感じ(こういうのなんていえばいいのかよく分かりません。デルタ・ブルース?)が、非常に洗練された形で取り入れられていて、こちらもまた秀作。

最後の1曲は、昨年末から年明けにかけて行われた『color』(過去記事)に伴うツアーで披露された “Share” のライブ音源。
ライブで初めて聴いたときも良い曲だと思ったんだけど、改めて聴いてみても柔らかいメロディが非常に心地良い曲で、また各人が作詞した歌詞にもメンバーの個性が出ていて面白い。中でもアルバムの主題とこの曲をつなげるかのような錦戸くんの歌詞が素敵。
でも惜しむらくは、自分達で作詞した曲を披露するのが恥ずかしかったのか、メンバー自身で曲の余韻をMCによって打ち消してしまうところで、どうせならさっさとフェイドアウトしてくれればいいのに、と思ってしまう。

でもシングルとしては今までで一番手ごたえありましたかね(全部聴いてるわけじゃないけど)。この分なら次のアルバムも良いものを作ってくれそうだ。

あと初回盤についてるライブDVD。5曲とMCだけというのは、やっぱり中途半端ですね。どうせならフル・サイズで見たいものですが、これだけ経っても出ないということは、もう多分出ないんだろうなぁ。なんでだろ。

中山優馬 w/B.I.Shadow / 悪魔な恋 (Johnny’s Entertainment) CD

中山優馬 w/B.I.Shadow / 悪魔な恋 (Johnny's Entertainment)
http://www.johnnys-net.jp/j/artists/j_jr/

こちらもよく槍玉に挙げられますね、ということで某アグネスさんが見たら児童ポルノだと騒ぎ出しそうなジャケットの、中山優馬と愉快な仲間達のデビューシングル。

でまぁこの曲に関しては、主題歌になっているドラマ「恋して悪魔」が低視聴率なのに、20万以上売れていることで色々いわれておりますが、やっぱり世間的には20万という数字は大きいんですかね。個人的にはこれだけ?、って思ったんだけど。
そもそもこのシングルって 中山くんの曲(面倒なのでこう書く)は1曲しか入ってなくて、残り2曲は Hey! Say! JUMP の山田くんと知念くんが加わった NYCboys 名義の曲なわけですよ。ということは Hey! Say! JUMP のファンで買う人も多いんだろうし、またデビュー作ということでご祝儀代わりに買う人も多いだろうし。実際ジャニーズのグループで一番売れてる曲って大抵デビュー曲なんだし。ということはあとは下降線なわけで、ちょっときびしいとおもうんだけど。
しかも3曲中2曲が別ユニットの曲って、デビューの形としてはどうなんですかね。

まぁ前途ある若者に対して、私みたいなおっさんがグダグダ書いてもしょうがないので、曲のこと書きましょうか。

まず中山くんの “悪魔な恋” は、この前の KAT-TUN のコンサートで聴いたらしいんだけど、全く印象に残っていなくて(まぁあのコンサートではキスマイなんとかの首振りが強烈過ぎた)、実際CDで改めて聴いてみてもあんまり印象に残らない、ものすごく薄味のアコースティック・バラード。
でもこの曲がよくないのか、というとそんなこともなくて、回数聴くとじわりじわりと染み込んでくるようなメロディの良さがあるし、全体的に歌謡曲の色がかなり濃いのも個人的に嬉しい。それに中山くんの歌も、取り立てて個性のあるものではないものの、この曲に関してはその色の無さと、 B.I.Shadow 含めて高音の透明感も曲に合っている。
まぁデビュー曲でこんなに地味なのはどうかなとは思うんだけど(だってライブで盛り上がらないでしょ、これ)、歌謡曲としてのジャニーズとして良質なものかと。

残りの NYCboys による2曲は、まさにジャニーズによるバレーボールのイメージ・ソング、としか表現しようがないようなダンサブルな曲。もうこの手の曲に関しては私は逆らえないです。すげぇ好き。

両さん / こちら葛飾区亀有公園前派出所 (Victor) CD

両さん / こちら葛飾区亀有公園前派出所 (Victor)
http://www.johnnys-net.jp/j/artists/smap/

最近色んなところでジャニーズ帝国の没落が語られておりますが、ある意味その象徴として名前をあげられることも多い、香取慎吾演じる両さんのシングル。
作詞作曲を小西康陽、さらに曲調もまんま “慎吾ママのおはロック” ということで、けっこう期待されていたようですが、結果は大コケみたいですね。

でもこれに関してはジャニーズ云々というよりも、単純に曲の出来が酷過ぎるんじゃないですかね。まぁメロディとトラックは前述したようにほとんど慎吾ママなので別段悪くはないんだけど、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」という作品が如何に愛されているかを語る歌詞がとにかく寒い。
「ニッポン人なら誰でもわかる」「国民的に愛されてます」「ニッポン人なら誰でも好きさ」って、確かに原作に関してはそうなのかもしれないけれど、そんな事をドラマの主題歌で歌うって、どれだけ原作頼みなんだよっていう。挙句の果てに「香取慎吾が演じています」って、選挙演説じゃないんだからさぁ、なんかもうその歌声からは痛々しささえ感じる。まぁこれは低視聴率の現状を知っているからそう聴こえるだけなのかもしれないけれど、どちらにしてもほめられたものではないだろう。

あとこのシングルには小西康陽本人によるリミックスが収録されているんだけど、こちらは原曲とは違ってなかなかふざけていて面白い。
まずいきなり香取くんの「ヤーマン」という掛け声で始まるところに、私なんかは思わずニンマリしてしまうのだけれど、トラックのほうもレゲエっぽいドラムンベース。しかし J-POP にありがちなドラムンベースのビート感のみを前面に出したものではなく、 J-POP ではまず聴く事がないくらいベースの音がでかく、もしかしたらダブ・ステップでも参考にしたのかと思うほど重い。しかもそのわりにベースライン自体はよく動くので、ダンス・トラックとしてもなかなか秀逸。さらに間奏の部分で香取くんが「東京は夜の8時」とか歌いだすのも面白い。
イントロの部分で香取くんが言う「どうせカップリングだ」というのがいい方向に作用した好リミックスかと。

あとこれは完全に蛇足なんでうすが、近所のスーパーで、よくある安っぽいインストアレンジになったこの曲が流れていて、そのときは案外良い曲に思えたんだよね。だからもしかすると、生活に溶け込むとまた違った聴こえ方のする曲なのかも・・・・。

244 ENDLI-x / 『Kurikaesu 春』『I AND 愛』 (Johnny’s Entertainment)

244 ENDLI-x / 『Kurikaesu 春』 (Johnny's Entertainment)244 ENDLI-x / 『I AND 愛』 (Johnny's Entertainment)
http://tsuyoshi.in/

またジャニーズ。昨年4月に出た堂本剛の3番目の名義、 244 ENDLI-x の初アルバム(ソロ通算では5枚目)。
そもそもアイドルがグループ在籍中にソロ・アルバムを出す事自体珍しいと思うんだけど、毎回のように名義を変えて、今年には剛紫という名義でアルバム出したかと思ったら(買ったけどまだ聴いてない)、もうすでにその名義は終了っていうんだから、いったいこの人はなんなんでしょうね。まぁ毎回面白いからいいんだけど。

ということで、ミスチルの負の部分だけをすくい上げてしまったような堂本剛名義、なぜか急にファンクにはしったENDLICHERI☆ENDLICHERI 名義を経ての今作は、名義からも分かるように、この二つの要素の融合を図ったものだそう。

その結果、音楽的にはエレクトロ・ハウスや四つ打ち、ブラスの効いたファンクからバラードまで、それなりにバラエティに富んだ音楽性が封じ込められていはいるのだけれど、そんなことよりも今作で重要なのは、ほっとくとすぐ鬱々とした方向性に行きがちな剛くんが、久しぶりに上向きなポップスを多く歌っているということで、彼の作品の中でもここまで風通しのよい作品は今までなかったように思える。

それゆえに、新機軸の打ち込みの曲は非常に鮮烈に響くし、ファンク路線も今までにない躍動感を獲得している。そしてその上に乗る堂本剛のヴォーカルは、今更どうこう云うのが馬鹿らしくなるほど堂々とした歌唱力と表現力を聴かせてくれていて、アイドルであろうが変人であろうが、その才気には注視せざるを得ない。

完成度はもちろんなこと、ポップさという点においても、堂本剛の作品の中では最も取っ掛かりやすい作品なのではないかと。

あと “Let’s Get FUNKASY!!!” のファンキーに唸るギターはものすごく聴いたことがあるなぁと思っていたら、案の定マボロシの竹内朋康だった。すごい記名性だ。

TOKIO / SUGER (UNIVERSAL) 2CD

TOKIO / SUGER (UNIVERSAL)
http://www.j-storm.co.jp/tokio/

たまってるジャニーズものをいくつか。まずは昨年2月に出た TOKIO のミニ・アルバムで、 UNIVERSAL からは最後となる作品。

これに関してはアイドルというものの宿命といえばそうなのかもしれないけれど、ジャニーズの中でもベテランにあたる人たち、それは近藤真彦や少年隊、また SMAP もこの中に入れてもいいのかもしれないけれど、彼らの曲を聴いてみて思うのは、ジャニーズ事務所って芸能人としてはともかく、音楽家としては成熟というものを盛り込むことが得意ではない、という印象があります。
マッチなんかはそういったところでは全く折り合いを付けられていない、というよりそんな気さえないようだし、少年隊は一時期山下達郎と組んでそういった方向に行くのかと思わせたけど結局は尻すぼみだし、 SMAP は相変わらずだし。

そんな中にあって、 TOKIO というグループは、バンドとしての成熟を徐々に音に染み込ませていて、さらに “宙船” 以降の歌謡路線もいい方向に作用していて、現在音楽的に非常に充実した状態だというのが、この作品を聴くとよく分かる。

収録曲7曲中、既発曲が5曲、カバー曲1曲で、純然たる新曲は1曲しかないという構成は、移籍前にありあわせで作った作品という印象がどうしてもしてしまうし、実際そうなんだろうけれど、ここ何作かの歌謡路線の曲が纏められることによって、彼らの変化というもがより明快に感じられるようになっている。中でもやはり長淵剛の “青春” 、甲斐よしひろの “ひかりのまち” 、中村雅俊のカバーで桑田佳祐の “恋人も濡れる街角” 、そして中島みゆきの “本日、未熟者” という、いったい今は何年なのか分からなくなるような並びの作家陣による曲群での、堂々とした力強さと泥臭さ、そして端々に感じられる情感はすばらしく、また最後の “ラン・フリー(スワン・ダンスを君と)” での深い余韻も、 TOKIO の確かな成長を感じさせてくれる。

この歌謡路線はレコード会社移転によって方向転換するのかと思っていたら、この次のシングルでは東京事変を作家に起用していて実に自然な流れになっているし、もうすぐ出る新曲も、テレビで聴く限りでは、大きな路線変更はなさそうで、まだ当分この路線で楽しませてくれそうだ。