2017年上半期ベスト

Refugeecamp / RAISE THE FLAG
T-Pablow / Super Saiyan 1
NORIKIYO / Bouquet

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BES from Swanky Swipe / BES ILL LOUNGE (P-VINE) CD

BES from Swanky Swipe / BES ILL LOUNGE (P-VINE)
http://p-vine.jp/

んで、こちらは Bes の既発曲や未発表曲、新曲を ONE-LAW! がミックスした作品。

既発曲はもちろんの事、新曲でも他のラッパーが招かれているものが多く、また共演者がいるのに自分だけうらぶれているわけにはいかなかったのか、比較的以前に近い、毒とユーモアにあふれた曲が多いのだが、トラック自体はシンプルでゆったりとしているため、『Rebuild』の曲とミックスされていても違和感はない。

ただ新曲に関しては、期待していたわりには共演しているラッパーの方が目立っている曲も少なくなく、若干肩透かしの感は否めないし、全体的にも Bes の曲を並べました、という以上の流れや軸がイマイチ見えなくて、ちょっと作品としては散漫な印象を受ける。

そういった意味では、逆にちゃんとした復活作が聴きたくはなるのだが、果たして次はあるのだろうか・・・。

BES ILL LOUNGE - EP - BES from SWANKY SWIPE

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BES from SWANKY SWIPE / BLACK SWAN 3 (BLACK SWAN INC) CD

BES from SWANKY SWIPE / BLACK SWAN 3 (BLACK SWAN INC)
http://www.blackswan-inc.com/

今年は後半ちょっと頑張ったとはいえ、紹介できてない盤がまだかなりあるので駆け足で。

っつうことで、やっとこさお勤めから戻ってきた、と思ったら引退だなんだと言い出して話題になった(結局アレはどうなったんだろう)ラッパー Bes の EP 。

時折ユーモアを交えながらも、攻撃的に毒を撒き散らしていた SWANKY SWIPE (過去記事)に比べると、2008年に出されたソロ・アルバム『REBUILD』(過去記事)は随分うらぶれた感じの強い作品でしたが、今作はヒップホップ的な躍動感がいくらか戻ってきていて、そういった意味では『Bunks Marmalade』と『REBUILD』の中間にあるような作品になっている。

しかし『REBUILD』にあった哀愁はさらに色濃いものになり、歌詞もまた過去に対する後悔の念がこめられたものが多く、そこに以前のような攻撃性を感じることは難しい。
ただゆったりとしたビートに乗る感情的な彼のラップは、彼の今までの人生を反映させたブルースと呼びたくなるほどの味わい深さがあり、これはこれで非常に魅力的だ。

Black Swan 3 - BES from SWANKY SWIPE

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SCARS / THE MIX (SCARS) CD+DVD

SCARS / THE MIX (SCARS)

この作品が出た時点で正式メンバーが何人だったのかはよく分からないんだけど、とりあえずデビューした時は6人のMC、2人のトラックメイカーの8人組だった SCARS の音源を、彼らと同じ川崎の DJ TY-KOH がミックスした作品(2009年作)。

SCARS というとどうしても SEEDA と bes が目立っている印象があって、実際私なんかは他のメンバーについてよく知らなかったりするんですが(実は SCARS のアルバムって聴いた事ない)、今作を聴いてみると他のメンバーもテクニック的には先の二人に見劣りするものの、独自性という意味では負けていないのが分かるし、自らの日常を中心に描く言葉は情景豊かなもので、なめらかな DJ TY-KOH のミックスもあって1本の映画を見ているような気分を味わえる。

これなら3枚目のアルバムも聴いてみたい気がするが、 STICKY と bay4k が仲が悪いとか STICKY が逮捕されたとか(bes も塀の中かな?)とかで難しいみたいですね。む~ん。

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BBOY PARK 2009

BBOY PARK 2009
http://www.bboypark.com/

どうもこんばんは、昨日、一昨日と参加した BBOY PARK の疲れで体がボロボロの shooter です。
別に朝から晩までいたわけでもないのにこの有様、いやはや歳はとりたくないものです(単なる運動不足もある)。

ということで、今日は正直さっさと寝たいのですが、イベント事については時間が経てば経つほど書くのが面倒になるので(実際それでカミセンとかブロックパーティーとか書いてないし)、とりあえずだらりとしたテンションで簡単に書きたいと思います。

[何だかんだで長いよ!!]

KAIKOO Vol.11

KAIKOO Vol11
KAIKOO Vol11

今までイベントなりライヴなりに行ったときは、いつもの記事の枕として書いていたのですが、それもちょっとあれなんで、単独でカテゴリー作ることにしました。
まぁだからといって、今までに比べ詳細を書いた記事になるかというと、そんなことはないと思いますが。

ということで、昨日は渋谷の asia で行われた KAIKOO に行ってまいりました。

今回の KAIKOO は来月大阪で行われる大阪乱遊祭の前哨戦的な位置づけのものだと思うんだけど、そうはいってもこちらはこちらで十分豪華なラインナップになっていて、中でも楽しみだったのがやはり SD JUNKSTA
しかし彼らは同じ日に自分たちのパーティーである SAG DOWN もあるので、当然出番は早いんだろうと思い、渋谷についてのが11時。そしたら asia の前にちょっとした行列が出来ていて、軽く帰りたくなる。さらにやっと入れると思ったら、今までされた事がないような入念なボディ・チェックをされて、本格的に帰りたくなる。

とはいっても無事中には入れたので、一直線でメイン・フロアに。そしたらフロアはガラガラ。最初予想以上の人が来て行列ができてんのかと思ってたんだけど、なんのことはない、ボディ・チェックのせいで入場に手間取ってただけなのね。

しかし私がフロアに入ったとき、 SD JUNKSTA の曲がかかっていたので、これは頭から SD JUNKSTA に違いないと思い、ステージまん前にかぶりつく。でもこれもよくよく音を聴いてみると、 SD JUNKSTA の曲というわけではなく、今度 DJ BAKU が出す日本のヒップ・ホップのミックスCD流してただけみたい。

んで程なくしてスモークが焚かれた後、トップ・バッターとして出てきたのは、やはり SD JUNKSTA ではなく、私の全然知らないバンド(なんでも oak というバンドだそうです。中心人物が元 walrus というのを知って、甘酸っぱい気持ちになるのは私だけでしょうか)。
1曲目がいきなりアブストラクトを通り越して、まんまドゥーム・メタルになったような曲だったので、今の日本のヒップ・ホップ・ヘッズはすごい音楽を聴くんだなぁ、と感心していたんだけど、それ以降はハードコアとダンス・ミュージックを掛け合わせたような、わりとありきたりなタイプの曲が続いて、まぁ全然悪くはないんだけど、もう少し個性がほしいかなぁ、というバンドでした。

そして次に出てきたのが、待ってましたの SD JUNKSTA 。しかし出てきたのが NORIKIYO と BRON-K の二人だけで、一瞬だまされた、という気持ちでいっぱいに。しかし曲が進むにつれ OJIBAH 、 TKC 、 WAX 、 KYN とMCが増えていって一安心。
んで肝心のライヴの内容の方は、さすが自分たちのパーティを定期的に開いているだけあってライヴ慣れしていて、やった曲はソロの曲がほとんどながら、タイプの違うそれらの曲を、ステージ上でものの見事に SD JUNKSTA 流パーティ・ミュージックに収束させていて、楽しいの一言。しかしステージにはMCが6人いるのに、マイクが5本しかないせいで、常に誰か一人所在無さげにしていたのは笑った。

最後に NORIKIYO が「次は中野の白鳥」みたいなこと言って去ったので、次は当然 BES 。去年でたアルバムは随分と暗い内容だったので、ライブでは当然 Swanky Swipe も混ぜてくるんだろうと思っていたんだけど、実際には律儀なまでにアルバムからの曲のみで構成されたライヴ。しかしこの辺になると、ヴォーカルの音量レベルが高すぎて、正直何言ってるかよく分からず、ライヴ自体もよく分からないものに。でもあれだけ暗いと思えたアルバムの曲も、ライヴでやるとけっこうヒップ・ホップの王道感を備えたものに聴こえて、その点は新鮮でした。あと曲間のしゃべりがいちいち面白い。

次に出てきたのは私の知らない人。でもバックDJが「ICHIMIYA」と書いてあるTシャツを着ていたので、stillichimiya の人なんだろうとは思っていたんだけど、あれが田我流だったのかな。とりあえずスタイルとしては比較的オーソドックスなものながら、常に全力投球なラップには好感持てました。

なんか気がつけば記事が長くなってきたので、ここからは駆け足で。

次はSHINGO☆西成。基本的に黒を基調にした格好の人が多かったこの日の出演陣の中でも、赤い革ジャンに首からスニーカーをぶら下げた格好は明らかに異色。しかしその見た目に負けないエンターテインメント性に溢れたライブで、楽しさでいえばこの日一番だったかも。あと声が太いのでラップが聞き取りやすかったです。

そして見た目が異色だったのがSHINGO☆西成なら、音的に異色だったのが太華&誰か!?。その誰かというのは RIZE の KenKen とタップダンサーで、そこに太華のビートボックスという変わった構成でのセッション。まぁその面子が出てきたときの期待感に比べると、実際に鳴らされた音に意外性はなかったものの、タップダンサーの視覚面でのダイナミックさも相まって、十分に面白い内容でした。

そのセッションの最後に RUMI が参加した曲をやったんだけど、そのまま RUMI と SKYFISH のライヴ。しかし先程書いた、私には音量がでかすぎたのと、 RUMI のキンキン声が合わさって脳みそが揺れだしたので、フロアの後方に待避。なので正直あまり楽しめませんでした。

その後 SKYFISH 、 DJ BAKU のDJが続いた後、 DJ BAKU と般若。とにかくね、般若の人気ぶりに驚いた。他の人のライヴでも終始盛り上がっていたとは思うんだけど、般若のときは盛り上がりが桁違い。しかもライヴの途中に asia のブレイカーが落ちるというアクシデントがあったんだけど、その間もアカペラでフリースタイルやったりして場を盛り上げ続けていて、あらゆる意味で圧巻のライブでした。
最後には期待通り RUMI を加えての、グループとしての般若の再結成も見られて、もう大満足。

この後の DJ BAKU のバンドをバックにした漢も負けずに盛り上がっていて、作品を出していないにもかかわらず、未だ衰えない支持の厚さをすごいとは思ったものの、バックの音があまりにもロック然としているのに急に興ざめしてしまい、この日はこれで退散。

というわけで、最後はちょっとイマイチ感のあるものではあったのだけれど、総体的には非常に満足度の高い、かなり良いイベントでした。まぁラップのイベント行くと、いつもラップの音量がでか過ぎて脳みそが揺らされるので(マジで一瞬意識が飛ぶことも何度か)、これはPAの問題なのか私の体の問題なのか、とりあえず対策を講じなければなとは思うんだけど、次回も行きたいと思わせるには十分なものでした。
やっぱりもっと現場行かなきゃだめだなぁ~。

鬼一家 / 赤落 (赤落PRODUCTION) CD

鬼一家 / 赤落 (赤落PRODUCTION)

現在服役中の鬼を中心とする鬼一家のファースト・アルバム。

このアルバムに先立って鬼が発表した “小名浜” は、まるで70年代フォークのような世界観で故郷についてラップするという、現在の日本のヒップ・ホップの中でもかなり異彩を放つ曲で、このアルバムでも明快な言葉で小泉、安倍元首相を批判する “スタア募集” 、社会の不条理を語る “見えない子供見てない大人” など、深い悲しみを内包する鬼の声で発せられる言葉は、どれも強い説得力を持ってこちらに響いてくる。

ならばこのアルバムは傑作なのかというと、申し訳ないがそんな事もなく、これはあくまで鬼を中心としたクルーである鬼一家のアルバムであって、鬼の単独、もしくは誰かをフィーチャーした曲がかためられた前半は聴き応えがあるものの、後半のクルーのメンバーの曲になると、どれも悪くはないんだけど、イマイチとっ散らかった内容になっていて、ものすごく取って付けた感が強いんだよね。
このせいでアルバムの完成度が一段も二段も低いものになっていて、これだったら鬼の曲だけでミニ・アルバムとかにしてくれたほうが良かったかな。

まぁ今年の春には出所なんだそうで、今度の作品はもっと鬼が関わったアルバムになるだろうから、そちらの方に期待しておきましょう。

試聴

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BES from Swanky Swipe / REBUILD (P-VINE) CD

BES from Swanky Swipe / REBUILD (P-VINE)
http://www.p-vine.com/

今の日本のヒップ・ホップは、ストリートに根ざした所謂ハスラー・ラップの人気が続いているわけですが、その中でも例えば、非合法な事柄や暴力的な匂いを撒き散らす MSC のようなアーティストにはあまり興味がもてないのに、 NORIKIYO には強く惹かれるのかというと、彼の言葉には過去に対する強い後悔がにじみ出ているからで、それはこの BES の初のソロ・アルバムも同様。

BES といえば、様々な権力を「バビロン」と呼び、ゲロと唾を吐きながら毒づく Swanky Swipe 『Bunks Marmalade』(過去記事)の印象が強すぎて、この作品でのレイドバックして雰囲気に最初に触れた時は、正直ピンとこなかった。

しかし『REBUILD』と題されたこの作品での、まさに自分を立て直す為に吐き出される後悔の言葉は、今までの彼にはない強い説得力を持っていて、深くこちらの心に入ってくる。さらにこれだけ後悔の念に満ちた作品でありながら、彼の冷めた視点とユーモアのおかげで、トラウマ・ロックなんかにありがちな、ベタベタとした暗さに覆われていないのも良い。

まぁ例えば “勘ぐりと瞑想と困惑” のような、毒を吐く BES のラップももっと聴きたかったという気持ちがないといえば嘘になるんだけど、やはり今作の内容というのはソロ・アルバムなればこそということなんでしょう。そう思えば特に不満もないし、この『REBUILD』が今年聴いたアルバムの中でもとりわけ印象的な1枚なのは間違いない。

BES from SWANKY SWIPE - REBUILD
amazon

NORIKIYO / OUTLET BLUES (EXIT BEAT) CD

OUTLET BLUES
http://9819.jp/

このブログはアクセス解析に Google Analytics を入れてるんですけれども、それによると、今検索キーワードの一位が「norikiyo ハスリング」なんですが、これはなんでなんですかね。まぁ確かにこれで検索すると現時点ではこのブログが一位にはくるんだけど、このブログでそれほどハスリングについて言及したことはないと思うんだけどなぁ。相変わらず検索ロボットのことはよく分かりません。
っていうか最近ハスリング・ラップが人気ということがいろんなところに書いてありますが(私も書いてますけど)、みなさんちゃんと意味分かってるんですかね。ちなみに私は最近まで “城南ハスラー” って、 Zeebra がビリヤードのうでを自慢している歌だと思っていた人間です。

まぁそんな与太話はいい加減にして、そんなハスリング・ラップ全盛の現在を代表するラッパーである、 Norikiyo の約1年ぶりのセカンド・アルバム。

このアルバムの発売前に、 SDP のサイトの方で落とせた今作のメガ・ミックスを聴いたときには、ずいぶんブリンブリンになっていて、こりゃダメだなと思ってたんだけど、やっぱりアルバムはちゃんと聴かないといけませんね。あのときの私はいったい何を聴いていたんだと怒ってやりたいぐらいの大傑作じゃないですか、これは。

とはいっても、前作『EXIT』(過去記事)から何か大きく変わったかというと、基本路線は一緒。以前のイリーガルな日々に起因する苦悩や後悔と、でもそれにつぶされないようなしたたかさと、それらすべてを笑い飛ばすようなユーモア、そんな様々な感情を内包したエモーショナルなラップ。

しかし比較的シンプルなトラックの多かった前作は、 Norikiyo のフロウがどうもヴァリエーションに乏しいのも相まって、モノクロームな印象が強い作品だったけど、全曲 Bach Logic がプロデュースした今作は、 Bach Logic の作る分かりやすいフックを多用したトラックにより、 Norikiyo のラップのもつエモーションが、驚くほど色鮮やかにこちらに伝わってくる。正直今まで Bach Logic ってほとんどいいと思ったことがないんだけど、今作での仕事振りは文句なしじゃないでしょうか。

そして Norikiyo のラップも、歌詞がより具体性を帯びたのもあって、より感情豊かになっていて、一言でいうととにかく染みる。中でもイリーガルな日々から逮捕までの顛末を歌った “儲かるけど?” から、後悔を振り払うかのように笑えと歌う “運命 ~SADAME~”への流れはホント泣ける。他にも泣きのギターをフィーチャーした “RIVAXIDE CITY DREAM” や、自らのルーツを確かめるような “RUN RUN RUN” など、メロウな曲が少なくないんだけど、派手なシンセを使った “GIMME SOME NEXT” や “REASON IS…” のような曲を要所要所に配することによって、見事にメリハリのある流れになっている。

とにかく今作は、 Norikiyo の表現の軸をまったくぶらすことなく、すべての面でスケールアップた、前作とは比較にならないくらいの作品。とはいっても、その前作も昨年を代表する傑作だったわけで、つまりはそれくらい今作の完成度は群を抜いているということ。大傑作。

NORIKIYO - OUTLET BLUES
amazon.co.jp

DJ ISSO / I-DeA’s COLLECTION (Flashsounds)CD

I-DeA's COLLECTION
http://www.flashsoundsinc.com/

今日久しぶりに we nod のサイトを見たんですけど、ちょっと信じられない文字が躍ってましたね。なんと4月に行われる Olive Oil のリリース・パーティに、 Ill Slang Blowker が出演だって。これホントなんですかね。いやまぁ書いてあるからには本当なんだろうけど、まさか Ill Slang Blowker のライヴが見られる日が来るとはなぁ。しかも他の面子もありえないくらい豪華だし。これは何がなんでも行かねばなるまい。

この前の Seeda のライヴにも来ていた I-DeA のトラックを使った音源を、 SD JUNKSTA の DJ ISSO がミックスしたアルバム。
私は正直つい最近まで I-DeA のことを「イデア」と読んでいた人間なので(正確には「アイデア」)、彼のトラックが好きかというと、特にそんな事もないんですね。別にこれといって悪い印象もないんだけど、どうにも私にはこれといった個性が聴き取れなくて、それはこのアルバム聴いても変わらない。でも現在のアンダーグラウンド・ヒーローをずらりと揃えた面子の楽曲は、やはり聴き応えがあるのは間違いないわけで、さらにこの手のミックスCDによくあるエクスクルーシヴも、ただ馬鹿みたいにDJの事を褒め称えるものじゃなく、他の曲との違和感がないくらいちゃんとラップしてて、コンピとしてはなかなか秀逸。それに全部 I-DeA が作ったトラックだから、当然のように統一感あるしね。

しかし Seeda の『街風』聴いたときも思ったんだけど、 Seeda 周辺に Libra 足すだけど、今活きがいいのが揃っちゃう感じがするのはどうなんだろうなぁ。その分やはり天神の皆さんにはかんばってほしいんだけど。まぁ今年の夏前には出るという N9N のアルバム次第ですかね。

試聴

NORIKIYO / EXIT (YUKICHI)CD

EXIT
http://www.sdp-228.com/

そういえば今年はけっこう日本のヒップ・ホップで期待してたリリースが多いはずだったんだけど、結局 8th Wonder のアルバムは出ないみたいね。確か今年の頭にアルバム出して、その後 masashi のソロが続くみたいな話だったはずなんだけど。まぁ作業は今も続いてるらしいから待つしかないですな。あと志人のユニットの後に降神もアルバム出す予定だった気がするんだけど、志人のユニットが発売延期したまんま動きが全然聞こえてこない。何かトラブルでしょうか。それと N9N は相変わらず出ないね。でも myspace で聴ける曲がとんでもなくかっこいいので、こちらも引き続き期待して待ちたい。
そして SDP も本隊のアルバムに KYN 、 BRON-K のアルバムがこの秋に出る予定だったはずなのに、今年中に出るのは BRON-K だけっぽいなぁ。まぁ SDP は今年いっぱい出してくれたからいいんだけど。

ということで SDP (相武台ポッセの略、けっしてスチャダラパーではないよ)のラップ部隊である SD JUNKSTA のリーダーである NORIKIYO の初ソロ・アルバム。
わりとヒップ・ホップの雑食性について書いた記事が続いたので、だったら別にヒップ・ホップじゃなくてもいいのではなかろうか、と思う人もいるかもしれないけど、私がヒップ・ホップに強く求めてる部分というのも確かにあって、それは時代の空気感みたいなものだったりします。まぁ全ての音楽に時代性というのは求めてる方ではあるんだけど、その中でもヒップ・ホップは時代の空気が直接的に反映されやすい音楽だと思うし、それが日本語のラップとなれば尚更。
ならばこのアルバムに反映された時代性というものは何なのかといえば、ありきたりな言葉ですが「出口なし」の感覚ではないでしょうか。
本作のリード曲である “DO MY THING” で若者を叱咤激励するようなことを言ってはいるが、では当の NORIKIYO がこのアルバムで明確な目標や道筋を示しているかというと、少なくとも私はラップからもトラックからも感じない。ここで語られるのはハスリングをしていた過去と、その過去よりはましになったものの、相変わらず相模原の団地の真ん中でうだつの上がらない日々を送る現在であり、未来というものがすっぽりと抜け落ちている。しかし本作が、絶望と悲しみにまみれた救いのないアルバムになっていないのは、 NORIKIYO がゆっくりながらも歩みを止めない姿勢が刻み込まれているからであり、だから彼のラップは誰よりも力強い。そしてそんな自分を独特のユーモアを交えながら語る彼は、ストーリーテラーとしても一流なのではないでしょうか。
まさに私が日本のヒップ・ホップに求めるものとしては、申し分のない1枚です。

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SEEDA / 花と雨 (KSR) CD

SEEDA / 花と雨
http://seedagreen.exblog.jp/

んでもって Bes と共に Scars に所属するバイリンガル・ラッパー Seeda のアルバムは、日本語ラップ好きにはクラシック確定の作品として非常に高い評価を受けているようですが、私はちょっと苦手かなぁ。どうも Seeda の声押しつぶしたような発声が好きになれないのですよ。それに全曲プロデュースした Bach Logic のトラックも特に面白いと思わないし。なんかこのアルバムは、あまりにも「ヒップ・ホップ」し過ぎてるんだよなぁ。完成度が高いのは分かるんだけど、自分にはちょっと合わんかったです。

@TOWER JP

amazon
[Tracklist]

SWANKY SWIPE/Bunks Marmalade(P-VINE)CD

SWANKY SWIPE/Bunks Marmalade
http://www.p-vine.com/

一聴した感じでは非常に粗野な印象を受けるんだけど、その中にもどこか冷めた感じがあって、でもラップの端々からユーモアがこぼれ落ちる。自分にとって Bes の魅力を書くとこんな感じでしょうか。
Bes がラッパーをつとめる Swanky Swipe は、トラックメイカーの Eishin 、DJ Porsche、そして Yodel からなる4人組。 Bes はどちらかとうと Scars に所属していることで有名みたいだけど、私が彼の声を聴いたのはコレが始めて。音楽的にはストリートに根差したハードコアなヒップホップで、個人的にはあまり好きとはいえない音楽性なんだけど、そこに Bes のラップが乗るだけで世界が多面的になって、とても躍動感のあるものになる。それに彼のラップには生命力が強く感じられて、それはストリート・ミュージックにはとても大切なことに思える。

SWANKY SWIPE - Bunks Marmalade
[Tracklist]

DABO / Baby Mario World

DABO/Baby Mario World
http://www.toshiba-emi.co.jp/capitol/dabo/

日本のヒップ・ホップって人並みには聴いてるつもりだったんだけど、恥ずかしながら Tokyo Shit については全くといっていいほど知らなかったんですが、その日本でヒップ・ホップを盛り上げていこうという動きの結実の一つが、この総勢32名が参加したアルバム。なんか色んなサイト見ているとけっこう微妙な評価みたいだけど、個人的には『PLATINUM TONGUE』以来好きなアルバムかも。
このアルバムはシーンを盛り上げていこうという性格から多数のゲストが迎えられているわけで、その為に統一感にかけるという意見もあるようだけど、私は逆にこれだけの幅のある楽曲にも、器用貧乏にならずに柔軟なスタイルで自分の色を出しつつラップをのせる Dabo を素直に、素直にすげぇなぁと思います。トラックも特に個性的といえるものは見当たらないんだけど、ここまで機能的なトラックを揃えたアルバムというのもココ日本ではあまりないものでしょう。
まぁゲストに関しては予想の範囲を超えるものだとか、 “Shall We Rock?” はブラックジョークとしても性質の悪いものだと思うとか(さらにロックの象徴ともいえるギターを壊しまくる PV に至っては・・・・)不満がないわけでもないんだけど、このアルバムのそもそもの性格を考えれば、それもあまり気にならない。
あとはこれを次にどう繋げるかですかね。

DABO - B.M.W. Vol. 1
@TOWER.JP で見る

[Tracklist]