Sandwell District / fabric 69 (fabric) mp3

Sandwell District / fabric 69 (fabric)
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「fabric」つながりでついでに。

Regis と Function によるユニッ ト Sandwell District が2013年4月に発表したミックス CD (買ったの CD じゃないんだけどこう書いてしまう)。
レーベルとしての Sandwell District はすでに終了していますが、ユニットとしての Sandwell District も今作が最後との事。

fabric っていいますと、最近では自身の曲のみでミックスされた、ほとんどアルバムといっても差し支えない作品が増えていますが、今作は Regis によるエディットや、 Sandwell District レーベルからの作品を含んではいるものの、一方で Laurent Garnier や Carl Craig の曲なども使われていて、トラックリストを見る限り、意外なほど幅広い選曲がなされているように思える。

しかし実際の音はというと、 Sandwell District らしい硬質さに貫かれている。

ゆったりとしたビートをほとんど変化なく鳴らす序盤から、退廃的な響きさえ感じさせるギラついた音色のシンセで盛り上げる中盤、そこからゆっくりと高度を下げていくような終盤と、ダンサブルな要素はそれほどではないものの、緻密に練られた構成は、機能的なクラブ・ミックスとは違う、一つの作品としての音楽性の高さがある。

ただそれでも Sandwell District の今までの作品に比べると、想像の範囲を超えていないという意味でインパクトに欠けるのも事実で、これが Sandwell District の最後の作品かと思うと物足りなさを覚える。

ただ彼らはすでに Sandwell District の後継的レーベルである Jealous God を始めているので、今後はそちらに期待ですかねぇ・・・。

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Petre Inspirescu / fabric 68 (fabric) CD

Petre Inspirescu / fabric 68 (fabric)
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2013年に関しては、2012年に引き続きルーマニアのミニマルもよく聴いたのですが、その中でも目立っていたアーティストというと、やっぱり Petre Inspirescu ですかね。

Petre Inspirescu というと2012年12月に発表した『gradina onirica』(関連記事)が傑作でしたが、同時期に発表された本作も、「fabric」シリーズということで、ダンス的な側面が強くはなっているものの、それだけに留まらない音楽性の幅の広さを聴かせる作品になっている。

というのも今作は自身のレーベルである Yojik Concon から Petre Inspirescu の曲のみが選ばれているのだけれど、その Yojik Concon というのは彼の室内楽的な要素が強く出ているレーベルであり、今作にもストリングス等の音が聴こえる部分が多い。

ただそれによりリスニング向きの作品になっているのかというとそんなことはなく、じっくりとダンス・グルーヴを積み上げながら、景色を塗り替えていくようなミックスは非常に美しく、そういった意味では『gradina onirica』よりも彼の魅力が伝わりやすい作品になっている。

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Caspa / Everybody’s Talking, Nobody’s Listening (Fabric) mp3

Caspa / Everybody's Talking, Nobody's Listening (Fabric)
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Gary McCann こと Caspa のファースト・アルバム。

今までこの人の音源聴いた印象からすると、ベタなダブ・ステップが中心なのかなと思っていて、まぁ実際ベースがブリブリと唸るいかにもなダブ・ステップも多く収録されてはいるのだけれど、それ以外にもメロウなバラードや、ビートがドラムンベースっぽいものなど、ちょっと毛色の違う曲がいいアクセントになるとともに、何曲かで招かれたアクの強いMC達が非常にいい仕事をしていて(中でも Dynamite MC が最高)、単調になりがちなダブステップのアルバムの中でも、緩急を付けることに成功している。

まぁそれでも最近のテクノっぽいダブステップに慣れた耳からすると、ビートの感じが好きになれない部分があるにはあるんだけど、ダブステップがどういった音楽なのか分からない方には、分かりやすいアルバムなのではないかと。

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[TrackList]

Âme / Fabric 42 (Fabric) mp3

Âme / Fabric 42 (Fabric)
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被り物ジャケの次は風景のジャケが続いている Fabric の42番は Âme 。
彼らが “rej” のヒットの後、一発屋で終わらずにいる一因として、DJの高評価があるのは間違いないと思うんですが、私は生でもCDでもそのミックスを聴いたことがなかったので、密かに楽しみにしていたのですが、これは期待に違わぬ良作ですね。

わりとディスコ・ダブっぽい Linkwood の “Hear The Sun ” で始まって、以降もその雰囲気を保ったまま、特にコレといった盛り上がりもないまま進むので、正直かなり地味な印象は受けるんだけど、次第にそのサイケデリックなグルーヴが体に染み込んできて、自然と体が動いてしまう。

その後はデトロイトっぽいトラックを繋いで、それなりに盛り上がりを演出するものの、それほど分かりやすい感じもなく、総体でいえばやはり地味なミックスだと思う。でもその分何度でも聴ける普遍性と、でもしっかりと時代性も盛り込まれていて、ちょっと自分の中の Âme の評価が変わりましたね。
ちょっとこれは生で聴いてみたい。

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Mark Farina / Fabric 40 (Fabric)mp3

Fabric 40
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今までに比べると、信じられないくらい地味なジャケットになった「Fabric」の最新作は、御代 Mark Farina 。
で、私今の今まで勘違いしてたんですが、なぜか Mark Farina と Luke Solomon がごっちゃになっていたようで、なんか最近のミニマルっぽい感じもシカッゴっぽい感じも薄いなぁ、なんて思ってたら、そうですか、別人でしたか。
ということで書こうと思ってた事の半分くらいはおじゃんになってしまった感じなのですが(言い訳)、 Mark Farina ってアメリカの西海岸を代表するハウスの人なんだそうで、なるほど、今作はこんなの久しぶりに聴いたぁ、って感じの正調ハウス・ミックス。でもゆったりとした前半から、声ネタなどを交えつつどんどん盛り上げていく展開は、特に目新しさは感じないものの、聴いたら聴いたでやっぱり楽しいんですよね。
そういえば前作の Robert Hood のも基本に立ち返ったようなミックスだったけど、これが最近の「Fabric」のモードなのかしら。因みに次作は Luciano らしいです。

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Robert Hood / Fabric 39 (FABRIC)mp3

Fabric 39
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ここ何日か、共有 BBS のころから見ても過去最高なのではないかと思えるくらい COMPASS の掲示板が荒れに荒れてるんだけど、なんでこんなんなっちゃうんですかね。仕舞いにゃ全く関係ないブログまで持ち出してるし。でも思えばそのブログのコメント欄が荒れるのも、大抵日本のヒップ・ホップの記事なんだよなぁ。やっぱりまだ文化的に成熟してない、っていうか単純に若い子が多いからしょうがないのかしら。とりあえず掲示板での罵詈雑言を見ていると、この子たち( G.K.Maryan もか)は、良くも悪くもサラリーマンになれねぇだろうなぁ、と思う、今年32歳になる会社の歯車です。

こんな書き出しなんで、当然日本のヒップ・ホップ紹介したほうが良いとは思うんだけど、紹介できるほど回数聴いたのがないんで、例によってミックスCDでお茶を濁したいと思います。

っつうことで、ここ何作か被り物系ジャケが続いている Fabric の最新作は、御代 Robert Hood 。
Robert Hood って、ミニマルに色濃く影響を与えた人物として、ベーチャンMike InkDBX と並んで名前が挙がることが多い人であり、自身も monobox 名義でミニマルと深く交わったりしていましたが、今作は徹頭徹尾ハード・ミニマル。
最初トラックリスト見たときは、あまりにも御馴染みな面子が並んでいるので、少々うんざりな感じもあったんだけど、聴いてしまえば昔の血が騒いで、やはり燃える。
とはいっても昔そのまんまの、懐古的なハード・ミニマルのミックスなのかというとそんな事もなく、テック・ハウスっぽい幕開けから、重いキックを軸としながらも、ベースがグルーヴィな曲が多く、それなりに時代に即したものになっている。しかしミニマルの霧を振り払うような新鮮さがあるかといえば、そこまでのものは当然なく、ハード・ミニマル冬の時代はまだまだかなぁ、という印象は拭えない。いいミックスなんだけどね。

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Caspa and Rusko / Fabriclive 37 (Fabric)mp3

Fabriclive 37
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先月号の特集が「少年ジャンプ」だったので思わず買ってしまった「スタジオボイス」なんですが(何気に買ったの始めて)、今月号の[オルタナティヴ・ミュージック]ランキング100というのを見てみたら、100枚中持ってるの『No New York』だけだった。これは私が如何にオルタナティブに興味がないか、って事の表れなんでしょうか。でも今のオルタナティブって、ノイズ・ドローン・サイケデリック、みたいな感じでしょ?私どれも聴いてないもんなぁ。しょうがないか。

今までのブログの記事を読んでいると、わりとダブ・ステップに対しては否定的だったように思えたびびんばさんが、「このミックスCD聴いてダブ・ステップの可能性に気づいた」みたいな事を書いていたので、コレは早速聴かねばと、慌てふためいて探した1枚(因みに買ってはいない)。

多分多くの人にとってのミニマルがそうであるように、私にとってダブ・ステップって、全くといっていいほど曲毎の差異が分からない音楽なんだけど、好きか嫌いかと問われれば、断然好きではある。それはやはりダブの要素が非常に強いというのが大きいんだけど、ダブ・ステップというスタイルがまだまだ流動的であるがゆえに、混沌としたエネルギーを感じさせるのも魅力的。

そしてこのミックスCDも、ダブ・ステップって以外に色んなのがあるのねぇ、ってな感じで、ドラムン・ベースっぽいのからルーツ・レゲエっぽいのまで、スタイルはなかなかに幅広く、しかしこの中で好きな曲があるかといえば、曲の区別なんかよく分からねぇんだけど、ひたすらブヒブヒいってるベース音を聴いてるだけでもすげぇ楽しい。
一度生で聴いてみたいモンですな。

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Steve Bug / Fabric 37 (FABRIC)mp3

Fabric 37
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現在のミニマルの中でも、確固たる地位を築いた感のある Poker Flat と、そのオーナーである Steve Bug なんですが、私はどうもこのレーベル周辺にはイマイチ惹かれないのよね(気になるの GUIDO SCHNEIDER くらいか)。なので何枚もミックスCD出してる Steve Bug なんですが、私が彼のミックスを聴くのは初めて。
しかし聴いてみれば予想通りのテック・ミニマルで、意外性もなければ特別な盛り上がりもないような地味なミックスではあるのだけれど、軽快なグルーヴを丹念に紡いでいて、なかなかに好感がもてるミックス。特に中盤から終盤にかけてのチャカポコ具合はかなり気持ちいい。
家聞きとかにも丁度いいんじゃないかしら。

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RICARDO VILLALOBOS / fabric 36 (FABRIC)CD

fabric 36
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気が付けばテクノ/ミニマルを代表するプロデューサーになった感のある Villalobos なんですが、その短くない活動歴の中でも様々なスタイルの変化をみせているので、どの時期から聴きはじめたかによって、その人の中での Villalobos の音のイメージってけっこう変わってくるのではないかと思うんだけど、『Alcachofa』から聴き始めた私にとって、このブログでも何度も書いているように、非常に粘着質のグルーヴを作る人だというイメージが強くあります。
そういう私からすると、 Villaoboso の4枚目のミックスCDであり、全曲 Villalobos の未発表曲で構成された本作は、若干物足りなさを感じる作品です。
というのも、今作ではキックを中心にグルーヴを組み立てているせいか、以前のようなベースやパーカッションが一体となって絡みつくような感覚が希薄で、どうもリズム全体が淡白に感じられてしまう。その分ここでの縦ノリに近いリズムは踊りやすいとは思うんだけど、やはり私は膝下に絡みつくようなねっとりとしたグルーヴを Villalobos に求めてしまう。
それでも “ANDRUIC & JAPAN” 以降の混沌とした雰囲気というのはかなり好きな感じではあるんだけど、その曲以前がどうも退屈で、反復音楽において、何かが起こるまで如何に引っぱるかというのは非常に重要だと思うんだけど、今作ではその引っぱってる部分にあまり面白味を感じない。 “Fizheuer Zieheuer” なんて、引っぱりまくって結局何も起こらない、って感じの曲だったのに、十分面白かったんだけどなぁ。

それにしてもこの人って、あれだけシングルとかリミックスやってるのに、まだこれだけ未発表曲があるっていうのはすごいね。そのうち、10枚組みくらいでもいいからリミックス集とか出してくれねぇかなぁ。

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AKUFEN / FABRIC 17 (Fabric Records)CD

fabric 17
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ロンドンのクラブ兼レーベルの名前を冠したミックスCDシリーズの新作。ファブリックってミヒャエル・メイヤースウェイザックなどのミニマル/クリック・ハウスのもリリースしてるけど今回はなんとアクフェン。個人的にアクフェンって意外にシリアスな表現者だと思っているのだけれど、これは結構ポップな感じ。かといってアゲアゲなわけでもなくノリとしてはユルイですね。クラブで踊るよりは聴いてると家事がはかどる感じとでも云いますか。しかしどうせならもっと自身の曲を使ってほしかったなぁ。しかしこのシリーズのジャケの脈略のなさはどうにかならんもんか。

ところで昨年秋の『FADER』誌に既に『Music For Pregnancy』なるアルバムが完成していると書いてあったのだけれど、発売される気配が一向にありませんね。ノンビート主体という事でいつだかのミルプラトー・ナイトで披露したような感じになるのかな?「Music For Pregnancy」って「妊娠のための音楽」という意味らしいが、確か以前ヴィラロボスなんかが参加した『Music For Children』なるコンピがありましたよね。クリック系の人は子供好きが多いのかしら。

[Tracklist]