Tsutchie / this is a recording (1138) CD

this is a recording
http://www.1138.co.jp/

なにぶん昔の事なので記憶が定かではないのだけれど、私が日本のヒップ・ホップで初めてCDを買ったのって、 SHAKKAZOMBIE の『JOURNEY OF FORESIGHT』だったはずだし、それでなくても、普段テクノ聴いている耳からすると、音がしょぼずぎて聴く気になれないものが多かった90年代の日本のヒップ・ホップの中で、音楽的にも音圧的にも申し分のないトラックを作っていた数少ない人物であったのが Tsutchie だったわけで、まぁつまり何がいいたいのかというと、 Tsutchie ってそれなりに思い入れのあるアーティストなんだけど、最近は一体何をやってるんでしょうね。もちろん今でも名前はたまに見るんだけど、どれも単発っぽくて、イマイチ活動の全体像が見えてこないんですよ。 SHAKKAZOMBIE も全然動かないし。個人的には OSUMI はいいから、 IGNITION MAN (今更過ぎるけど名前ヒデボウイの方が良かったよ)に頑張ってほしいんだけどなぁ。まぁ愚痴はこれくらいにして。

この作品は Tsutchie が2003年に発表したソロとしては2枚目となるアルバム。この作品の前年に出たファースト・アルバムは、多くのゲストを招いたメロウな歌モノ中心だったけれど、今作は全編インスト。
混沌を印象付けるイントロに続いて、流麗なピアノと乾いたドラムの音が心地よい “skip” 、そのままジャジーな “mute” へと流れ、そこから一転コズミックな “flutter” へ。その後はタイプの違う小品をはさみながら、ゆったりとした流れに引き戻されるような構成になっていて、様々なタイプの曲でありながらも、主軸にブレイクビーツが置かれた曲群は、ひたすら心地よい。
特に何曲かでみせるメロウさというのは、最近の Nujabes 以降のトラックメイカーとは一線を画す洗練を感じさせ、昔 Tsutchie 聴いてたから私にはそこら辺の人が退屈なんじゃないか、なんてことも思ってしまう。

ここで何回か書いたように、最近の日本のヒップ・ホップってどうも面白味に欠けるんだけど、その理由の一つとして、 Tsutchie みたいな面白いトラックメイカーが少ない(やっぱ Bach Logic とかヒップ・ホップ過ぎるんだよね)からではないかと思えてならない。
またソロでもいいからガンガン仕事してくんないかなぁ。

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