TOKIO / SUGER (UNIVERSAL) 2CD

TOKIO / SUGER (UNIVERSAL)
http://www.j-storm.co.jp/tokio/

たまってるジャニーズものをいくつか。まずは昨年2月に出た TOKIO のミニ・アルバムで、 UNIVERSAL からは最後となる作品。

これに関してはアイドルというものの宿命といえばそうなのかもしれないけれど、ジャニーズの中でもベテランにあたる人たち、それは近藤真彦や少年隊、また SMAP もこの中に入れてもいいのかもしれないけれど、彼らの曲を聴いてみて思うのは、ジャニーズ事務所って芸能人としてはともかく、音楽家としては成熟というものを盛り込むことが得意ではない、という印象があります。
マッチなんかはそういったところでは全く折り合いを付けられていない、というよりそんな気さえないようだし、少年隊は一時期山下達郎と組んでそういった方向に行くのかと思わせたけど結局は尻すぼみだし、 SMAP は相変わらずだし。

そんな中にあって、 TOKIO というグループは、バンドとしての成熟を徐々に音に染み込ませていて、さらに “宙船” 以降の歌謡路線もいい方向に作用していて、現在音楽的に非常に充実した状態だというのが、この作品を聴くとよく分かる。

収録曲7曲中、既発曲が5曲、カバー曲1曲で、純然たる新曲は1曲しかないという構成は、移籍前にありあわせで作った作品という印象がどうしてもしてしまうし、実際そうなんだろうけれど、ここ何作かの歌謡路線の曲が纏められることによって、彼らの変化というもがより明快に感じられるようになっている。中でもやはり長淵剛の “青春” 、甲斐よしひろの “ひかりのまち” 、中村雅俊のカバーで桑田佳祐の “恋人も濡れる街角” 、そして中島みゆきの “本日、未熟者” という、いったい今は何年なのか分からなくなるような並びの作家陣による曲群での、堂々とした力強さと泥臭さ、そして端々に感じられる情感はすばらしく、また最後の “ラン・フリー(スワン・ダンスを君と)” での深い余韻も、 TOKIO の確かな成長を感じさせてくれる。

この歌謡路線はレコード会社移転によって方向転換するのかと思っていたら、この次のシングルでは東京事変を作家に起用していて実に自然な流れになっているし、もうすぐ出る新曲も、テレビで聴く限りでは、大きな路線変更はなさそうで、まだ当分この路線で楽しませてくれそうだ。