OJIBAH / 海賊盤 (YUKICHI) CD

OJIBAH / 海賊盤 (YUKICHI)
http://www.sdp-228.com/

SDP 所属の OHIBAH の音源を DJ ISSO が繋いだミックスCD。

SD JUNKSTA っていいますと、シーン随一の技巧派ともいわれる NORIKIYO がいますが、他方では BRON-K 、 TKC 、 KYN 、 WAX と、どちらかというと個性で押していくタイプのMCが多いという印象があるのですが(別に技術がないという意味ではない)、この OJIBAH はスキル自体は特別秀でているとは思わないものの、フロウがなかなか多彩で、どんなタイプのトラックにも器用に合わせてくるし、しかも案外歌も悪くないので聴いてて飽きさせない。
中でも低い声でのラップが多い中、素っ頓狂な声での歌うようなフロウの “純血” は、この盤に先んじて収録されていた『LOST SHIT』(過去記事)でも目立っていたけど、今作でも異彩を放っていて面白い(”MEMORYZ” も収録したらよかったのに)。

まぁ今作の時点では、多彩なフロウも器用貧乏な印象を与えている感は無きにしも非ずなんだけど、今作の多くは過去の音源だし、 SD JUNKSTA のアルバム(過去記事)では技術的にもしっかりと成長したところをみせてくれていたので、今年中に出ると思われるアルバムは、結構期待できるのではないかしら。

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AFEFE IKU / Artifacts Of Pottery Vessels (Yoruba) CD

AFEFE IKU / Artifacts Of Pottery Vessels (Yoruba)
http://www.yorubarecords.com/

せっかくの連休なんで(もう折り返しだけど)、紹介しそびれていたものをぽつぽつと(いつも中途半端に終わるけど)。

ということで、08年の WIRE で Villalobos が今作収録の “Mirror Dance” をかけたとかで、話題になった Afefe Iku のデビュー作。私は出たの08年だと思っていたんだけど、クレジット見ると07年みたいですね。

Yoruba といいますと OSUNLADE のレーベル、さらに本人はコンゴ出身、しかも Villalobos が好んでかけるといえば、当然のようにパーカッシブなハウスになっています。しかしリリース元が Yoruba だからなのか、テクノではなくあくまでハウスといいますか、音全体が非常に柔らかい。さらに同じアフリカ出身の portable に比べると、洗練の度合いが強く、そういったところも「ハウス」という印象を強めている。

私は元がメタラーなせいか、ハウスよりはやはり硬質なテクノの方が性に合うんだけど、本作のアフリカの大地を思わせる雄大さは、そんな私にも十分心地良い。アルバム全体でちゃんと流れがあるのも良かったです。

Afefe Iku - Artifacts of Pottery Vessels
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DJ WATARAI / つつみ込むように・・・feat. COMA-CHI & DABO (Pony Canyon) mp3

DJ WATARAI / つつみ込むように・・・feat. COMA-CHI & DABO (Pony Canyon)
http://kinginc.co.jp/blog/watarai/

民主党政権、ものすごく展開早いですね。酒井法子のこといつまでも引っ張ってる場合じゃないと思うんだけど・・・・・。

先ごろ出た DJ WATARAI のミックスCDから、配信限定でカットされたシングル。タイトル見て分かるかと思いますが、 MISIA のデビュー曲のカバーですね。

この曲、世間ではけっこう受けが良いようですが、結論から書けば私はもう全然駄目でしたね。

まぁそもそもの問題として、この曲見つけたときに勢いでダウンロード・ボタンをポチッとしてしまったんだけど、私よく考えれば原曲、っていうか MISIA 自体が嫌いなのよね。これはこのブログでも何度か書いているような気がするんだけど、私は所謂ディーバ系の歌手が全般的に嫌いで、というのも愛だの恋だの歌うのに、なんであんなにも馬鹿でかい声出さなきゃいかんのだというのがあって、まぁそれは大きな声のほうが相手に伝わるから、っていうことなんだろうけど、それはあまりに安易じゃなかろうか。
さらに MISIA という歌い手が、ものすごく歌が上手いということはもちろん私も認めるところではありますが、それがイコール歌手としての魅力につながっているかというと私にはそうは思えなくて、意地悪な書き方をすればただ上手いだけ、という印象がどうしても強い。

ではこのカバーはどうかというと、兎にも角にも COMA-CHI の歌が酷過ぎる。『RED NAKED』(過去記事)での歌はけっこう良かったんだけど、この曲では高音が全然出ていないし、全編通してとにかく前のめりの、感情過多なベタベタとした歌を聞かせていて、こうやって聴き比べてみると、 MISIA の方がまだ押し引きを心得た抑揚があったし、歌唱力については比べるべくもないわけで、逆説的に MISIA の歌手としての魅力に気付かされる。

思いっきり甘いトラックは悪くないし、 DABO の色男ラップも相変わらず調子良いだけに、その分がっかり感の強いシングル。 COMA-CHI もこんな歌聞かせているようじゃ、どんどん埋没していくだけなのではなかろうか。

DJ WATARAI - つつみ込むように・・・feat. COMA-CHI & DABO - Single

Zomby / One Foot Ahead Of The Other EP (Ramp) mp3

Zomby / One Foot Ahead Of The Other EP (Ramp)
http://www.myspace.com/ramprecordings

今日もまたジャニーズにしようかと思ったけど、それはさすがに怒られそうなので(誰に?)、今日は、ダブステップ界隈で最も「奇人変人だから何?」って感じの Zomby さんのダブル・パック。

この人は作品を重ねるごとに、どんどんダブステップから離れていっている気がしますが、今作にいたってはほとんどダブステップの匂いのしないレイブのりのブレイク・ビーツ。しかし彼のもつごった煮感覚は健在で、エレクトロやブレイク・コア、チップチューンなどをブレイクビーツの上に乗せて、強引に走らせているような印象は以前の作品とそれほど変わらず、そういった意味では一貫性が感じられる。

あと今作を印象付けている、過剰なまでにピコピコと鳴る電子音なんだけど、音自体は派手なものながら、奏でる旋律は悲しげなものが多く、その澄んだ電子音にまた違った響きを与えているのも良い。

でもこの人ってアイデアを練りこむっていう事をしたくないのか、いつも曲が盛り上がってきたところでフェイドアウトしちゃうんだよね。まぁさすがに慣れてきたからいいんだけどさ。

Zomby - One Foot Ahead of the Other

堂本光一 / 妖 ~あやかし~ (Johnny’s Entertament) CD

堂本光一 / 妖 ~あやかし~ (Johnny’s Entertament)
http://www.johnnys-entertainment.co.jp/

すいませんが、またもジャニーズ。

ということで、定期的に作品を出す堂本剛に比べて、いったいどういうタイミングで出してるのかよく分からない、光一くんの多分本人名義では2枚目のシングル。

以前アルバム出したとき(過去記事)には、剛くんがいない間のキンキの代替品、みたいな事書いたんだけど、今作もそれほど変わらず歌謡曲路線。
しかし今となっては Kinki Kids 本隊ではあまりこういう歌謡路線の曲はやらなくなってきているので(っていうかリリース自体少ない)、以前のような不満もそれほどないし、光一くんの歌の方も年季を重ねた分だけ堂に入ったものになっていて、なかなかに聴き応えがある。

でも惜しむらくは、この人も滝沢くんと一緒でソロでやるにはイマイチ声量が足りなく思えるのよね。だからサビの高音とか微妙に苦しそうで、その分盛り上がりに欠けるというか。そういった意味では、比較的淡々とした曲調の “Falling -2009-” が一番合ってるかと。

NEWS / 恋の ABO (Johnny’s Entertainment) CD+DVD

NEWS / 恋の ABO (Johnny’s Entertainment)NEWS / 恋の ABO (Johnny’s Entertainment)
http://www.johnnys-entertainment.co.jp/

調子乗ってまたジャニーズいきましょうか。

24時間テレビお疲れ様でした、な NEWS が今年の4月に出したシングル。
しかし24時間のあとに山下くんと錦戸くんが新型インフルエンザに感染したことが発表されましたけど、二人ともドラマやってるわりに錦戸君ばかり話題になっていたような気がするのは私だけですかね。とうとうトップ入れ替わりでしょうか。まぁ仲良くやってくれればどっちでも良いんですけどね。

ということで NEWS にとって11枚目のシングルとなる今作なんですけれども、表題曲の “恋の ABO” は、彼らにしては珍しいディスコ・ナンバー。でも曲としては小山くんのホストキャラを拡大した合コンソング、といった感じで、結局二の線でいくのか三の線でいくのかはっきりしないところが、そのまま曲のダメな部分につながっていてイマイチ。大サビの前でアホみたいな歌詞を、狂おしいまでに感情込めて歌う手越くんの素晴らしさだけがひたすら光る曲です。

でもその代わり、というわけでもないんだけど、このシングルは残りの3曲がどれも名曲。

中でも好きなのが “ラビリンス” で、曲のタイプとしてはジャニーズによくあるラテン風味の哀愁歌謡なんだけど、巧みな展開をもったメロディと、大胆さを伴いながら素早く場面を切り替えていくようなアレンジ、そして曲世界に過不足なく情感を込める NEWS の歌が三位一体となり非常に大きなうねりを曲にもたらしていて、もうこれは素晴らしいの一言。
昔の歌謡曲を思わせる暗めの歌詞も曲によく合っている。

そして “OPEN YOUR EYES” では、以前 “Why” で試みていた南部っぽい感じ(こういうのなんていえばいいのかよく分かりません。デルタ・ブルース?)が、非常に洗練された形で取り入れられていて、こちらもまた秀作。

最後の1曲は、昨年末から年明けにかけて行われた『color』(過去記事)に伴うツアーで披露された “Share” のライブ音源。
ライブで初めて聴いたときも良い曲だと思ったんだけど、改めて聴いてみても柔らかいメロディが非常に心地良い曲で、また各人が作詞した歌詞にもメンバーの個性が出ていて面白い。中でもアルバムの主題とこの曲をつなげるかのような錦戸くんの歌詞が素敵。
でも惜しむらくは、自分達で作詞した曲を披露するのが恥ずかしかったのか、メンバー自身で曲の余韻をMCによって打ち消してしまうところで、どうせならさっさとフェイドアウトしてくれればいいのに、と思ってしまう。

でもシングルとしては今までで一番手ごたえありましたかね(全部聴いてるわけじゃないけど)。この分なら次のアルバムも良いものを作ってくれそうだ。

あと初回盤についてるライブDVD。5曲とMCだけというのは、やっぱり中途半端ですね。どうせならフル・サイズで見たいものですが、これだけ経っても出ないということは、もう多分出ないんだろうなぁ。なんでだろ。

中山優馬 w/B.I.Shadow / 悪魔な恋 (Johnny’s Entertainment) CD

中山優馬 w/B.I.Shadow / 悪魔な恋 (Johnny's Entertainment)
http://www.johnnys-net.jp/j/artists/j_jr/

こちらもよく槍玉に挙げられますね、ということで某アグネスさんが見たら児童ポルノだと騒ぎ出しそうなジャケットの、中山優馬と愉快な仲間達のデビューシングル。

でまぁこの曲に関しては、主題歌になっているドラマ「恋して悪魔」が低視聴率なのに、20万以上売れていることで色々いわれておりますが、やっぱり世間的には20万という数字は大きいんですかね。個人的にはこれだけ?、って思ったんだけど。
そもそもこのシングルって 中山くんの曲(面倒なのでこう書く)は1曲しか入ってなくて、残り2曲は Hey! Say! JUMP の山田くんと知念くんが加わった NYCboys 名義の曲なわけですよ。ということは Hey! Say! JUMP のファンで買う人も多いんだろうし、またデビュー作ということでご祝儀代わりに買う人も多いだろうし。実際ジャニーズのグループで一番売れてる曲って大抵デビュー曲なんだし。ということはあとは下降線なわけで、ちょっときびしいとおもうんだけど。
しかも3曲中2曲が別ユニットの曲って、デビューの形としてはどうなんですかね。

まぁ前途ある若者に対して、私みたいなおっさんがグダグダ書いてもしょうがないので、曲のこと書きましょうか。

まず中山くんの “悪魔な恋” は、この前の KAT-TUN のコンサートで聴いたらしいんだけど、全く印象に残っていなくて(まぁあのコンサートではキスマイなんとかの首振りが強烈過ぎた)、実際CDで改めて聴いてみてもあんまり印象に残らない、ものすごく薄味のアコースティック・バラード。
でもこの曲がよくないのか、というとそんなこともなくて、回数聴くとじわりじわりと染み込んでくるようなメロディの良さがあるし、全体的に歌謡曲の色がかなり濃いのも個人的に嬉しい。それに中山くんの歌も、取り立てて個性のあるものではないものの、この曲に関してはその色の無さと、 B.I.Shadow 含めて高音の透明感も曲に合っている。
まぁデビュー曲でこんなに地味なのはどうかなとは思うんだけど(だってライブで盛り上がらないでしょ、これ)、歌謡曲としてのジャニーズとして良質なものかと。

残りの NYCboys による2曲は、まさにジャニーズによるバレーボールのイメージ・ソング、としか表現しようがないようなダンサブルな曲。もうこの手の曲に関しては私は逆らえないです。すげぇ好き。

両さん / こちら葛飾区亀有公園前派出所 (Victor) CD

両さん / こちら葛飾区亀有公園前派出所 (Victor)
http://www.johnnys-net.jp/j/artists/smap/

最近色んなところでジャニーズ帝国の没落が語られておりますが、ある意味その象徴として名前をあげられることも多い、香取慎吾演じる両さんのシングル。
作詞作曲を小西康陽、さらに曲調もまんま “慎吾ママのおはロック” ということで、けっこう期待されていたようですが、結果は大コケみたいですね。

でもこれに関してはジャニーズ云々というよりも、単純に曲の出来が酷過ぎるんじゃないですかね。まぁメロディとトラックは前述したようにほとんど慎吾ママなので別段悪くはないんだけど、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」という作品が如何に愛されているかを語る歌詞がとにかく寒い。
「ニッポン人なら誰でもわかる」「国民的に愛されてます」「ニッポン人なら誰でも好きさ」って、確かに原作に関してはそうなのかもしれないけれど、そんな事をドラマの主題歌で歌うって、どれだけ原作頼みなんだよっていう。挙句の果てに「香取慎吾が演じています」って、選挙演説じゃないんだからさぁ、なんかもうその歌声からは痛々しささえ感じる。まぁこれは低視聴率の現状を知っているからそう聴こえるだけなのかもしれないけれど、どちらにしてもほめられたものではないだろう。

あとこのシングルには小西康陽本人によるリミックスが収録されているんだけど、こちらは原曲とは違ってなかなかふざけていて面白い。
まずいきなり香取くんの「ヤーマン」という掛け声で始まるところに、私なんかは思わずニンマリしてしまうのだけれど、トラックのほうもレゲエっぽいドラムンベース。しかし J-POP にありがちなドラムンベースのビート感のみを前面に出したものではなく、 J-POP ではまず聴く事がないくらいベースの音がでかく、もしかしたらダブ・ステップでも参考にしたのかと思うほど重い。しかもそのわりにベースライン自体はよく動くので、ダンス・トラックとしてもなかなか秀逸。さらに間奏の部分で香取くんが「東京は夜の8時」とか歌いだすのも面白い。
イントロの部分で香取くんが言う「どうせカップリングだ」というのがいい方向に作用した好リミックスかと。

あとこれは完全に蛇足なんでうすが、近所のスーパーで、よくある安っぽいインストアレンジになったこの曲が流れていて、そのときは案外良い曲に思えたんだよね。だからもしかすると、生活に溶け込むとまた違った聴こえ方のする曲なのかも・・・・。

Masomenos / The Third eye (WELCOME TO MASOMENOS) mp3

Masomenos / The Third eye (WELCOME TO MASOMENOS)
http://www.welcometomasomenos.com/

今年の春頃に矢継ぎ早に出た Masomenos の『The Third eye』シリーズをミックス形式で1枚にまとめたアルバム。

今作はジャケット見ればなんとなく分かる感じがしますが、所謂ワールド。ミュージック的な要素を多分に取り入れたパーカッシブなミニマル・テクノ。
多くのパーカッシブなミニマルがそうであるように、今作でもパーカッシブや郷愁を誘うメロディなどが大胆に使われて入るものの、かといって以前のような人懐っこさは失われておらず、それがある種の過剰さにもつながっていて、やはりこのユニットは面白い。
中でも様々な要素が入り乱れる “Ma saucisse” ( Sis が参加)は劇的ですらあるし、それでいてクラブ・トラックとしての機能性が失われていないのが、ミックスされているとよく分かる。

この人はちょっとライブ見てみたくなりますね。

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KREVA / 赤 (PONYCANYON) CD

KREVA / 赤 (PONYCANYON)
http://www.kreva.biz/

最近アルバム出したばかりの Kreva さんなんですが、今更ながらにシングルでも。

表題曲の “瞬間speechless” は一目惚れについて歌ったもので、 Kreva のメロディアス路線ここに極まれり、みたいな曲。そのラップに関しては特に感じるものはないんだけど、ただメロディアスなだけでなく、多分に歌心を感じさせるものになっていて、その点は素直にすごいと思う。でもこの曲に関してはトラックのほうが興味深く、簡素なドラムとこの手の曲にありがちなストリングスっぽい上モノを配したそれは、一聴すると非常にシンプルなモノながら、わずかな変化だけで曲の中で抑揚をつけていて、彼のトラック作りの才を感じさせる。

カップリングの “君に、胸キュン。 -浮気なヴァカンス-” は云わずと知れた YMO のカバー。曲がいいのも分かるし、 Kreva が歌手としてどんどん魅力的になっているのも分かるけど、別段面白いものではない。

KREVA - 赤 - EP

Minilogue / Animals RMX (Cocoon) mp3

Minilogue / Animals Remixes (Cocoon)
http://www.cocoon.net/

昨年を代表するアルバムとなった Minilogue のアルバム『Animals』(過去記事)からタイトル曲のリミックス・カット。

まず最初は Luciano 。彼は最近オリジナルのトラックはほとんどリリースしないでリミックスばかりやっているような印象があるんだけど、もうすぐ出るアルバム用に曲溜め込んでたんですかね。まぁ完成度は全く落ちてないから別にいいのですが。
ということでこのリミックスも出来は上々で、彼らしいための効いたリズムと軽やかなパーカッションが交差するミニマル・トラック。中盤から原曲で使われていた、それ自体が踊っているかのように跳ねる上モノが入ってくると、どうしてもその印象で埋め尽くされちゃう感じはあるんだけど、まぁそれは元が強烈なだけにしょうがないか。

次の Tolga Fidan という人のリミックスも、基本パーカッシブながらさわやかなテック・ミニマルになっていて、こちらもなかなかの好リミックスながら、やっぱり上モノが入ってくるとその印象に負けちゃう感じ。

残る Beat Pharmacy も原曲の上モノを使っていはいるものの、ダブの音響で飲み込んでいて、この人がある意味一番うまく料理できてますかね。まぁ原曲とダビーな音響との水と油ッぷりがすごいけど、その分面白いリミックスにはなっています。

あとデジタルだともう1曲 Beat Pharmacy のリミックスが入ってるんだけど、こちらは普通のダブ・ミニマル。

Minilogue - Animals Remixes

Anja Schneider & Lee Van Dowski / Deseo (mobilee) mp3

Anja Schneider & Lee Van Dowski / Deseo (mobilee)
http://mobilee-records.de/

mobilee を主宰する Anja Schneider と、 Cadenza からのリリースで知られて以降は様々なレーベルから作品を出している Lee Van Dowski という、ちょっとよく分からない組み合わせの共作シングル。

表の “Deseo” は一時期流行った転がるような電子音が鳴るテック・ミニマルなんだけど、いつもの mobilee のものに比べるとリズムに躍動感があって、ここら辺 Lee Van Dowski の色が感じられる。でも出来としては可もなく不可もなくといった感じ。

裏の “La Roulette” は和尚直系のアシッド・ミニマル。前半の緊張感を保ったまま、中盤以降どんどん音を足していってポップさを演出していて、それなりに面白いものの、こちらも特別どうこうって云うトラックではないかなぁ。

両曲とも全然悪くはないものの、この二人で作ってこれかぁ、という感は否めないシングルでした。

Anja Schneider & Lee Van Dowski - Deseo - Single

Boris Werner / Tuesday Snooze Day (Remote Area) mp3

Boris Werner / Tuesday Snooze Day (Remote Area)
http://www.myspace.com/remotearea

2000 AND ONE が主宰するオランダのレーベル Remote Area から Boris Werner のダブル・パック。

1曲目 “Saweettt” のあまりにも飾りのないハウス・サウンドにちょっと驚くんですが、以降も続くのはシンプルなハウスばかりで、一聴しただけだと若干古臭いようにも聴こえるんだけど、きちんと聴いてみると時代に即したミニマル・グルーヴがあるのが分かるし、奇をてらわなくてもきちんとこちらの耳をひきつける音作りには、彼の確かなセンスが感じられる。良盤。

因みにアナログよりデジタルの方が2曲多いです。

Boris Werner - Tuesday Snooze Day

Ricardo Villalobos & Jay Haze / Mellow Dee (contexterrior) mp3

Ricardo Villalobos & Jay Haze / Mellow Dee (contexterrior)
http://www.contexterrior.com/

すいません、ほったらかしだったシングル。

Villalobos と Jay Haze といいますと、放っておくとおかしな方向にばかりいく実験君な側面が強いお方達ですが、2人で組むとそれがさらに強くなる、というのが今まで印象だったのですが、この3枚目となる共作シングルは、こちらがびっくりしてしまうくらい直球のダンス・トラック。

まず “Mellow Dee” は重苦しいリズムの上に、何とも怪しいブラスが乗る、非常に Villalobos らしいトラックではあるものの、最近の彼らしい軽やかなジャズドラムのサンプルがアクセントになって、重くなりすぎる事を回避しているし、いつもの彼よりも格段に太いリズムがかっこよく(ここら辺が Jay Haze?)、漆黒のフロアに映えそうなミニマル・テクノになっている。

もう一方の “Sunday Prayer” の方も、乾いたドラムの音とサックスを使っていて、要素自体は似通っているものの、トラックの雰囲気はまるで違っていて、こちらは少し早めのリズムの上に高揚感のあるサックスのメロディが鳴る、この二人にしてはアッパーな曲。中盤以降、そこはかとなくデトロイトっぽさを感じさせるところなんか、『Alcachofa』より前の Villalobos を思い起こさせる感じもあり、こちらも非常に良曲。

もう1曲のリミックスもいい出来で、やっぱりこういうダンス・トラック聴くと、やっぱりテクノっていいなぁと思います(最近離れ気味なもので)。たまにでいいから、この2人にはこういうの出してほしいなぁ。

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Masomenos

Masomenos / Floppy EP (WELCOME TO MASOMENOS)Masomenos / Matou EP (WELCOME TO MASOMENOS)Masomenos / Le Cochon EP (WELCOME TO MASOMENOS)
http://www.welcometomasomenos.com/

いつの間にか『The Third eye』シリーズも終了して、新たにコラボレーション・シリーズが始まっている Masomenos さん。ということで、この可愛いジャケシリーズ(なんていうのか知らん)の残りをまとめて。

次作の『The Third eye』が統一された雰囲気を持っているのに対して、このシリーズに関してはシングル毎に、というよりも曲毎に方向性はバラバラな場合が多いのだけれど、それはこの3枚でも同様。
しかしこの人たちの場合器用貧乏にならずに、どんな方向性の曲でも機能性を押さえつつも、きちんと聴きやすさもともなっているのが良いところで、粘り気のある重たいリズムから、後半美しいシンセが入ってくる “Ladies” 、奇妙な声ネタを散りばめた “Hands Up” 、乾いたリズムと憂いを帯びた上モノの対比が鮮やかな “Les Trois Petits Cochons” などは、こちらの耳をひきつけるポップさがあるし、一方で初期のデトロイト・エレクトロを思わせるリズムが徐々に変容していく “Loco” のような実験的な曲もあり、ここら辺のバランス感覚と、様々な方向性の曲を作れる確かな技術力が続けば、このユニットは良作を連発してくれるのではないでしょうか。

とりあえずそういった手ごたえを感じるには十分な完成度のシリーズだったかと。

Floppy EPMasomenos - Floppy - EP
Matou EPMasomenos - Matou - EP
Le Cochon EPMasomenos - Le cochon - EP

EXILE / THE HURRICANE ~FIREWORKS~ (avex) CD

EXILE / THE HURRICANE ~FIREWORKS~ (avex)
http://exile.jp/

J Soul Brothers から始まり足して足してでいつの間にか14人になった EXILE の、現体制になってからは2枚目のシングル。

メインとなる FIREWORKS” はCMで流れてたビデオ見ると和の要素をふんだんに盛り込んでいて、何とも奇妙な世界観になっていたけど、曲のほうも全編三味線が鳴っていたり、最後に花火の音が挿入されていたりと、こちらもやっぱり和の要素が感じられるものの、他の部分に関しては打ち込みのダンス・ポップなので、ちょっと聴いただけだと、どうにもちぐはぐな印象を受ける。
しかし慣れてくると、三味線の乾いた音色が実に心地良く、また曲のほうも常に足し算の美学さえ感じられる重厚さで圧倒される。途中で入る、ヒップ・ホップという雰囲気だけを強烈に振りまくラップもいいアクセントになっているし(DOBERMAN INC らしいです)、今まで聴いたことのある EXILE の曲では断トツで好きな曲です。

で、次の “優しい光” は甘ったるいバラードでどうでもいいんだけど、3曲目の FLO RIDA が参加した “THE NEXT DOOR -INDESTRUCTIBLE-” も、ギターが大胆に導入された派手なトラックでかっこいい。 FLO RIDA はもちろんのこと EXILE も英語で歌っているんだけど、いい意味で J-POP らしい胡散臭さが満載で実に楽しい。

しかし EXILE ってアルバムどんな感じなんですかねぇ。もしこの2曲みたいなのが多いんなら、ちょっとファンになってしまいそうだ。

EXILE - THE HURRICANE ~FIREWORKS~
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dj honda / dj honda IV (Dj Honda Recordings) CD

dj honda / dj honda IV (Dj Honda Recordings)
http://www.djhonda.co.jp/

えぇと、 dj honda の4枚目、と思わせて多分5枚目のアルバム。

dj honda っていいますと、日本にヒップ・ホップがまだ浸透していない時期から、 DJ Krush と共にホコ天なんかで回していて、その後はニューヨークを中心に活動している、って方ですね。
でも面白いのは Krush といい彼といい、日本のヒップ・ホップの黎明期から活動している人のほうが海外に出ているのに、色々ネットワークも整って簡単に外にいけそうな最近のアーティストのほうが内に閉じこもっているということで、そこら辺今の日本のヒップ・ホップの現状をよく表してるというかなんというか。
あと海外のアーティストのインタビューを読むと、 DJ Krush の名前はけっこう出てくるのに、 DJ honda の名前は一度も見た事がないのはなんでなんでしょうかね。まぁこれは私がテクノ系の雑誌しか見ないから、ということにしておこう。

んで、内容のほうなんですけれども、一応私『Ⅱ』の日本盤(彼のアルバムは日本盤と米盤で内容が違うのです)は聴いてるんですが、当時まだそれほどヒップ・ホップを聴いていない私にも分かりやすい、ものすごく水っぽいチャラチャラした、硬派なまでに軟派な、なんとも素敵なアルバムだったんですが(実際今でもたまに聴く)、今作はそれに比べると普通に硬派なつくり。

Mos Def 、 Kool G Rap 、 EPMD 、 limp bizkit の Fred Durst など非常に豪華な MC 陣が参加していて、トラックのほうも非常に王道感のあるものが多いのだけれど、最近の良くも悪くも物語性に富んだ日本のヒップ・ホップに慣れた耳からすると、あまりにも淡々としていてイマイチ盛り上がりに欠けるのと、トラックも特に新味があるわけでもなく、これといった個性のない面白味のないものばかりで、完成度自体は高いものの作品としては弱い。

まぁ私は今のアメリカのヒップ・ホップは全然追ってない人間なんで、あちらではこういう音が最新だ、っていわれたら、そうですかとしか言いようがないんだけど、もうちょっとアクがほしいですね。

dj honda feat. Fred Durst from Limp Bizkit - dj honda IV
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Testament / The Formation Of Damnation (Nuclear Blast) mp3

Testament / The Formation Of Damnation (Nuclear Blast)
http://www.nuclearblastusa.com/

前作から9年振りに発表された TESTAMENT の2008年作。

私は TESTAMENT というと『Low』と『Gathering』しか聴いたことのない人間なんだけど、傑作だったそれら2枚のアルバムに比べると、今作は見劣りする作品だといわざるをえない。

しかしそれも何か決定的な不満があるというわけではなく、ほんの少しの不満の積み重ねといった感じで、まずは今作は全体的にぐしゃっとした音作りがなされていて、それが好きになれない。基本的にメタルもテクノと一緒で音の快楽度の高さというのは重要なわけで、そこを疎かにされるといくら曲が良くてもイマイチのれないのですよ。あとこれは癌闘病の後と考えればしょうがないのかもしれないけど、 Chuck Billy のヴォーカルの力不足が否めず(まぁあくまで以前と比べればだけど)、それがそのまま作品のスケール・ダウンにつながってしまっている。

まぁ曲自体はキャッチーな部分と激しい部分とのバランスも良く、完成度自体は決して低くはないので、好みの部分が大きいといわれれば全くもってその通りなんだけど、私はこれで首を振る気にはなれないかなぁ。
ベテランの中でも真摯にメタル道を突き進んでいる方たちなので、頑張ってほしいのですが。

Testament - The Formation of Damnation
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Lee Jones / Electronic Frank (AUS MUSIC) mp3

Lee Jones / Electronic Frank (AUS MUSIC)
http://www.ausmusic.co.uk/

MY MY のメンバー、もしくは HEFNER の名義で知られる Lee Jones が2008年に発表したソロ・アルバム。

My My が2006年に playhouse から発表したアルバム『SONGS FOR THE GENTLE』はその音楽性の高さが非常に評価された作品でしたけれども、この作品ではさらに踏み込んで、大幅に生楽器が導入されている。さらに大半の曲で明確なメロディが鳴っていて、それが柔らかなリズムと合わさると、まるで木漏れ日のような心地良さが感じられ、非常に聴きやすい。
それでいて甘くなりすぎることもなく、きちんと全体で一つの流れがあって、いやいや、これは素晴らしいんじゃないかしら。

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Oqto / Bass, Space & Beatz (Steppin’ Ahead) CD

Oqto / Bass, Space & Beatz (Steppin' Ahead)
http://steppinahead.blogspot.com/

イギリス、アメリカのダブ・ステップに続いて、日本初のダブ・ステップ専門レーベルである Steppin’ Ahead からの第1弾アーティスト oqto が昨年12月に発表したアルバム。

この前に紹介した 6Blocc のアルバム(過去記事)がそうであったように、この作品もダブ・ステップの持つダブの要素よりもビート感を抽出したような作風で、それゆえリズム的にはけっこう雑多だったりするのだが、ダブ・ステップのスタイルをなぞったような曲よりは、このアルバムのジャケットの如く色々な要素を盛り込みすぎてダブ・ステップから離れたような曲の方が面白い。中でもひしゃげたリズムの上でぶっ壊れたサンプルが現れては消える “Priest#4” と、重量感のある変則的なブレイクビーツが高い緊張感を放つ9分近い大曲 “Aloma Saloma” は特に秀逸。

惜しむらくは何曲か音圧的に物足りない曲があることで、まぁこれは日本産のものにはよく付きまとう問題ではあるものの、ダブ・ステップという音楽ではそれが余計に響く気がする。
しかしそれを含めたとしても、全体としては聴き応えのある充実した作品だ。

OQTO - Bass, Space & Beatz
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6Blocc / Terminus (SCALE STEP) CD

6Blocc / Terminus (SCALE STEP)
http://www.myspace.com/scalestep

アメリカのダブステッパー 6Blocc のミニ・アルバム。とはいってもラッパーの招いた4曲と、それのインストが4曲という構成なので、シングル・サイズといえばシングル・サイズ。

以前ドラムン・ベースがアメリカに上陸したときにも思ったんだけど、やはりアメリカってブレイク・ビーツに関しては圧倒的にヒップ・ホップの国だなぁという印象が強くて、イギリスからアメリカにないビートが輸入されても、何だかんだでヒップ・ホップに飲み込まれる場合が多いように思います。

そしてこのアルバムに関しても、ダブ・ステップといわれればそんな感じもするし、これはヒップ・ホップの変種なんじゃないかという気もするし、でも今やダブ・ステップも随分と色々な音を内包するようになったし、やっぱりダブ・ステップでいいんじゃね、と思いつつも、上記のアメリカはヒップ・ホップが強いということ以上に、アメリカにはダブがあまり根付いていない(偏見?)んだなぁ、というのが分かる、そんな作品。

まぁこんな書き方するとまるでこの作品が良くないように思われるかもしれないけれど、曲自体はかなり上質で、ラッパーの参加した前半はもちろんのこと、インストの後半でも全く弛緩することなく押し切る力を持ったトラックばかり。中でも地を這うベースの上にアンダーグランド色丸出しのラップがのる “Legalise feat.Myka 9, Woes” は特にカッコいい。

それにヒップ・ホップの色が強いということは、逆にいえば普段ヒップ・ホップばかり聴いている人にも聞き易いということにもなるので、そういった方の入り口としてもいい作品ではないかと。

試聴
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