Ryo Murakami / Delic E.P. (POKER FLAT Digital) mp3

Ryo Murakami / Delic E.P. (POKER FLAT Digital)
http://www.pokerflat-recordings.com/

最近デジタル専門のサブ・レーベル立ち上げるところが多いですが、 POKER FLAT のデジタル専門レーベルの第1段リリースは Ryo Murakami

どっしりとしたキックに絡むパーカッションが絶妙な “Delic” 、徐々に増えていくサンプルが実に気持ちいい “Java” 、裏打ちのリズムが徐々に変容していく “Doep” 、変則的なベースとキックの絡みが面白い “Voice Note” と、収録されている4曲とも非常に優れた出来で、最近の海外デビューの日本人の中でも、頭一つ抜けた魅力を感じる。

この人はアルバム単位でも面白いものを作ってくれそうな気がする。

Ryo Murakami - Delic - EP

Concolor / This Used To Be Our Playground (PERPLEX) mp3

Concolor / This Used To Be Our Playground (PERPLEX)
http://www.perplex-recordings.com/

この Concolor という名前は私は今まで聞いた事がないのだけれど、とりあえず今作に限ってはオリジナルは割とどうでもいい出来なので置いといて(酷い扱い)、 Jerome Sydenham による同曲のリミックスが素晴らしい。

Jerome Sydenham というと私の中ではプログレッシブ・ハウスの印象の強い人なのだが、今回はダビーなテック・ハウスに料理していて、まず分厚く処理されたエフェクトがとんでもなく気持ちが良い。しかもそこに扇情的な響きを持たせているところにこの人の出自が伺える。さらに全体に奥行きのある音響構築をほどこすことによって、過度な重さを排しているし、キックの輪郭はあくまで硬いままなのも良い。

プログレッシブ・ハウスやトランスからミニマルへの流れ、なんていうのは今に始まった話ではないけれど、ホントこういうの聴くと聴かず嫌いはよくないと思わされる。
久々に大箱で聴いてみたい音です。

Concolor - This Used to Be Our Playground

Audio Werner / Easygoing (HARTCHEF DISCOS) mp3

Audio Werner / Easygoing (HARTCHEF DISCOS)
http://www.hartchef.de/

また書きそびれてたシングルをつらつらと。

Audio Werner というとズブズブミニマルが主流の時期から一人飄々とした軽やかなテック・ミニマルをリリースしていた人なんですが、久しぶりのシングルとなる今作も、表題曲はさらに軽やかさを増したようなテック・ミニマル。完成度自体には全く文句の付けようがないものの、間が空いたからには少し変化がほしかったところでしょうか。

裏の “Easygoing” はディープ・ハウスっぽい落ち着いたミニマルで、これは彼にしてはなかなか新鮮味のあるトラックながら、そうなってくると Audio Werner らしさが希薄なように思えて痛し痒し。
まぁ基本的に両曲とも好きなんだけど、どうしてももっと上を望んでしまうのよね。

試聴

RIP SLYME / JOURNEY (WARNER) CD

RIP SLYME / JOURNEY (WARNER)
http://www.ripslyme.com/

RIP SLYME のメジャーからは7枚目となるアルバム。最近の彼らの話題というとテリヤキ・ビーフとスポンジ・ボブくらいしか記憶に無く随分ご無沙汰感があるのですが、前作から1年半ぶりなんだそうで。

RIP SLYME のどこに魅力を感じるかというのは、もちろん人それぞれ色々あるんでしょうが、私にとって RIP SLYME といえばまずトラックありきなんだけど、今作はそのトラックが決定的につまらない。
インタビューとか読んでないのでそれがどこまで意識的なものなのかは分からないけれど、『MASTERPIECE』(過去記事)を超えるのではないかというくらい生音が取り込まれていて、それがどれも恐ろしくありきたり。『JOURNEY』というタイトル通り、南国風のものを中心に色々なスタイルの曲を揃えていて彩はそれなりにあるものの、ほとんどがどこかで聴いたことのあるようなトラック(演奏)ばかりで、これが遊びとひらめきに満ちていた RIP SLYME の曲なのかと思うと悲しくなるほど。

そして以前はトラックの上で心地良い「音」として機能していた4人のラップも、退屈なトラックの上ではただ平板なだけで、印象に残るのは1曲客演しているトータス松本の歌声ばかり。

前作の『FUNFAIR』(過去記事)が久しぶりの快作だっただけに期待していたんだけど、残念無念・・・・。

DJやついいちろう / DJやついいちろう① (Victor) CD

DJやついいちろう / DJやついいちろう1 (Victor)
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A022595.html

エレキコミックという芸人コンビの片割れによるミックスCD。

私はこの人自体テレビで何度か見たことがあるくらいなので、DJやってるなんて全く知らなかったのですが、大きなフェスで回したり、自分のイベントやったりしてる人みたいですね。

んでこのミックスCDも、前半部なんかは使われている曲の好き嫌いは置いておいて、カットインで勢いのある曲を子気味よく繋いでいて、なかなか見事な流れを作り出している。
しかし中盤になると途端に流れがとっ散らかったものになってしまっていて、もしかしたら歌中心に聴いている人には特に気にならないのかもしれないけれど、私はテクノやハウスのミックスと同じ感覚でどうしても聴いてしまうので、そうなると少々つらい。後半の J-POP と歌謡曲で強引に盛り上げるところが嫌いじゃないけど。

あとこのCDには今まで名前しか聞いたとこの無かったようなロック・アーティストの曲が色々使われているのだけれど、とりあえず最近の若い子の好きなロックと私の好きなロックは全く違うということはよく分かった。

[曲目]

CD3枚

V.A. / hub Opus Tokyo
DJ BAKU / THE 12 JAPS
ENBULL / BOHEMIAN

やっぱりヒップホップづいとる。

新垣結衣 / piece (WARNER) CD

新垣結衣 / piece (WARNER)
http://www.lespros.co.jp/artists/yui_aragaki/

テクノの盤について書くのも飽きたので、私の本道であるアイドルについてでも(いや違うけど)。

新垣結衣に関しては顔に全く興味がもてなかったので、歌に関してもほとんど聴いたことが無かったんだけど、シングルになった “Make my day” だけは、見ていたドラマの主題歌ということもあって耳にすることが多く、随分儚げな声の人だなぁ、とは思っていたんですよね。

しかし実際CDで聴いてみると、その声の持つ儚さといいますか、弱弱しさが今にも消え入りそうなほどで、負の空気さえ漂わせている。
なもんだから、表題曲の悲しげなピアノに続いて彼女の声が聴こえた瞬間なんか、思わず中島みゆきかと思ってしまったほど。まぁそれはちょっと大袈裟だとしても、歌詞自体はありきたりなラブ・ソングなのに、明るい未来が一切想像できないというのは、意味の無い前向きさばかりを押し付ける昨今の J-POP の中にあって、非常に面白い個性のように思える。

そしてこのシングルの中でも一番気に入っているのが “あなたに” で、これはモンゴル800 のカヴァーなんですが、原曲の牧歌的なメロディに、さらに郷愁を誘うようなアレンジが施されていて、そこに新垣結衣の儚い歌声がのることによって、まるで過去の悲しい夢でも見ているような、なんとも不思議な心地よさがあって、つい何度も再生ボタンを押してしまう。

実はここら辺てそれほど積極的に掘ってないのだけれど、個人的には女優歌手としては深田恭子以来の逸材ではないかと。

試聴

Loco Dice / 7 Dunham Place Remixed Part 2 (Desolat) mp3

Loco Dice / 7 Dunham Place Remixed  Part 2 (Desolat)
http://www.desolat.com/

Loco Dice のアルバム『7 DUNHAM PLACE』(過去記事)のリミックス集第2弾。

前回同様今回も非常に豪華なリミキサーが揃えられていて、なおかつ普段ハードな音を作る人が多いのですが、今作はみなさんわりとやわらかめ。

現在のミニマルの中でもかなり注目度の高い Marcel Dettmann は、「Response 1 And Response 2」という副題の通り2部構成。薄いリズムと浮遊感のある上モノで引っ張る前半から、荒い音像のキックがビートを刻む後半と、流れ自体は良いんだけど、共通の音のモチーフが使われているわけでもなく、なぜにこれを一つにまとめたのかよく分かりません。
続く Onur Ozer のは色々やろうと思ったらよく分からなくなっちゃったようなりミックスでイマイチ。しかし次の Marco Carola のリミックスは、コロコロと鳴るパーカッションとさわやかなシンセの絡みが非常に気持ちよいテック・ハウスで、この人らしいかといえば大いに疑問ながら、トラック自体は今作の中では一番好き。時折入る電車の音もよくあってる。
最後は前回のに引き続き Mike Huckaby で、怪しい雰囲気だった前回から一転、低音薄めのキックと扇情的なシンセで盛り上げる、レイヴ時代を少し彷彿とさせるテクノ・トラックで、温故知新な感じで今回も良い。
このリミックス・シリーズの第3弾があるのか分からないけれど、あるなら Mike Huckaby はまた参加させて欲しいですね。

試聴

Camea / Happy Ending (CLINK) mp3

Camea / Happy Ending (CLINK)
http://www.clinkrecordings.com/

紹介してなかった盤のきじをつらつらと書いてみたいと思います。

まずはミニマルの中でも硬質なトラックを出すことの多いドイツのレーベル CLINK の女ボス、 Camea さんのシングル。

私はこの人の音はあまり聴いたことが無いのだけれど、今作に限ってはオリジナル2曲ともアシッド・ミニマル。となると、どうしても m_nus に近い音に聴こえるし、実際近いのは近いんだけど、キックの音が非常に立っていたり、引き算の美学よりは、ひたすらフロアのみを見つめたような機能美があるところに、このレーベルらしさを感じる。

あとデジタルにはリミックスが3曲収録されているのだけれど、上モノに頼った感じの Alexi Delano のリミックス2曲はどちらもイマイチ。ダビーなベースラインとパーカッションでリズムの強度を上げた Insideout のリミックスは良かったです。

試聴