童子-T / ファースト ソング (MILESTONE CROWDS) CD

童子-T / ファースト ソング (MILESTONE CROWDS)
http://www.dzt.jp/

もしかしたら現在日本で一番売れているラッパーなのかしら、ってくらい人気者になった童子兄さんのシングル。

私はこの人の音源ってほとんど聴いた事ないので、過去と比較するのは反則なのかもしれないけれど、それにしてもこのジャケットはどうなんですかね。昔はもうちょっとラッパーらしい格好をしていた気がするんですが、これはどうなんでしょう。やっぱり EXILE を意識したんでしょうか。まぁラッパーだからラッパーらしい格好しなきゃいけないなんて事はないので、別にいいんですけどね。似合ってれば。

っつことで兄さんの新曲は、ジャケットとタイトルで想像できる通り結婚のうた。お得意の女性シンガーの参加こそないものの(サビには思いっきり女性ヴォーカルが入ってくるけど)、きちんと女性を意識したテーマ設定がなされているあたり、兄さんの見事なまでの割りきりが伺える。
そして曲の方も、これまた既定路線ともいえる甘ったるいバラードで、こういうの聴くと、昔ながらのファンの方なんかは、あんなにハーコーだった童子兄さんがこんなに日和っちまったぁ~、くらいの事を思うのかもしれないけれど、私はある意味逆でして、現在ラッパーが売れようと思ったら、ここまで分かり易くしないといけないんだなぁ、というところでして。

少し前に終わったポッドキャストで m-flo の VERBAL が、メジャーなの聴いてる連中にはヒップ・ホップの文化なんか理解できねぇよ(ちょっと極端な物言いにしてます)、みたいな事を言っていて、随分な見下しっぷりだなぁと思ったのですが(その次のテーマの時には「アンダーグラウンドの連中はメジャーってだけで聴きやがらねぇ」と言っていて、一体どっちだよっていう)、そう言いたくなるのも分からなくはないほど、世間には安易に分かりやすさを求めたような音楽が溢れていて、それこそ硬く韻なんか踏もうものなら、普通の人には「本格派だねぇ」の一言で終わってしまうのかな、と思わなくもない。

そんな中、きちんと世間からの需要に合わせて、分かりやすい曲を出し続けている兄さんは、やっぱりすごいなぁと感じたシングルでした。
まぁ個人的にはもう聴かなくていいや、とも思ったけど。

D.L / HARD TO THE CORE (バッドニュース) CD

D.L / HARD TO THE CORE (バッドニュース)

デブ・ラージが選曲した日本のヒップ・ホップのコンピ。
最初リリース情報が出たとき、ライブラのコンピの応募特典だった “暴言” が入るという事で、結構期待していたんだけど、結果からいえば実に残念な出来になっていますね。

というのも、副題に「日本語ラップ黄金期セレクションズ」と銘打っているわりには、随分と幅広い年代の曲が集められていて、正確に調べたわけではないが、1曲目の YOU THE ROCK の曲とか多分90年代前半の曲でしょ?それで “暴言” が2、3年前の曲だから、日本のヒップ・ホップ黎明期から、つい最近までずっと黄金期かよ、と思わず突っ込みたくなる。
しかも稀代の掘り師であるデブ・ラージが選んだにしては随分ありきたりな選曲なように思えるし、なんだかんだで自分が関わった曲が多すぎるんだよね。結局のところ、日本のヒップ・ホップですごかったのは自分たちと、その周りの連中だ、言いたいだけなんじゃないかっていう。
なんかこの前出たペイジャーのアルバム(過去記事)と同じような寒さを感じる・・・・・。

はっきりいって “暴言” が収録されている以外、全くといっていいほど価値のないコンピだ。

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[曲目]

agoria / GO FAST (Different) mp3

Go Fast
http://www.myspace.com/differentrecordings

agoria さんの2年ぶり3枚目となるアルバムは、よく分からんが何かのサントラ(いい加減)。

私はこの人の音って聴いた事なかったので、これが元々のスタイルなのか、それともサントラだからなのかは分からないけれど、音のスタイルは幅広く、冒頭の怪しいエレクトリック・ダブ・アンビエンスから、エレクトロ・ハウス、歌ものテック・ハウス、はたまたシンセの音は扇情的なのに、盛り上がりを抑えるような不思議な使われ方をしている “Eden” みたいな曲があったり、方向性はバラバラ。
しかしどの曲もクラブ向けというよりは、イマジネーション広げるような方向性という、その点においては同じなので、そこはあまり気にならない。さらにある種のポップさを忘れないというのも、この人の個性なんだと感じる。

まぁ正直インパクトのある曲が足りない気はするんだけど、流し聞きにはなかなか気持ちのいい盤かと。

Agoria - Go Fast

El-B / The Roots Of El-B (Tempa) mp3

The Roots of El-B
http://www.tempa.co.uk/

タイトルまんまなんだけど、 EL-B さんの過去音源をまとめた編集盤。

とはいっても、そもそもその EL-B さんっていったい何者なのかという話なんだけど、正直私もよく知らなくて、90年代初頭から活動している人みたいで、 Ghost Recordings というレーベルを中心に出していたものをまとめたもののようです。

んでその音の方は、ダブステップのレーベルである Tempa が Roots という言葉を使っているとおり、一昔前の2ステップ。
元々私が2ステップに入れ込んでなかったせいか、冒頭の “The Club” を筆頭に、何曲かある軽めの曲は正直苦手なのだが、重めのビートの曲に関しては、確かに現在のダブステップに連なるものを感じる。

しかしそういった歴史的興味を抜きにして、音楽的に今聴いてどうかというと、やはり軽めに思えて、正直いって好みではないです。
でも使われている音自体はこちらの方が端正なのに、今のダブステップよりも荒削りな印象を受けるのは、それだけ失ったものも多いということなんでしょうか。

試聴

[曲目]

CD3枚

NATURAL 9 NATION / 親不孝三十六房
ZONE THE DARKNESS / 心象スケッチ
TERMINUS / TERMINUS

久しぶりの更新がこんなんですいません。

凛として時雨 / just A moment (sme) CD

凛として時雨 / just A moment (sme)
http://www.justamoment.jp/

やはりその一風変わったバンド名がどうしても気になってしまう凛として時雨の3枚目のアルバム。

この人達の事を書いている文章を読んだ限りの印象で、てっきりハードコアのバンドだと思っていたんだけど、今月の「bounce」でメンバーの人が影響を受けたバンドに LUNA SEA の名前を挙げていて、それで気になって聴いてみたんだけど、このアルバムの1曲目 “ハカイヨノユメ” が、聴いて5秒で分かるくらい LUNA SEA で笑う。疾走感のある演奏なのに、やたらとキメキメで展開多いところなんかそのまんま。その上に男女の絶叫ヴォーカルが乗るもんだから、かなり珍妙な感じになっていて、なかなか面白い。
それ以降も静と動を使い分けながらも、一貫してソリッドな演奏を聴かせていて、これは確かにカッコイイと思う。

しかしそれよりも私がこの作品を聴いて思うのは、なんでこんないちいちエモーショナルなんですかね。
私は正直云って最近のロックにはかなり疎いので、あくまで印象論になってしまうのだけれど、最近話題になるバンドってみんなエモーショナルっつうか激情ロックっていうか、そんなんばっかじゃん。
まぁそれ自体は悪い事ではないし、それだけこの世代にはエモの影響がでかいといわれればそれまでなんだけど、みんながみんなエモっていうのも、あまりにも分かりやすいものに流れすぎではなかろうか。これはこの前 KAIKOO (過去記事)見たときも思ったんだけど、なんで普段他のジャンル聴いてるような人達も、ことロックに関しては如何にもなものを好むのか、おれには全く理解できない。
伝えたい気持ちがあるから音楽をやっているわけで、それを鳴らそうとすると自然と感情的になる、っていうのも分かるんだけど、気持ちを伝える手段には大声出す以外にも沢山あるわけで、なんかこれって、 MISIA を筆頭に R&B という呼称をまとった歌姫たちが、声高らかに愛を歌い上げていた時代と似た空気を感じてしまうし、この作品の出来自体は決して悪くないものの、それだけで私は冷めてしまう。

しかもこういう音を所謂「ロック雑誌」が阿呆みたいに盛り上げている状況に到っては・・・・・。

そういえばメジャーのフィールドの中で、カウンター的なものが話題になったのっていつが最後かなぁ。

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滝沢秀明 / シャ・ラ・ラ (avex) CD

滝沢秀明 / シャ・ラ・ラ (avex)
http://www.avexnet.or.jp/tackeytsubasa/

今年の頭に出た滝沢くんのソロ・デビュー・シングル(過去記事)はなかなかに面白い内容だったんだけど、一つ思ったのは、滝沢くんってこんなに歌下手だったっけ? ということでして。私はそもそもタッキー&翼をまともに聴いた事のない人間ではあるのだけれど、とりあえずテレビなどで聴く印象ではけっこう歌唱力があるように思えたんだけど、あれって翼くんの力だったんでしょうか。

しかしこのセカンド・シングルを聴いて分かったのは、滝沢くんって音程云々の前に、歌手としては声量がイマイチ足りないのね。特に今回の表題曲なんか、所詮アイドルものだから、などという言い訳が一切ないロカビリー・ナンバーでかっこいいんだけど、滝沢くんの上ずり気味のヴォーカルが苦しげで、全体としてはなんとも残念な出来になっちゃっているのですよ。

それに比べると自身で作曲した “無限の羽” の方が無理なく聴けるけど、これも声を重ねている部分が多い、っていうのが大きい気がするし。
やっぱり翼くんと二人でやった方が良いのではなかろうか。

Steve Bug / Time Flies (The Best Of Steve Bug 1999 to 2009) (Pokerflat) mp3

Steve Bug / Time Flies (The Best Of Steve Bug 1999 to 2009) (Porkerflat)
http://www.pokerflat-recordings.com/

配信限定の Steve Bug の編集盤。

このブログでも何回か書いているように、Porkerflat や Steve Bug ってどうもミニマル・ハウス然とし過ぎている印象があって、あまり積極的に聴いてはこなかったんだけど、こうして並べられると、適度にアシッドだったりトライバルだったりダブだったりと、ゆるいながらも振れ幅があって、思っていたよりははるかに楽しめた。
とはいってもどうしても器用貧乏的な感じがしてしまうというか、今一つ強烈な個性が感じられないので、やっぱり積極的に支持する気にはなれないんだけどね。

Steve Bug - Time Flies (The Best of Steve Bug 1999-2009)

GIRL NEXT DOOR / Seeds of dream (avex) CD

GIRL NEXT DOOR / Seeds of dream (avex)
http://girlnextdoor.jp/

GIRL NEXT DOOR の、昨年のアルバム(過去記事)以降では初となるシングル。
一応アルバム出した後なんで、多少は音楽性に変化があるのかなぁなんて思ってたんだけど、そんなものは当然のようにあるわけもなく、それにデビューしてまだ1年くらいなんだから、そんなに早くは音楽性も変わらないか、ってな感じで、いつも通りのエイベックス打ち込み歌謡。

表題曲の方はアイスのCMで流れているので聴いた人も多いかもしれませんが、ヴァースからコーラスへの展開がプログレもびっくりな強引さで、その無理やり加減が逆にエイベックスっぽくて、なんだかほっこりする曲。しかし曲の頭からけっこうでかい音でキックがなるんだけど、それがサビになっても全く音圧下げないのはものすごくエライ!

カップリングの “Reasons for tears” は、バックのトラックが四つ打ちじゃなくてブレイク・ビーツになっているせいか、いつもの直情的な感じが削がれちゃってイマイチ。

あとの残りのリミックスは、このユニットの別な側面を見せるというものではなく、エイベックス的な音のバリエーションでしかないんだけど、 “ESCAPE (ice cream mix)” はなかなか面白く、ヴォーカルを掻き消すように馬鹿でかく鳴らされるハットとキックがこれまたステキな佳曲。

このユニットは毎回金太郎飴のような音なので、いい加減飽きるかと思ったんだけど、意外とまだいけそうですね。まぁ世間的にはそろそろ厳しい感じもするが、果たして・・・・・。

Krallice / Krallice (Profound Lore) mp3

Krallice
http://www.profoundlorerecords.com/

アメリカのブラック・メタル・バンドの、これまた2008年リリースのデビュー・アルバム。

長尺の曲6曲で1時間という構成も、この手のバンドにしては珍しいものに思えるんだけど、その音楽性も非常に面白く、けたたましいブラスト・ビートとわめき散らすようなヴォーカルは確かにブラック・メタルのそれではあるのだが、靄がかった音像の奥で、激情を込めて鳴らされるノイズまみれのギターの感触は、シューゲイザーにも近いものがあって、それがメタルのビートと合わさったときの恍惚感はすさまじく、爆音で聴いていると頭が真っ白になる。
しかもかといってメタル的な快感が置き去りにされているわけではなく、しっかりとした肉体性が感じられるのも良い。

さすがに普段テクノばかり聴いている人にこれを聴けとは言わないけど、普段ブラック・メタルを敬遠する向きにも面白く聴けるバンドなんじゃなかろうかと。

試聴

[曲目]