2008年に結成されたトルコのインダストリアル・メタル・バンドのデビュー・アルバム。バンドの公式サイトからダウンロードできる。
私はインダストリアル・メタルっていうとそれこそ Fear Factory くらいしか思い浮かばないおっさんなんですが、このジャンルに関しては劇的な進化がなかったのか、それともこのバンドが古臭いだけなのか、私が昔聴いていたものからそれほどの変化は聴き取れない。
しかし機械的に刻まれるギター・リフを主体にした楽曲はすべての音の抜けが非常に良く、ハードではあるもののへヴィではないのでかなり聴きやすい。また一方ではヴォーカルは力強いデス声で暴力性も主張していて、すごくバランスが良い。
そしてこれだけだと非常に手堅い印象を受けるものの、そこにトルコらしいと書いていいのかどうなのか、随所にオリエンタルなメロディを挿入することできちんと個性的な音になっていて、これが初作とは思えないほど完成度が高い。
まぁ個人的な好みでいえばもう少し重い方がいいんだけど、これは普段この手のを聴かない人にも聴きやすい良い作品ではないかと。
んでこちらは最近出たシングル(これもフリーで落とせる)。
表題曲の “Ana-al Haqq” はダブステップを取り入れて一気にモダンになった印象なんだけど、それよりも重さが増しているのがよい。
もう1曲の “Take Me to the Hospital” はへヴィ・ロックにオリエンタルなメロディだけでなくジュリアナ・シンセまで飛び出すかなり珍妙な曲で、「おれを病院に連れて行け」っていうタイトルにも思わず納得してしまう曲(どんな歌詞か知らんけど)。
けっこうこのバンドは先が楽しみかも。