Ext / One of the Moments LP (STYLSS) File

Ext / One of the Moments LP (STYLSS)
http://www.stylss.com/

ウクライナのプロデューサー Ext こと Sergey Mogilevsky が2015年1月に発表した、多分初のアルバム。

STYLSS は様々なエレクトリック・ミュージックをリリースしているレーベルなんですが、今作は Burial 以降よく聴くようになった、2ステップっぽいダブステップ。それ以外にも声ネタの使い方含め、かなり Burial っぽいんだけど、ただ本家のように悲しみ渦巻くような感じはないので、すっきりとしており聴きやすく、またヴォイス・サンプルが発する悲哀に共振するかのように振動するベースが印象的な “Causing Passion” 、軽快なリズムが良いアクセントになっている “Dark Moon” 、ストリングスやノイズに溶け込むようなベースと悲しげな上モノの対比が鮮やかな “Metro” など印象的な曲も多く、完成度も高い。

なのでbandcamp のページに「これは私が聴きたかった Burial のレコードだ」という声が載っているのも納得というか、実験を繰り返し良くも悪くも唯一無二の存在になった今の Burial よりも、『UNTRUE』(関連記事)の頃の方が好きという人には、かなり満足度の高い作品ではないかと。

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E-girls / COLORFUL POP (rhythm zone) CD

E-girls / COLORFUL POP (rhythm zone)
http://e-girls-ldh.jp/

2014年に聴いた盤を雑に紹介していく5。

2014年3月に発表された E-girls の2枚目のアルバム。

彼女たちの兄貴分とされている EXILE に関しては何だかんだで好きだし、一時期 CM 等でよく流れていた “ごめんなさいのKissing You” が聴き馴染みがよかったり、さらにはたまたま乗ったタクシーの運転手さんに熱く語られたりしたので(深夜の2時に・・・)、いい機会だったので聴いてみたんですが、これはイマイチでしたね。

そもそも期待してた “ごめんなさいのKissing You” がヴァースからサビへの展開が強引過ぎて興ざめなんですが、他の曲に関しても、 EXILE のように海外のトレンドも多少意識してるとかもなく、ありきたりな avex 流ポップが並ぶだけなので、街中で耳にするとかならともかく、わざわざ能動的に聴くものではないかな。

とりあえず彼女たちに関しては、私は今作でおなか一杯。

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DROPXLIFE, deeB, SolomonDaGod, Endlichkeit, M


DROPXLIFE / PROLOGUE
The Weeknd 周辺のプロデューサー、 Dropxlife が12月に発表したミックステープ。ビートがいつもより重めながら、全体としては地味め。
ダウンロード


deeB / WNDW
オランダのプロデューサーがロンドンのレーベル Martian Bass Records から出したビートテープ。この手のジャジーなインスト・ヒップホップって好きでよく落とすんだけど、心地いい反面、特徴ないことが多いのよね。これもそんな感じ。


SolomonDaGod / but ur not god
フロリダのラッパーのミックステープ。悪くはないんだが、もうちょいっとグルーヴが欲しい。
ダウンロード先は消されちゃったみたい。


Endlichkeit / Endlichkeit VI–VIII
アメリカのブラック・メタル・バンドのデモ音源。トレモロ弾くノイズギターとドラム以外ほとんど聴こえない感じなんだけど、まぁ好きなので。

M / twilight EP
M / twilight EP
山口の女性ラッパーの EP 。声質含め、わりとよくある感じのメロディアスなラップながら、変な力みがなくて心地よい。
ダウンロード(なんか危険サイト報告されたみたいで見られないね・・・)

EXILE / EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~ (rhythm zone) CD

EXILE / EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~ (rhythm zone)
http://exile.jp/

リーダーの HIRO が年内でパフォーマーを引退する事で話題になった EXILE が2013年4月に発表した41枚目のシングル。
なんでももうすぐ始まる5大ドームツアーのテーマソングなんだそうですが、そのツアーチケットにこの CD が付いているおかげで、自身のシングルの初動売上の最高記録更新になる56万枚以上を売ったんだそうで。別にチケットに CD を付けるという商法自体を批判する気は全然ないんだけど、オリコン・チャートの形骸化を端的に表した話題のひとつだとは思うんですが、どうなんですかね。

んで、じゃぁ楽曲の方も EXILE の最高傑作を更新するような内容なのかというと、まぁそんな事はなく、いかにも EXILE といった感じのダンス・ナンバー。
ただ今作は冒頭の軽快なシンセを筆頭に、全体の音作りが若干薄め。それが新鮮さをもたらしている部分があるものの、一方でいつもは重厚なトラックの影に隠れてそれほど気にならなかった ATSUSHI と TAKAHIRO のヴォーカルの線の細さが露になっているので、高揚感よりも寂しさの方を強く感じてしまうという、なんとも微妙な出来。

せっかくでかい話題をぶち上げたんだから、曲の方もそれに見合った力作を期待したいんだけどねぇ・・・。

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Elijah Blake / Bijoux 22 (Self Released) mp3

Elijah Blake / Bijoux 22
http://www.elijahblake.com/

ドミニカ出身のシンガー Elijah Blake が2012年12月に発表したミックステープ。
私はこの人の名前を今作ではじめて知ったんだけど、以前は Redd Stylez という名義で活動していて、なんと Usher “Climax” のソングライターなんだそう。

っつうことで今作も当然のように甘々な R&B 。メロディはよく書けてるし、ファルセットを多用したヴォーカルも伸びやかで気持ちよく聴ける。ただトラックの方が今どきのアンビエントっぽい感じとも、オーソドックスな R&B ともつかない感じで、よく云えば聴きやすいんだけど、ちょっと中途半端で没個性な感が否めない。
結局生の質感の強いトラックの上でスッキリとしたメロディを歌い上げる “X.O.X.” (Common が参加してる)が一番よかった。

Ekoplekz / Westerleigh Works EP (Perc Trax) mp3

Ekoplekz / Westerleigh Works EP (Perc Trax)
http://perctrax.bandcamp.com/

続いて実験的な感じのを。

ブリストルのアーティスト Ekoplekz が Perc のレーベルから2011年に出したシングル。

この人は様々なレーベルからけっこうな数の実験的な作品を出している人で、なんでそんな人がハード・ミニマルの Perc Trax から、っていう気がしなくもないんだけど、 Perc Trax もノイズ成分の強い実験的なものも出しているので、そう考えると違和感はない。

しかし今作がハード・ミニマルなのかというとそんな事はもちろんなく、性急な変則キックが入る “Ekoplatz” が若干それっぽいが、上に乗るノイズは明らかにダンス・トラックのものとしては異質だし、それはノイジーなエレクトロである “Narco Samba” と “Xylem Teardrops” も同様。

なので普通のダンス・ミュージックの感覚で聴くとけっこうつらいものがあるんだけど、私みたいな人間には低音が入っているだけで聴きやすいのも事実で、これはこれで悪くない。

Westerleigh Works EP - Ekoplekz

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Edit-Select / Surface To Air (Edit Select) mp3

Edit-Select / Surface To Air (Edit Select)
http://www.myspace.com/editselectrecords

Edit Select こと Tony Scott が今年の春に出したシングル。
私はこの人は Edit Select の名前を最近見るようになって知ったんですが、90年代初頭から様々な名義で作品出しているベテランさんだそう。

今作は表題曲を Edit Select と Lucy がリミックスしたものがそれぞれ収録されていて、私は原曲を知らないので比較は出来ないものの、両者とも方向性としては今風のダークなミニマル・テクノ。

しかし Edit Select は地鳴りのようなベースラインの上で、ディレイの効いた甲高いスネアが鳴る、少しミニマル・ダブっぽいリミックスながら、ハイハットの緩急とエフェクトで曲の展開作っていたり、 Lucy はミニマル・ダブ的なベースラインを使っていながらも、こちらも神経症的に鳴るハイハットとエフェクトが印象的だったりと、ミニマル・ダブのパーツを用いながらも、曲総体としては硬派なミニマル・テクノになっているのが面白い(ハイハットの使い方も)。

Surface to Air - Single - Edit Select

Eliot Lipp / Shark Wolf Rabbit Snake (pretty lights music) mp3

Eliot Lipp / Shark Wolf Rabbit Snake (pretty lights music)

ニューヨークのプロデューサー Eliot Lipp のフリーの作品。

私はこの人については名前しか知らなかったのでちょっと調べてみると、Prefuse 73 とか引き合いに出されていた人みたいですね。
んで、今作のヒップホップとダブステップとエレクトロニカが緩やかに溶け合ったような音は、それっぽいっちゃぁそれっぽいというか、まぁ所謂 Low End Theory 系といえそうな感じなんだけど、私にはそれ以上感じ入るものがなく、凡庸でしたかね。

まぁジャケットのポップさと歪んだ感じの同居は音にも現れているので、聴きやすい作品だとは思う。

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eqd / equalized#111 (equalized) CD

eqd / equalized#111 (equalized)

shed って名義が色々ある上に、なかなかの多作家なようなのですが、ここ数年 shed 以外でリリースが目立つ名義が WAX と eqd 。
WAX に関しては以前紹介したことがあるんですが(この当時は shed の変名って知らなかったけど)、 WAX も eqd も shed に比べて四つ打ちに焦点を当てているのが特徴で、また音自体もよりシンプルになっている。

んで、今作は eqd 名義で出したシングルをまとめたもの。 eqd も WAX もアナログは白い盤面にスタンプ押しただけの、いかにもアンダーグラウンドといった体裁で出されるので意外に知らない人が多いみたいだけど、実は普通にデジタルでも買えたりするので、こうやって CD でまとめられてもありがたみは薄いんですが、まぁこれを機会に彼の音楽を知る人も多かろうということで。

彼のメインの名義である shed もどんどん音がそぎ落とされていっているので、 eqd 名義との差異というのはどんどん小さくはなっているのだけれど、今作での派手な上モノもたいした展開もない曲郡を聴いていると、やはりその無骨さは際立っている。
しかし少ない音数で強烈なダンス・グルーヴが生み出されているのは正にミニマル・テクノといった感じで、軽やかな上モノとリズムの絡みで聴かせる “03” と “06” 、逆にリズムのみで押し切る “04” や “07” など、どの曲も機能性の高さと彼のリズム・メイクの巧みさが感じられて完成度が高い。

まぁあえて難癖付けるなら WAX 名義のもまとめてほしかったなぁ、という感じなんですが、それは後のお楽しみということで。
あと今作は収録時間の関係から、普通の CD としては9曲収録で、残りの1曲はデータとして収録という変則的な形になっています。

Equalized #111 (Compilation) - EQD

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ELEMENTAL / MESSAGES FROM THE VOID (runtime) 2CD

ELEMENTAL / MESSAGES FROM THE VOID(runtime)
http://runtime-records.com/

Elemental こと Adam Wilson が2009年に発表したファースト・アルバム。

この人はダブステップの黎明期からテクノ的な音作りで注目されていた人みたいなんですが、今作もテクノ的な洗練や音響と、ダブステップ的なための効いたリズムを無理なく融合させた曲が数多く収められており、今聴いてもそれほど古臭さを感じない。

またボーナスディスクとして2002年から2009年までのシングル曲を収めた盤が同梱されているんだけど、こちらはドラムンベースの影響が未だ色濃いながらも、非常に荒々しく、こちらもまた秀逸。

でもこの人ってこのアルバム出してから、リリースがぱったりと止まっちゃってるのよね。もう音楽活動止めちゃったのかしら。

Messages from the Void - Elemental

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Evian Christ / Kings And Them (TRI▼ANGLE) mp3

Evian Christ / Kings And Them (TRI▼ANGLE)
http://tri-anglerecords.com/

イギリスのプロデューサー Evian Christ が今年出した作品集。

この Tri Angle っていうレーベルはウィッチハウス系のレーベルみたいなんだけど、今作はもっとかっちりとした音作りの、テクノ、ハウス、ヒップホップ、ダブステップなどの混合作といった感じ。
しかしどの曲も、いかにも合わせてみました、って感じのものではなく、自然にどの要素も溶け合うようなものになっていて、そこがすごく今っぽいし、それでいて全体がポップなのも素晴らしい。

この人は正式なアルバム出たら聴いてみたい。

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Elizabeth / Where Vultures Land (Self Released) mp3

Elizabeth / Where Vultures Land
http://www.ezbth.com/

スイスはジュネーブのハードコア・バンドが今年の4月に発表したフリーのアルバム。

コレに関しては完全にジャケットのねぇちゃんに誘われて落とした、という感じなんですが、音の方はちょっとメタルよりのハードコア。
終始テンション高めながらも緩急があって全然悪くはないんだけど、ちょっとそれ以上の個性というものが今作からは感じられないので、あまり積極的に聴く感じにならないかな。

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echtzeit / cl 1 – 4 (Melted) 12″

echtzeit / cl 1 - 4 (Melted)
http://gbm.mtd.dd2k.de/mtd

テクノ的だった kryptic universe による5番(過去記事)とはうって変わって、 echtzeit なるアーティスト(なんて読むんだろう…)による今作は、 “cl” という曲のヴァージョンが4つ収録されたダブ要素の強い内容。

とはいっても従来のモクモクとした上モノと重たい低音、という従来のミニマルダブとは一線を画していている。
低音が一切なくミニマルダブのエフェクトのみを抜き出したような A1 、そこに重たいベースラインとキックを加えながらもすっきりとした音像で聴かせる A2 、構成要素的にはダビーなハードミニマルといった感じなのに低音を絞る事によってまた違った雰囲気を出している B1 、 A1 をテンポダウンさせる事でドローンに近いものにしている B2 と、どれも面白いし、これが一つの曲のヴァージョンだというのも刺激的。

まぁ音のスタイルからしてとても一般受けするタイプのものではないのだが、それでもこのままリリースを重ねればアンダーグラウンドで存在感を発揮するレーベルになるのではないかしら。

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EXILE / 愛すべき未来へ (rhythm ZONE) CD

EXILE / 愛すべき未来へ (rhythm ZONE)
http://exile.jp/

一応今月は頑張って更新頻度上げてみたんですが(本当はもっと更新頻度上げる予定だったんだけど)、ちょっと緊張の糸が切れてしまったので、また簡単な記事でいこうかと思います。ということで、昨年に発表された EXILE の7枚目のアルバム。

基本的に私の EXILE に対するスタンスというのは、ハードな曲は好きだけどポップなのや甘いだけのバラードは退屈、というものなんだけど、それは今作についても同様。そしてそのお目当てのハードな曲が、結局シングルに収録されていた “THE NEXT DOOR” と “FIREWORKS” しかないという、なんとも寂しい状況で、つまり今作は私にとってけっこうつらい出来。

まぁ1曲1曲取り出せば、 “SHOOTING STAR” や “ふたつの唇” みたいなハウスっぽいのも悪くはないんだけど、メインでヴォーカルをとる ATSUSHI と TAKAHIRO が、世間で歌が上手いといわれているわりに、ヴォーカルの幅というものが狭くて、どうも一本調子な印象を受けてしまうんですよね。
そういった意味では元 J Soul Brothers の NESMITH と SHOKICHI も一緒にヴォーカルをとる “GENERATION” が一番聴きやすいんだけど、まぁこれはこれでファンの事とか考えると難しいんですかね。

愛すべき未来へ

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EXILE / FANTASY (rhythm ZONE) CD

EXILE / FANTASY (rhythm ZONE)
http://exile.jp/

あまり実感のない、とかくフワフワとした人気を集めている事から馬鹿にされがちな EXILE なんですが、基本足し算の音楽とされる J-POP の中にあって、ひたすら拡大路線を続ける EXILE はそれだけで評価できると私なんかは思っていて、彼らには「テニスの王子様」に近い面白さを感じるんですよね。

そして今作も、9曲入りとアルバムサイズにもかかわらず、「ダブルマキシシングル」とシングルであると言い放つ辺り、どこかの誰かさんと違ってブレがないなぁ、とは思いつつも、それが音楽的な面白さにもつながっているかというのは別の話で、ほとんどが爽やかなダンス・ポップか甘いバラードで、その手の曲は総じて退屈。

しかし先のワールドカップ日本代表サポートソングである “VICTORY” は、音楽性度外視で勇壮な男声コーラスやラテン・パーカッションなど如何にもな記号をちりばめた、分かり易過ぎるくらい分かりやすいさすがの出来だし、自身の代表曲の改作である “24karats STAY GOLD” はド派手なヒップホップ・トラックが彼らによく合っているし、ほとんどのラッパーの売り上げが下がる一方のこのご時世では、ブリンブリンな雰囲気を纏える唯一のアーティストではないか、なんて事まで思ってしまう。またいつも通り意味性を一切排し、ヒップホップ的な空気のみを撒き散らす DOBERMAN INC の仕事も素晴らしい。

あと Bach Logic が1曲インストを任されていて EXILE からの信頼の厚さがうかがえるが、これが10年遅れのデジタル・ロックみたいなトラックで何ともかんとも。まぁ興味のある方はどうぞ。

FANTASY

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80kidz / THIS IS MY SHIT (Kidz Rec.) CD

80kidz / THIS IS MY SHIT (Kidz Rec.)
http://www.myspace.com/80kidz

2006年ごろから活動している3人組エレクトロ・ユニットの初アルバム。

フランスとかイギリスとかから同時多発的に現れた最近のエレクトロのユニットって、どれもポップなことに対して迷いがない気がしますが、中でも日本の人たちはポップスへの志向性が強いように思えます。

そしてそれはこの 80kidz も同様、というよりも明らかに上モノに重きを置いたつくりはほとんどポップスなんだけど、それが中途半端にならずに徹底されているので、非常に聴いていて楽しいアルバムになっている。

まぁその分どうしても印象に残るのが歌モノやキャッチーな曲になってしまい、音楽的な深みであったり、エレクトロニック・ミュージックの醍醐味の一つでもある「音」自体の面白さを感じる場面がないのが残念なんだけど、それはないものねだりというものなのでしょう。

80Kidz - This Is My Shit

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EXILE / THE HURRICANE ~FIREWORKS~ (avex) CD

EXILE / THE HURRICANE ~FIREWORKS~ (avex)
http://exile.jp/

J Soul Brothers から始まり足して足してでいつの間にか14人になった EXILE の、現体制になってからは2枚目のシングル。

メインとなる FIREWORKS” はCMで流れてたビデオ見ると和の要素をふんだんに盛り込んでいて、何とも奇妙な世界観になっていたけど、曲のほうも全編三味線が鳴っていたり、最後に花火の音が挿入されていたりと、こちらもやっぱり和の要素が感じられるものの、他の部分に関しては打ち込みのダンス・ポップなので、ちょっと聴いただけだと、どうにもちぐはぐな印象を受ける。
しかし慣れてくると、三味線の乾いた音色が実に心地良く、また曲のほうも常に足し算の美学さえ感じられる重厚さで圧倒される。途中で入る、ヒップ・ホップという雰囲気だけを強烈に振りまくラップもいいアクセントになっているし(DOBERMAN INC らしいです)、今まで聴いたことのある EXILE の曲では断トツで好きな曲です。

で、次の “優しい光” は甘ったるいバラードでどうでもいいんだけど、3曲目の FLO RIDA が参加した “THE NEXT DOOR -INDESTRUCTIBLE-” も、ギターが大胆に導入された派手なトラックでかっこいい。 FLO RIDA はもちろんのこと EXILE も英語で歌っているんだけど、いい意味で J-POP らしい胡散臭さが満載で実に楽しい。

しかし EXILE ってアルバムどんな感じなんですかねぇ。もしこの2曲みたいなのが多いんなら、ちょっとファンになってしまいそうだ。

EXILE - THE HURRICANE ~FIREWORKS~
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El-B / The Roots Of El-B (Tempa) mp3

The Roots of El-B
http://www.tempa.co.uk/

タイトルまんまなんだけど、 EL-B さんの過去音源をまとめた編集盤。

とはいっても、そもそもその EL-B さんっていったい何者なのかという話なんだけど、正直私もよく知らなくて、90年代初頭から活動している人みたいで、 Ghost Recordings というレーベルを中心に出していたものをまとめたもののようです。

んでその音の方は、ダブステップのレーベルである Tempa が Roots という言葉を使っているとおり、一昔前の2ステップ。
元々私が2ステップに入れ込んでなかったせいか、冒頭の “The Club” を筆頭に、何曲かある軽めの曲は正直苦手なのだが、重めのビートの曲に関しては、確かに現在のダブステップに連なるものを感じる。

しかしそういった歴史的興味を抜きにして、音楽的に今聴いてどうかというと、やはり軽めに思えて、正直いって好みではないです。
でも使われている音自体はこちらの方が端正なのに、今のダブステップよりも荒削りな印象を受けるのは、それだけ失ったものも多いということなんでしょうか。

試聴

[曲目]

Eccy / FLOATING LIKE INCENSE (SLYE) 2CD

Eccy / FLOATING LIKE INCENSE (SLYE)
http://eccy.blog96.fc2.com/

これは出たのは2007年だけど、聴いたのは2008年なアルバム。 shing02 が参加したミニ・アルバムが話題になった Eccy のファースト・フル。

私が日本のトラック・メイカーを気にしていた時期って、わりとアブストラクトやエレクトロニカとの交配が盛んだったので、それらと比べるとずいぶん直球のヒップ・ホップだなぁという感じ。ではそれが良くないのかというとそんなことも無く、逆に他の方向性に行きそうで、でもやっぱりヒップ・ホップなのが面白い。あとアブストラクトみたいにベース中心でグルーヴを作らずに、ドラムを中心に組み立てているので、重すぎず聴きやすいのも良い。
参加している MC も、変に有名どころを起用することなく、自分の周りの人たちをフック・アップしてるのも好感が持てるし、実際みんないい仕事してる。まぁ難をいうと、清野栄一とかいう人のしゃべりがナルシスティックで気持ち悪くて、さらにトラックがアルバムでも上位に入るカッコよさだけに、ものすごくもったいない気がする。

試聴
Eccy feat. オロカモノポテチ & サイプレス上野 - Floating LikeIncence
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EXILE / The Birthday ~Ti Amo~ (avex) CD

EXILE / The Birthday ~Ti Amo~
http://exile.jp/

何気に EXILE ってまともに聴くの初めてなんだけど、なんでも彼らの28枚目のシングルなんだそうで。

どうも EXILE って、頭剃り上げたいかつい兄ちゃんが甘い声出してるのが気持ち悪くて、イマイチ好きになれないんですが、 CD だと当然音だけで映像がないので、そうやって聴くと意外に悪くないですね。

まず1曲目の “Ti Amo” は、いかにもといった感じの甘いラブ・バラード。歌詞では不倫という関係の中で、葛藤する主人公が描かれてるんだけど、惜しいのは女性視点の歌なんだよね。これで男が妻と恋人の間でウジウジとしまくるような歌詞だったら、私の好きなダメ男 R&B なんだけどなぁ。でも悪くないです。

2曲目はベスト・アルバムからのカットらしくて、それに VERBAL のラップを乗せたもの。シャンプーの CM で使われてる曲ですね。でもこの曲はどうでもいい感じ。

そして問題なのが3曲目の “24karats” 。以前 SoweluDOBERMAN INC と組んで出した曲のヴァージン違い。
私は韻踏合組合、中でも OHYA が好きだった人間なんで、 DOBERMAN INC ってずっと避けてきたんだけど、色んなところでラップが上手いという文章を見ていたし、最近の Bach Logic の出世ぶりもあるので、けっこう楽しみにしてたんだけど、う~ん、これって上手いっていうのかなぁ。私には単なる没個性にしか思えないんだけど。まぁ華やかなこの曲には合ってるかな。

4曲目は何故かデビュー曲 “Your eyes only ~曖昧なぼくの輪郭~” の再録。昔からこの曲ってどこがいいのか分からないんだけど、それは今回の再録でも変わらず。っていうか昔のヴァージョンとどこが違うのか分からん。

なんか文章にしてみるとけなしてばかりになってしまいましたが、これでも楽しめた方なんですよ。まぁ期待値が相当低かったしね。さすがにこれがアルバムとかになるとキツイけど。

視聴
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8th Wonder / 「ケルベロスからの手紙」 (Aphasic Tone) 12″

「ケルベロスからの手紙」
http://www.8thwonder.jp/

自分の中での日本のヒップ・ホップの盛り上がりは、韻踏合組合に始まり韻踏合組合(から MINT と NOTABLE MC の脱退した事)に終わるといった感じだったんですが、それ以外にも、あの時期は托鉢や土俵もあって良かったなぁ、なんて思うわけでして。なんて書いても分からない人にはまったく分からないかと思いますが、つまりは今のようなヒップ・ホップど真ん中の空気よりは、もっと雑多な感じが好きということです。

なのでヒップ・ホップに軸足を置きながらも、独自のセンスでエレクトロニック・ミュージックやメタルを取り入れ、さらには圧倒的な語彙と比喩で自らの心情を語る、素晴らしき3人のMCがいる 8th Wonder には当然のように大きな期待をしてしまいます。

でも前作から4年ぶりとなるこのシングルは、ん~、ぶっちゃけ微妙。

曲調的には前作の “Enigma part.2 EP” に近いもので、ゆったりとしたエレクトリック・ビートと、サビの部分で重厚なギターがなるのも同じ。しかし巧みな比喩を用いて、自らの葛藤をひたすら紙とペンにぶつけているようだった歌詞は、昔に比べるとずいぶんと直接的なものになり、世間に溢れている標語じみた応援歌と紙一重に思える部分も少なくない。さらにはラップ・パートが終わって後半、延々と続くギター・ソロが今どきないくらい感情的なもので(しかもツイン・リードだよ?)、必要以上にドラマ性を煽っているのも、ベタベタとした応援歌的な印象を強くする。

まぁそれでも独自性はきちんと保たれているし、完成度もけっして低いわけではない。でも前作を2000年代屈指の名盤だと思っている身からすると、満足できないのも事実なわけでして、今年中には出るであろうファースト・アルバムに期待したいところです。

試聴

Earth / The Bees Made Honey In The Lion’s Skull (Southern Lord)mp3

The Bees Made Honey In The Lion's Skull
http://www.southernlord.com/

90年代初頭から活動しているらしいドゥーム/ドローン系のバンドの新作。
個人的にドゥームというと、 Cathedral のデビュー作が浮かんでくるような人間なんで、最近の動きとか全く理解していないんですが、この作品に関していえば、想像していたような極悪な感じというのはあまりなく、ジャケットに表れているように、わりと葉っぱ系の音。
低くチューニングされたギターを中心とした音はひたすら遅くて、時間軸がおかしくなりそうなんだけど、それと同時に、ブルースにも近いギターの奏でるフレーズが甘美さも併せもっていて、そりゃこんなの聴きながら、アレとかコレとか、酒飲んだらそりゃダメ人間にもなりますわ。でもこの快感は結構クセになりそう。
これからはこっち方面も少しずつ手出してみようかなぁ。

試聴
Earth - The Bees Made Honey In the Lions Skull

E. Bridge / Folklore (Sushitech Purple)mp3

Folklore
http://www.sushitech.com/

Funzion 名義でも活動してる Alejandro Mosso によるプロジェクト、 E. Bridge が Sushitech Purple から昨年出したダブル・パック。

参加しているリミキサーが Dandy Jack に、 Digitaline のメンバーでもある Gregorythme という時点で分かる感じもしますが、 Cadenza っぽいオリエンタルなテック・ミニマル。いってしまえばそれ以上でもそれ以下でもないという感じはあるものの、シャープなキックの上にラテンギターが乗る “Altossucios” に、パーカッションによる起伏と淡いメロディで引っ張る “Puente Del Inca” 共に、完成度は申し分ない。それに Cadenza フォロワーの多くがそうであるように、この作品も、ゆったりとした作りの Cadenza に比べ、機能性という面ではむしろ上で、あとはここに強烈な個性が加われば、とは思うものの、次の作品も聴いてみたいと思わせるには十分な出来。

試聴

Eminem, Elton John / Eminelton

Eminelton

特にそういう趣旨でやってるつもりはないんだけど、気が付けばフリー音源ばかり紹介している気がするんですが、今回もウロウロしてたら見つけたやつで、見つけたときには思わず「その手があったか」と膝をたたきそうになった、 Elton John と Eminem のマッシュアップ。というのも、何気に実際共演した事のある人たちをネタにした音源って少ないと思えるからで、そういった意味で非常に面白いし、音の方もなかなか良い。
Eminem のトラックって不穏な空気を纏ったものが多いけど、今作では当然のように Elton John のピアノをメインに使ったものが多く、それによって非常に躍動感のあるものになっていて、さらに時折 Elton John の有名なフレーズやサビが挿入されるのも相まって、仕上がりとしては総じてポップ。そしてそれによって Eminem の声がもつユーモアというのが増幅されていて、正直こけおどし的な感じの強くて好きになれないオリジナルよりも、こちらの方がはるかにひっかかりがあって聴きやすい。
まぁオリジナル好きな人がどう思うのかは分かりませんが、個人的にはオススメ。

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