Iso XL / Mia Foni Enas Stratos

Iso XL / Mia Foni Enas Stratos
http://www.myspace.com/isode

ギリシャのラッパー Iso XL が2009年に出したフリーのアルバム。

彼の MySpace を見るとジャンルのところが「Death Metal / Hardcore / Hip Hop」となっているんだけど、そう書くのも伊達ではなく、全編ディストーション・ギターとストリングスが大仰に盛り上げる曲は、かなりメタル度が高い。
それでいてリズムはヒップホップ、ヴォーカルはラップとなると、一昔前のミクスチャー系に近いものになりそうな気もするんだけど、ファンクの要素を排することでメタルの要素をより浮き上がらせていて、この辺のバランス感覚が非常にヨーロッパ的に思えて面白い。

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IWACCHI / Wonder Project 25

IWACCHI / Wonder Project 25
http://ameblo.jp/iwacchizm/

もうファイル削除されているようなダウンロード作品を紹介することに意味があるのか、という声を無視して紹介する(まぁ筆の遅い私が悪いんですけど・・・)、栃木のラッパー Iwacchi が昨年秋に発表したフリー・ダウンロードのミニアルバム。

2008年に Lil’諭吉 の『Supa Hypa Ultra Fres$shhh』(過去記事)紹介した時にはまだまだ数の少なかった日本のヒップホップのフリーの作品ですが、昨年の後半くらいから急激に増えてきた印象があって、その分玉石混合な部分がまだ強いのだが、その中ではこれはかなり好きな作品だ。

とはいっても今作が特別完成度が高いとかいうものはないんだけど(失礼)、良くも悪くも「オレは日本語ラップしか聴きません」ってな音楽を作る若手のラッパーが多い中(そこは彼も同様)、彼はそこで肩ひじ張ってヒップホップ然とすることなく、ポップに展開させる事で非常に風通しのよい音楽にしていて、正直ヒップホップ聴いてる感じはそれほどしないんだけど、それでも音楽としては気持ちよく聴ける。
それに彼の人懐っこい声にはこの路線が合ってると思うし。

今作以降まとまった作品は出していないようだけど、この次も是非聴いてみたい。

Ian Simmonds / The Burgenland Dubs (MUSIK KRAUSE) 2LP+CD

Ian Simmonds / The Burgenland Dubs (MUSIK KRAUSE)
http://www.musikkrause.de/

元 Sandals の ian simmonds が2009年に発表した3枚目のアルバム。

変わり者の多い Musik Krause の中にあっても、彼のフロアをあまり意識してなさそうなシングル郡というのは異彩を放っていたんだけど、今作にいたっては四つ打ちの曲はゼロ。そして曲単位で踊りやすそうと思えるものもない。

なので最初アナログで聴いてる時にはあまり引っかかるものがなかったんだけど、ジャジーなブレイクビーツを軸に、ワールドミュージックやダブの要素がゆるやかに溶け合った音楽は、CDでまとめて聴いていると非常に心地よく、ベタな表現だが音楽旅行でも味わっているような気分になる。

派手な作品では決してないが、ベテランらしい味わい深い作品だ。

The Burgenland Dubs - Ian Simmonds

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ICE DYNASTY / MADEINDYNASTY

ICE DYNASTY / MADEINDYNASTY
http://www.icedynasty.com/

8月末に発表された Ice Dynasty の、リミックスが3曲と新曲1曲からなるフリーEP。

今年の1月に発表された『C.O.L.D.』(過去記事)は派手な上モノが目立つ作品だったけれど、今作もそれは変わらず。しかしチップチューン風のダブステップの “FRESH(GUNHEAD REMIX)” などは多少新鮮を感じるし、 “4 MY HU$TLERZ(LIL’OGI REMIX)” も原曲の上モノを活かしながらもリズムが強化されていて、オリジナルよりは好きですかね。
原曲が良かった”REMEMBER… feat. LEO(Y.G.S.P. REMIX)” の爽やかさを前面に出したリミックスはぼちぼち。

あと唯一の新曲である “ONE LOVE” は他界した友人に捧げたと思われるメロウな曲。この人たちって外見は思いっきりコワモテで、街で見かけたら絶対避けるような感じだけど、前述の “Remember…” やこの曲みたいに、メロウな曲が意外に良いのよね。まぁ最後に入る Kenny G みたいなサックスはどうかと思うけど・・・。

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ISSUGI from MONJU and DJ SCRATCH NICE / THE MIXTAPE DOGEARPROFILE

ISSUGI from MONJU and DJ SCRATCH NICE / THE MIXTAPE DOGEARPROFILE
http://www.myspace.com/issugiDNCtokyo

東京のグループ MONJU のメンバーである ISSUGI のフリー・ミックステープ。

海外だとプロモーションのためにフリーでミックステープ配るというのは一般的だけど、日本だとまだまだ少ない印象なので、期待のMCである ISSUGI がそれをやるというのは、先駆的な試みとしてそれだけで十分評価に値するとは思うのだけれど、残念ながら肝心の音に関してはイマイチですかね。

私は ISSUGI のラップを今作で初めて聴いたんだけど、今まで見た彼についての文章は大抵「どす黒い」云々みたいことが書いてあって、実際今作も拝借してきた MADLIB や JAYDEE はもちろん、相方の 16FLIP のトラックも含め全体は黒いグルーブと煙たい雰囲気で包まれている。
しかしそんな中にあって ISSUGI のラップだけがはっきりとした音像で乗っていて、そのはっきりとした発声も相まって、ラップだけが妙に前に出ているように感じられて非常にバランスが悪い。

まぁラップを目立たせるという意味では間違ってないのかもしれないけど、ラップとトラックがかみ合っていない感じがどうしてもしてしまうし、ラップ、トラック共に悪くないだけにもったいなく思えてしまう。

それともちゃんとしたサウンド・プロダクションで聴けば違うのかな?

ちなみに今作のダウンロードは12日までらしいので、欲しい人はお早めに。

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ICE DYNASTY / C.O.L.D. (TOKYO I.C.E) CD

ICE DYNASTY / C.O.L.D. (TOKYO I.C.E)
http://www.icedynasty.com/

5MC1DJ 、「東京・渋谷中心に活動を続ける死角ゼロのリアルHIP HOPチーム」(オフィシャルサイトから) ICE DYNASTY のセカンド・アルバム。
昨年末に上野で SMITH-CN のインストアを見たんだけど、それを企画したレコ屋の店長がこのグループのメンバーだそうで、その時聞いた声が低めの私好みの声だったのと、このアルバム自体ヒップホップの最新形として評価されているようなので、けっこう期待して聴いてみた。

しかし結果から書けば、これはなんとも残念な作品だ。

まずやたらと派手なだけの上モノと、ドタバタとしたドラムを中心としたトラックは、まるで90年代のエイベックスの焼き直しのようで、はっきりいってここに聴くべきものは何もない。

しかしその上に乗るラップは、一生懸命二枚目を気取ってはいるものの、言葉の端々からユーモアがこぼれだす、独特のゆるさを持ったもので、これだと押韻の甘さもそれほど気にならなくて全体的に悪くない。

だがそれをして傑作といわせるだけのものかというと、まぁそんな事もなく、ラッパーが5人もいるわりにはフロウの幅が狭く曲も似たり寄ったりで、曲そのものに引っ掛かりがないために印象に残らない。唯一印象に残る曲といえば LEO というシンガーが参加した “REMEMBER…” で、彼の爽やかな歌声が一本芯を通していているこの曲を聴くと、 ICE DYNASTY のメンバーの中にも般若のような強烈な個性がいれば、妄走族くらいには聴けたんじゃなかろうか。

ICE DYNASTY - C.O.L.D.

[Traklist]

いきものがかり / My song Your song (SME) CD

いきものがかり / My song Your song (SME)
http://www.ikimonogakari.com/

私はつい最近までこのバンドの名前を「いきものがたり」だと思っていた人間なので、当然この人たちについてはよく知らないのだけれど、けっこうな人気者なようなので聴いてみた。

でもねぇ、結論から書いてしまうと、これは久々にかなりきつかったですね。

時代性などというものを全然感じさせない素朴な曲を、素朴なアレンジと素朴な演奏で聴かせる、素朴な人たちといった趣で、ちょっと昔の歌謡曲みたい。しかし歌謡曲みたいに情念みたいなものがこもっているかというとそんなこともなく、むしろ情感もほとんどなくすごく軽い。そうなってくると、昔のアイドル歌謡に近いのかなと思えなくもないんだけど、当然あんなにキャピキャピしてないし。

聴いている時の印象はそれほど悪いものでもないんだけど、聴いた感想としては良いものは一個も出てこないんだよね。それは若いのに小さくまとまり過ぎとか、全てが手垢にまみれ過ぎているとか、他にも色々と理由はあるんだけど、一番気になるのはこのアルバムを聴いていても、この人たちが何で音楽やってるのか全く伝わってこないんだよね。だかたこちらにも引っかかるものが一切ないし。

まぁメロディ自体は悪くないので、案外聴き込んでいるうちにポッとはまっちゃうこともあるのかもしれないし、実際にそうやって好きになった人たちも沢山いるのだが、生憎今の私にはいきものがかりの為に割く時間はそれほどないのです。なので当分聴かなくていいや。

あと蛇足ながら、今感じ変換してて始めて気がついたんだけど、いきものがかりって「生き物係」ってことなのかしら。私は「神懸り」とかの「がかり」なんだと思ってた。

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INTERNATIONAL PONY / THE SWEET MADNESS EP (COLUMBIA) 2LP

INTERNATIONAL PONY / THE SWEET MADNESS EP (COLUMBIA)
http://internationalpony.com/

DJ KOZE 、 COSMIC DJ 、 EROBIQUE の3人によるユニット International Pony のアルバム『Mit Dir Sind Wir Vier』からのリミックス・カット。

以前このユニットは『bass is boss』という素晴らしいリミックス盤を出しておりますが、今作でも JackmatePepe Bradock という、実に分かってらっしゃる人選。

Jackmate に関しては、もう何度も書いているんですが、元々 Michel Baumann がシカゴ・ハウスからの影響を反映させる名義だったのが、デトロイトからの影響も反映させるようになっていて、今回のリミックスもその流れ。流麗なストリングスと、コズミックなシンセでぐいぐいともりあげるデトロイトっぽいディープ・ハウス。
一方の Pepe Bradock の方も、以前を思わせるくぐもったキックの音と、それと相反するような抜けの良いスネアの組み合わせによるディープ・ハウスで、それほど分かりやすくデトロイトっぽい記号が使われているわけではないんだけど、それでもデトロイトを感じさせるトラックになっていて、ここ何作かのシングルでの実験が、ただの実験で終わっていないのがよく分かる。

そういえばこの二人、現在のエレクトロニック・ミュージックの中でも注目に値する人物なのはもちろんなんですが、両者ともに奇形なディープ・ハウスの作り手であり、デトロイトからの影響が強いという点で、共通項もある人たちなので、こうやって並べてみたのは面白いんじゃないですかね。

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IN FLAMES / A sense of purpose (KOCH) CD

A sense of purpose
http://www.kochrecords.com/

今日仕事中に突然気が付いたんですけれども、 KAT-TUN の “HELL, NO” って反戦歌なんですね。今更ながらにびっくりだ。今まで KAT-TUN の歌詞ってほとんど気にしてこなかったけど、歌詞の面から掘り下げるのも面白いかもしれないなぁ。

一昨年のアルバム『COME CLARITY』(過去記事)が大傑作だった IN FLAMES の9枚目のアルバム。

なので当然のように期待してた作品なんだけど、ちょっとこれは微妙ですね。

『COME CLARITY』の良かったところって、やはり激しい部分とメロディアスな部分が高次元で融合していた点だと思うんだけど、今作はそれに比べると、普通にメロディアス。でもそのくせ肝心のメロディが魅力に乏しくて、かといって激しさも中途半端だし。

まぁそれでも燃える曲はいくつかあるんだけど、全体としてははやり不完全燃焼ですかね。期待しすぎたか。

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ian simmonds / the woodhouse ep (musik krause) 12″

the woodhouse ep
http://www.musikkrause.de/

元 Sandals の ian simmonds の、 musik krause からは3枚目となるシングル。

この人はジャジーなミニマルというよりは、むしろまんまクラブ・ジャズといった趣のトラックをリリースすることが多い人で、今作でも “roots” はゆったりとしたジャズ・トラック。

しかし残りの2曲はトライバルなミニマル・ハウスで、中でも “woodhouse suite” は、リズムこそパーカッシブながら、曲全体の雰囲気はジャジーなもので、安易に盛り上がることなく、あくまでクールさを押し通しているのが面白い。

Ian Simmonds - The Woodhouse EP
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